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2012年10月24日 (水)

遅咲きのひまわり〜ボクの人生、リニューアル〜かよっ(真木よう子)VSすぐそこにあった死はあるのかないのか(宮﨑あおい)

チェックメイトである。

火曜日がふたつとも面白いっていつ以来だよっ。

それがなぜ、今季なんだよっ。

大河の都落ちまでしたのに・・・。

っていうか・・・タイトル、超時空リンクさせんなよっ。

もう、どうしていいのか、わからないのです。

・・・やれよ・・・昔を思い出して・・・元気出して。

で・・・今季のレビューのスケジュールは以下のようになりました。

(日)「モンスターズ」

(月)「プライスレス」

(火)「ひまわり」VS「ホーム」

(水)「平清盛」

(木)「高校入試」

(金)「大奥~誕生~」

(土)「悪夢ちゃん」

・・・ふう。

で、『遅咲きのひまわり〜ボクの人生、リニューアル〜・第1回』(フジテレビ20121023PM9~)脚本・橋部敦子、演出・石川淳一を見た。ドラマにフットワークというものがあるとしたら、実に良い感じだ。今季のドラマの中では抜群の軽さであろう。つまり、見やすいのである。生田斗馬も真木よう子も本来の魅力を十二分に引き出され、徹頭徹尾違和感がない・・・これはイントロダクション後のタイトルバックで「あなたに/MONGOL800」を主な出演者が歌うという「時をかける少女」方式導入の勝利だろう。そして・・・淡々と綴られる「俺と彼女の人生」・・・ああ、魔法にかけられてしまいましたよ~。

宇都宮出身の小平丈太郎(生田斗真)はしがない28歳の派遣社員。正社員登用をニンジンのようにぶら下げられ馬車馬のように雑用をこなす日々。しかし、あっさりと派遣切りである。大学時代から交際を続けた恋人(大塚千弘)は丈太郎に見切りをつけ、あっさりと去っていく。なんとなく里帰りした丈太郎だったが、実家は役所勤めの実弟・啓太郎(生田竜聖)が幅を利かせている・・・。

身の置き所がないのである。

茫然としてネットの世界を漂う丈太郎の目に唯一の趣味であるカヌー関連の情報が飛び込んでくる。

高知県・四万十市の「地域おこし協力隊」の隊員募集・・・。

一方、四万十市出身で大学病院で研究医として働く二階堂かほり(真木よう子)はその研究手腕が全く評価されず、人員整理のために「医師不足に悩む出身地」の病院で臨床医となるように強要される。つまり、お払い箱である。

こうして・・・邪悪な運命に弄ばれた男と女は同じコースで四万十市に到着するのだった。

人にやさしくされた時

自分の小ささを知りました

あなた疑う心恥じて

信じましょう心から

流れゆく日々その中で

変わりゆく物多すぎて

揺るがないものただ一つ

あなたへの思いは変わらない

あなたに逢いたくて逢いたくて

あなたに逢いたくて逢いたくて

そう言う気持ちからは程遠い二人。

旅の間・・・かほりが気になっていた丈太郎は思わず声をかける。

しかし、かほりは「ナンパならお門違い」とにべもない。

そこへ・・・世話役の藤井(桐谷健太)が現れて・・・旧知の間柄であったかほりとの縁を辛うじて繋ぐのだった。

とにかく・・・公用車や宿舎を与えられ・・・役所の雑用係となった丈太郎。

主な任務は山沿いに点在する老人たちの世話である。

物事をあまり深く考えない丈太郎は新しい居場所にとりあえず満足するのだった。

世話好きの近所の老婆(倍賞美津子)にも優しくされて有頂天になるほどだった。

一方、銀行員の夫を持つ姉のさより(国仲涼子)に迎えられたかほりは実家に戻る。

四万十中央市民病院の内科医になるが・・・研究医の道を断たれた鬱屈感は消えない。

そして・・・地元へUターンしたことにもなんらかの屈辱感があるらしい。

そんなかほりに看護師の森下彩(香椎由宇)は「あなたの人生をすべてご覧になれます」とは言わないで「内科医とか外科医とかの専門性は問われないのです。医師がどんな患者にも対応しなければ地方の医療は成り立ちません」は厳しく指導。

かほりも「じゃ、内科医が出産も請け負うのかよっ」と喧嘩腰である。そこはかとなく漂う「シャコタン・ブギ」の香りである。

老人たちを通院させた丈太郎はかほりと再会するがここでも「看護婦をナンパしにきたのかよ」と・・・もはやツンデレのフリ以外の何物でもない展開。

病院には高校時代にかほりと交際していた松本弘樹(柄本佑)がリハリビテーションのインストラクターとして勤務していた。

なんとなく頬を染めるかほりだったが・・・弘樹は看護師の彩と同棲中だった。

丈太郎の市役所の直接の上司の日下哲也(松重豊)は独身だった。

順調に田舎暮らしを始めた丈太郎だったが・・・飲み屋で三度再会した真木よう子とささいなことで口論になる。

「あんた・・・東京にいたのになんで田舎なんかにきたのよ・・・自分探しとかあ?」

「あんただって・・・東京で医師をやってればよかったじゃないか」

なんとなく重い気分になった丈太郎はたちまち、老人たちの我がままさが鼻についてきた。なにしろ・・・底の浅い男なのである。

せっかく好意を寄せてくれる近所の老婆の夕食の誘いも拒絶である。

その夜・・・持病の心臓疾患で老婆は倒れる。

苦しむ老婆を発見した丈太郎は119番通報するが「救急車はありません」と応答される。

仕方なく自ら老婆を搬送する丈太郎。病院で待っていたのはかほりだった。

豚の皮膚で縫合経験があるだけの臨床医としての経験の浅いかほりはなすすべもなく、老婆は死に至る。

すぐ、そこにあった濃密な「死」に立ちすくむ二人だった。

「すみません、雑用だと思って軽くかんがえていました~」

「ごめんなさい・・・未熟でごめんなさい」

落ち込む二人はカヌーで四万十川を川下りして名物の鯉のぼりを見物する。

何やら・・・例によって腹に一物あるらしい不動産屋の娘・今井春菜(木村文乃)が登場である。

「もしも・・・すぐに東京に帰るなんてなったら困るな~」

何が困るのかは今のところ、秘密である。

しかし、鯉のぼりをみて「すげえ」とはしゃぐ二人。とにかく・・・日本の片隅の恋の物語スタートです。

本当の主題歌は「常套句/Mr.Children」らしい。

君が思うよりも

僕は不安で寂しくて

今日も明日もただ精一杯

この想いにしがみつく

君に会いたい 

君に会いたい 

こんなシンプルなラブ・ストーリーでいいのである。

このようにドラマとして美しく成立していれば。

まあ、最後のセリフは「すごい」じゃなくて「なんじゃ、こりゃ」だとは思うけどね。

関連するキッドのブログ→ヴォイス

チー子とカモメ

で、『ゴーイング マイ ホーム・第2回』』(フジテレビ20121023PM1015~)脚本・演出・是枝裕和を見た。屈辱のブラジル戦のために一週、間があきました。今季のフジテレビは「プライスレス」と「ひまわり」は手堅く行って、「結婚しない」と「エアポート」でやや冒険、「高校入試」とコレは異種格闘技戦の趣き。編成がんばってる観がございます。もう、いつものドラマとは違う時間が流れるのだった。

実際には違うかもしれないが・・・このドラマで一番、壊れかかっているのは妻・沙江(山口智子)だとキッドは考えている。

それを示しているのが・・・一人娘の萌江(蒔田彩珠)である。

フードスタイリストという怪しい肩書きの沙江は時流に乗っているのである。

しかし・・・母親の沙江が娘のために作ったお弁当を娘は食べない。

教室でおかずを単品販売しているのである。

そのことをミーハーな担任教師が咎め、萌江は小学校四年生なのに一週間の自宅謹慎となった。

娘が天才と言えば片付く話だが・・・とにかく娘は母親に対して危機感を抱いているわけである。

「まずかったら食べなくてもいいけど・・・売らなくてもいいでしょう。どうしてそんなことするの・・・」

「なんとなく・・・流れで・・・」

「これでも・・・お母さんはプロなんだけどな」

「おいしいよ・・・売れるくらいにね」

母親であることを売りにしている母親を娘は疑惑の眼差しで見ているのだ。

親子関係は売り物にするものなの・・・という批判である。

何やら家庭に問題がある育ち方をしており、十歳の時には自分で料理して食事をしていたという沙江にはこの娘からの皮肉は通じない。

自分の娘を水着にして稼いでいる親とは違うと自負しているのである。

しかし・・・そういうリアルさでは温もりが失われると萌江は直感しているのだ。

現に母親はその点に言及されることを察知して、「女同士だとイロイロあれなのよ・・・」という意味不明の理由で問題を父親の坪井良多(阿部寛)に丸投げするのである。

沙江は自分は母親として娘と良好な関係を築いていると誤解している。

しかし、萌江にとって「調整役として苦労している父親」の方が好感がもてる存在で、親密感を抱いており、母親についてはいつか糸が切れた凧のようにどこかに飛びさるだろうと予感し、ある意味では諦念しているのである。

あるいは沙江は娘の心情に気がついているかもしれないが・・・明日のことはどうなるかわからないという信条で押し切りたいと考えているのかもしれない。

ロケーション現場で潔癖症の美少女子役が「母親以外の人が握ったおにぎりを食べられない」と拒否したシーンで・・・手袋でおにぎりを握りなおしながら・・・虚勢を張る沙江。

誰が作るよりもおいしいはずのおにぎりを実の娘が食べずに売ってしまったことの本質から目をそらす。

「そんな・・・ベタベタした母子関係は歪だ。嫌なら食べなきゃいいんだ・・・」

そう、娘を憎悪した瞬間。沙江は「母親失格」をしたのだった。

一方、職場での若手の台頭により、一週間の休養を求められた良多は療養中の父親への見舞いを兼ねて娘と二人、長野県の山村にある「クーナ事務局」へと旅立つ。

言わば・・・母親が不在となった時のための予行演習なのだった。

娘を娘として受け入れられない母親である以上、離婚後は父と娘で暮らすしかないと萌江は思い定めているのだった。

一方、父・栄輔(夏八木勲)の幼馴染の歯科医師・鳥居治(西田敏行)の娘である菜穂(宮﨑あおい)の隠し子疑惑は晴れたが、愛人疑惑がぬぐいきれたとは思わない良多である。

なぜなら、菜穂は良多の好みのタイプで・・・父親とは女の好みが似ていると自他ともに認定されているからだ。

「女と金にしか興味がない父親だった」と父を否定的に語る良多に菜穂は「冷たい息子だ」と嘆いていたと批判的である。

にも関わらず二人は「クーナ探索」という共通目的で親密度を深めていく。

「クーナについて子供たちに語る」菜穂のシーンはドキュメンタリータッチである。

クーナはいるかもしれないし・・・いないかもしれません。

でも・・・クーナは三角帽子をかぶっていて、裏返すとキノコに化けることができるって言われているの。

▲で帽子、▼でキノコなの・・・。

そんな菜穂に心を洗われる萌江。菜穂に理想の母親を見出してしまうのだ。そして下心で一杯の良多。

なんとなく、流れで菜穂と息子の大地(大西利空)、良多と萌江の二組の欠損家族は森へクーナ探索をすることになる。

なぜか・・・二人は実の夫婦のようで・・・最初から四人家族だったかの如く散歩する二組の親子。

もはや・・・映画のスタッフとして出張した沙江の帰る場所は消えかかっているようだ。

だが・・・そうしたキッドの妄想を吹き飛ばす展開が待っていたのだ。

森の中で良多たちはクーナの帽子を発見してしまうのである。

「も、森の木陰でドンジャラホイ・・・」

思わず我を忘れるキッドだった。土着の小人連盟に許可とってんのかよっ・・・なのである。

関連するキッドのブログ→第一話のレビュー

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コメント

キッドさん、こんにちは

久しぶりに、ウザ熱くない斗真くんが見られて、とっても嬉しかったです。

真木さんも、香椎さんも、他の皆さんも、
全然、違和感の無いキャスティングで、
自然と物語に入っていけました。

モンゴル800もミスチルも、反則じゃ・・・と思わせるほどの存在感があって、
もうすでに、聴いているだけで涙が出そう・・・

「ゴーイング マイホーム」もそうですが、
やはりオーソドックスなつくりのドラマは、安心して見ていられますね。

ただ一つだけ心配なのは、これから冬に向かうのに、
カヌーが寒そうじゃないのかな、ってことだけです
夏ドラマで見たかったかも。

急に寒くなってきましたね。
キッドさんも、レビューなど大変だとは思いますが、
お体ご自愛くださいませ

来週も楽しみです


投稿: mi-nuts | 2012年10月24日 (水) 11時17分

✭クイーン・オブ・ザ・ランチ✭mi-nuts様、いらっしゃいませ✭親切百回接吻一回✭

爽やかな秋にふさわしい
スローライフなドラマ二本立て・・・。
いい感じの斗真くんも清々しい。
「アキハバラAD」
「イケパラ」「うぬぼれ」に続く好感触でしたな。
こういう感じでいいのに
時々違う方向に・・・まあ、チャレンジなのかもしれませんが。

人から人へのリレーも
そこはかとなくスムーズで
脇役もすべて存在感があって
「心」が感じられる。

まあ、二つの主題歌は反則でございます。

あの老人たちが毎回一人ずつ死んでいき
大みそかには誰もいなくなるドラマだったら
ある意味、リアル・ホラーですけどね~。

「ホーム」は「クーナ」みたいな人が
予告編に登場。
一挙にファンタジー化か
それとも「彼」の夢なのか・・・ですよね。

カヌーはスポーツですから
秋でも冬でもOKでございます。

いきなり、かほりのオール使いが見事なのは
四万十市ではカヌーが体育の必修科目なのか・・・
と思わせる展開でしたな。
マジだったりして・・・。

昨日20℃
今日10℃
お腹冷え冷えにご注意くだされますように・・・・

投稿: キッド | 2012年10月24日 (水) 14時30分

2作くっつけましたわね……(*´艸`*)

>火曜日がふたつとも面白いっていつ以来だよっ。

いつ以来だろう…あったかな、こんな事^^;
どっちも名作だっと始まったばかりなのにそう思いますわ。

その代わり大変…。
ガッツリ書きたいものが同じ日に重なるのは地獄です。
谷間の水曜に金曜のヨシヒコを持ってくる予定だった自分( ̄∇ ̄;)
大河どころじゃない遅れよう。

そして、22時台のナポリタン映像もまた空腹地獄なのでした…。

じいやさまも目を回さないようにお気を付けあそばせ~!

投稿: くう | 2012年10月24日 (水) 14時47分

❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀

キッドのレビュー的には
2009年春ドラマ(4~6月期)の
火9「アタシんちの男子」
火10「白い春」以来ということになりますな。

これも火9はホマキ頼みの企画なので名作とは言い難いですが。

今回は両方とも
脱都会風で
かたや、しみじみとリアル群像劇、
かたや、ほのぼのとダーク・ファンタジー
とそれなりに趣向があり
なんともいい二本立てでございます。

谷間など夢のまた夢・・・
山また山でございます。
もう・・・遭難したも同然の秋ですね。

は、ただ今、特製ケチャップに
イベリコ豚のハムでお作りした
スパゲッティー・ナポリタン湾岸風を
お持ちいたします。

手作りタバスコ・ソースをかけて
お召し上がりくだされますように。

粉チーズは産地直送のものを
百種類用意しましたのでお好みでどうぞ。

投稿: キッド | 2012年10月24日 (水) 16時19分

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