相棒Elevenを指名したのはかわいかったからですか?(水谷豊)あなたを幸せにするために東京全力少女(武井咲)
相棒の季節である。
今回も輿水泰弘・脚本・・・シーズン・オフで浮気しなかったしな。
新・相棒は亀山 薫、神戸 尊に続き、甲斐 享(成宮寛貴)で・・・「か」で始まり、「る」で終わるネーミング・パターンは踏襲されている。
スタッフ一同、「つまらぬことが気になる」タイプなのだな。
新・相棒の恋人は笛吹 悦子(真飛聖まとぶせい)は宝塚の男役出身である。・・・誰かが好きなんだな・・・その手のタイプ。もちろん・・・実力者なのだが。
さて・・・一方、「Wの悲劇」→「息もできない夏」→ココの三季連続ヒロインである武井咲。
瀧本美織よりはましだが・・・やはり、作品には恵まれない感じである。
なんていうか・・・素材がどんどん汚れていく感じがするのはキッドだけなのだろうか。
それでも・・・一応、チャレンジして失敗している作品が多いので・・・そこはまあ、評価すべきなのだろう。
とにかく・・・ここまで女優としての美しさを引き出していたのが「GOLD」だけなのが残念な感じなのだな。
テレビの基本は「蔑み」と「憧れ」である。
「蔑み」で得た人気は長続きしないのが鉄則だ。
そして・・・女優は本来、「憧れの対象」が王道ですからねえ。
お茶の間が「ああ、この人みたいになりたい」と思う役柄をたまにはやらせてあげてください。
で、『相棒Eleven・第1回(初回スペシャル)』(テレビ朝日20121010PM8~)脚本・輿水泰弘、演出・和泉聖治を見た。香港まで競馬をやりに来た杉下右京(水谷豊)である。英国的に紳士のたしなみですからな。で、馬券は的中しないのだが、事件には遭遇するのだった。この後の番組ではがさつな偶然の出会いが続発するのだが・・・ここでは偶然もまた必然といえる優雅さがございます。
成田発香港着の往路でキャビンアテンダンドの笛吹悦子にアクシデントで粗相をされた右京は香港で悦子に再会。この時、一緒にいたのが悦子の年下の恋人で警察庁次長の甲斐峯秋(石坂浩二)を父に持つお坊ちゃん刑事・甲斐享である。
二夜連続お坊ちゃん登場だ。これはあのお坊ちゃん首相の政治的惨事がクリエイターたちの深層心理に深く刻印された結果だと思える。是非もなく、危険な兆候に創作家たちは恐怖するわけである。
それはともかく・・・お坊ちゃんであることに反発しながらも・・・甘えん坊体質を露呈するカイトこと甲斐刑事は「隠蔽しろってか・・・」と独白し・・・右京にターゲットとしてマークされてしまうのだった。
カイトが隠蔽を強要されたのは・・・招待された香港領事館での出来事だった。
総領事(団時朗)夫人(賀来千香子)が総領事の銃コレクションを玩ぶうちに銃が暴発。
総領事の部下の妻を射殺してしまったのだ。
スキャンダルを恐れた総領事は部下に因果を含め、病死として処理する。
領事館は総領事の聖域だった。居合わせたカイトの先輩刑事もカイトに隠蔽を懇願するのだった。
正義感の強いカイトは一度は説得されるがやはり・・・納得できなくなってしまうのだった。
もちろん・・・右京の矢は放たれたので真実に向かって一直線である。
やがて・・・妻の復讐を胸に秘めた総領事の部下は領事館立てこもりを敢行する。
部下に慕われる組織犯罪対策部組織犯罪対策第5課の角田(山西惇)、右京の数少ない友人と言える警視庁刑事部鑑識課の米沢(六角精児)、トリオ・ザ・捜一を代表して刑事部捜査一課の伊丹(川原和久)もつつがなくバックアップ。
「やるなといってもやるんでしょうから・・・とことんやってください」
一皮むけた伊丹だった。
右京は巻き込まれたカイトとともに・・・領事館に乗り込み・・・。
総領事を狙った暴発トリックの失敗。
そして・・・夫を殺せと寝物語で命じた貞淑ではない総領事夫人とカイトの先輩刑事の情事の果ての悲劇をすべて暴いてしまうのだった。
カイトの父・甲斐峯秋(石坂浩二)は総領事夫人の若き日の火遊びの相手だったらしい。
事件の報告を受けて右京に興味を持ったカイトの父は右京を呼び出す。
「君は優秀すぎて不遇らしい・・・何か望みはあるかね・・・」
「息子さんをいただきたい」
「そ・・・それは・・・プロポーズか・・・」
「いえ・・・そろそろ一人に飽きたのですよ・・・なにかと不便ですからね」
カイトの父は・・・息子に対する複雑な気持ちを胸に・・・部下が退職する確率高しの男にカイトを預けてみようと決心するのだった。
こうして目上の人に対する口のきき方も知らない「カイトくん」に対し右京の調教の日々が始るのだった。
・・・そうきたか・・・という感じでございましたねえ。
関連するキッドのブログ→相棒Season10
で、『東京全力少女・第1回』(日本テレビ20121010PM10~)脚本・伴一彦、演出・久保田充を見た。脚本家はベテランだが・・・権利意識が高くて最近、あの記録に残る低視聴率ドラマを超低視聴率に導いた要因の一つになっていると思われる。少なくともNHKドラマ8版「七瀬ふたたび」(2008年)は最悪の仕上がりになっていてキッドの評価はすこぶる低い。今回もヒロインにパンツを脱がさせるというシーンをかなり無理矢理作っていて・・・基本的に悪趣味なのであるが・・・一部愛好家は熱狂なのかもしれない。
今回は・・・香川県在住の19才の佐伯麗(武井咲)が15年前に生き別れになっていた父・鈴木卓也(渡部篤郎)を幸福に導くために上京するという物語である。
住所も定かではない父に上京初日で巡り合ってしまうという・・・とんでもない偶然が発動しており・・・いきなり、全国で無数の卓袱台がひっくりかえったと妄想できます。
こうなると・・・外国人専用の賃貸住宅に麗の先輩がモンゴル人に変装して住み着いていることなど気にしてもいられないのです。
で・・・父親の愛人に・・・モデルの華子(比嘉愛未)、インストラクター奥野冬(市川由衣)、ホステスはるか(森カンナ)とバリバリの二線級をそろえ、卓也の元・妻で、麗の母(堀内敬子)、下宿先にハゲの玉川重輔(温水洋一)、息子でハゲそうな玉川大輔(三浦翔平)、卓也の部下・桜井(塚本高史)と男性陣も徹底的に二線級である。
ついには主題歌を歌う中島みゆきまで・・・。
ここだけ・・・夏ドラマみたい・・・というのが率直な感想である。
しかし・・・父親の空虚を見抜き・・・「幸せにしてあげよう」と決意するヒロインは・・・疲れた父親たちの福音になるのかもしれません。
ま、ならないと思うけどね。
関連するキッドのブログ→息もできない夏
さて・・・日曜日の秋ドラマが始るとここは「平清盛」のスペースになる予定です。
よほどのことがない限り・・・水曜日のドラマのレビューは終了ですのでご注意ください。
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