ハピネス魔法瓶設立資金1000万円試作一号器単価6万円、瀬戸際の雨の冷たさPRICELESS(木村拓哉)
昭和の時代、100万円あれば会社が作れるは一種の合言葉だった。
商法は平成2年(1990年)に改正され、株式会社1000万円、有限会社300万円の最低資本金制度が導入される。
1000万円ないと株式会社の社長にはなれなくなったのである。
つまり、一種の規制である。その理由は債権者保護にあるとされた。
紆余曲折あって2003年(平成15年)には新事業創出促進法によって資本金1円で会社設立が可能になり、2006年には最低資本金制度は廃止された。いわゆる規制緩和である。
会社を作るのに100万円必要の時代があり、1000万円必要の時代があり、1円の時代がある。
法律が永遠のものでないことはこの一事でも明らかなのである。
しかし・・・時には金がなくて・・・起業できなかった人もいるし、金がなくても起業できた人がいることは考慮するべきだろう。
今は超起業しやすい時代とも言えるのです。
で、『PRICELE$S?あるわけねぇだろ、んなもん!?・第6回』(フジテレビ20121126PM9~)脚本・古家和尚、演出・平野眞を見た。夏ドラマでは演出の水田が・・・「ビューティフルレイン」水田成英(フジテレビ)、「トッカン -特別国税徴収官-」水田伸生(日本テレビ)で激突していたわけだが、秋ドラマでは演出の平野が「MONSTERS」平野俊一(TBSテレビ)と「PRICELESS」平野眞(フジテレビ)で対決である。平野俊一にも「ブラックジャックによろしく」「クロサギ」など名作があるわけだが・・・今回はかなり苦労しています。それに対して、江角マキコの夫でもある平野眞は春先に「ラッキーセブン」でひどかった分、今回はまずまずなのである。脚本が戻ってセリフはやや硬くなったが、ゲーム性と言う点では手堅く順調な展開。やはり・・・ドラマは脚本がかなりのウエイトを占めるのですねえ。
バー「キングスコート」の名物メニューの下請け移動販売で一息ついた仲良しトリオ。
しかし、穏やかな朝のひとときを金田一(木村拓哉)の恋人・広瀬瑤子(蓮佛美沙子)の父親で、広瀬ファンドの社長の広瀬遼一(草刈正雄)が急襲。主に金田一がパニックに襲われる。
「うわーっ、彼女のお父さんだ~」と金田一。
「何、お前、広瀬社長の娘と交際してんの」とモアイ(中井貴一)。
「やべえ、最近なんだかんだ彼女と疎遠で・・・」と金田一。
「それって・・・私のせい?」と遠慮がちに二階堂(香里奈)。
「んなわけねえだろ」と金田一。
二階堂的には微妙なのだが・・・なにしろ月9なのである・・・ここでは二階堂はあくまで仕事上のパートナーとしてふるまうことが正解なのである。
「どうしよう・・・」
「そりゃ・・・謝罪するしかないだろう」
「そうそう・・・」
で・・・「ちょっといろいろあって、彼女をほったらかしにしてすみませんでしたーーーっ」なのだが、広瀬社長はポーカーフェイスで「おやおや・・・君はうちの娘と交際してたの?」なのである。
「今日はビジネスの話で来たんだけど・・・」
「はらほらひれはれ~」である。
大手の食品会社が・・・ホットドッグの営業権を譲ってほしいと打診してきたというのだ。
瑤子の件はうやむやになってしまう。
金田一は基本的にだらしない男だが、女についてはさらにだらしない。
瑤子のこともほぼないがしろなのである。自分の意に沿わないと不機嫌だし、かといってはっきり決別するわけでもなく・・・ようするにいい加減なのである。しかも、悪意がないのだから・・・困ったもんだよね~。
それはともかく・・・キングスコートのマスターの藤沢(升毅)は降ってわいた幸運に吃驚仰天なのだった。
「一千万円て、あの一千万円かよっ」なのである。
結局、仲良しトリオに一千万円、マスターに一千万円プラス売上から五パーセントのマージンとある意味、破格の条件が提示され、即効で飛び付くトリオプラスワンだった。
こうして・・・北別府のサインボール→山中幸盛フィギュア→古い屋台→現金一千万円と「わらしべ長者」展開はホップ・ステップ・ジャンプ・宇宙飛行へと飛躍したのだった。
「とにかく・・・金田一二階堂が400万円、モアイさんが200万円でいいわね」と提案する二階堂。
「なんで・・・俺だけ半分」とモアイ。
「いや・・・ここは俺の総取りで・・・」と金田一。
「ええーっ」
「このお金で・・・魔法瓶を作ろうと思うんだ」
「ええええええええーーーーーーーっ」である。
しかし・・・金田一は走り出したら止まらない男なのだった。
さっそく・・・「ミラクル魔法瓶」へ出かけて行き・・・そうとは知らない異母兄と直談判である。
「なんで・・・先代社長は魔法瓶だったんでしょうね」
「売れると思ったからだ・・・」
「どうせやめちゃうなら・・・一ヶ月だけ、工場をレンタルしてくれませんか」
「一ヶ月500万円で・・・」
「わかりました」
即決である。やはり・・・似たもの兄弟なのだな。
金田一はミラクル製作所の辻所長(志賀廣太郎)の説得にかかる。二階堂とモアイもあたふたと合流。
「ここは一ヶ月、500万円でミラクル魔法瓶から借り受けました」
「ええーっ」
「残り、500万円でもう一度魔法瓶を作れませんか」
「ええーっ」
「最後の思い出作りにやってもいいけど・・・」
「いいえ・・・売れる魔法瓶を作ります・・・究極の魔法瓶を・・・」
「そんなに簡単にできるか・・・」そこでモアイが乗り出す。
「最初からできないことなんて・・・この世にはないはずです・・・受け売りですけど」
結局、二日間で一度しか温度の下がらない究極の魔法瓶作りが開始されたのである。
その頃・・・「ミラクル魔法瓶」は「Miracle Electronics」に社名変更し、家電製品に力を入れて行くことをカトパン(加藤綾子アナ)などを呼んで大々的に発表していたのだった。
それを取材していた新製品紹介のカリスマ記者「ネクストONE」の能見実(香川照之)は「どれもこれも魂がない」と吐き捨てるのだった。
家電商品に魂があったら驚愕である。
しかし、業界は統一郎(藤木直人)の経営手腕は高く評価され、株価は急上昇する。
広瀬社長は知ってか知らずか・・・統一郎と金田一の二人の異母兄弟に同時に投資する。
金田一には・・・先代社長の「魔法瓶にかけた情熱」を話す。
「社長は・・・戦後まもなくの混乱期に・・・魔法瓶に魅了されたんだ」
統一郎には・・・先代社長と統一郎の経営方針の落差を揶揄する。
「私はかって・・・先代社長の部下だった・・・そして、どちらかといえば、先代社長のやることを危惧していたものだ。若い頃の私は君に似ているよ。しかし・・・もしも先代社長が君の今のやり方をみたら・・・どう思うだろうね」
「それは・・・私のやり方に対する批判ですか」
「いや・・・そう聞こえたならすまない」
ここまでくれば・・・広瀬社長は重大な秘密を知っていると思わざるをえない。
そして・・・異母兄弟の対決を興味深く見守っていると言えるだろう。
その意図は今の処、不明である。
「しかし、金を墓場に持って行くことはできない」のだから、おそらく面白がっているのだろう。
一方、金田一を慕う瑤子は・・・金田一の態度に不安を感じる。
お嬢様でありながら堅実な育ちも見せる瑤子にとって・・・「ホームレスになってもサラリーマンでも社長でも・・・自分は変わらない」と主張する金田一は理解不能の存在なのである。
まあ・・・金田一もある程度、やせ我慢をしているわけですが。
二階堂の活躍で会社組織となった「ハピネス魔法瓶」は金田一社長、二階堂経理担当重役、モアイ平社員体制である。
経営方針は「二週間で新製品開発、二週間で新製品完売」である。
「おい・・・開発はそんなに短期間で・・・」
「そこは超気合いで・・・」
「しかし・・・二週間で販路確保してしかも完売なんて・・・」
「そこは超努力で・・・」
「超自転車操業だな・・・」と唖然とする社員一同だった。
しかし・・・超魔法瓶は超モアイと超所長の新素材・新真空法の超合体で・・・完成してしまったのだった。
「超できちゃいましたね」
「だけど・・・これだと単価6万円になっちゃいます」
「超高額だね」
6万円の究極の魔法瓶200個・・・完売して売上1200万円である。
超利益200万円で大丈夫なのか・・・。
「とにかく・・・超営業しましょう・・・」
しかし・・・どの量販店も・・・さすがに6万円の魔法瓶の商品価値は超問題外なのだった。
しかし、さすがは「釣りバカ日誌」的主人公である。
第一話に登場したエディ電機総務部長で釣りが趣味の沢渡(おかやまはじめ)が「超了解」で商品を展示販売することを承諾するのだった。
なにしろ・・・金田一と沢渡は超仲良しなのである。
だが、けして手を抜かない財前専務(イッセー尾形)は榎本小太郎(藤ヶ谷太輔)に妨害工作を命じる。
榎本も仕方なくエディ電機に圧力をかけるのだった。
究極の魔法瓶の撤去である。
それを知った金田一は榎本の説得に赴く。
「もう一度超考え直してくれ」
「金田一さんみたいに・・・好きなことをやりきれるのは・・・誰もができることではないんですよ」
「超マジ?」
「超マジです」
やりきれない思いを抱く二人だった。
切羽詰り、捨てられた古の魔法瓶を廃棄物から拾い出す金田一に嘆きの雨が降り注ぐ。
幸福荘では超疲労困憊したモアイと二階堂が超爆睡中だった。
金田一はまたしても・・・崖っぷちにたったのだった。
そこにたらされる一本のロープは・・・きっとあの男が超握っているらしい・・・。
Jumpin' Jack Flash/The Rolling Stones
私はお涙ちょうだいの施設で育てられ
残酷な仕打ちにも慣れたもの
強ければそれでいいんだ
力さえあればいいんだ
ひねくれて星をにらんだけど
涙がこぼれないように上を向いて歩こう
涙がこぼれないように上を向いて歩こう
涙がこぼれないように上を向いて歩こう
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ごっこガーデン。超仲良し営業セット。アンナ「勘違いトークに笑いがノンストップですぴょん。ダーリンのマージャンのおやじギャグをしかとする二階堂さんもナイスぴょん。もしも職場にダーリン社長がいたら無遅刻無欠勤間違いなしなのぴょ~ん。営業回りもデート気分ぴょ~ん。でも今回は遅刻ぴょんぴょん。だって超遊びすぎだからぴょ~ん。でもリピぴょん」まこ「おおっとしゃすがはアンナ様のダーリン、超お約束の突然15分拡大版でしゅ~。先代はビジネスの厳しさを知っていたからと言い切るフジッキー・・・はたして損得だけで動く人間ではなかったのか・・・先代の二面性がそのまま因縁の兄弟対決になったのでしゅか~。六万円魔法瓶・・・バザーにでたら買いたたくじょ~」くう「好きとか楽しいとか希望とかで・・・生きていけるほど世の中甘くない・・・でもそれは・・・そうしないものの言いわけなのかもしれない・・・だけど良い子のみんなは真似しちゃダメだよね~・・・純粋と傲慢は紙一重だから~」みのむし「グランプリファイナル日本人だらけるるる」ちーず「とにかく悪夢ちゃんです」ikasama4「後継者の養成は難しいものですな」mari「シナリオに沿ったレビュー取材中です」
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