恋なんて贅沢が私に落ちてくるのだろうか?・・・タイトル長すぎて改竄できません!(佐々木希)
第6回日本ラブストーリー大賞受賞のドラマ化である。
佐々木希(24)が恋愛経験ゼロのヒロインの25~29歳の軌跡を淡々と描いていく。
・・・無理があるわけだが・・・しかし・・・ファンタジーとしてはかなり面白い仕上がりになっている。
この役が佐々木希にフィットするのは・・・江口のりこが「野田ともうします。」にフィットしているのと同じような感じである。
それは・・・地上波テレビドラマとは何か違う「場」がもたらすものだろう。
つまり、基本が「一部愛好家」熱狂の展開なのである。
田舎出身のこれといってとりえのない女の子が・・・それでも生きていく。
それを田舎出身だがそれなりにとりえのある女の子が演じる・・・かなり甘いのである。
甘過ぎて苦い・・・そういう味わいがあります。
テレビドラマでは脇役に徹してきた佐々木希が主役として・・・素材の見事さを顕示しています。
で、『恋なんて贅沢が私に落ちてくるのだろうか?・第1回~第6回』(フジテレビ20121004AM0135~)原作・中居真麻、脚本・小川真、演出・小林義則を見た。フジテレビワンツーネクストで2012年3月から全六話放送された番組のお下がりである。後半でヒロインの膣に黴が生えたというフレーズが連発されるので・・・なのかはどうかは知らないが深夜にまとめて放送されたわけである。「昔の少女マンガ」みたいな妄想が炸裂していて・・・そういう意味では面白くかなりゴージャスな感じがあります。
いや、最初から地上波のドラマならじっくりレビューしたい厚みもあるのだ。
しかし、すでに秋ドラマ開幕に突入しているので・・・ざっくりで失礼する。
故郷には純平(石田卓也)という・・・見た目は問題ない男がいて・・・ヒロインの宝池青子(佐々木希)は「好きで好きでたまらないほど好き」なわけだが・・・相手には青子がまったく眼中にないのである。
つまり・・・佐々木希に見えるが実際には・・・そうではないという女の子がヒロインなのだ。
男視線ではそこがもう気になって気になって仕方ないのだが・・・そこをクリアすればせつない女の子の心情がウキウキするほど楽しくなってくるのです。
で、都会に出てきて・・・恋にも仕事にも破れた時に優しくしてくれるいい人が現れる。
それが・・・天津敏也(えなりかずき)である。
敏也はすごく優しい男で・・・いろいろなことに疲れた青子の心を癒してくれるのである。
なにしろ・・・恋愛経験ゼロ(実地をともなう)なので・・・男の下心には全く気がつかない。
いや、敏也の下心には悪意がなく、善意の下心なのである。
で、焼き肉を奢ってもらいながら・・・敏也はさりげなくプロポーズするのだが・・・。
「僕の髪が肩までのびて・・・君と同じになったら・・・(結婚しようよ/よしだたくろう)」なのである。
西暦何年だよっ。
で、ドン退きしまくる青子だった。
ここで・・・佐々木希>青子なら・・・えなり身の程知らずなのであるが、青子>佐々木希なら妥協を知らない女だなあ・・・になり、心が揺れます。
ここからは敏也は暴走して・・・恥ずかしい感じで青子にキスを迫ったりします。
で・・・青子は・・・いろいろな意味で中途半端に対応。
しかし・・・どうしても敏也を結婚対象として見れない青子はついに・・・。
「無理です」
「君って・・・ひどい女だな」
まあ・・・一同爆笑です。
「ごめんなさい・・・」
「なんでだよ・・・こんなに好きなのに」
「私が好きなのは写真なんです」
大爆笑である。
・・・とにかく・・・友達になった貧乏で人の食べ残しを平気で食べる女・華奈(大塚千弘)の紹介で・・・写真家・谷(加藤雅也)のスタジオで下働きを始める青子。
好きな写真の仕事なので・・・熱中するわけですが・・・バランスを逸しやすい性格と激務のために身体はボロボロ・・・27才の誕生日には頭痛、腰痛、化膿、歯痛、ものもらいの上、生理不順という悲惨な感じになるわけですが・・・佐々木希なのでどこかチャーミングです。
ついに・・・結婚式の記念撮影中に倒れるという大失態をして・・・自ら「やめます」宣言。
実は・・・ひきとめてもらえる・・・と期待していたのですが・・・谷はあえてひきとめないタイプ・・・。
まあ、「絶対にやめない」姿勢がなによりも大切な時が人生にはあるものですが・・・つい「辞めちゃう」のも人生にはよくあることなのだな。
こうして・・・何もかも失った青子・・・まあそういう思い込みなのですが・・・を優しく受け止める故郷の父(梅沢富美男)、母(多岐川裕美)がいます。ゴージャスです。
「身体を大事にしろ」
父の言葉が身に沁みる青子。
ついでに好きだった純平は失恋傷心の憂さを晴らすために青子をドライブに誘い。なんとなく手による性的サービスを要求。
「そんなことできないよ・・・」
「なんだよ・・・こんなことくらいで泣くなよ・・・処女じゃあるまいし・・・え・・・お前・・・処女なの・・・うそ」
こうして・・・青子は初めて・・・自分に「人を見る目」がなかったことに気がつくのでした・・・。
まあ・・・みんな、そうだと言えばそうなんですがーーーっ。
心身の傷も癒えて都会に戻った青子は・・・今度はミミ(橋本麗香)という恋人がいる写真家・飯田(小泉孝太郎)に仄かな恋心を感じます。
「どうして・・・こんなことになっちゃうのかな」
そんなこと・・・言われても困りますけどね~。
とにかく・・・恋愛は全く進展しないけれど・・・これは立派なラブコメなのではないでしょうか。
で、華奈と二人、アイドルに恋する中学生のように片思いの恋を打ち明け合ってさめざめと泣き明かす夜明け前。
飯田から電話がかかってきて・・・青子は自転車に乗って「彼」の元へ・・・。
まあ、はっきり言って交通事故で死ぬんだなって・・・思いました。
死にませんでしたけど~。
まあ・・・そうやって・・・最近の若いものは無駄に年取っていくんだな・・・としみじみ感じた真夜中なのでございます。
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