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2012年11月30日 (金)

入試をぶっつぶせ~1000を越えても書き込めますふにゃふにゃ(長澤まさみ)

スレとレスの間で彷徨ったことがあったな。

スレッド(板)とレスポンス(反応)の関係から言うと、広義にはスレに対する書き込み全体がレスだと言える。

しかし、狭義には特定の書き込みに対する書き込みがレスだとも言える。

この場合はナンバー11の書き込みに対するレスで>>11(11へ)という書き込みで始めるのがマナーである。

ただし、スレッドのタイトルや、ナンバー1の書き込み・・・たとえばスレッドのタイトル「人類はみんなバカ」、1:名無しの宇宙人さん「国連の発表によると人類は銀河系の知的生命体の中でもっとも偏差値が低いことが判明した」・・・に反応して全員がレスしてきているという前提は否めない。

つまり、やはり、レスの集合体がスレだと言えるのである。

しかし、特定の書き込みに対して>>レスが集中する状態などが発生するとやはり、>>レスこそが真のレスのような気がする。

だが、「横レス」とか「マジレス」とかは>>レスでなくても成立するのである。

ネット用語審議会がない以上、本当に正しい用法なんて存在しないわけである。

そういう世界で激論が展開したとしても・・・基本的には何の法的根拠にもならない。

しかし、「俺に対するレスが少なすぎる」という怒りで「殺人鬼」が生みだされる世の中だからな・・・くわばらくわばらだ。

基本的にネット上のコミニュケーション・ツールというものは儚いものである。

しかし、それは確かに存在するものだ。

つまり、生き物なのである。掲示板にも寿命があり、ブログにも寿命がある。

しかし、「断片」だとか「悪意」だとか「情報」だとかはしぶとく、根強く遺伝していくものだったりして。

とにかく・・・このドラマの掲示板は1000レスを越えて行くのだった。

なんだか・・・なつかしいよね。

しかし、この記事内の妄想掲示板は100レスしか書き込めません。

毎回、一枚ずつ消化して、今回で八枚目という設定になっています。

一応、念のため。

・・・誰に説明しているんだよっ。

で、『・第8回』(フジテレビ20121124PM2310~)脚本・湊かなえ、演出・星護・北川学を見た。恐ろしいことに予想に反して今回は主人公の第4の回想がなかったのである。その代わりにあったのは・・・問題教師坂本(高橋ひとみ)との激しい論戦である。そして、その直後に春山杏子(長澤まさみ)はトイレで自分に喝を入れるのだ。

逃げちゃだめだ・・・逃げちゃだめだ・・・逃げちゃだめだ。

これがミスリードでなければ・・・主人公の復讐のターゲットは坂本に決定されたと言っても過言ではない。

この学校には屋上があるのかどうか不明だが・・・最後は杏子が坂本を屋上から墜落させて終了ということになるだろう・・・全く根拠がないだろうっ。

いや・・・少しあります。

まず・・・「入試をぶっつぶす」の宣告の第一打は・・・坂本のロッカーから発せられた。

おそらく・・・掃除用具の中の杏子の携帯電話は「本当は鳴る電話」だっただろう。

その伏線として盗まれたのは坂本の携帯電話である。

今回、坂本は採点の責任者であること。

そして、「今回の事件」は「英語の白紙の答案用紙」を軸に展開しているのである。

ちなみに、ここまで教師の中でも重点的に描かれる坂本の性格は「自分本位で他人に犠牲を強いそれを恥じない」というものである。

これは回想シーンに登場し、おそらく自殺しているだろうと思われる杏子の恋人の「責任感が強すぎて自分を追い込んでいく」キャラクターと真っ向対立しているわけである。

さらに・・・まだ完全に明らかになっていない「五年前の事件」で試験発表に登場するのが坂本だということだ。

荻野(斉木しげる)も登場するが、上条教頭(清水一彰)の年齢が(50)に対し、入試部長の荻野は(55)で、教科が英語から情報処理になっているのも・・・事件によってペナルティーを負わされたと考えるのが自然だろう。

つまり、荻野は遺恨があり、だからこその杏子の共犯者である可能性が高い。

もう一人の共犯者は受験生の田辺淳一(横山幸汰→柾木玲弥)なのであろう。五年前の事件の当事者である兄の光一(中村倫也・・・なんちゃって高校生すぎる・・・)は二十歳になっているはずだが登場せず・・・おそらく自殺しているのだろう。

つまり、淳一には恋人を自殺に追い込まれた杏子と同様の強い動機があるのだ。

以上が杏子の復讐劇の本筋である。

これによって芝田麻美(美山加恋)の携帯電話騒動はアクシデントであると思われる。

また・・・今のところ、石川衣里奈(山崎紘菜)も坂本に対する怨みを持っていることから共犯者の可能性もあるが・・・掲示板の書き込みも含めて、愉快犯である村井(篠田光亮)がコントロールしている疑いもある。

もちろん・・・みどりと麻美はピアノを通じて接点がある可能性があり、一高OB全体がターゲットという可能性もあるため・・・みどりや村井、そして麻美も共犯者である可能性は残っている。

まあ・・・あくまで妄想の上ではね・・・このドラマが全13話であるとすると・・・残り5回。12月29日には妄想をはるかに上回る大どんでん返しが待っていることも予想され・・・血沸き肉踊るのだな。

【高校入試をぶっつぶす★8】

1:名無しの権兵衛

夜の花戦車の続編はないのかな?

2:名無しの権兵衛

>>1

ねーよ。

3:名無しの権兵衛

「イロドリヒムラ」の7話って何のパロディーなの?

4:名無しの権兵衛

呪怨・・・

6:名無しの権兵衛

『駅 STATION』(1981年)だろ

7:名無しの権兵衛

( ̄▽ ̄)風待食堂

8:名無しの権兵衛

♪肴はあぶったイカでいい~

9:名無しの権兵衛

倍賞千恵子が北海道から青森県まで届く声を出すやつな

10:名無しの権兵衛

>>3-9

ここは・・・入試をぶっつぶす!スレだろっ・・・。

11:名無しの権兵衛

>>10

スマソ

職員室では坂本が鬼の形相で二枚目の55番を採点していた。

「満点ですね」と杏子。

「完璧な解答だ」と小西(徳山秀典)。

「これは結果は同窓会会長に知られない方がいいよな」と宮下(小松利昌)。

「当たり前ですよ・・・こっちが息子のだと言い張るにきまってるのさ~」と相田(中尾明慶)。

「筆跡を確認しないと何とも言えないですけど・・・もしこっちが55番じゃなかったとしたら沢村さんに内緒で処理しても開示請求されたら気付かれるのではないでしょうか・・・頑張って全部の問題解いているとおっしゃってましたし・・・」

「確か・・・1枚目の55番は・・・空欄があったよな」

「Shakespeareも書けていません」

「つまり・・・拾った方は55番ではないと・・・」

「別にいいんじゃない・・・」と坂本。「開示は自分の答案用紙しか見られないんだから・・・拾った方が満点だって気付かれることはないでしょ。聞かれたら全部埋まってたけど・・・点数は低かったって答えればいいじゃない」

「自分の点数を確認することしかできないから・・・採点ミスがあってもそれが合否に関係しているかまではわからないんですね・・・それじゃ、開示なんて意味ないじゃないですか」

「つまり、合格最低点は隠されてるからな」

「だから・・・自分より自己採点の低い人が合格していてもごまかされちゃうわけですよね」

高校入試の世界では次のようなシステムがある。

第一の開示請求。「自分の教科別得点を知ることができる」

この時点で自己採点と比べて点数が低い場合がある。

第二の開示請求。「自分の答案用紙を見ることができる」

この時点で採点ミスがわかる。

その結果、点数は加点されるが・・・合格最低点が開示されないので・・・合否判定には影響なかったと言われればそれまで・・・ということだ。

「なんだか・・・変じゃないですか」と杏子。

「春山先生、あなたどっちの味方なの・・・こっち・・・それとも受験生?」と坂本。

「どっちの味方でもありません・・・ただ正しくありたいと思っています」

「じゃあ、開示請求される前に今から、会長に報告してきなさいよ・・・あなたが拾った息子さんのテストは満点だったって!」と坂本。言ってることが支離滅裂である。

「そんなことできるわけないじゃないですか」

杏子は激昂して会場から飛び出すのだった。

応接室ではみどり(南沢奈央)が同窓会会長・沢村(入江雅人)とともに掲示板を覗いている。

「県議の娘がケータイ鳴らしても合格なら同窓会会長の息子がカンニングしても合格かな・・・ですってよ~」

「げろげ~ろ」

校舎裏では村井と松島(羽場裕一)が喫煙中である。

「答案用紙を同窓会会長が見つけてしまったんです」

「ええっ」

入試本部では上条教頭が増加する書き込みに頭を抱えていた。

「どうしたものか」と的場校長(山本圭)。

「沢村さんにはみどり先生に応対してもらっています。オヤジキラーなので時間稼ぎをしてくれるでしょう」と応じる冷静沈着な荻野。

「さすがだな」

「沢村さんが答案用紙を見つけるとは思ってもいませんでした・・・厄介なことになったのか・・・それとも感謝すべきなのか」

まとめると・・・。

職員室に坂本、宮下、小西、相田。

校舎裏に松島、村井。

本部に校長、教頭、入試部長。

応接室に沢村、みどり。

そして・・・杏子はトイレにいた。

「何やってんだ私・・・逃げてどうする・・・しっかりしろ」

自分自身を叱咤激励である。つまり・・・杏子は逃げたくなる気持ちをこらえて・・・しっかり何かをするつもりなのだな。

ここで・・・杏子はおそらく校内を移動中の問題生徒・石川衣里奈(山崎紘菜)を目撃する。

ここでの反応がミスリードでなければ・・・杏子と衣里奈は無関係なのである。

しかし、衣里奈を追跡しようとした杏子は新たなる侵入者・麻美の母である芝田昌子夫人(生田智子)に呼び止められてしまう。

「応接室で待たせてもらうから・・・校長を呼んでちょうだい」

「えーっ」

応接室で「携帯電話問題の加害者」である芝田夫人と被害者を主張していた沢村が合流である。

沢村は掲示板の存在を芝田夫人に伝える。

「なんなのですかーーーっ、これはっ」と蒼白になる芝田夫人だった。

≪なにこれ・・・これはなに・・・まるで私が悪者みたいに・・・私は娘のために・・・県会議員の夫に傷が・・・中傷が・・・名誉棄損が・・・まずい・・・これはまずい・・・どうする・・・誰かを悪者にしなくては・・・それは学校ね・・・学校がすべての責任をとるべきね・・・そして謝罪するべきね・・・しかも公の場で・・・私と私の娘の名誉を守るために・・・公式にっ≫

学校前を通りかかった火田七瀬(木南晴夏)は凶悪な思念の放射にたじろいだ。

・・・おいっ。

・・・その頃、坂本は二枚目の55番の答案用紙を本部に届けていた。

「報告することが二点あります。まず・・・欠けていたのは46番の答案用紙でしたが・・・新しく見つかったのは55番で・・・つまり、55番は二枚あることになります・・・次に55番は同窓会長の息子さんです・・・」

「ええっ」と顔色を失う校長。

そこへ杏子から芝田夫人乱入の知らせが届く。

気配を呼んで退散する坂本。

「どうしましょう」と教頭。

唸る校長。

「しばらくお待ちいただきましょう。答案用紙は揃ったわけですから・・・受験生にとって一番公平な対処を考えるべきです」

「そうだな・・・今・・・我々がすべきなのは・・・保護者への対応でなくて・・・入試だ・・・受験番号の書き間違いということなら・・・こちらに落ち度があるわけじゃないから・・・県の本部に確認して指示を仰いだ方がいいな・・・」

「さすがは校長・・・早速、電話しましょう」

いや・・・確認ミスは学校の責任なんじゃ・・・とお茶の間が思う間もなく、激しいノックの音とともに沢村・芝田ペアの入場である。

「ああーーーっ」

55:名無しの権兵衛

県会議員夫人・・・入試本部に乱入!

ここでベッドで泣き寝いる麻美の回想が挿入される。

中学時代の麻美は芝田夫人が「携帯電話があると悪い世界に染まる」と携帯電話を持たせてもらえなかった。麻美が一員だと思っていたグループは全員、携帯電話を所有していて、疎外感を味わう麻美。

携帯電話がないと仲間外れになるとおねだりをする麻美。

携帯電話を得た麻美。

しかし・・・鳴らない電話。

麻美は実は無視されている自分を知る。

女友達は基本的に悪意に満ちているものだからだ・・・おいっ。

箱入り娘とそうでない娘の見えない壁があるのだった。

娘を箱に入れている芝田夫人は高圧的な態度に出た。

「すべて学校に責任があると謝罪しなさい」

「お待ちください!ここには 入試に関するデータが揃っているので部外者の立ち入りは固く お断りします。最初から校舎内への立ち入りは厳しくお断りするべきでした。まずは試験中に携帯電話が鳴ったことについて職員全員で話し合いそれからこの件に関して疑問を持つ方々全員に学校側の見解をお伝えしなければならなかったのに・・・」と荻野。

「いいえ・・・全ての原因は学校側にあるというのに私たちはすでにあらぬ疑いを持たれているんです。学校側にこの誤解を解いてもらわなければ私はうちに帰って娘に顔を合わすことができないわ!・・・記者会見を開いてください」

「ええーっ」

この様子を茫然と眺める杏子とみどり・・・。

「私・・・職員室に戻ってこのことを報告してくる」と杏子。

「了解、引き続き私はこっちを見ておくね」とみどり。

なんだか・・・仲良しさんだな。ちなみに杏子はみどりより三つ年上である。

五年前にみどりはまだ学生だったのだ。

そして・・・おそらく・・・杏子は社会人一年生。

その頃、自宅に戻った受験生の淳一は数学の問題用紙を見直している。

淳一の回想は五年前にさかのぼる。

兄は一高ではない別の高校に進学していた。

新聞に「入試をめぐる開示請求と採点ミス」の記事が出て・・・兄は弟に説明する。

「過去五年まで遡って開示請求できるのか・・・俺もしようかな」

「・・・」

「なんでおれは失敗したんだろう・・・」

成長した弟の傍に兄はいない。

「過去五年間に採点ミスが500件以上・・・県の教育委員会はいずれも合否判定に影響するものではなかったとコメント・・・・か」

ネットで過去の新聞記事を閲覧する淳一の目に復讐の炎が燃える。

杏子は職員室に戻った。

和やかな教師たち。

「すっかり・・・くつろいでますね」と杏子。

「やるべきことはやったもの・・・そっちは頭を冷やせたの?」と坂本。

「さっきは本当に申し訳ございませんでした」と頭を下げる杏子。

つまり・・・復讐のために耐えがたきを耐えることから逃げないのである。

「芝田夫人がまた来ました・・・」と杏子。

「でも・・・試験会場でのクレームだから私とは無関係ね」と坂本。

「でも・・・学校側に謝罪の記者会見を開けって」

「なんですって・・・」

「それに・・・沢村さんは息子の答案がほぼ満点だって言ってました」

「ぶほっ」とお茶を噴き出す坂本だった。

60:名無しの権兵衛

「学校側は試験中に携帯電話が鳴ったのは自分たちに非があることを認め公の場で謝罪するべきです」とゴリ押し県会議員夫人

61:名無しの権兵衛

「いくらなんでも大げさな」と腰抜け校長

62:名無しの権兵衛

「こればかりは校長に賛成だ」とビビった同窓会会長

63:名無しの権兵衛

「沢村さん、あなたは試験結果を教えてもらったんでしょ」と芝田さん。

64:名無しの権兵衛

「合格発表前に結果をお伝えすることは絶対にありません」と校長涙目。

「ここでのやりとりが・・・掲示板に公表されています」

「うそ・・・どうして・・・」

その頃・・・ずっと消息不明だった水野(阪田マサノブ)は印刷室で「校長昇進試験」の自習をしていたのだった。

試験会場責任者である水野は視聴覚教室に呼び出される。

盗聴対策のために・・・校長、荻野、沢村、芝田夫人も視聴覚教室に移動。

本部に残ったのは教頭。

再びトイレに行きたくなった教頭は応接室のみどりに声をかけるが・・・。

みどりは松島、村井と買い出しの旅に出てしまっていた。

無人となった本部に怪しい人影が侵入する。

職員室。

「水野先生・・・どうなるんでしょう」と杏子。

「携帯が鳴ったことの責任問題だよな」と宮下。

「でも・・・水野先生に責任は・・・」

「しかし・・・誰かが責任をとらなければならないとなると・・・坂本先生のライバルが失点ということになるよね」

「しかし、上に行けば責任を負う立場になるのになんでみんな上を目指すのかな」と相田。

「それは仕事をする上で当然のことでしょう。 上を目指さずして己の向上はあり得ないんだから」と坂本。

坂本校長のいる学校にだけは行きたくないと誰もが思うのだった。

100:名無しの権兵衛

「ああーっ、もう早く帰りたい」とアホの坂本

101:名無しの権兵衛

このスレは100を越えたので書き込めません。

新しいスレをたててください。

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2012年11月29日 (木)

風さそう湊に立ちて泣いてる身も知らぬ仏を仏が見ていた(松山ケンイチ)

いつの世も勝てば官軍である。

憐れな以仁王はその一事に賭けた世間知らずの王子だった。

一般に以仁王の令旨として知られる文書は法的には偽書である。

以仁王には皇室の正式文書である令旨を出す資格がなかったからだ。

まして、後白河法皇、高倉上皇、安徳天皇のいずれもが認めない中で、勝手に親王を名乗ったことは身分詐称であると同時に立派な反逆罪だった。

後白河法皇の不遇だった親王時代に生まれた第三王子である以仁王は母の藤原成子がそれなりに寵愛を受けていたにもかかわらず、後白河法皇と平家の蜜月時代の余波を受け、ついに親王宣下を得られなかった憐れな身の上である。

そんな以仁王を後白河法皇の異母妹である八条院が猶子として育て・・・明らかに甘やかした。

そして「世が世ならあなたは天皇だった」と吹き込みまくったわけである。

八条院の母は美福門院であり、ライバルであった待賢門院を母とする後白河法皇とまったく確執がなかったとは考えられない。また、美福門院の莫大な遺産を受け継いだ八条院にとって後白河法皇の血筋を後継者に指名することは一種の保険でもあったわけである。

しかし・・・その保険がまったく機能しないので・・・あせりもあったと思われる。

この微妙な関係が・・・以仁王の中で鬱屈して行ったことは充分に察しがつく。

その結果、兵力差28対1という無謀というのも愚かな謀反をしでかしたのである。

たが・・・その投じられた一石がついには平家を滅亡に至らせるのだから世の中何が起こるかわからないのだな。

しかし・・・以仁王の憐れな所は・・・そうまでしても父・後白河法皇に顧みられなかったことだろう。

以仁王の遺児である北陸宮は皇位継承者として名乗りをあげるが・・・後白河法皇は完全に無視するのである。

どうして・・・そこまで冷遇されたのか・・・不可解になるほどの憐れを極める王子・・・それが以仁王なのだった。

で、『・第46回』(NHK総合20121125PM8~)脚本・藤本有紀、演出・柴田岳志を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は何はなくても以仁王の乾坤一擲描き下ろしイラスト大公開でございます。擬似以仁王・・・長かったからなあ。山田孝之主演で「以仁王」が見たいくらいでございます。なんていうか、憐れ極まりない以仁王が見られる予感。源三位はものすごく老けメイクで渡部篤郎でもいいかな。八条院は麻生祐未で、八条院女房が綾瀬はるかで「謀反したのは私でございます」とか・・・もう、違うドラマだろうがっ。

Tairakiyomori44 源三位頼政がなぜ以仁王の謀反に加担したのかには諸説がある。実際には出家して入道となった齢七十七の老将がそうしたというよりは家督を継いだ嫡男・仲綱がうっかり以仁王の遊びに付き合ってしまったというところであろう。入道が気がついた時には引き返し限界点を越えていたのではないだろうか。つまり、偽令旨が各所に出回ってしまったのである。亡き源為義の遺児の一人である新宮十郎行家を使者として各地の源氏に発令してしまったのだからたちまち露見するわけである。なにしろ、すでに日本の半分は平家の領地という時代なのである。行家が令旨を受けたのが四月。そして五月には謀反発覚である。清盛は以仁王を皇室から除籍し、臣籍降下して源以光とする行政処分をしてから配流と定めた。そして平時忠に捕縛を命じたのである。以仁王は三条高倉の屋敷を脱出し、園城寺に逃れる。ここで源三位が以仁王に合流し、五月下旬、大和国興福寺を目指す。その数は千騎ほどであったと「平家物語」は伝えるが実際はもっと少なかったであろう。これを平知盛率いる2万8千騎が追撃したとされるが・・・おそらく包囲網を形成したのだろう。以仁王軍は道半ばで発見され、宇治川橋で合戦となる。源三位勢は殿軍を勤め、頼政・仲綱父子は宇治平等院で自害して果てる。その後、以仁王は逃亡の最中に射落とされたという。この乱に前後して清盛は山城国の延暦寺、近江国の園城寺、大和国の興福寺という強大な寺社勢力の蠢動に危機感を覚え、六月に福原遷都を強行することになるのである。

平安京は呪詛の都と化していた。

後白河院が憑依した天狗によって主導した闇の陰陽師の呪詛が増幅し、誰の手にも負えなくなっていたのである。昼日中でさえ、都大路にもののけが見受けられるようになっていた。まして、夜ともなれば魑魅魍魎が跋扈し、まさに魔都と化していたのである。

「もはや・・・皇室には疎開していただくしかない」

「しかし・・・福原はいかにも手狭で公卿方の移転もままならぬのではないか」

「輪田の開発が進めばなんとでもなろう」

「摂津国、播磨国にまたがる壮大な都を作ればよいであろう」

「しかし、すぐにというわけにはまいらぬ」

平家が主導する朝議でさえ意見が分かれたが、清盛は強権を発動し、高倉上皇・安徳天皇・後白河法皇を六月初旬に福原に御幸なさしめたのだった。

一種の首都機能一部移転である。

しかし、すべての行政機構を移すには時期尚早である感は否めない。

清盛は霊能武者を動員して平安京の浄化作戦に全力を注ぐ。

しかし、比叡山や近江、南都に潜伏した闇の陰陽師の呪詛はその後も続いていく。

福原の造営と平安京の浄化・・・二方面作戦に追い込まれた清盛の疲労は極地に達していた。

福原の離宮で久しぶりに夫を見た時子はそのやつれように涙した。

「殿・・・」

「時子か・・・よう参った」

「もはや・・・秘本・源氏物語の霊力も尽き・・・婆には出番もございませぬ」

「そうか・・・すまなんだのう」

「殿も・・・お休みなされよ」

「そうもいかんのだ・・・夜には夜で来客がある・・・ほら・・・今宵も参ったぞ」

離宮の床が震え、開け放たれた縁側に青白い炎が燃える。

「あれは・・・以仁王様」

「そうだ・・・あれがきて・・・怨みがましい目で見つめるのよ・・・何か悪さをするわけではないが鬱陶しくてたまらぬわ」

「聖なる剣にて払えばよいではありませぬか」

「あれは朱雀に遣わしておる・・・京での悪霊退治にかかせぬのでな・・・」

「秘本が一帖なりとも残っておれば・・・妾にもなんとかできるのですが・・・」

「よいよい・・・それになにやら・・・不憫じゃからのう」

「しかし・・・あのようなものでも邪気は邪気・・・お体に触りますぞ・・・」

「まあ・・・我もいつお迎えがきてもおかしくない年じゃからの・・・」

「殿・・・」

その時、幽かな風が揺らいだ。

「オン・アロリキヤ・ソワカ」

清盛にとって懐かしい声だった。

「オン・ロケイ・ジンバ・ラ・キリク・ソワカ」

庭の隅に白い光が放たれた。浮かび上がるのは観自在菩薩である。

「オン・バザラ・タラマ・キリク・ソワカ」

十一面観音、千手観音が現れた。

「オン・ハンドマ・シンダ・マニ・ジンバ・ラ・ソワカ」

最後に如意輪観音が出現する。

四体の観音が四方から悪霊と化した以仁王を包み込む。

その時、以仁王の表情に恍惚とした光が宿った。

一瞬の後に屋敷は闇に包まれる。

月明かりの下に西行法師が立っていた。

「ご無礼つかまつった」

「・・・」

二人の男に光陰が矢の如く往来していた。

時子はその光景の美しさに微笑んだ。

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2012年11月28日 (水)

ジェラシー姉妹(真木よう子)VS蜘蛛の巣とおもちピザのブルース(宮﨑あおい)

幸せそうな家族が通り過ぎて行く。

その家族の幸せを覗いてみたい人とそうでない人がいるだろう。

幸せそうな家族は幸せそうに散歩をする。

けして、幸せを見せびらかしているわけではないだろう。

しかし、時にはそう見える時がある。

そういう時に無性に誰かを傷つけたくなる人は危険な人と言えるだろう。

人が人をいたぶりたくなるのはそんな時。

他人には優しい顔を見せ、家族を傷つけるのはそんな人。

人はそんな愚かで寂しい生き物だ。

で、『遅咲きのひまわり~ボクの人生、リニューアル~・第6回』(フジテレビ20121127PM9~)脚本・橋部敦子、演出・石川淳一を見た。のどかな青春ラブ・ストーリー・・・誰もが一度は作りたい作品である。適度な脚本に恵まれて演出陣はのびのび演出しているようだ。人殺しの物語を描くより、気持ちも素直に表現できる。しかし、青春は残酷なものと昔から相場が決まっているのである。そろそろ・・・のどかさにほころびが見え始めている今回。それを何事もなかったように受け止める主人公。なかなかにしぶといキャラクターである。やはり、優しくってちょっとバカは永遠に捨てがたいキャラクターなのだなあ。

市会議員の娘の今井春菜(木村文乃)の暴走は続くのである。

大学講師の松浦徹(岡田浩暉)の不倫相手として弄ばれている春菜は一度は実りなき愛に決別したのだが、他に男を知らない哀しさで・・・再び、同じ男の餌食になってしまう。

哀しいのはそれが「愛」だと春菜が想いこんでいるところである。

基本的には男の性のはけ口になっているだけだということが理解できないのである。

もちろん、それくらいの方が凌辱感は高まるので相手の男はうれしいものだ。

これが・・・女の方も遊び感覚だと後腐れはないが男は物足りなく感じるものだからだ。

とにかく・・・「泊らない男」の「実」を信じて付きまとう春菜だった。

車で二時間半の高知まで来たのに一夜のアバンチュールだけでは物足りない春菜は実は不実な男に電話でコンタクトをとる。

「昨日はすまなかったね」

「まだ、高知にいるんだ・・・ランチとか一緒に食べられないかな」

「すまない・・・約束があるんだ」

「せっかく高知まできたのに・・・」

「今度、私が四万十に行くから・・・」

春菜は火照る体でふるさとへ戻る。

その頃、三年契約の四万十市役所臨時職員の小平丈太郎(生田斗真)は荒れていた。

なにしろ・・・好きな女に男がいたのである。

しかも二人は同棲していたのである。

四万十市地域おこし協力隊隊長・藤井順一(桐谷健太)も地域おこし課課長の日下哲也(松重豊)も同情を禁じ得ないのだった。

「知らないのは俺だけだった・・・」と嘆く丈太郎は二階堂かほり(真木よう子)を呼び出して当たりまくるのだった。

そのやりとりは・・・藤井にも日下にもお茶の間にも仲の良いカップルにしかみえないのだが、そこがご愛敬である。

丈太郎が片思いしている看護師・森下彩花(香椎由宇)と同棲している四番ピッチャー松本弘樹(柄本佑)は市民病院リハビリアシスタントである。

足を負傷してしまい一時的に農作業ができなくなった大河内欣治(ミッキー・カーチス)の面倒を見ている丈太郎は必然的に四番ピッチャー松本と顔を合わせなければならない。気まずいのである。

ドクターのかほりもナース森下と顔をあわせる必要があり・・・気不味いのである。

その気まずさを引きずって・・・松本は森下と喧嘩を始める。

「君の隠していることを教えてくれ」

「それはまだまだ秘密なのよ・・・急にどうしたの・・・あなたこそ・・・四番ピッチャー松本から逃れたくて・・・私の処に逃げてきただけでしょ」

「図星を突かれたら飛びだしていくしかないじゃないかーーーーっ」

松本はかっての恋人・かほりを呼び出すのだった。

「俺は・・・君と自然消滅して十年・・・何もいいことがなかったんだ・・・だから・・・もう一度俺とやりなおしてくれないか」

「そんなこと言われても・・・」

言葉を濁すかほりだった。

森下がコーヒーを飲んでいるたまり場「サンリバー」からこそこそ逃げ出す丈太郎を春菜が発見する。

「どうしたの」

「彼女・・・彼氏がいたんだ」

「だから何・・・相手がいる人でも・・・あなたの方が好きかもしれないじゃない」

・・・という自分の願望である。

「でも一緒に住んでるんだ」

「それでも・・・あなたと一緒にいたいと思ってるかもしれないじゃない」

・・・あくまで願望である。

丈太郎が去った後で森下にもからむ春菜。

「あたしのことせめてたのに・・・自分はなによ」

「あなたのことなんて責めてないわよ」

「奥さんのいる人とつきあってること責めてたでしょ」

「それは・・・単にあなたがうしろめたいだけなんじゃ・・・」

「・・・」図星をさされた春菜が叫び出す前に退散する森下だった。

再び、春菜は高知市遠征に出かけるのだった。男がちっとも抱きにこないからである。

そして・・・発見するのは・・・男の車の中の可愛いぬいぐるみ。

「子供がいたの・・・」

「ああ・・・二歳になるよ・・・生れて来た子供はかわいい」

そこへ・・・子供を抱いた男の愛妻登場である。

「この子は教え子なんだ」

「仲のいいご夫婦なんですね」

「それじゃあ、またね」

「私には・・・別居しているって言ったのに・・・」

「・・・この子はストーカーなんだ。危険だから車の中に入って・・・」

「見え透いた嘘をついて・・・楽しい」

「・・・」

「だまされても泣いてひっこむと思っていた」

「それが文学を志すものの生き様だ」

春菜パンチ炸裂である。

しかし・・・どうせなら、そこはぐっとこらえて家族が寝静まったところを見計らって家に火を放つべきだよな。

愛する男にストーカー呼ばわりされたらそうする権利はあると思います。

そして、笑えばいいと思うよ。

東京に出てドクターになった妹に異常な嫉妬心を燃やす島田さより(国仲涼子)は藤井のボランティア活動を手伝うことに喜びを見出していた。

冴えない夫や・・・二人の娘の世話よりも・・・とにかく誰かにちやほやしてもらいたい一心なのである。

さよりを旧姓の二階堂と呼ぶ藤井は・・・さよりが初恋の女性であり、どこかお姫様あつかいをしてくれるのでうれしいのだ。

そんな藤井は・・・父親から「俺の代で店じまいするつもりだ」と告げられにっちもさっちも行かなくなっていたのであった。

ついに泣きだす藤井。わけありの男と女が一夜を過ごす民宿の縁側で・・・ついに抱き合う二人。

もう、そのまま、何もかも捨てて手に手をとって駆け落ちしちゃえばいいのに。

悪魔ならざるともそう思うシチュエーションである。

「自分の気持ちを伝えるって難しい・・・」という丈太郎に思わずセンチメンタルな気持ちになる独身中年男の日下だった。

私が住んでるアパートは坂の途中にある

こうしてタバコをふかして壁を見つめていると

どうやら私はセンチメンタルになってくるらしい

その夜も遅く坂を戻ってきた

ふと見ると部屋に灯りがついていた

なんだかうれしくなって立ち止まったが

私にはわかっていた

あれは消し忘れだってね

「手遅れにならないうちに気持ちは伝えた方がいいですよ・・・」

そそのかされて森下を追いかける丈太郎。

「森下さんのこともっと知りたいんです」

「ごめんね・・・それはまだまだ秘密なの」

女の涙の前に丈太郎はすごすごと引き返す。

結局、かほりを呼び出す丈太郎。

四万十川にかかる欄干のない橋でお似合いの二人だとは気がつかないトークである。

「俺は七年間付き合った彼女に一度もあせった顔を見たことがないっていわれた」

「私なんか男より試験管を選んだ女よ」

微笑み合った二人は手に手をとって川に飛び込むのだった。

やはり、主人公は優しくってちょっとバカが一番なんだな。

で、『▼▼ーインク▼▼・・・検索的に無理があるだろ・・・ゴーイング マイ ホーム・第7回』(フジテレビ20121127PM10~)脚本・演出・是枝裕和を見た。生れて育って老いて死ぬだけ・・・それが人生である。もちろん、途中で死ぬところにたどり着く場合もある。ないよりある方がましだという考え方に立てば育ったり老いたりするのは悪い事ではない。ただし、どんなことにも裏表や明暗や光陰があるわけである。それらはすべて結局、物悲しいのだと思う。そういう物悲しさが全編から漂うこのドラマ。傑作ぞろいの秋ドラマでもさらに別格の出来栄えなのだった。もちろん、そういうものが物凄い視聴率を獲得することはありえない。ここがまた物悲しい晩秋の憂いである。

最近では東京の空にも旅客機が増えた気がする。

ジャンボジェットの時代が去り、小型で安価な旅客機がこまめに飛ぶのである。

それもまた物悲しい。

家族に見送られて旅立つ時代はゆっくりと過ぎ去り、一億総孤独死時代はそこまでやってきている。

もちろん・・・妻に見送られる夫はいるだろう。親を見送る子供もいるだろう。しかし、その子供が誰にも見送ってもらえない時代はもうすぐだ。いや、役人が見送るかもしれない。しかし、その役人が誰かに見送ってもらえるとは限らない。

そして誰もいなくなるとすればそれもまた物悲しいのである。

しかし・・・ドラマはまだそうはならない時代のメモリアルである。

栄輔(夏八木勲)の退院の日が来た。

例によって夫の家族よりは自分の仕事を優先する沙江(山口智子)は不参加。

ただし、今回の沙江の仕事の依頼主は娘の萌江(蒔田彩珠)である。

敏子(吉行和子)は慣れ親しんだモーニングさん(ホテルのフロント係)に別れの挨拶を告げる。そこはかとなくしたたかな女なのである。

鬱屈する治(西田敏行)はこっそりと栄輔に決別の言葉を投げる。

「もう帰ってこないでくれ」

「・・・」

「お前が帰ってくると俺の存在価値が薄れるんだよ」

「すまなかったな・・・鈍感で・・・」

「・・・」

いつでもギラギラと輝いていた栄輔といつでもどんよりと霞んでいた治。

しかし・・・二人の友情はそれゆえに深いのである。

けれど・・・治の孫・大地(大西利空)は栄輔になついている。

「おじいちゃん、すぐに帰ってきてね」

「すぐに帰ってくるさ」

そして、治の娘の菜穂(宮﨑あおい)は実の父より栄輔に優しい言葉をかける。

「無理しないでくださいね」

「来週には戻るから・・・」

身もだえる治だった。

そういう二人の微妙な関係をうらやましく思うナース・堤(江口のりこ)。

「親友なんですね・・・うらやましいな」

「あなたも今からでも遅くないから・・・作りなさい」

栄輔はいつでも余裕の発言である。

その後、多希子(YOU)の提案でクロワッサンを食べる坪井一家を見送った治と菜穂と大地は家路に着く。

「すっかり、山が赤くなったわね」

山は紅く紅く色づいて

すすきが風に風にゆれている

朝はとても冷い もうすぐ冬が来るね

枯れたような身体をゆっくり起こして

ぼくを見て笑った

うれしそうに笑った

治は栄輔とのわだかまりが解けずに不機嫌だった。

腹巻きにステテコ姿であくまでダンディーとは言い難い治はそれでも娘に甘えてみる。

「アレ知らないか・・・」

「同窓会のハガキならトイレの前に落ちていたから箪笥の引き出しにしまったわ」

「ああ・・・そう」

「出欠を書いたら机の上に出しておいて・・・明日ついでに出しておくから」

菜穂は自転車で秋の空の下を走り、街の坂を下りて、郵便局へ向かう。

そこは・・・菜穂の生れ育った物悲しい故郷なのだ。

そして・・・物悲しい治が父なのだった。

その頃、沙江と萌江の母娘はハンバーグ作りに熱中していた。

「本を借りたまま返せなかったんだ」

「めぐみちゃんに・・・」

「ハンバーグが好きだったの」

「めぐみちゃんが・・・」

沙江は母と娘の絆をまだ信じ切れなかったが母を演じることの大切さは理解したのである。

言葉の足りない娘を補うのもまた母の役割というものだからだ。

ぜっかくの娘の初めての手作りハンバーグをマヨネーズぶっかけで食べる良多(阿部寛)だった。

・・・物悲しさ極まることである。

栄輔の坪井家では栄輔の快気祝いが行われていた。

良多は自分の育った部屋で昔のグラビア写真集をめくり、オナニーの日々を追憶する。

大きいが古い家はどこか朽ち果て始めていた。

それもまた物悲しい。

沙江は栄輔に呼び止められる。

「いつも・・・仕事優先ですみません」

「いや・・・あなたは姑に気に入られる長男の嫁より・・・好きな仕事に打ち込んだ方がいい」

「・・・」

「ただ一つ頼みがある・・・私の葬式の精進料理をお願いします」

「はい・・・お引き受けします」

「ありがとう」

栄輔が自分以外の誰かと触れ合うのを好まない敏子は沙江を呼び付けるのだった。

代わりに良多がやってくる。

「本気でクーナを捜すつもりだったんですか・・・家まで買って」

「最後は古里で死にたいと思った」

「この家はどうするんです」

「お前が住めばいい」

「勝手なことばかり・・・母さんが悲しみますよ」

「・・・」

良多も敏子に呼び出されるのだった。

最後に萌江がやってくる。

「クーナを本当に見たの」

「見たさ」

「どうやったら見れるの」

「信じることだ・・・そして捜す」

「そしたら見つかる?」

「見つからない時もある・・・それでもまず信じないことには始らない」

「おじいちゃん・・・死んじゃうの」

「ああ・・・もうすぐな」

物悲しい。

敏子は「おふくろの味」を披露する。

マヨネーズたっぷりのオモチピザである。

マヨラーはこうして作られたのだった。

なりふりかまわない敏子は断言する。

「あの人が動けなくなってよかった・・・もう心配しないですむもの・・・そして最後には私のところに戻ってきたもの」

ああ、物悲しい。

家路についた三人。

都会の灯がにじむ川を渡る。

「本物のおじいちゃんだったろ」

「おじいちゃんだった」

「なにそれ」

「おじいちゃんじゃなくてクーナだって」

「・・・そうだったらよかったのにな・・・」

さいはての物悲しさである。

クーナ事務局ではコマーシャリズムを代表する良多の部下である真田(新井浩文)とジャーナリズムを代表する長野日報社社会部キャップの畠山(中村靖日)が菜穂をめぐって火花を散らしている。

しかし・・・予告編を見る限り、確かに危険な真田を遥かに越える菜穂の危険なお相手(加瀬亮)が登場するのである。

物悲しいことだ。

そして・・・畠山の撮った治の捏造したクーナの足跡をネットにアップする真田だった。

続々と到着する・・・クーナ捜しのメンバーたち。

ほとんどが・・・良多の幻想のクーナたちである。

クーナとりがクーナになる定めなのか。

警察官のセミこと梶(山中崇)もやってきた。

物悲しいよねえ。

萌江の書いた「おじいちゃん大好き」の文字を撫でる栄輔。

敏子は思い出の温泉旅行のことを口にする。

上の空で応ずる栄輔。

ここは敏子の蜘蛛の巣なのだ。

二人きりの老夫婦はそれだけで物哀しい。

やがてそうなるかもしれない良多と沙江の会話。

「おとなりの小林さん(バカリズム)がクリスマスのイベント手伝ってほしいって」

「まだそんなこと言ってるのか」

「サンタでも・・・トナカイでもいいって」

「コスプレかよっ」

「ツリーでもいいって・・・」

「それは言ってないだろ」

「スカイツリーでもいいってよ」

「もはやクリスマス関係ないじゃないかっ」

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2012年11月27日 (火)

ハピネス魔法瓶設立資金1000万円試作一号器単価6万円、瀬戸際の雨の冷たさPRICELESS(木村拓哉)

昭和の時代、100万円あれば会社が作れるは一種の合言葉だった。

商法は平成2年(1990年)に改正され、株式会社1000万円、有限会社300万円の最低資本金制度が導入される。

1000万円ないと株式会社の社長にはなれなくなったのである。

つまり、一種の規制である。その理由は債権者保護にあるとされた。

紆余曲折あって2003年(平成15年)には新事業創出促進法によって資本金1円で会社設立が可能になり、2006年には最低資本金制度は廃止された。いわゆる規制緩和である。

会社を作るのに100万円必要の時代があり、1000万円必要の時代があり、1円の時代がある。

法律が永遠のものでないことはこの一事でも明らかなのである。

しかし・・・時には金がなくて・・・起業できなかった人もいるし、金がなくても起業できた人がいることは考慮するべきだろう。

今は超起業しやすい時代とも言えるのです。

で、『PRICELE$S?あるわけねぇだろ、んなもん!?・第6回』(フジテレビ20121126PM9~)脚本・古家和尚、演出・平野眞を見た。夏ドラマでは演出の水田が・・・「ビューティフルレイン」水田成英(フジテレビ)、「トッカン -特別国税徴収官-」水田伸生(日本テレビ)で激突していたわけだが、秋ドラマでは演出の平野が「MONSTERS」平野俊一(TBSテレビ)と「PRICELESS」平野眞(フジテレビ)で対決である。平野俊一にも「ブラックジャックによろしく」「クロサギ」など名作があるわけだが・・・今回はかなり苦労しています。それに対して、江角マキコの夫でもある平野眞は春先に「ラッキーセブン」でひどかった分、今回はまずまずなのである。脚本が戻ってセリフはやや硬くなったが、ゲーム性と言う点では手堅く順調な展開。やはり・・・ドラマは脚本がかなりのウエイトを占めるのですねえ。

バー「キングスコート」の名物メニューの下請け移動販売で一息ついた仲良しトリオ。

しかし、穏やかな朝のひとときを金田一(木村拓哉)の恋人・広瀬瑤子(蓮佛美沙子)の父親で、広瀬ファンドの社長の広瀬遼一(草刈正雄)が急襲。主に金田一がパニックに襲われる。

「うわーっ、彼女のお父さんだ~」と金田一。

「何、お前、広瀬社長の娘と交際してんの」とモアイ(中井貴一)。

「やべえ、最近なんだかんだ彼女と疎遠で・・・」と金田一。

「それって・・・私のせい?」と遠慮がちに二階堂(香里奈)。

「んなわけねえだろ」と金田一。

二階堂的には微妙なのだが・・・なにしろ月9なのである・・・ここでは二階堂はあくまで仕事上のパートナーとしてふるまうことが正解なのである。

「どうしよう・・・」

「そりゃ・・・謝罪するしかないだろう」

「そうそう・・・」

で・・・「ちょっといろいろあって、彼女をほったらかしにしてすみませんでしたーーーっ」なのだが、広瀬社長はポーカーフェイスで「おやおや・・・君はうちの娘と交際してたの?」なのである。

「今日はビジネスの話で来たんだけど・・・」

「はらほらひれはれ~」である。

大手の食品会社が・・・ホットドッグの営業権を譲ってほしいと打診してきたというのだ。

瑤子の件はうやむやになってしまう。

金田一は基本的にだらしない男だが、女についてはさらにだらしない。

瑤子のこともほぼないがしろなのである。自分の意に沿わないと不機嫌だし、かといってはっきり決別するわけでもなく・・・ようするにいい加減なのである。しかも、悪意がないのだから・・・困ったもんだよね~。

それはともかく・・・キングスコートのマスターの藤沢(升毅)は降ってわいた幸運に吃驚仰天なのだった。

「一千万円て、あの一千万円かよっ」なのである。

結局、仲良しトリオに一千万円、マスターに一千万円プラス売上から五パーセントのマージンとある意味、破格の条件が提示され、即効で飛び付くトリオプラスワンだった。

こうして・・・北別府のサインボール→山中幸盛フィギュア→古い屋台→現金一千万円と「わらしべ長者」展開はホップ・ステップ・ジャンプ・宇宙飛行へと飛躍したのだった。

「とにかく・・・金田一二階堂が400万円、モアイさんが200万円でいいわね」と提案する二階堂。

「なんで・・・俺だけ半分」とモアイ。

「いや・・・ここは俺の総取りで・・・」と金田一。

「ええーっ」

「このお金で・・・魔法瓶を作ろうと思うんだ」

「ええええええええーーーーーーーっ」である。

しかし・・・金田一は走り出したら止まらない男なのだった。

さっそく・・・「ミラクル魔法瓶」へ出かけて行き・・・そうとは知らない異母兄と直談判である。

「なんで・・・先代社長は魔法瓶だったんでしょうね」

「売れると思ったからだ・・・」

「どうせやめちゃうなら・・・一ヶ月だけ、工場をレンタルしてくれませんか」

「一ヶ月500万円で・・・」

「わかりました」

即決である。やはり・・・似たもの兄弟なのだな。

金田一はミラクル製作所の辻所長(志賀廣太郎)の説得にかかる。二階堂とモアイもあたふたと合流。

「ここは一ヶ月、500万円でミラクル魔法瓶から借り受けました」

「ええーっ」

「残り、500万円でもう一度魔法瓶を作れませんか」

「ええーっ」

「最後の思い出作りにやってもいいけど・・・」

「いいえ・・・売れる魔法瓶を作ります・・・究極の魔法瓶を・・・」

「そんなに簡単にできるか・・・」そこでモアイが乗り出す。

「最初からできないことなんて・・・この世にはないはずです・・・受け売りですけど」

結局、二日間で一度しか温度の下がらない究極の魔法瓶作りが開始されたのである。

その頃・・・「ミラクル魔法瓶」は「Miracle Electronics」に社名変更し、家電製品に力を入れて行くことをカトパン(加藤綾子アナ)などを呼んで大々的に発表していたのだった。

それを取材していた新製品紹介のカリスマ記者「ネクストONE」の能見実(香川照之)は「どれもこれも魂がない」と吐き捨てるのだった。

家電商品に魂があったら驚愕である。

しかし、業界は統一郎(藤木直人)の経営手腕は高く評価され、株価は急上昇する。

広瀬社長は知ってか知らずか・・・統一郎と金田一の二人の異母兄弟に同時に投資する。

金田一には・・・先代社長の「魔法瓶にかけた情熱」を話す。

「社長は・・・戦後まもなくの混乱期に・・・魔法瓶に魅了されたんだ」

統一郎には・・・先代社長と統一郎の経営方針の落差を揶揄する。

「私はかって・・・先代社長の部下だった・・・そして、どちらかといえば、先代社長のやることを危惧していたものだ。若い頃の私は君に似ているよ。しかし・・・もしも先代社長が君の今のやり方をみたら・・・どう思うだろうね」

「それは・・・私のやり方に対する批判ですか」

「いや・・・そう聞こえたならすまない」

ここまでくれば・・・広瀬社長は重大な秘密を知っていると思わざるをえない。

そして・・・異母兄弟の対決を興味深く見守っていると言えるだろう。

その意図は今の処、不明である。

「しかし、金を墓場に持って行くことはできない」のだから、おそらく面白がっているのだろう。

一方、金田一を慕う瑤子は・・・金田一の態度に不安を感じる。

お嬢様でありながら堅実な育ちも見せる瑤子にとって・・・「ホームレスになってもサラリーマンでも社長でも・・・自分は変わらない」と主張する金田一は理解不能の存在なのである。

まあ・・・金田一もある程度、やせ我慢をしているわけですが。

二階堂の活躍で会社組織となった「ハピネス魔法瓶」は金田一社長、二階堂経理担当重役、モアイ平社員体制である。

経営方針は「二週間で新製品開発、二週間で新製品完売」である。

「おい・・・開発はそんなに短期間で・・・」

「そこは超気合いで・・・」

「しかし・・・二週間で販路確保してしかも完売なんて・・・」

「そこは超努力で・・・」

「超自転車操業だな・・・」と唖然とする社員一同だった。

しかし・・・超魔法瓶は超モアイと超所長の新素材・新真空法の超合体で・・・完成してしまったのだった。

「超できちゃいましたね」

「だけど・・・これだと単価6万円になっちゃいます」

「超高額だね」

6万円の究極の魔法瓶200個・・・完売して売上1200万円である。

超利益200万円で大丈夫なのか・・・。

「とにかく・・・超営業しましょう・・・」

しかし・・・どの量販店も・・・さすがに6万円の魔法瓶の商品価値は超問題外なのだった。

しかし、さすがは「釣りバカ日誌」的主人公である。

第一話に登場したエディ電機総務部長で釣りが趣味の沢渡(おかやまはじめ)が「超了解」で商品を展示販売することを承諾するのだった。

なにしろ・・・金田一と沢渡は超仲良しなのである。

だが、けして手を抜かない財前専務(イッセー尾形)は榎本小太郎(藤ヶ谷太輔)に妨害工作を命じる。

榎本も仕方なくエディ電機に圧力をかけるのだった。

究極の魔法瓶の撤去である。

それを知った金田一は榎本の説得に赴く。

「もう一度超考え直してくれ」

「金田一さんみたいに・・・好きなことをやりきれるのは・・・誰もができることではないんですよ」

「超マジ?」

「超マジです」

やりきれない思いを抱く二人だった。

切羽詰り、捨てられた古の魔法瓶を廃棄物から拾い出す金田一に嘆きの雨が降り注ぐ。

幸福荘では超疲労困憊したモアイと二階堂が超爆睡中だった。

金田一はまたしても・・・崖っぷちにたったのだった。

そこにたらされる一本のロープは・・・きっとあの男が超握っているらしい・・・。

Jumpin' Jack Flash/The Rolling Stones

私はお涙ちょうだいの施設で育てられ

残酷な仕打ちにも慣れたもの

強ければそれでいいんだ

力さえあればいいんだ

ひねくれて星をにらんだけど

涙がこぼれないように上を向いて歩こう

涙がこぼれないように上を向いて歩こう

涙がこぼれないように上を向いて歩こう

関連するキッドのブログ→第5話のレビュー

An006 ごっこガーデン。超仲良し営業セット。アンナ勘違いトークに笑いがノンストップですぴょん。ダーリンのマージャンのおやじギャグをしかとする二階堂さんもナイスぴょんもしも職場にダーリン社長がいたら無遅刻無欠勤間違いなしなのぴょ~ん。営業回りもデート気分ぴょ~ん。でも今回は遅刻ぴょんぴょん。だって超遊びすぎだからぴょ~ん。でもリピぴょんまこおおっとしゃすがはアンナ様のダーリン、超お約束の突然15分拡大版でしゅ~。先代はビジネスの厳しさを知っていたからと言い切るフジッキー・・・はたして損得だけで動く人間ではなかったのか・・・先代の二面性がそのまま因縁の兄弟対決になったのでしゅか~。六万円魔法瓶・・・バザーにでたら買いたたくじょ~くう好きとか楽しいとか希望とかで・・・生きていけるほど世の中甘くない・・・でもそれは・・・そうしないものの言いわけなのかもしれない・・・だけど良い子のみんなは真似しちゃダメだよね~・・・純粋と傲慢は紙一重だから~みのむしグランプリファイナル日本人だらけるるるちーずとにかく悪夢ちゃんですikasama4後継者の養成は難しいものですなmariシナリオに沿ったレビュー取材中です

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2012年11月26日 (月)

MONSTERSとはプリントアウトした文書のテキストドキュメントの存在を失念してしまう技術者たちのことですか?(山下智久)

お坊ちゃん、お嬢ちゃんの皆さん、はい、またお会いしましたね。

今夜もこわい、こわい、こわいお話が始りますよ。

なんと、今回は密室殺人事件。

密室で男と男が何をするんでしょう。

やらしい、やらしいことではありませんよ。

男が男を殺してしまうんですね。恐ろしいですねえ。

今回は美しい、美しい、山下くん演じる西園寺刑事が所轄に戻されてしまいます。

もったいないことですね。

それを助けてくれるのが、警視庁の刑事部長さんなんですねえ。

これを演じているのは小木茂光さん。いい役者ですねえ。刑事ものにはかかせない俳優さん。

山下くんとは「ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜」(2009年)でも共演しているんですよ。

わかりますか。バスケット・ボール選手の山下くんの所属するJC ARCS監督を演じていたのがこの人でしたね。

それから、被害者の奥さんを演じた遊井亮子さん。「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命」(2008年~)でヘリコプターへ指示を出すオペレーターの轟木聖子を演じていましたね。続編を早くやってほしいですねえ。そろそろ、クールなドクター藍沢が見たいですねえ。

ついでに・・・西園寺刑事に意地悪ばかりしている金田刑事役の遠藤憲一さん。この人は「池袋ウエストゲートパーク」で山下くんが美少年シュンだった頃に池袋を仕切る氷高組の組長さんで出演していたんですよ。古くからのつきあいがあるんですねえ。エンケンといえばこの頃からこわもてだったんですねえ。

はい、もう時間が来てしまいました。ドラマの後でまた、お会いしましょうねえ。

で、『MONSTERS・第6回』(TBSテレビ20121125PM9~)脚本・蒔田光治、演出・平野俊一を見た。『第3話』に続いての演出である。超駄作「BLOODY MONDAY」で一度痛い目に遭っているだけに、やはり、この脚本家の脚本をそつなく消化することにかけては一日の長がありますね。セリフにはないけれど・・・平塚刑事(香取慎吾)と松原刑事部長との秘密の関係がそれとなく描かれていて見事な演出力でございました。

さてさて、絶対プロポーズが成功する部屋で、謎の恋人・高野恵美(柳原可奈子)に「結婚お断り」をされてしまった西園寺刑事。その理由というのが・・・。

「今はお仕事がんばって・・・正式に一課の刑事になってほしいの」

・・・何様なんだっ・・・と一部お茶の間は激昂でございました。

ところが・・・西園寺は「一ヶ月以内に平塚刑事の悪事の証拠をつかむ」という課題をクリアできず・・・所轄警察署に戻されてしまうのです。

「一課の刑事になれない」→「結婚できない」のでトホホなのでした。

平塚刑事に「今までお世話になりました」と一筆残した西園寺の手紙をポイ捨てする平塚ですが・・・救いの手を差し伸べてくれる気持ちはあるようです。

おりしも・・・西園寺の配属された所轄内で殺人事件が発生。

「手柄をたてちまえばこっちのもんさ」と平塚は西園寺に囁くのでした。

捜査の指揮をとる松原刑事部長と金田には特別なパイプがあるようで捜査会議でもアイ・コンタクトを取りあったりしています・・・なんだか淫靡でございましたね。

被害者は・・・肉眼では見えないほど細い糸を開発している「白泉化学」の研究員・香川(眞島秀和)、新製品にかんする情報漏洩問題で調査対象になっていた人物で・・・真犯人に関する情報を握っていたらしい。

残る調査対象は二人。二人の上司である野口(西岡徳馬)と、被害者のライバルである本間実(中村獅童)である。

被害者は鍵のかかったA応接室で鍵を握りしめて倒れており、その下には電源のきられたノート・バソコンが下敷きになっていた。

犯行時刻は被害者が妻にメールをしてから・・・定時連絡がないために妻が警備員の安岡(植木紀世彦)に連絡し・・・警備員がかけつけるわずかな時間だと例によって鑑識を待たずに特定されてしまう。

そして・・・室内からは被害者のメールの指示通り・・・野口を容疑者とする「証拠」が発見されるのである。

しかし、その中に入った文書と封筒には何故か、被害者の右手の指紋しか残されていなかった。

平塚はたちまち、犯人による擬装工作を疑うが・・・金田は犯人の罠にまんまとひっかかり野口を追及し始めるのだった。

手柄を立てたい一心の西園寺は頭を悩ませ、A応接室の扉の下部に隙間があり、室内にターン・テーブルのレコード・プレーヤーがあることから・・・みえない糸を使ったカギのトリックを解明する。

平塚が容疑者と決めつける本間は「技術者は成功する確率が極めて低いそんな不確かなことで殺人を犯したりしませんよ」と嘯くのだった。

「いいえ・・・あなたはミスを犯しました・・・最初にあった封筒と・・・あなたがすり替えた封筒の他に第三の封筒があったことを見落としていたのです」

「何?」

「そこにはあなたの指紋が残されていましたよ・・・そして・・・あなたが情報漏洩した証拠のコピーもね」

「くそっ・・・俺はただ俺を高く評価してくれる別会社に転身するだけのつもりだったのに・・・あいつが余計なことをするから・・・」

「実は・・・今までの話は全部でたらめです・・・」

「じゃ・・・俺が今言ったことも全部でたらめだ・・・」

「そう・・・きましたか・・・」

「そうくるさ・・・今のご時勢、自白なんかに証拠能力はないんだから・・・刑事に強要されたと言えばすむことさ・・・」

「そこで・・・迷宮入りといきたいのですが・・・今回は・・・西園寺くんの一課復帰がかかっているので・・・そうもいかないのです」

「なに・・・」

「実は西園寺くんが・・・トリック解明の実験をしているうちに・・・超小型カメラを発見してしまったんですよ」

「超小型カメラ・・・」

「あなたは・・・B応接室の鍵をA応接室の鍵にすり替えたり、捏造した証拠を隠したり、なりすましメールを送信したり、少し、忙しすぎましたね・・・一部始終が録画されていることに・・・まったく気がつかなかったのです」

「えーっ・・・」

「ほら・・・あなたが人を殺し、いろいろと画策している姿がすべて記録してあるでしょう・・・これこそ動画だけど動かぬ証拠ですよ・・・」

こうして、手柄をあげた西園寺は無事に一課・平塚班に復帰したのだった。

もちろん・・・そこには平塚と部長刑事のただならぬ関係がからんでいるのでございます・・・。

関連するキッドのブログ→第5話のレビュー

はい、いかがでしたか。今回は大人の事情で迷宮入りをまぬがれましたね。「超小型カメラ」がどんなものだったかは皆さんがいろいろと妄想してください。

さて、山下くんといえば美青年ですが・・・90年代を代表する美青年といえば・・・ブラット・ピットがおりますね。

甘い、甘いマスクですね。

そんなプラピがディヴィッド・ミルズ刑事を演ずるのが映画「セブン」(1995年)です。

この映画には本当にモンスターと呼ぶにふさわしい殺人犯が出てきますね。

そしてかわいそうにミルズ刑事の美しい奥さんは殺されてしまうんですね。

こわい、こわい、こわい映画でしたよ。

こちらのドラマでは西園寺の恋人もそういう運命にあるのかもしれませんね。

とても楽しみですね。

それではまた、来週お会いしましょう。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

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2012年11月25日 (日)

悪夢ちゃん~サイコパス大戦~浮世がいやになる残酷な事実は子供に伝えないという考え方もげっ(北川景子)

サイコパスの定義はあいまいなものだし・・・そもそも、人間の精神状態を人間が定義することには無理がある。

誰かが「異常」と指摘したことを51%の人間が追認すれば「異常」が確立すると考えるようなものだ。

残りの49%は「本当にそうなのか」と疑問に感じつつ沈黙する必要があるわけである。

それでも・・・言葉が存在する以上、なんとなく分かってもらった上で話を進める必要があるだろう。

サイコパスは一般的に精神病質者と訳される。この解釈にも様々なものがあるが・・・精神病者ではなく・・・精神病的な資質を持っているものと考えるのが妥当だろう。

これに対しソシオパスということばがあり、一般的には社会病質者と訳される。

これらを統合して反社会性人格障害者という位置づけも存在する。

つまり・・・精神病とは断定できないが、社会にとって望ましくない人格を持つ者・・・それがサイコパスというものだということだ。

いかがであろうか。この危険なほどに曖昧な論理。これがサイコパスという言葉のいかがわしさなのである。

この記事では妄想的にサイコパスを次のように規定しておく。

サイコパスは自らが正当とする目的達成のためには不正な手段も辞さないと思考する人間である。

だから・・・犯人に自供させるために嘘を平気でつく杉下右京はサイコパスである・・・誰が「相棒」について語れとっ。

で、『・第7回』(日本テレビ20121124PM09~)原案・恩田陸、脚本・大森寿美男、演出・猪股隆一を見た。主人公の武戸井彩未(北川景子)は「私はサイコパスです」と宣言する。その意味は「安定した収入を得るために教師という職業についているのであって教え子である児童にはまったく愛情を抱いていないことを隠しているから」なのである。しかし、そんなことを言ったら多くの教師が「サイコパス」なのである。そうではないという人間がいればそれは単なる偽善者か、愚者なのである。

もちろん、その中間でなんとなく生きている人間も存在します。

しかし・・・実際には彩未は教え子である悪夢ちゃんこと古藤結衣子(木村真那月)に個人的な感情を抱いているのである。

しかし、結衣子に深くかかわることを避けざるを得ない個人的事情がある。

それは・・・真偽定かならぬ「殺人の記憶」である。

今の段階では彩未はそれを実際に実行していると信じているようだが・・・客観的に考えて成人女性を幼女がホームから線路上に突き落とすのは無理があるように思える。おそらくヒザカックンをしたのではないか・・・おいっ。

ともかく・・・平気で人の夢を盗む志岐貴(GACKT) は疑いようもなくサイコパスである。

しかし、彼は言うだろう。「夢についてどんな法律がありますか・・・たとえば夢の映像化に成功し夢の読み出し機『BAKU(獏)』を完成させたことは禁固何年罰金何円の罪になりますか・・・それによって他人の夢を映像化した夢札を公開することにはどんな刑罰が?・・・プライバシーの侵害?・・・夢の所有権をだれがどのように主張するわけですか?」と。

ついに・・・師であり、『BAKU(獏)』共同開発者でもある帝都工科大学人間科学研究所夢研究分室教授・古藤万之介(小日向文世)に背き、「夢の映像化の成功」を独占的に発表した志岐は同時に「予知夢」の存在を匂わし・・・そういうことに目がない愚かな金主を得たらしい。

志岐夢脳研究センターの所長に収まったのである。

すべては・・・結衣子の予知夢を獲得するために・・・自分との性行為までを行ったのだと悟った彩未は志岐を糾弾する。

「自分の野心のために私と恋人関係になったの・・・」

「そう考えてもらってもいい・・・関係を続けたいのなら予知夢を獲得するために私に協力してもらいたい」

「どれだけ自分の性的魅力に自信を持っているのよ・・・」

「嫌なら・・・予知夢能力者が誰かを世間に公表する・・・そう古藤先生にも伝えてほしい」

幼い結衣子が世間の目に晒されることは・・・彩未にとっても好ましくはない。

しかし、そのことに責任を負う立場にあると思いきれない彩未だった。

もちろん、志岐も悪人ではないのである。ただ、自分の欲望に忠実なだけなのである。

まあ、そういう人を世間では悪というかもしれませんが、悪魔は特にそうは思わないのですな。

古藤博士と結衣子に志岐の要求を伝える彩未。

「あの男が何と言おうと・・・結衣子は私と彩未先生が守る」と勝手に宣言する古藤博士だったが、無意識に潜む殺人者としての過去を悟らせては困ると考えた彩未は結衣子の救いの視線を振りほどくのだった。

「私には関係のないことです」

明恵小学校5年2組の教室では・・・予知夢について児童たちが検証を行っていた。これまでの経過から当然、彩未がその候補となるのだった。

「最近、夢の話が盛り上がっているみたいだけど・・・私とあの男はもう無関係なので面倒な質問はうざいのでしないでください」

「先生、予知夢を見たのは誰ですか?」クラスでもっとも空気を読めない男子児童榎本歩夢(清水優哉)が質問するのだった。

「私じゃありません」

「じゃ、誰なんですか」

「もしも・・・その人が誰だかわかったらあなたは会いたいですか」

「人間は秘密があるから生きていけるので・・・なにもかもオープンにはできません・・・私はそんな人には会いたくないな」

「私も同感です・・・つまり、そんな人間は存在しないということです」

彩未はクラスメートの目から結衣子の存在を隠すのが目的だった。

しかし、結衣子の幼い心には・・・「結衣子には逢いたくない」「結衣子はいないのも同然だ」と言ったも同然なのである。うかつにも彩未はそのことに気がつかない。

放課後、彩未の真意を質そうとした結衣子だったが、職員室に彩未は不在だった。

用もないのに校長先生(キムラ緑子)が「あなたのおじい様は志岐という彩未先生の恋人と知り合いなの・・・私、心配なのよ・・・彩未先生はああ見えて強い人ではないから」と心ない発言を連発するのだった。

慕っている彩未に迷惑をかけているという思いにかられる結衣子。

そこへ・・・好奇心を満たすためには児童に催眠導入剤を処方することも辞さないサイコパスであるである養護教諭の琴葉(優香)が接近する。甘言を弄して結衣子から予知夢を盗もうとする琴葉だったが・・・直感に優れた結衣子には琴葉の邪悪な意図がついに透けて見えたのである。

「もう・・・誰も信じられないし・・・誰にも助けてもらえない」

絶望した結衣子を・・・志岐の助手でサイコパス以前の無軌道な若者である山里(和田正人)は呼吸困難によって失神させ誘拐するのだった。・・・いや、もう完全な犯罪者ですから。

獲物を逃して失意の琴葉をロッカーに隠れていた彩未が襲う。

「あなたの仕業だったのね・・・」

「ごめんなさい」

「未成年者に薬物を勝手に処方するなんて・・・」

「悪気はなかったんです」

「御免ですんだら警察いらないのよ」

「それだけはご勘弁を・・・」

ついに結衣子を手中にした志岐は言葉巧みに結衣子を誘導する。

「君の祖父は君を閉じ込めておきたいだけなんだ・・・君はそれでいいのかい・・・」

「彩未先生は・・・私のために苦しんでいるの?」

「そうさ・・・君の悪夢が手に負えなくて私に相談したんだよ・・・これからは私が君の悪夢を世の中のために役立てる・・・ここが君の居場所なんだ」

そして・・・志岐は記憶喪失の強盗殺人犯の無意識を結衣子に読み取らせ・・・結衣子の見た悪夢によって共犯者の割り出しに成功するのだった。

異常な手段で事件を解決し満足する春山刑事(田中哲司)もある意味、サイコパスなのである。

「君の力が事件を解決したんだ」

「・・・」

そこへ、古藤博士と彩未が結衣子奪還に現れる。

「帰ろう・・・」

「私は・・・ここにいる」

ついに悪魔の城に心身ともにとらわれた悪夢ちゃんだった。

「どうするつもりなんだ」と自分の保護者としての立場を顧みず、彩未に縋る古藤博士。

結衣子の悪夢に対処するためとは言え・・・自分が諸悪の根源だとは夢にも思わない学者バカなのである。

「私にはどうすることもできない・・・私はサイコパスだから」

「意味がわからん」と絶句する古藤だった。

ここで、突然浮上する単なる凡人であるベテラン教師・貝原(濱田マリ)である。

彼女は反復夢について志岐に相談を持ちかける。

貝原の夢札

一部愛好家以外は見たくもない花嫁衣装で吊り橋に立つ貝原。「あしたまにあーな」と叫ぶが花婿の姿はまぶしくてみえない。

結衣子に対する保護責任放棄の呵責から・・・結衣子に声をかける彩未。

「私は大丈夫です・・・先生は元気出して・・・」

「私はあなたに元気を奪われたりししないわ・・・」

「私は・・・この世にいない子だから・・・大丈夫・・・一人でなんとかやっていきます」

「・・・」

貝原の無意識にアクセスした悪夢ちゃんの予知夢

花婿は死人で・・・かっての教え子だった。吸血鬼として蘇生した教え子は貝原を吸血し貝原は悪魔の花嫁として身を捧げる。

そこで・・・かって自分を慕ってくれた男子児童に「先生と結婚したい」と言われたことを思い出す貝原は短絡的にそうとは知らずに悪夢ちゃんに感謝の言葉を捧げる。

しかし、一瞬で教え子の将来を察した彩未は・・・教え子と連絡を取ろうとする貝原をいさめる。

だが、偽善者で愚か者で凡人である貝原は警告を無視するのだった。

そして・・・死の床に横たわる教え子と邂逅してしまうのだった。

なす術がないと知った時に・・・貝原はそうとは知らずに悪夢ちゃんに呪詛の言葉を投げつける。

「知らないでいればこんなに苦しむことはなかった・・・こんな夢を見る人は私にとって人殺しと一緒だ」

知らないということは本当に恐ろしいことなのである。

「どうして・・・あの子は私の血を求めたのかしら」

「麦山先生(岡田圭右)がしゃぶしゃぶで児童に食べられちゃうのと同じですよ・・・先生は教育者として献身し・・・その成果が教え子の心に永遠に残ることを望んだのです。仏教的法話世界の暗示です」

「あなたも・・・残酷ね・・・それでは私は教育者としてすごく強欲みたいじゃない」

「自己犠牲もまた・・・欲のなせるわざですから・・・」

「・・・」

二人はこの世の救いのなさをかみしめるのだった。

そして・・・幼い悪夢ちゃんの心はもはや・・・崩壊寸前である。

社会的なサイコパスは愚かな人間が形成する社会を認識した時に生じやすい。

合理化という精神作用が働くからだ。

愚かな人間の作ったルールに従うことは愚かであるということである。

このままでは結衣子は由緒正しいサイコパスになるか・・・精神的に荒み、廃人になるかしかないのである。

もっとも・・・その役にふさわしくない山里が虚しく結衣子を慰める。

「気にするな・・・君のせいじゃない・・・死に目に会えたことを感謝するよりも・・・自分の苦渋をぶつけることしかできない馬鹿な大人で・・・社会は成り立っているんだよ」

「・・・」

もちろん・・・悪夢ちゃんを救済できるのは彩未だけなのである。

しかし・・・殺人者としての記憶におびえる彩未はそれどころではないのだった。

出口なしの状況を打開するべく逃走を図る彩未は辞表を提出する。

「私の強欲で立ってはならない教壇に私はたっていたのです」

そんなことを急に言われても茫然とするしかない・・・俗人たる校長なのである。

なぜ・・・神は結衣子にとんでもない能力を与えたのか・・・その謎を彩未は解くことができるのか。

もちろん、彩未の言うように未来改変は歴史改変と違うわけではない。

未来も過去も時間に過ぎない。時間を捻じ曲げるのは空間を捻じ曲げるのと同じなのである。

世界崩壊の序曲は陰鬱に鳴り響く。

関連するキッドのブログ→第6話「チャイ夢」のレビュー

シナリオに沿ったレビューをお望みの方はコチラへ→くう様の悪夢ちゃん

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2012年11月24日 (土)

大奥~滅亡の予感~・・・ダイ・オフSFは泣けるよね(多部未華子)

ダイ・オフ(die off)は集団死を指すが、次々と死んでいき、徐々に絶え果てるニュアンスがある。

特に致死率の高い感染症の流行は常に滅亡の予感を人類に与えてきた。

それが・・・いくつかの恐怖小説に結晶化していくのは自然の成り行きと言えるだろう。

日本では「復活の日/小松左京」(1964年)があり、生物兵器の新型ウイルスによって人類を含めた脊椎動物のほとんどが絶滅してしまうという恐怖を描いている。

・・・しかし、泣けるのである。なぜなら・・・人類は滅びないからだ。どうしてかっていうと愛があるからである。

「ザ・スタンド/スティーヴン・キング」(1978年)もまた細菌兵器による世界の破滅を描いている。しかし、人類は滅びない・・・愛があるからである。

このように人類が「愛」という最終兵器でしぶとく「神の仕組んだ罠」をすり抜けて行くのはなかなかに含蓄があるものなのである。

そういう系譜に「大奥~誕生~」は属している。

「滅びの予感」を感じながら死力を尽くして戦うものの根底にある「ある愛の詩」は・・・泣けます。

で、『大奥 ~誕生~[有功・家光篇]・第7回』(TBSテレビ20121123PM10~)原作・よしながふみ、脚本・神山由美子、演出・金子文紀を見た。かなり重層的な物語になってまいりました。まず・・・お万の方(堺雅人)と女・徳川家光(多部未華子)の愛の遍歴に・・・玉栄(田中聖)が絡んだメロ・ドラマも快調である。そこに・・・逆転史要素として挿入された赤面疱瘡の蔓延がスペクタルな展開を増してきた。その二つをつなぐ・・・春日局(麻生祐未)の内面が見事に描きつくされ・・・傑作と言えるドラマに仕上がりつつある。

寛永十九年(1642年)は寛永の大飢饉と呼ばれる三年連続の不作により・・・晩秋から翌二十年にかけて多くの餓死者を正史でも出している。飢えたものは食を求めて流民と化した。

これに加えて・・・この世界では男子の致死率・80%という感染症が発生しているわけである。人口の減少は食糧危機に対する一助にもなるが・・・労働人口の減少は将来の深刻な事態を内包しているのは現代の人々の痛感するところだろう。

そういう時代に人々は対応せざるを得ない。

女・家光はお忍びで各地を視察し、政治家としての力量を発揮し始める。

百姓たちの絶望感による一揆発生を防ぐために御救小屋による焚きだしを行ったり、農民の逃散を防ぐために田畑永代売買禁止令を出したりと・・・冷徹な政策を打ち出すのである。

将軍家の継承問題に頭を悩ます春日局は家光の自由行動に・・・気が気ではないのである。

一方、お万の方は・・・複雑な心情で一途な玉栄を女家光の褥に送り込む。

女・家光を愛するがゆえに自分の分身である玉栄を身代わりに立てると言うものの、お楽の方(窪田正孝)の種による女・家光の出産、新しい種候補であるお夏の方(市川知宏)の台頭により・・・身の危険を感じ始めているための・・・保身の様相もていしている。

お万の方の鬱屈をよそに・・・玉栄もまた女・家光と心身をかわしていくのだった。

時計の針は大胆に進み、寛永二十年八月一日。正史に従えば春日局の余命は残り僅かである。

江戸城では八朔御祝儀が行われる。

八朔とは暦で八月一日を指す。天正十八年(1590年)の小田原征伐の後、豊臣秀吉に関東移封を命じられた徳川家康は八月一日に江戸城に入場した。駿府左大将と呼ばれた家康の領地は150万石から250万石に加増されたのである。そして・・・この時から徳川家による江戸時代は始ったとも言える。そのために・・・この日は記念日となったのである。

伝承によればこの日の正装は白帷子と決まっているのだが・・・逆転史では普通の正装で可である。おそらく白ずくめの正装の数が揃わなかったのだろう。

まあ、質素倹約のために逆転史では白帷子の新調禁止になっているのかもしれない。

なぜ、白装束なのかは諸説あるが・・・古代よりの聖なる衣装であるとか、白秋にのっとっているとか、清めの意味があるとか・・・あるいは北条氏の後に関東に入った徳川家としては決死の覚悟を示す死に装束だったのかもしれない。

なにしろ、当初は北条残党の風魔一族とかが暗躍していたからである。

その日集まった諸侯の後継者も男装した姫侍が多数おり、男子の後継者不足は深刻だった。

六人衆(幕府閣僚)の筆頭である松平信綱ですら男装した娘しず(小澤美和)に松平輝綱を名乗らせているのである。

そのために六人衆は女の世継ぎを認める案を議題として提出する。

これに動揺する春日局。

「それでは・・・将軍も女であってよいと申すか」

家光の影武者となった春日局の実子・稲葉正勝(平山浩行)は言上する。

「上様は・・・ご父君・家光公にまさるともおとらない名君であらせられます・・・」

「それは・・・ならぬ・・・」

将軍家の男子継承・・・その一事のために・・・修羅の道を歩んできた春日局である。

そのために罪なきものをどれだけ殺めてきたか・・・それがすべて無駄だったということなど・・・到底受け入れることができないのだった。

動揺する春日局には廊下を渡る灯さえもが・・・怨み連なる鬼火に見えるのである。

天下のために・・・心を鬼にしてきた春日局は後生大事を祈ることも叶わぬのである。

そのやりきれなさはいかばかりか・・・。

ついに・・・お万の方の世話役・村瀬正資(尾美としのり)の前で卒倒してしまうのだった。

春日局は死へとつながる病床についた。

女・家光は春日局を見舞う。

「死んではならぬ・・・死んではならぬぞ・・・」

女・家光もまた・・・実母の仇・春日局の心情を察するまでに成長していたのである。女・家光にとって春日局はまさしく育ての母であった。

そして・・・お万の方は女・家光の娘・千代姫の乳母である八島局(阪田瑞穂・第8回全日本国民的美少女コンテストグランプリ受賞者)に代わり、春日局の世話を買って出る。

下の世話も厭わないお万の方に精一杯の嫌味で応じる春日局。

「妾に恥をかかせて楽しんでおるのか」

「人は皆、老いまする・・・それがしもいつかは老いて他人の世話になる身・・・それを恥とは思いませぬ・・・」

「・・・」

春日局はお万の方に身を委ねるのだった。

しかし・・・亡国の悪疫は・・・ついに大奥にも手を伸ばす。

お楽の方・・・赤面疱瘡発症である。免疫なかったのか・・・。凄く運があったんだな・・・あの柿を食うまでは。

お万の方は春日局の間に病人を隔離することを進言する。

「この婆がお役に立てるなら・・・なんの異存がありましょうや・・・どうぞ良きように・・・」

春日局の仏心がついに晒されたのだった。

一方、女の直感で将軍こそがわが夫ではないかと疑惑を持つ正勝の妻・お雪(南沢奈央)はうかうかしているうちに・・・嫡男・稲葉美濃守正則(西山潤)が発症して茫然となる。

赤面疱瘡の猛威はまだ始ったばかりらしい・・・。

関連するキッドのブログ→第六話のレビュー

Mako009 ごっこガーデン。大奥地下通路入口前セット。まこついにまこ専用大江戸村が完成したのでしゅ。おいしいお団子や江戸前寿司がお薦めなのだじょー・・・大江戸名物・男吉原にはドラマとは違いイケメンロイドが勢ぞろいなのでしゅ~。ぐふふ。たくさんのお中臈ロイドと遊んでくたびれたら大江戸温泉でリフレッシュするのでしゅ~。じいや、湯上りのジュース忘れないでね~くう大奥では要らない男・・・ついに本心をもらすお万の方・・・微笑みの下でゆっくりと心を病んでいるのでは・・・と心配になる私~。そなたはええ子やがもはや呪文の如くに聞こえてまいります~。ああ~せつない~ikasama4有功様はやはり少し歪んできましたかな~。ポーカーフェイスなんでわかりにくいですけど・・・なんとなくそれを感じさせる演技・・・さすがですなmariどんどん面白くなってきましたね~。でも・・・春日局が逝去したら・・・誰が敵役になるのでしょうか。興味深いですねえシャブリ金曜の夜にテレビにとらわれの日々を過ごす者達がせめてもの慰みに一夜皆で成海璃子をめでることのどこがいけませぬのか?・・・ええーっ、来週は出ないの?」

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2012年11月23日 (金)

ドラマ高校入試不完全攻略ふにゃふにゃ(長澤まさみ)

ミステリを飛ばし読みするのは禁じ手である。

しかし、忙しい日々を生きるものはついとばしたりななめに読んだりするわけだ。

ドラマともなると、食事をしながら、ついなべの中身を物色したりして「何か」を見逃すことはある。

もちろん、録画再生してチェックをすればいいわけだが・・・そんな時間があるかよっと言う人も多いのだ。

この間、弟と話していたら・・・長澤まさみが主人公なのにちっとも怪しくないね・・・と言うのである。

え、だって回想シーンがあるだろっ・・・と言ったら・・・回想シーン?・・・なのである。

弟はここまで、三回あった・・・姜暢雄と長澤まさみの意味ありげな回想シーンを全部見逃しているのだった。

昔から、兄に似ず器用な弟なのだった。

で、『高校入試・第7回』(フジテレビ20121117PM1110~)脚本・湊かなえ、演出・北川学を見た。入学・卒業することがローカル限定のステータス・シンボルになる県立橘第一高等学校という設定そのものに馴染めない人も多いだろう。東京では都立第一なんていうものがないし・・・日比谷高校とかを出ても特にステータスは高くならない。そこから東大に行った場合、日比谷高校から東大というラインは生じるが・・・精々OB間の交友くらいだろう。しかし、噂によれば・・・地方によってはそういう「感覚」は存在するらしい。まあ、一種の都市伝説なのだろう。

ただし、プライド高い人間の集団で・・・プライドに釣り合う世間の評価がない場合にはこういう心理が発生することは想像できる。「私たちに対する世間の無理解はどういうことだ」「もちろん、優秀なものに対する嫉妬だよ」「少なくとも私たちだけはお互いを認めてプライド高く生きよう」・・・ということだ。一種の宗教感覚だな。

そんな県立橘第一高等学校に一人の英語教師がいる。

春山杏子(長澤まさみ)である。帰国子女で大手旅行会社「太陽ツーリスト」から転職して一年目になる・・・28才の新米教師である。28才で教師になった理由は「高校の修学旅行を担当して興味がわいたから」・・・なのである。そんな理由があるのか・・・と疑問に思わざるをえない。

教師一年目から2年B組の担当をまかされるという異例の抜擢。よほど優秀なのである。しかし、そういう素振りはちらりとも見せず、容姿端麗も鼻にかけない。わがままな同僚にも素直に従い、男性教師たちのアプローチにもそつなく応じる。

しかし、ポーカーフェイスである。

そんな・・・杏子が折に触れて回想するのは・・・おそらく杏子の恋人であろうと思われる一人の男性(姜暢雄)である。公式によれば氏名は寺島俊章で兄弟姉妹である可能性は低い。まあ、両親離婚で生き別れとかの可能性がないではないが。

第一の回想。(第2話)

書店で若者向けの雑誌を立ち読みする寺島に杏子が声をかける。

「そんなの読むの?」

「子供たちの間でどういうものが流行っているのかとか知っておくのは大切なんだよ」

おそらく・・・やる気のある教師だったのであると推察する。

第二の回想。(第4話)

寺島は憔悴している。それを慰めようとする杏子。

「あなただけのせいじゃないのにどうしてそんなにも責任を感じなきゃいけないの?」

「帰国子女の君には分からないよ」

第三の回想。(第6話)

引き籠ってしまったかのような寺島を励まそうとする杏子。

「ミスなんて・・・誰にでもあることじゃない・・・完璧な人間なんていないんだから・・・もっと前向きに考えようよ・・・」

「世の中・・・そうやって開き直った者が勝つのか・・」

寺島のリアクションに唖然とする杏子。

第四の回想。(第8話)・・・まだだろっ。

おそらく、飛びおり、飛び込み、首つり、切腹などの展開があるかと思われ・・・決めつけんなよっ。

杏子が・・・「高校の修学旅行を担当して興味がわいたから」・・・ここで教師をやっている可能性は極めて低いと思われ・・・もしも本当にそうだったらミス・リードにもほどがあるだろうっ・・・でございます。

とにかく・・・杏子の大切な人間をどこかにおいつめた人間がここにいることはまず確実で・・・杏子がその「誰か」に制裁をくわえにやってきた復讐者であることも間違いないでしょう。

そして・・・おそらく・・・かって・・・寺島を追い詰めた問題が発生した・・・一高の入試の季節がやってきたのである。

そして・・・何者かの画策により・・・高校入試には様々なトラブルが発生していく。

試験前日。

・これまでにも数々の問題を引き起こしているらしい英語教師の坂本(高橋ひとみ)の携帯電話が盗まれ、試験会場の黒板の上から発見される。

・坂本のロッカーに「入試をぶっつぶす」のチラシが置かれている。

・受験会場の黒板に「入試をぶっつぶす」のポスターが貼られている。

ネット上の一高裏サイトの掲示板に「入試をぶっつぶす」が書き込まれる。

・音楽教師のみどり(南沢奈央)と体育教師の相田が週末を楽しむ予定のリゾート・ホテル・インディゴのゴールドカードが紛失する。

・立ち入り禁止の校内に相田と交際中の問題生徒・石川衣里奈(山崎紘菜)が潜伏している。

衣里奈の問題点。

・入試で携帯電話を鳴らしたことがある。

・そのためにいじめにあった。

・男子バレーボール部のマネージャーとなって相田と関係。

・相田の浮気相手を知っている。

・杏子が担任する2年B組の生徒であり、誰かに操られている。

・坂本の不手際で英語コンテストで失格になったことがある。

・校内にいることをみどりに発見されている。

・ゴールド・カードを所持していた。

・・・おそらく、復讐者・杏子にいろいろと誘導されていると思われる。

試験当日。

・みどりはかなりの浮気性で・・・社会の水野(阪田マサノブ)や、情報処理で入試部長の荻野(斉木しげる)、そして冷静沈着な英語教師・小西(徳山秀典)にもなんらかの関係がある。特に小西は「相田とみどりがホテルに行く」という話を聞いた時に血相が変わった。

・試験について黒板に貼られた「注意事項」が去年のものだった。

・杏子と受験番号46の田辺淳一(横山幸汰→柾木玲弥)が「桜が咲くのは?」「入学式の二日前」という合言葉をかわす。ちなみに入学式が4月8日なら、その日は4月6日である。

・杏子が英語の答案用紙の予備を確保する。

・英語の試験中に受験番号77の芝田麻美(美山加恋)の携帯電話が鳴る。

・携帯騒動の間に受験番号55の沢村翔太(清水尋也)・・・同窓会会長・沢村(入江雅人)の息子がカンニングをする。

・翔太のカンニングを同じ中学の受験番号59の松島良隆(高杉真宙)・・・英語教師・松島(羽場裕一)の息子が答案用紙で告発する。

・杏子が麻美を保健室に引率したために教室を出る時、淳一の顔に動揺が浮かぶ。

※教師・杏子、在校生・衣里奈、受験生・淳一の「トリオ・ザ・入試をぶっつぶせ」が濃厚となる。・・・あくまで妄想です。

・麻美の失格問題が紛糾する。

・杏子の携帯が数学教師の村井(篠田光亮)によってロッカーから発見される。

・採点中に白紙の答案用紙が見つかり、46番の答案用紙が見つからない。

・校内で同窓会会長・沢村が答案用紙を発見するが・・・満点解答で番号は55が記入されていたため、55の答案用紙は二枚になってしまう。

※55はおそらく・・・沢村父子を陥れるための罠だろうと思われる。

※携帯事件で悩む麻美や、帰宅後、掲示板を発見した良隆は推定無罪である。

・・・以上がここ(今回を含む)までのざっとした流れである。

チームにもう一人加わるとしたら配置などの自由裁量ができると思われる元・英語教師の荻野が疑われる。・・・あくまで妄想です。

どちらにしろ・・・「事件」は淳一の兄・光一(中村倫也)が受験した五年前に端を発している。そこには・・・沢村家の次男もからんでいて・・・教師たちの多くもかかわっているのだろうと推量される・・・あくまで妄想です。

1:名無しの権兵衛

みどりは無罪・・・杏子はみどりを妹のように可愛く思っている・・・ターゲットは相田

本部では英語を残して採点が終わっている。

77番麻美は当落線上付近にあり・・・英語の結果が気になる上条教頭 (清水一彰) と的場校長(山本圭)・・・願わくば・・・77番には落ちてもらいたいのだ。

しかし、坂本の報告で二人は失神寸前に追い込まれるのだった。

「答案用紙が一枚・・・足りない・・・」

「モヒャ━━((゜Д゜Uu))━━!!!!!!」

淳一の回想。

兄・光一の高校入試翌日の朝。

二人の母親が「自己採点の結果」を光一に問う。

「五教科平均91点・・・ちゃんと合格ラインの90点を越えたよ」

安堵する母親。小学生だった淳一も兄を祝福する。

「兄ちゃん、よかったね」

しかし・・・合格発表の日。

そこには坂本と荻野の若き日の姿が確認できる。

友人の・・・おそらく沢村家の次男坊・・と受験生と会話を交わす光一。

「俺の79番とお前の80番・・・両方あるといいな・・・」

「いや・・・俺は駄目だよ・・・平均88点しかなかった・・・」

「いや・・・大丈夫だろう」

だが・・・平均88点の80番が合格し・・・平均91点の79番は不合格だった。

「なぜだ・・・苦手の英語を数学で挽回したはずなのに・・・」

帰宅して・・・光一の不合格を知ると手のひらを返す母親。

「俺に恥をかかせる気か」と怒鳴る父親。

「なんで・・・あいつが合格で俺が不合格なんだ・・・」

ここで来年受験するお茶の間の中学生がかなりの数失神します。

そんな兄の光一の仇討ちにきた淳一。おそらく・・・一つ上の高校合格を確保していて・・・一高は最初から捨て駒なのであろう。

「もうすぐだ・・・あいつらは・・・裁きを受けるんだ・・・」

淳一のお茶の間への犯行声明である。

11:名無しの権兵衛

からあげの怨み思い知れ!!

本部では裁きを受ける者たちが驚愕していた。

「重なっているとか・・・どっかに紛れ込んでるんじゃ」

「五人で確認しているんです」

英語チームは坂本、杏子、小西が入室している。

校長、教頭、入試部長は立ちすくむ。

「ただ・・・白紙も一枚まざっていて・・・」

「じゃ・・・それじゃないのか」

小西が46番の他教科の得点を確認する。

「その子は・・・全科目、ほぼ満点で・・・ダントツのトップです」

「じゃ・・・英語だけ・・・できないんじゃ」

「いや・・・内申書で・・・その子の英語は十段階評価で10です・・・」

「そんな子が・・・英語だけ白紙で出すと思いますか・・・」

「じゃ・・・回収ミスか」と教頭。

「回収した答案用紙を確認したのは・・・教頭先生です・・・」と荻野。

蒼白になりつつ必死で矛先をかわす教頭。

「じゃ・・・確認後に紛失・・・もしくは盗難・・・校長、どうしましょう」

「捜すしかない」

「教職員全員で・・・ですか」

「いや・・・弧とが大きくなって外部ら漏れたら困る・・・この事を知っている英語チームと第2試験会場の担当者のみで捜索開始だ」と校長。

「私・・・採点に向かう途中で松島先生にあったわよ」と坂本。

「私も・・・みどり先生に本部の留守番を頼んだのだった」と教頭。

責任回避三人衆である。

「わかりました・・・本部のパソコンに問題が生じたことにしましょう・・・その間に関係者から一人ずつ事情聴取して・・・残留組を決定しましょう」

妙に冷静に言う荻野入試部長。

ここで杏子が表情を変えて・・・。

「ここにいても仕方ないので聴取の順番が来るまで・・・校内を捜してみます」

この後の出来事を考えると・・・杏子もまたお茶の間への犯行声明を出したのか。

そして・・・廊下を走り・・・お約束で揺らす杏子だった。

なんだか・・・久しぶりだなあ。スーツもなかなかだよねえ。

この時、杏子は小西と組んだり、村井と組んだりしているが・・・小西が単独で捜しているシーンも挿入され・・・杏子が単独行動する機会があったことが暗示される。

村井が杏子を残して懐中電灯取りにいったりして・・・。

つまり・・・ね。

男子トイレから出て来た小西と美術教師の宮下(小松利昌)の背後で暗躍するのは杏子か・・・衣里奈か・・・。

途中で・・・相田が加わり、杏子がかまをかけて・・・相田はみどりとインデイゴ・リゾートに行くことを宮下と小西の前で告白する。

一方で水野と一緒のみどりは旅行の予定を水野に問い詰められる。

二人の旅行は車内一泊で明日の夜にインディゴ入りのスケジュールらしい。

ともかく・・・みどりが本部の留守番をしたことで残留組となり・・・相田は叱責を免れる。

そのことを相田に告げる小西の口ぶりの苦々しさ・・・。

みどり先生、モテキかっ。

そして、突然、名探偵となった荻野入試部長。探偵が犯人なのはある意味禁じ手ですから。

校長室での事情聴取のポイントは・・・試験回収に関わった、村井、水野、教頭が・・・答案用紙の枚数はチェックしたが・・・番号を確認したかどうかは・・・不明であること。

そして、相田による坂本のものまね。

さらに・・・みどりによる校内の不審者目撃情報である。

すべての聴取を終え・・・物思いにふける荻野・・・あんた・・・司令塔なのか。

関係者以外の帰宅が許され、職員室を出るその他の教師たち。

こんなにいたのか・・・と誰もが思ったことだろう。

もちろん・・・この中に本当の関係者がいてもおかしくはないが・・・ここはミステリ的に登場人物が絞られたわけである。

本部では校長と教頭が最悪の事態への対応策を練る。

「まさか・・・成績トップの子の答案がないなんて・・・」

「四教科の得点の平均点で加点したらどうだろう・・・」

「捏造ですか・・・」

「対処の一案だよ」

「合格ラインギリギリに77番が・・・もしも・・・46番が加点されれば不合格です・・・そうなると合格ラインギリギリになるのは55番・・・同窓会会長の息子です・・・」

「えっ」

捜索範囲が広げられ玄関で会話を交わす・・・村井とみどり。

「あんな予告もあったんだし、受験生が入試をぶっつぶそうと・・・お持ち帰りしたんじゃないの」

「受験生が犯人だとしても・・・自分のを持ち帰ったら不合格ですからね・・・他の誰かのを盗む可能性の方が・・・」

「たしかに・・・村井君、頭いい~」

みどり・・・男殺しすぎる。

そこに合流した杏子はわざとらしく驚愕するのだった。

沢村(父)の登場である。

その手に握られていたのは答案用紙。

しかも・・・番号は55番。

「なぜ・・・うちの息子の答案用紙が校舎の玄関脇の窓にテープで貼られていたのか・・・説明してもらおうじゃないか・・・」

50:名無しの権兵衛

答案用紙見つかた

英語チームが採点すると二枚目の55番は満点だった。

「よかったわ・・・0点にしてたら大問題」

「待ってください・・・55番はすでにあるんですよ」

「つまり、55番の答案が二通・・・46番はなし・・・と」

「55番はカンニングの疑いのある子でしたよね」

みどりは応接室の沢村(父)にお茶を出す。

みどりは沢村の携帯電話を拝借する。ときめく沢村。

しかし・・・みどりの示したのは掲示板である。

「今・・・会長さんがここにいることは・・・息子さんにとってものすごく不利になるかもしれませんよ」

「なんだこれは・・・携帯電話が鳴ったこととか・・・鳴らしたのは県会議員の娘とか・・・」

「誰にでも見られる掲示板です」

「なんとかちゃんねるか・・・」

「それじゃないですけど・・・ここに会長さんが来ていることが書き込まれたら・・・息子さんが合格しても・・・裏で手をまわしたとか・・・訴えてやるとか・・・実名、顔写真晒しで書かれちゃうかもしれません。動画とかもアップされちゃうかも」

「そんな馬鹿な・・・」

69:名無しの権兵衛

同窓会の会長、学校乱入でござる

「アーーーーッ」

帰宅した良隆は掲示板の存在に気がついた。

98:名無しの権兵衛

ケータイ騒ぎに便乗してカンニングしたのは同窓会会長の息子

99:名無しの権兵衛

県議の娘がケータイ鳴らしても合格なら

同窓会会長の息子がカンニングしても合格かな

それって不正合格だよな

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2012年11月22日 (木)

赤く染めた旗遥か越えて行くさよならの姫子待つ(松山ケンイチ)

三日天下といえば明智光秀の代名詞だが・・・平清盛の革命は安徳天皇の即位(1180年5月)から源義経による安徳天皇の殺害(1185年4月)までおよそ五年間続く。

しかし、実際には清盛は天下人のまま寿命を迎えたので革命の成功者と言えるだろう。

皇室の血を受けながら臣下の子として育てられ、ついに最高権力者となるまでに一生を費やしたわけである。

もちろん・・・歴史というものは個人の力だけで成立するものではない。

清盛が現れなくても平安京の構築した矛盾は火を噴き、世直しの騒乱の幕はあがっただろう。

しかし、そうした歴史の流れを加速するものはやはり個人の力量によるところが大きいのである。

名もなき民たちが力を示し、古くなって腐敗した国の形を崩す。

その為に流される血を厭う人々も多いだろうが、血で血を洗う抗争こそが人類の本源と考えれば・・・平清盛はその名の通り、清々しい人間だったのだと思う。

で、『・第45回』(NHK総合201201118PM8~)脚本・藤本有紀、演出・渡辺一貴を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。いよいよ、革命の終焉の始りで・・・その影の主役となる・・・平家の御曹司の代名詞・正二位前大納言平屋島大臣宗盛描き下ろしイラスト大公開でございます。最後の夏を過ごす清盛に残された時間はすでに一年もなく・・・「すべて」を宗盛に託すしかなかった・・・まさに憐れ極まるとはこのことでございましょう。まあ・・・期待に応えられなかった不肖の息子は敗者に与えられるすべての恥辱を一身に引き受け父親の偉大さを知らしめる孝行息子でもあったのでしょうな。勝者というものは本当に恥知らずでむごいものでございますから。

Tairakiyomori43 治承四年(1180年)四月、平清盛と後白河法皇の孫である安徳天皇が即位する。数え年で三歳、満1歳4ヶ月の帝の誕生である。この時、父・高倉上皇は二十歳。母・徳子は二十六歳である。直後に高倉上皇は病に倒れている。幽閉中の後白河法皇、病床の高倉上皇、そして幼帝と・・・朝廷の根幹は極めて不安定なものとなっていた。清盛は比叡山との関係は良好を保っていたが後白河法皇のバックアップする近江・園城寺、藤原摂関家との関係が深い大和・興福寺という巨大な寺社勢力が不気味な蠢動を始めていた。王家をめぐり水面下で競う公家、武家、法家の三勢力は次第に制御不能に陥っていく。清盛のクーデターで生じた公家の失脚による真空状態が新たな軋轢を生じさせるのである。一方で、後白河法皇の第三皇子であり、後白河法皇の異母妹八条院の猶子でありながら親王宣下さえ受けることが叶わなかった以仁王はクーデターにより自領を没収され、ついに決起を決意する。後白河法皇の血筋である以外に何の法的根拠もない「令旨」を発令した以仁王は全国各地での暴動を命じたのである。いわば、皇子によるテロリズム発令である。その背後には清和源氏頼光流で従三位源伊豆守頼政が控えていた。齢七十七となった頼政は一瞬の政治的空白に乾坤一擲の勝負を挑んだのだった。

出家して源三位入道となった頼政は家督を嫡男・仲綱に譲っていた。

「これは伊豆守殿」と小松殿に源三位を迎えたのは平重盛の未亡人である藤原経子である。源三位は美福門院の郎党であり、その従兄弟である藤原家成とも親交が深い平安京を代表する歌人でもあった。藤原家成は経子の父親だった。

平治の乱の後、源氏の長老的存在となった源三位は平家の風下に立ちながら、清和源氏としては格別の従三位まで昇ったのである。

時には平家の棟梁となった重盛と轡を並べ軍事に勤しみ、相談役として助言を与えたこともあった。

幼くして平家の嫡男の正室となった経子はまだ三十路半ばであったが・・・兄と夫を続けて失い顔に憔悴が現れていた。源三位にはそれが何故か艶めかしく感じられる。

「もはや・・・伊豆守は倅に譲りましたので・・・今はただの入道でござる」

「これは粗相をいたしまして・・・」

「いえ、咎めたわけではございませぬ・・・去りし・・・年は何かとあわただしく・・・重盛様を見舞うこともできず・・・不義理をいたしましたゆえ・・・至らぬ経など捧げたく伺いました次第・・・」

その言葉にそっと涙をぬぐう経子だった。

小松家には経子の産んだ三男清経の上に光源氏の再来と呼ばれるほどの貴公子で二十三才になる維盛、同じ年で和歌に優れた資盛などがいるが現在は内裏に出仕している。

小松殿に祭られた重盛の霊前に参った後で源三位は十七歳の四男・有盛を紹介され、恭子から宋茶のもてなしを受けた。

「入道様には我が子の弓などに教えをいただきたく・・・」

「これは・・・我などに教えることなど・・・いささかもござりませぬぞ」

そう言いつつ目を細めた源三位は重盛の面影の残る若武者に弓の形を教授し・・・小松殿を後にした。

晩春というよりは初夏を感じさせる風が頬を撫でる。向かうは・・・以仁王の待つ八条院である。

長らく苦楽を共にした平家と袂を分かつ決意は凛として固まっていた。

その頃、福原の仮宮には次々と白拍子たちが訪れている。

安徳天皇の即位以来、清盛は福原と京を忙しく往復していた。

京の清盛屋敷で、移動する平家舟で、福原の仮宮で清盛は白拍子と戯れることを欠かせない。

熱に浮かれたように白拍子の歌と舞を楽しみ、その肉体を貪る。

近江の妓王、妓女の姉妹、加賀の仏御前など当代一と噂される白拍子たちを侍らせた清盛だったが・・・その欲求は果てることを知らぬようだった。

警護にあたる朱雀は清盛の近臣中の近臣である平盛国に意見する。

「いくらなんでも・・・清盛様は・・・ことが過ぎるのではないじゃろうか」

「仕方ないのでございまする・・・」

「仕方ないとは・・・」

「清盛様に宿りし、両面宿禰の霊が供物を求めているのでございます」

「・・・」

「今や、清盛様は人の三倍の欲に責められているのでございます」

「それではお命を縮めることになるのでは・・・」

「すべては宿命でござりましょう・・・そして殿はお顔も知らぬ母君の面影を白拍子たちに乞い求めておられるのじゃ・・・」

その時、清盛の寝所から殺気が迸った。

「たわけが」

屏風が押し倒され、全裸の白拍子が胸に忍び刀を突き刺した姿で飛びだしてくる。

「くせもの」

朱雀は気色ばんで抜刀するが・・・龍女と名乗った白拍子はすでに息絶えていた。

「殿・・・ご無事ですか・・・」と盛国が問う。

「他愛もない・・・おそらく近江の青墓のくのいちであろう・・・」

老いの色の深い清盛だったが刺客を返り討ちにしたことで精気が蘇ったように眼光が鋭くなっていた。

「朱雀か・・・来るがよい・・・」

「清盛様」

朱雀は清盛の正室・時子の姪である。

しかし・・・くのいちである朱雀に逡巡はない。

「御慰め申し上げまする」

「・・・」

血の匂いの漂う寝所で清盛は朱雀を組敷いた。

清盛の命を燃やす最後の夏が始まろうとしていた。

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2012年11月21日 (水)

箱入り娘の冒険(真木よう子)VS踊れ踊れママのラーメンサラダ(宮﨑あおい)

自慢の親、自慢の子供、自慢の家族。

そういうものは他人にとってどうでもいいものである。

どうでもいいものを自慢しても虚しくならないところが儚いのだなあ。

恥ずかしい親、恥ずかしい子供、恥ずかしい家族。

そういうものは他人にとって面白いものだ。

面白いものを恥じていたたまれないところが楽しいのだなあ。

しかし、限度を越えれば・・・自慢しなくても誉めてもらえる。

そして・・・限度を越えれば夜逃げするしかないのである。

どういう子供でどういう親でどういう家族でも・・・基本的には面倒くさくてそして・・・捨てがたいものだ。

なにしろ・・・自立した人間というものがほとんどいない世界では。

で、『遅咲きのひまわり~ボクの人生、リニューアル~・第5回』(フジテレビ20121120PM9~)脚本・橋部敦子、演出・石川淳一を見た。多数派の獲得について考えることは多い。たとえば・・・憧れたい人と蔑みたい人はどちらが多いのだろうか・・・という問題がある。全体は常に個人に還元されるので自分が憧れたいのか蔑みたいのかを考えてみる。憧れたいのだが蔑んでしまう自分を軸にすると・・・やはり、蔑まれるものが多数派を獲得できると考えるのである。日本という国で言えば、都会と田舎では田舎が基本的には多数派である。単純に日本の人口が1億人、東京都民が1千万人とすれば、日本人の90%は田舎者ということになる。東京都民のうち900万人が田舎の出身者なので本当に都会者と言えるのは1%なのである。だから、多数者を獲得しようとしたら都会者をターゲットにしたら絶対に失敗する。

そこで・・・田舎を舞台にしたら・・・いいと思うのだが・・・これがなかなかなのである。

どこか特定の田舎を舞台にしてもなかなか普遍的な田舎にはならないのだなあ。

それでも・・・漠然と田舎を想像する都会の人間には・・・ワンダーランドとして楽しくて楽しくてしょうがない場合があります。

さて・・・恋少なき時代にも人々は恋に憧れる。

「男女七人夏物語」みたいなことを田舎でしてみるという企画である。

「男女七、八人秋の四万十物語」なのである。

主人公は田舎出身の都会者で四万十に都落ちしてくる。三年契約の四万十市役所臨時職員の小平丈太郎(生田斗真)だ。

地域の老人の世話をしながら、「地域おこし協力隊」のイベントに協力するのが仕事。

そして、その老人たちの通う病院の看護婦になんとなく恋をしている。

ただし、この恋は基本的に性欲を満たしたい気持ちに基づいている。

四万十市出身で、東京の医大で研究医をしていた二階堂かほり(真木よう子)は教授に性的な奉仕活動が不足していたために故郷の四万十中央市民病院の臨床医として派遣されてしまう。癌の免疫治療というライフワークの道を閉ざされたかほりは鬱屈する。「才能がないから臨床医になった方がいい」という教授の言葉をうのみにしたかほりは悶々とした日々を過ごす。教授が再考して研究医として呼びもどしてくれるという淡い期待を抱かずにはいられないのである。性も実力のうちという世情に疎いかほりは真の実力を発揮できないタイプなのである。

ひょんなことから丈太郎とかほりは「四万十にやってきた仲間」となって・・・恋より友情を強制される設定になっている。どう見てもお似合いの二人なのに本人たちはまったくそう思わないという古典である。

高知市出身で地元の女ではないということで「あとくされがない」ために丈太郎のターゲットになった看護師・森下彩花(香椎由宇)は・・・就職できない丈太郎に見切りをつけた紗江子(大塚千弘)によって傷ついた心を看護してくれそうな感じの年上の女である。しかし、若くて性的に強い男を求める狩人的言動もみせる。そして・・・登場人物の中では最後まで謎を残している人間である。月命日に彼女が墓参りするのは誰なのか・・・。

そんな彩花と同棲しているのが・・・かほりの高校時代の恋人で、市民病院リハビリアシスタントの松本弘樹(柄本佑)である。かって高校球児として四万十市のヒーローだったのだが、挫折して陰気な性格になっている。無職で飲んだくれの父親が心の重荷になってなんとなく彩花と暮らしているのである。

ここまでが基本の四人である。

丈太郎は「彩花さんの誕生日が四月だったので次のプレゼント・チャンスはクリスマスなんだよな~」などといつまでも少年時代の恋愛の夢を追いかけている。

その頃、彩花は弘樹に「あんたにとって俺はなんなんだ」と問われ、「私はあなたにとってなんなの」と切り返したりしているのである。

彩花と弘樹の関係を知っているかほりはなんとなく気をもむのである。丈太郎が傷つくことになったら可哀相だと思うのである。その好意は・・・潜在的には恋心なのかもしれないが・・・かほりにはどこか・・・自分以外の人間をすべて見下している気配がないではない。あるいは研究対象の保有者にしか見えないのかもしれない。それは人間としてはかなり危険な領域であり・・・人間の愚かさの塊のような丈太郎によって人間性の回復が図られている過程なのであろう。

さて・・・そんな丈太郎に気のある素振りを見せていた市会議員の娘の今井春菜(木村文乃)の事情が明らかになった今回。木村文乃・・・主役教師の引き立て役のダブルの後はまたもや不倫している脇役である。どうしてそういうキャスティングされちゃうの?・・・という役者履歴はともかく・・・箱入り娘として育てられた春菜は高知市に留学した短大時代・・・絶好の獲物として大学講師の松浦徹(岡田浩暉)の不倫相手として弄ばれてしまったのである。松浦は妻と別れる気はさらさらないが・・・おそらく高知周辺都市に元教え子の愛人を散在させる性の狩人なのであろう。思い出した頃に春菜をつまみ食いしているのである。

春菜も弄ばれていることは薄々気が付いているのだが・・・呼び出されるとつい応じてしまうほどには調教されてしまっているのだ。

松浦は・・・家庭に乗り込んでくるほどの勇気もなくプライドは高い女子大生をそれなりに選別しているものと思われる。

まあ・・・性行為にしか生きている実感を見出せないタイプで「愛を恐れることは人生を恐れることと同じ」などとほざいて世間知らずの女の子を食い物にしているのだった。

松浦と春菜の・・・春菜にとっては久しぶりの愛の営みに燃えた後始末をするのが・・・古民家を改造した「わけありカップル」によく利用される民宿を支援する四万十市地域おこし協力隊隊長の藤井順一(桐谷健太)である。寝乱れたままの布団を前に彼女いない歴十年の下半身が疼くのである。

家業の金物店の経営も行き詰まり・・・絶望的な気持ちを併せ持つ順一は開き直って最近、初恋の人である島田さより(国仲涼子)にアプローチしている。

さよりはかほりの姉で夫があり二児の母でもあるが・・・日常生活に強い倦怠感を抱いている。地元を離れたことのない順一に共感する部分もあり・・・ひっそりとただならぬ関係へと足を進めているように見える。

さよりと順一は・・・松浦と春菜の愛液にまみれた布団を干しながら・・・距離を接近させていくのだった。

彩花を慕う丈太郎。

丈太郎を危ぶむかほり。

かほりへの心を残す弘樹。

弘樹と間接キッスをすることにためらう丈太郎。

この四人の追いかけっこ展開に不倫中の春菜と不倫一歩手前のさよりと順一がオープニングで「あなたに逢いたくて」と歌う七人なのだった。

そして狭い町なので・・・春菜の不倫を目撃する彩花だった。

隣の家にビールを借りにいった栃木県宇都宮出身の丈太郎は田舎にもさらに田舎があることを思い知るのだった。

さあ・・・この物語はどこに向かって行くのだろうか・・・「元どおり以上」になるのであれば・・・余るのはだれなのだろう。

一番、オーソドックスなのは丈太郎とかほりのハッピーエンド。そうなると彩花と弘樹は結婚するだろう。そしてさよりは家庭に戻り・・・市会議員に立候補した順一は箱入り娘の春菜と結ばれるわけである。

丈太郎とかほりが都会に戻っていくまでにはまだまだ先が長い・・・次のシーズンがあるとすれば・・・丈太郎は彩花とも春菜とも交際することになるかもしれない、かほりは弘樹となんとなく復活し、さよりは順一とかけおちする・・・などという波乱も妄想できるわけである。

そういう関係の男女六人(さよりを除く)が集合した忍びのマスターが経営する「サンリバー」の丈太郎以外の五人の気まずさ・・・爆笑でございました。

都会にで行けばどうにかなった時代の終焉・・・そうした日々の中で・・・とにかくその場その場を一生懸命に生きる丈太郎が獲得したのは「普通救命講習修了証」・・・その成果に微笑むかほりだった。

その直後・・・彩花の部屋を直撃しようとする丈太郎を思わず追いかけるかほりである。

いや・・・追いかけて・・・どうするつもりだ。

彩花と弘樹の同棲生活を知った丈太郎を慰めるつもりなのか。

「東京に戻るなら貸しを返してくださいね」というナース・青山(田口淳之介)の真意「とりあえず一回やらせてくださいよ」を翻訳できないかほりに・・・はたして丈太郎を慰めることができるのだろうか・・・なにしろ・・・高校時代、登下校を一緒にすることが交際だった地味な女だからねえ・・・まさか・・・処女なんじゃないだろうな・・・つづくである。

で、『コーインク・・・コーインクってなんだよ・・・ゴーイング マイ ホーム第6回』(フジテレビ20121120PM10~)脚本・演出・是枝裕和を見た。沙江(山口智子)が危機を回避するフラグのたった今回である。お茶の間の沙江応援団はホッと胸をなでおろし、悪魔はチッと舌打ちなのである。

死んだクラスメートの机を倉庫から運び出した萌江(蒔田彩珠)は早速、問題になったらしく・・・例によって夫の良多(阿部寛)に父親としての役割を期待する母親の沙江だったが・・・今回は両親として夫婦並んで萌江に対応するのだった。

「死んだめぐみちゃんの机が片付けられるのが嫌だった」・・・娘の心情を理解できた沙江なのである。

実家に戻って母と会話をした効果で・・・沙江は幼い自分を回復したのだった。

「私もお父さんが死んだ時・・・萌江のもうひとりのおじいちゃんにあたる人ね・・・お母さん・・・ばあばがお父さんの服とか遺品とかをすぐに捨てようとしたのが・・・嫌だったのね」

「なんで・・・捨てようとするのかな」

「そうね・・・前へ前へと進んでいこうとするからかな・・・」

「昔のことは忘れて・・・」

「忘れなきゃやっていけないからかも・・・でも、そうするのがいやだって気持ち、お母さん分かるような気がする。萌江のことなんでもかんでもお見通しじゃなくても・・・それはわかるな」

「そうなんだ・・・」

娘は母親に心を許すのだった。

そして・・・娘の信頼を受けて杓子定規な担任教師・園田(千葉雅子)に叛旗を翻すのだった。

「どうしてそんなに急いで机を片付けなくちゃいけないんですか」

「それは学校側の方針ですから・・・人は前を見て生きていかなくちゃならないわけですから」

「でも・・・気持の整理をつける時間は人によって違うものでしょう」

「周囲に合わせる協調性も必要でしょう」

「たしかに・・・机の上に座ったクラスメートを突き落とした萌江の行為は暴力ですから許されません。でも・・・萌江の心に「整理」を強要するのも・・・暴力なのではないでしょうか。目には見えないけれど残酷で無慈悲な行為でしょう・・・」

「・・・」

有名人のモンスターペアレンツにたじたじとなる園田だった。

他人の子よりも我が子を思う気持ちがなくては親なんてやってられないのである。

そうでなければ帰るべき家も守れません。

回復しつつある栄輔(夏八木勲)は頑固で冷徹な人格を取り戻しつつあった。

そんな栄輔に柿を剥きつつ、敏子(吉行和子)は言う。

「良多が・・・あなたの代わりにクーナを捜してるみたいですよ」

「そんなことは頼まん」

「結構、あの子のこと頼りにしているでしょう」

「そんなことはない」

歳月が作る老夫婦の和んでいるのかどうかも分からない和みだった。

良多は部下の真田(新井浩文)を連れてクーナの里へ向かう。

なにしろ・・・出会う女とすべてねんごろになってしまう伝説の人である・・・だからテレビ東京の話をからめるなと何度言ったら・・・タクシー運転手の徳永も「ここはいい女が多いんですよ」とそれなりの話題をふるのだった。

「世界観」や「メッセージ」を求める真田は下島菜穂(宮﨑あおい)を一目見るなり色めき立つのだった。

・・・さすがだ。

菜穂に仄かな思いを寄せる良多は真田がモテキ的に危険な男だとは気がつかない。

しかし、菜穂目当てでクーナを取材する長野日報社社会部キャップの畠山(中村靖日)は危険を察知するのだった。

菜穂の戸籍上の父親である治(西田敏行)は「あの広告屋・・・独身だってさ・・・あの撫で肩の新聞社よりいいと思うぞ・・・」などと父親ぶるのだが・・・菜穂には冷たい視線を送られるのだった。

真田は自然体でライバルをつぶしにかかる。

「取材中に帽子が偽物だと分かったんで・・・新しい目玉として・・・沙江さんに参加してもらいましょう・・・」

「ええっ」と動揺する良多だった。

「沙江さんがクーナ捜しに参加して手料理食べられると告知すれば・・・ファンが殺到しますよ」

こうして・・・沙江は「クーナ捜しに夢中の家族」の一員になれたのだった。

芸が家庭を助けたのである。

「お母さんも参加するよ・・・仕事だけどね」

「それでもいいよ・・・自分の好きなことを仕事にできる人は少ないんだから」

「ええっ」

「・・・ってお父さんが言ってた」

子は鎹である。

沙江が萌江に殺されている頃。

背の高さで罠作りを手伝いまたもや大地(大西利空)にアピールする良多。

父親同様に将を射んとすれば馬から射よなのである。

ご褒美に菜穂の手作りの「ラーメンサラダ」を御馳走になるのだった。

父親と同様にマヨネーズ好きを指摘される良多・・・。

「私は父ほどマヨネーズが好きではない」と謙遜する良多だった。謙遜なのか。

マヨラーは基本的に馬鹿だからな。

菜穂の胸の中では・・・栄輔の捜してくれた「失踪した夫」に会いにいくか否やという気持ちが揺れていたのだった。

菜穂を残して失踪する男の気持ちが誰もが理解できないところだが・・・そういう男だからこそ菜穂と結婚できるという現実は随時見受けられます。

その夜・・・消しゴムを使ってクーナの足形を作る良多。

やはり足形を作った治と遭遇するのだった。

二人は警察官の梶(山中崇)に発見され、厳重注意を受ける。

「そんなことして・・・子供が信じたらどうするんですか」

「だって潮干狩りだって貝を埋めるし」

「イモほりだってイモ埋めるし」

「サンタの衣装来たパパを全員逮捕しますか」

意気投合する二人である。

そして・・・ついに奥の手の出汁を娘に伝授する沙江だった。

「ダシって何?」

「縁の下の力持ちよ」

「縁の下って何?」

「家の下で・・・家を支えているところよ・・・」

「ふうん」

「ダシも・・・料理を支えているの」

「ふうん」

「飲んでごらん・・・」

「・・・薄い」

「ダシだからね」

こうして沙江は母の座は確保しました。めでたしめでたしである。

まあ・・・夫の方は小さいのでいつでもキャッチできるからな。

あげるよと言って 

差し出した君の

指先風に震える 

四つ葉のクローバー

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アサリと潮干狩りについての現状については天使テンメイ様のこちらをご参照ください。

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2012年11月20日 (火)

ホットドッグ一本300円、100本売って三掛けで三人で割って手取り三千円、川の字で感じる同じ匂いの吐息PRICELESS(木村拓哉)

魔法瓶の発明は19世紀末のドイツである。

日本では1911年に国産第一号が開発されている。

つまり・・・2011年は日本の魔法瓶誕生百周年記念年だったのである。

おそらく・・・それが、なぜ今、魔法瓶なのか・・・という一つの答えである。

魔法瓶の魔法とは「熱伝導の遮断」・・・つまり、「断熱」ということだ。

世界の熱は対流によって均一化していく傾向がある。

つまり、熱すぎれば冷め、冷たすぎれば温められる。

太陽という圧倒的な熱源が絶対零度の支配する宇宙と温度を絶え間なく交換する。

その中間で大気によって絶縁された地球は程よい温度に保たれている。

つまり・・・地球は巨大な魔法瓶なのである。

しかし、実際の魔法瓶はいかにして内部を大気と遮断するかに苦心する。

そのために二重壁が作られ、擬似真空地帯を置くことにより、内部の熱が移動しないことを主眼とするのである。

夏は・・・氷がとけない。

冬は・・・お湯が冷めない。

ああ、魔法だ。少年の日にそれを感じて大人になった人は多いだろう。

しかし・・・その感動をたやすく忘れ去った大人も多い。

夏に冷房を切り、魔法瓶だけに頼り、冬に暖房を切り、魔法瓶だけに頼る。

魔法瓶の有り難さをかみしめる一日があってもいいと思う。

なにしろ・・・単なる魔法瓶は・・・電力を消費しませんから。

で、『PRICELE$S?あるわけねぇだろ、んなもん!?・第5回』(フジテレビ20121119PM9~)脚本・櫻井剛、演出・鈴木雅之を見た。「マルモのおきて」の脚本家登場である。序盤が終了して軌道に乗った段階でダイアローグ(対話のセリフ)にノリが生じている。増長な部分もあるが、一挙にセリフ量が増えて饒舌なドラマになったことで活気に満ちて来た感じがしますな。そこに新脚本家投入で拍車がかかったわけである。ある意味、ゴージャスなのでございます。それが一種の楽しさを形成しているのだなあ。

決めゼリフだった・・・あるわけねえだろ、んなもん・・・も今回はあまりこだわらない。

実は・・・今回は誰もが感じる・・・金田一二三男(木村拓哉)と二階堂彩矢(香里奈)の恋愛関係について登場人物が問いただすシーンがあり、そこではそれぞれが「あるわけないでしょう・・・そんなこと」と言える機会があったのだが・・・言わないのである。

最初は転がり込んだ第三の無職人・模合謙吾(中井貴一)が金田一に問いただす。

「君は・・・二階堂くんと出来ているのか」

「モアイさんって、結構・・・間違える人なんですね・・・」

お茶を濁すのである。

後半では金田一の恋人である広瀬瑤子(蓮佛美沙子)が二階堂を召喚する。

「一緒に暮らして・・・一緒に働いて・・・ずっと一緒・・・彼のことを好きなんでしょう?」

「本当になんとも思ってませんから・・・」

言わないのである。

ただ、ホットドッグ営業一日目を終えた三人が・・・なんとなくホットな気持ちになって和んだ時・・・金田一が「なんか・・・ホットドッグ屋にやる気だしてきましたね」とモアイに問うと「そんなものあるわけないでしょう・・・」とさりげなく答えるのである。

この辺り、ゲーム感覚の強いメインライターだと、決まり文句をかなり不自然であってもぶっこまずにいられないので・・・今回の起用は自然な会話の成立ということでは大成功と言えるだろう。

まあ・・・些細なことではありますが・・・。

三人の妖精の最初の夜

幸福荘の金田一の部屋に新たに転がり込んだモアイは傷心である。

しかし・・・たちまち部屋のシェアについて不具合が生じる。

男と女と男が眠るにはあまりにも狭いのである。

まあ、二階堂が金田一と同居するのもすでに常軌を逸しているのだが・・・二人は変人なのでまったく問題なかったらしい。

ところが・・・モアイは常識人として物議を醸すのである。

そうなると・・・二階堂も・・・モアイに対する敵意が頭をもたげる。もちろん・・・深層心理的には二階堂の中に金田一に対するもやもやとしたものがないわけではないので、それを隠すためにも一層の攻撃性が生じるのだった。

金田一はすでに・・・屋台を使って何かを始めようとしているのはお茶の間も了解している。

それを伝えようとするが聞く耳を持たない二人。

これだけの流れでなかなかに弾む会話である。

「時間制にしたらどうか」「やはり三等分」などといい加減さを爆発させる主人公。

ここでモアイは「大家さん」とかけあうという設定で幸福荘の住人たちの登場機会を作りに行く。

鞠丘貫太(前田旺志郎)両太(田中奏生)の兄弟には「ザコキャラ」扱いされ、トイレ清掃中の鞠丘一厘(夏木マリ)には睨まれ、1号室の占い師・豪田武雄(酒井敏也)には「破談の相」が出ていると告知され、2号室の怪人・大島陽輝(渋川清彦)には「俺の下で働かないか」と勧誘され、3号室の富沢萌 (小嶋陽菜)とは「モアイです」「モエです」と意味のない挨拶をかわし・・・4号室に出戻ってくるのだった。

臆病な人間が変な人たちと遭遇するのはそれだけで楽しいことなのだな。

モアイが4号室に戻ると・・・鞠丘兄弟に呼び出された金田一が退出。

気まずいモアイと二階堂が残される。

「会社を辞めたことを後悔しないように・・・会社の悪口を言ってくれ・・・」

モアイもあらためて変な人の仲間入りをしたのである。

ここで・・・二階堂は今回の重要なテーマ・・・「ミラクル魔法瓶の社員食堂は不味すぎる」を口にする。

今回、四号室の三人は何故か・・・ネズミ化していくのだが・・・実に分かりやすい擬獣化だな。ネズミは悪戯好き。ネズミは小心者。そしてネズミは堅実なのだ。

そして・・・ネズミは可愛いのである。

ある意味、現実離れした生活を始めた三人が可愛く見える計算である。

ついに・・・金田一は「考えたいいこと」を明らかにする。

「三人で屋台でホットドッグを売ろう」である。

「そんなの無理だろ・・・」とモアイ。

「採算とれるの・・・」と二階堂。

「大丈夫でチュー」なのである。

ここで無理なくプロのマスター藤沢(升毅)の登場である。バー「キングスコート」の名物メニューの下請け移動販売を金田一は計画していたのだった。

その美味さに思わず説得されるモアイだった。

しかも・・・モアイの役割は「調理人」だった。

いつのまにか、金田一社長、経理二階堂、社員モアイの流れなのである。

「そんな・・・妻(宮地雅子)に二度と包丁持つなと言われたほどの料理下手の俺が・・・なんで」

「尻ごみぱかりで残念な人ね・・・豊臣秀吉だって、やる時はやったのよ」

豊臣秀吉は戦国武将である。織田信長の家臣時代、朝倉勢と浅井勢の挟撃に遭い絶体絶命の織田軍にあって・・・生還不可能と思われた退却戦の殿軍(最後尾)に名乗りをあげ、一躍、「金ヶ崎の退き口」の猛将として武名を轟かせた。

「そうです・・・あなたが炎のストッパーです」

炎のストッパーとはプロ野球・広島カープの津田恒実投手である。1989年に防御率1.63、12勝5敗28セーブを挙げる活躍で最優秀救援投手、ファイアマン賞に輝いた。

「その人・・・故人だよね」

広島カープファンの金田一、戦国武将マニアの二階堂・・・はたしてモアイの必殺技はなんなのだろう・・・それはおそらく・・・。

記念すべき屋台の営業開始場所はミラクル魔法瓶の正門前だった。

なにしろ・・・社員食堂が不味いというマーケティングができているのだった。

お客第一号・・・ほぼサクラである榎本小太郎(藤ヶ谷太輔)の活躍で・・・完売する仲良しトリオのホットドッグ屋だった。

「キングスコート」で祝杯をあげる三人。

「これはもっと売れそう・・・」と喜ぶ金田一。

「でも・・・百本売っても手取り3000円だよ・・・高校生のアルバイト以下だよ」と二階堂。

「俺は就職の面接に行く」とモアイである。

「えーっ」と驚愕する金田一。

「やめるなら・・・とっとと出て行ってください」と深層心理に従う二階堂だった。

「戦う君の夢を戦わないやつらが笑うだろうと満島ひかりも歌っているのに」

「中島みゆきじゃないのか」

「たまたまオンエアしていたCMの話題はそこまでだ」

とにかく・・・男二人との添い寝を断固拒否する二階堂・・・金田一とだけならいいわけだよね。

避難した先は路上アイドル・富沢萌のお部屋。

しかし、そこには語るも睡眠不足聞くも睡眠不足の地獄のアイドル伝説~全章~が待っていたのだった。

一方、金田一も後悔満載のモアイの愚痴に徹夜で付き合うことになるのだった。

完全なる睡眠不足の三人を一厘は暖かい目で見守るのである。なにしろ、家賃収入があったからである。

営業二日目・・・順調に売り上げを伸ばす金田一二階堂。

その頃、社内では重大な営業方針の転換が実行されていた。

「え・・・魔法瓶をやめるって・・・どういうことですか」と血相を変えるのはミラクル製作所の辻所長(志賀廣太郎)である。おそらく・・・魔法瓶部門は独立採算制の色合いが濃いのだろう。

それを部門ごとリストラする・・・ミラクル魔法瓶社長の統一郎(藤木直人)の留まるところを知らない経営合理化戦略である。それはもはや暴走の域に達しているようだ。

「じゃ・・・ミラクル魔法瓶じゃなくなっちゃうじゃないですか」

「社名も来週、変更するつもりだ」

「そんな・・・アンフェアな・・・」

「とにかく・・・すべては決定済みのことです」

「あんたは・・・社長の器じゃない」

「・・・」

怒りに燃えて社を後にする辻は金田一の屋台と遭遇する。

すかさず・・・モアイの部下だった金田一を発見する辻。

「どうしたんだ」

「クビになっちゃいまして・・・」

「俺もだよ・・・」

「なんか・・・すいません」

「あんたがあやまることじゃないだろう・・・そうだ・・・いくつか包んでもらおうか・・・」

「じゃ・・・移動します・・・」

機動力を発揮してミラクル製作所に移転する金田一二階堂だった・・・。

ここで、モアイとの「ものづくり」の昔話に花を咲かせる辻。

二階堂の心にもモアイに対する視点の変化が生まれるのだった。

しかし・・・魔法瓶部門の社員の行く末を心配する金田一にはさすがに唖然とするのだった。

自分たちだって明日をも知れぬ身の上なのである。

「あんまり・・・平気だとヒーローになっちゃいますよ」

「そうかな・・・俺はとにかく・・・毎日500円稼ぐのに夢中なだけの男なんだけど」

その頃・・・モアイは再就職のための面接を受けていた。

やがて幸福荘に合流した三人。

金田一は辻との出会いをモアイに報告する。

「昔は・・・冷たいものを冷たいまま、温かいものを温かいままにするために試行錯誤をくりかえしていたもんだ・・・なんてったって魔法の瓶を作るんだからさ」

そういう当たり前の日々が当たり前でなくなるのが・・・世界経済の恐ろしさなのである。

もちろん・・・そうしたくなければ鎖国すればいいのだな。

ま・・・できませんけどね。

就業前の一時。屋台を準備中の二階堂の前に実はお嬢様だった瑤子が登場。

美味しいケーキの店で金田一と二階堂の関係を詰問である。

しかし・・・ピンと来ない二階堂だった。

二人のただならぬ気配に聞き耳をたてる店内の客一同。

苛立ち席を立った瑤子お嬢様だが・・・そうまで言われるとちょっと・・・と思い出す二階堂だった。一応、女子ですから~。

なにしろ・・・ヒーローがヒーローであることを気付かぬヒロインを演じるのは大変なのだった。

まあ、うっかり気付かない演技に関しては流石の域に達しています。

そして・・・モアイは辻を訪ねるのだった。

「あの頃は楽しかったなあ・・・お客の喜ぶものを作っていた実感があった」

「・・・」

「お前、クビになったんだって?」

「なんとか再就職が決まりそうです」

「それはよかった」

「あなたはどうなさるんですか」

「俺は・・・もういいよ・・・魔法瓶にすべてを捧げたんだ・・・他のことなんて・・・意味がないよ」

モアイの心の中で何かが点火したのだった。

下界を見下ろす統一郎は・・・虫けらのような金田一が気になりはじめていた。

「あの・・・ホットドッグ美味いのかな・・・」

先代から汚れ仕事を引き受けて来た財前(イッセー尾形)はまだその本性をさらけ出していないが・・・統一郎坊ちゃんに対しては忠実である。

「退去するように申しましょうか・・・」

「いや・・・食べてみたい・・・」

やってきた統一郎の割りこみを許さない金田一。

素直に応じる統一郎。しかし・・・社長が最後尾につくと・・・モーゼの十戒の如く、社員の列は割れ、道が開くのだった。

「なんだか・・・悪かったかな」と無表情でつぶやく統一郎。

金田一と統一郎を観察する・・・謎の広瀬親子である。

「あの・・・今更、会社に戻せなんて言わないけど・・・」と統一郎に迫る二階堂。「ホントのことを教えてくださいよ」

「情報漏洩の罪じゃないか」と財前。

「じゃ・・・魔法瓶事業はなぜ急にやめるんです・・・多くの人が職を失うんですよ・・・分かってますか」

「経営者には合理的な判断が求められる・・・ただそれだけのことです」と統一郎。

「うそつき・・・社長は何かを隠してるでしょう・・・それが分かるまで私は追求を諦めませんから」

「君たち・・・二人で何ができる・・・」

そこへ・・・モアイが登場するお約束の展開だった。

モアイは新作・魔法瓶にスープをつめてやってきたのである。

微笑み合う金田一とモアイだった。

「社長・・・あなたこそ・・・一人で何をしようとしているのですか」と金田一。

「一人・・・」と統一郎。

「スープいかがですか・・・200円ですけど・・・」と二階堂。

「いや・・・結構」と立ち去る統一郎だった。

再びサクラ登場で・・・ホットドックとスープで500円が飛ぶように売れるのだった。

二人の社長の対決を何か思惑ありげに見つめる謎の広瀬社長(草刈正雄)だった。

そして・・・ついに仲良しトリオは川の字を達成したのだった。

どんなプレーの果てなのか・・・中央・二階堂でW腕枕である。

これは・・・痺れるぞ~。

ワンツー。

Jumpin' Jack Flash/The Rolling Stones

私は嵐の中で産声をあげたのよ

もうマリア様もびっくりの濡れ濡れだったわ

だけど後悔はしてないの

なんでもこいの気分なの

さあ、いらっしゃい

後ろから前からどうぞ

後ろから前からどうぞ

後ろから前からどうぞ

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An005 ごっこガーデン。川の字満喫セット。アンナアハハハハ~、ツボ満載の面白さぴょ~ん。そして、夢のダーリンと川の字セットきましたぴょん。もう・・・これ、おかしくって涙がでちゃうレベルの恥じらいなのですぴょーーーん。1話に続いて面白さ爆発の5話なのでした~。じいや、アンナはこの後、質素な朝食でモーニングをいただきま~す。スタンバイしくよろ~、そしてツボりました」まこうらやましー・・・まこもフジッキーと竹さまで川の字するのでしゅ~。じいやまこちゃんランドにセッティングしちくり~。それから金田一がいつ、レッツ・ゴー!を言うのかも興味津々だじょ~。今日も一日、早く統一郎が幸せになりますように祈りましゅ~・・・おっとーっmanaさんの記事によれば三人で屋台を押してる場面でレッツゴー三連発が~・・・聞き逃したのでしゅ~・・・くすんくう大丈夫しょと駄目しょの中間で二階堂が妥協しょの真空地帯を作り出す・・・まさに川の字トリオの誕生だね。もはや三人はファミリーなんだよね・・・それに対してある意味父親に裏切られた統一郎・・・孤独の日々は最終回まで続くんだね~・・・最後は救ってもらえるよね~?」みのむしそうなりますように・・・ちーず「まだまだ悪夢ちゃんでikasama4なかなかプライスレスまで届きませんな

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2012年11月19日 (月)

MONSTERSとは見た目で醤油と黒酢の見分けが出来ず、味見もしない料理人のことですか?(山下智久)

はい、またお会いしましたね。

お二人のスターが共演するこのドラマ。

小学生の皆さんはどちらのスターに憧れますか?

やんちゃな男の子がそのまま大きくなったような慎吾ちゃん?

それとも・・・アラン・ドロンのような生れついての美形・・・山下くんですか?

私は二人とも好きで好きで大好きなんですよ。

大きな慎吾ちゃんにがっしりとした体で抱きしめられてもみたいですし、華奢な山下くんをそっと抱きしめてあげたいですねえ。

人間のやらしいやらしいやらしい気持ち、こわい、こわい、こわいですね。

私は山下くんは「太陽がいっぱい」をやるといいと思うんですよ。

頭がよくて、顔が美しくて、でも貧しい青年。

この青年がお金持ちの友人を殺して、殺した相手になりすますという恐ろしい話なんですよ。

でも妖しいまでに美しい山下くんなら、きっとゾッとするほど色っぽい殺人犯を演じることができると思いますよ。

ああ、うっとりしてみたいですね。

今回のドラマは「そげなー」な役ですが、どんなにコミカルでも美しい、これは凄いことなんですね。

さあ、時間が来ました。ドラマの後でまたお会いしましょうね。

で、『MONSTERS・第5回』(TBSテレビ20121118PM9~)脚本・蒔田光治、演出・石井康晴を見た。「白夜行」「クロサギ」「流星の絆」など犯罪者側の心情を描かせたら沁みる演出家である。その重厚さが仇となる時もあるが、今回は「全国料理人コンペティション」の演出にすべての力を注いだ感じだな。・・・どこに注いでんだよっ。

「泊ると必ずプロポーズが成功する部屋」を予約しにホテル「Four Seasons Hotek」にやってきた西園寺刑事(山下智久)である。部屋っていうよりレストランの席だな・・・。軽く脚本と演出が齟齬をきたしているよね。これは「泊ると必ず死ぬ部屋」のヴァリエーションなんだな。

あの恋人に結婚を申し込むつもりらしい・・・正気なのか。

総支配人(伊藤正之)に「お料理は?」と問われ「おまかせで」と答える西園寺。

そういうキャラなのだが・・・そのあたりが少し、物足りない。つまり、手抜きを感じるのである。

今回は「料理」が重要な主題だが・・・基本的に脚本家が「料理」に興味がないのが匂い立つのである。

たとえば・・・トリックの一つに使われる「解凍可能な料理」・・・要するにレトルト食品である。

基本的に「カップヌードル」賛歌なのである。「ドクターX」でも味覚に問題のある料理研究家が登場するが・・・こちらの方が基本的に「料理」への愛があったな。

まあ・・・それも時代というものかもしれないが。

「料理人」はサービス業である。現代はサービスする側がサービスされる側よりリッチな時代でもある。なけなしの金で最高の料理を食べにくる客に対して料理人がボロ儲けをするからである。預金者よりも豪華な銀行とか、電気利用者よりも豪華な原子力発電所とかと同じなのだな。

そういう成功者をターゲットとするオーソドックスな刑事ものであるので・・・今回は成功している料理人が犯人なのである。

予約がいっぱいなので結局、キャンセル待ちとなる西園寺。折しも開催準備中の「全国料理人コンペティション」に紛れ込む。

そこで連続王者である「秋月亭」主人・丸岡(榎木孝明)、チャレンジャーである「四条庵」のシェフ四条(中村俊介)、そして料理研究家で審査委員長の大河原六郎(奥田達士)に出会う。

そこには・・・何故か平塚刑事(香取慎吾)もやってきていたのだった。

ここは、基本的に笑うところなのだが、オチの先だしなので簡単には笑えない。

理屈では、「刑事たちが有名人に会う」「有名人が容疑者と被害者になる」「なんという偶然」という流れで・・・「オチ」るのである。だが、このドラマは大体、犯人が決まっているのでなんとなく釈然としない空気が漂うのだな。

しかし、一応、被害者や犯人に最初から探偵側があらかじめ出会っているは笑いどころなのである。

容疑者は二人、県会議員の妻から料理研究家の妻に転身した大河原美津子(生田智子)・・・おそらく高校入試がらみでいろいろとあったのだろう・・・別ドラマをまぜるなとあれほど言ってるのに・・・に呼び出されたと主張する丸岡である。

そして、もう一人は「伝統的料理を愛する料理研究家」である被害者の大河原から酷評されていたという四条である。

しかし、「料理が科学」であるというのは伝統的に料理の基本である。特に調味料などというものは科学そのものなのだから・・・基本的にそういう主張は成立しないのである。

いかにも「料理」に興味も関心もない脚本家の姿勢が窺がわれるのである。

さらに言えば、遺体の第一発見者である被害者の妻が容疑者として浮上しないのはものすごいご都合主義である。大河原夫人と丸岡はただならぬ関係にあるようにしか見えないし。

それにしてもまたしても死体の移動でアリバイ作りである。芸がないのにもほどがあるよね。

ただし・・・そういうところは全部「おふざけ」でやっているつもりなのかもしれないのだが・・・残念ながらお茶の間には伝わらないと考える。

とにかく・・・大河原夫人から呼ばれたとする丸岡と、丸岡を呼んでいないという大河原夫人の証言は最初から食い違うので・・・どちらかが嘘をついているのは明白なのである。

最初から不完全犯罪って・・・どうなんだ。

料理は科学である。水と醤油とみりんを正しい分量で量って調合すれば、同じ味が再現される。ただし、水には様々な不純物があり、醤油やみりんも同じ品質とは限らない。それぞれが水を使うからである。この味の再現性の困難さが料理が芸術に属して行く基本である。つまり、ある程度再現できるが、完全には再現できない・・・ここが醍醐味なのである。

また、同じ素材を使っても、調理中や摂食時の気温や湿度さらには摂食者の個性や体調によっても味は変化する。

そのために・・・料理人がどんな達人であろうとも最終的に味見はかかせないのである。

このドラマは「嗅覚障害」にこだわったためにものすごいごり押しで進むのだが・・・味覚に障害がなければ・・・味見の段階で醤油と黒酢の差異は明らかなのである。

味見をしない料理人を仮定してしまうということが・・・この脚本の物凄い穴なのである。

もちろん・・・「匂い」は「味」の大事な要素である。

感覚器的に言えば・・・「舌」と「鼻」の感覚は非常に近く、それは化学物質の刺激による検出機能と言っていい。舌が接触探査機で、鼻が広範囲探査機であるくらいの差である。

嗅覚障害の場合、たとえば「米の焚けた匂い」がしないわけである。それから、「ワサビが鼻にぬける感じ」もしない。どれだけ料理が不味くなるか、想像はつくだろう。しかし、味覚が正常ならば・・・「しょっぱい」と「酸っぱい」の区別はつくのである。「醤油」と「黒酢」の区別がつかなければ味音痴だ。また、料理人ともなれば視覚的にも「醤油」と「黒酢」の区別はつくだろう。もちろん、醤油に見える黒酢はある程度、作ることができるだろう。基本は醤油に黒酢を混ぜちゃうわけである。せめて・・・そういう説明は必要だよな。

五感は基本的に刺激を感じることである。

つまり、すべては「痛み」なのであって・・・その程度によって「気持ちいい」から「うぎゃあああ、死ぬ」まで様々な段階があるのだが・・・このドラマは毎回毎回、かなり「痛い」と思う。

まあ、「痛み」は慣れればどうってことなくなるのだが・・・他に痛くないものが挟まれると痛さ倍増なんだよな。一週間で言うと「快い」「かなり快い」「凄く快い」「物凄く快い」「あらまあ快い」「快いねえ」「痛っ」って感じだからな。・・・なんのたとえなんだよ。・・・愛読者には分かります。

四条も頑張って疑わしい行動をとるのだが・・・それは金田刑事(遠藤憲一)の出番を確保するに留まるのだった。

物凄い無駄遣いだが・・・ある意味では豪遊である。

結局、携帯電話についていたサントリナローズマリーの成分から殺害現場が特定される。

もちろん・・・西園寺の特殊能力、「ちょっと捜すと殺害現場」が発動するからである。

「あなたは匂いを失って・・・人間性も失った。匂いがしないなら料理人をやめろと言われ・・・被害者を殺害したのですな」

「確かに・・・私は匂いを失った・・・しかし、それがどうして証拠になると思うのだね。嗅覚障害者なんてものすごい人数が存在しているし・・・いつ、私がそうなったのか・・・誰にも証明できないだろう」

「えーと・・・良い医者を紹介しますよ・・・嗅覚障害は治る場合と治らない場合があるそうですが・・・」

「できれば・・・うなぎの焼ける匂いとか・・・もう一度嗅げるといいなあ・・・」

「匂いって大切ですよねえ」

はい、今回も迷宮入りでしたね。タイトルを「迷宮のMONSTERS」にすればピッタリですね。

山下くんはあの恋人にごめんなさいをされてましたね。

身の程知らずって本当にこわいですね。

しかし、美女と野獣って古典的な主題なんですよ。

人は自分にないものを求めたりしますからね。

そして、結局、自分で自分を愛するしかなかったりしますから、ゾッとします。

それでは、また来週、お会いしましょうね。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

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Erioo5 ごっこガーデン。絶対プロポーズされるレストランセット。エリ公私ともに多忙なのでレビューはちょっとお休み中なのでスー。でも、山P先輩にプロポーズされる機会を逃すわけにはいかないのでスー。絶対、絶対、絶対、百万回でもOKいたしまスー。じいや、指輪は百万カラットのやつ、スタンバイして~、お食事はあっさり味でお願いしまス~mariこのドラマのレビューをしないのは・・・いろいろなので追求なさらないでください。でもプロポーズはおうけいたします~ikasama4薔薇のない花屋以来の・・・伝説の卓袱台祭りの予感ですな・・・

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2012年11月18日 (日)

貧富の差、美醜の差、賢愚の差・・・あらゆる落差に飛翔と墜落の悩ましき妄想の悪夢ちゃんもげっ(北川景子)

あなたの心に忍びよる影。

それは・・・現実、それとも悪夢。

たとえば・・・「白鳥の湖」と聞いてあなたが思い浮かべるものは何か?

チャイコフスキーのあのメロディー。

ピエリーナ・レニャーニのオデット姫。

ブラック・スワンのナタリー・ポートマン。

北海道の水辺に浮かぶオオハクチョウ、コハクチョウ。

バレリーナのトウシューズの中の金色の画鋲。

ジャネット・リンに憧れた草刈民代。

それらの脳内で再生された記憶をすべて解析して視覚化するコンピューターはどれだけ、計算能力を要するのだろうか。

その中から・・・時間経過による物語を紡ぎ出す恣意的な解釈も行う自律性も要求されるのである。

基本的は脳内電位のすべての変化についての観測を長時間行い、一人一人の個性と、共有点を参照し、あらゆるノイズを排除して超再現するソフトウェア・システムを含むのである。

断言しよう・・・それは現時点では不可能です。

しかし・・・まあ、他人の夢についてあれこれ言っても始らない。

そしてまた・・・不可能を可能にするのもそういう他愛のない誰かの夢なのである。

だが、脳内の特定の部位を刺激し、悪夢を見させる機械についてはすでに実用可能だとも考えます。

そういう機械があることがすでに悪夢ですけどね。

で、『・第6回』(日本テレビ20121117PM09~)原案・恩田陸、脚本・大森寿美男、演出・菅原伸太郎を見た。女児小学生によるバレエ・シーンの連打で一部愛好家熱狂の展開である。ロリータ・コンプレックスではありません。どちらかといえばアリス・コンプレックスですな。もう、聞きあきたでしょうが、心理学的にはコンプレックスとは劣等感のことではありません。劣等感はコンプレックス(心理的複合体)のごく一部です。

たとえば、自分の身長の低さを劣等点だと強く感じている人が「チビ」という言葉に激しく反応して激怒したり、号泣したり、悲哀感を持ったり、失禁したりすること。

つまり・・・特定の認識が特定の情動に結びつき、コンプレックス(結合体)を形成していることが・・・心理的なコンプレックスなのです。

で、ロリコンの場合は、妻の連れ子のティーンズに欲情する男を描いた小説「ロリータ」的に女子中高生に執着する男の欲情を指すので、小学生女子のチェチェ姿に激しい欲情を抱いてもロリコンと呼ぶのは間違いです。

・・・誰向けの説明なんだよ。

だから・・・博士の元助手・志岐(GACKT)が小学生に欲情していてもロリコンではないと断言できるのです。

・・・そこかよっ。

しかし、「不思議な国のアリス」の作者・ルイス・キャロル的な幼女趣味であってもなんら問題はないのです。そして、この場合はアリコンです。

・・・もう、いいよ。

ーナ

悪の秘密結社の下部組織と思われるバレエ教室でバレエ教師田中(ふせえり)に指導を受ける二人の女児。・・・このままでは魚ロイドに・・・だから「キューティーハニーTL」をまぜるのはやめろっ。

5年2組のお嬢様・佐藤未来(田爪愛里)と貧しいシングル・マザーの娘・清水莉音である。

二人はバレエを通じて友情を育んでいたが・・・貧富の差に対して強烈なネガティブ・コンプレックスを抱く莉音の母親(森尾由美)の影響で亀裂が生じかかっていた。

そんな二人を一瞬で変態と分かる存在感を漂わせる照明係の河原(森下能幸)は幼女誘拐監禁暴行殺人犯の目で見つめるのだった。・・・今回、役名いい加減すぎるだろっ、矢口バレエ・スクールだし、変態・河端だろう・・・すべては夢でござる・・・いや、妄想でござる~。

おりしも・・・明恵小学校付近では少女が誘拐され、死体となって発見されるという恐ろしい事件が発生していたのだった。

バレエ教室の送迎も父兄が車でするのが常識的だった。

しかし、パートで迎えが遅くなる莉音の母。暗闇の中で莉音の心は少しずつねじれて行く。

「貧乏人だからといって金持ちの子に負けてはいけない・・・才能でみかえしてやれ」と娘を無意識に洗脳する母親。

貧血で倒れ、保健室に運び込まれた莉音の様子から、「悪い母親の支配の影」を読みとる保健室の魔女・琴葉(優香)だった。なぜなら、彼女は母親依存を強要する母親憎悪コンプレックスの持ち主だからである。これは母親支配からの卒業マザコンと言えるだろう。琴葉はマザコンであるがゆえにサイコパスという典型的なキャラクターなのである。

琴葉は「莉音の悪夢」を録画して、志岐に意見を求める。

前回、予知夢によって一攫千金が可能と知った帝都工科大学大学院生の山里(和田正人)はマネー・コンプレックスから、金の匂いのしない夢を持ってきた琴葉に嫌悪を感じる。

しかし、琴葉の心理など手に取るように分かる志岐は「彼女の問題を解決するためには・・・悪夢ちゃんの予知夢が必要だ」と言葉巧みに琴葉を誘導するのだった。

すべての母親に復讐するために保健室の先生となった琴葉と夢録画研究で科学者としての野心を見たそうとする志岐の目的は一致したのだった。

サイキックとサイコパスの間

その頃、彩未(北川景子)の現実改変によって乱れ始めた時空は結衣子(木村真那月)と彩未の無意識を常時結合する気配を見せていた。

結衣子の夢に彩未の夢のキャラクターであるゆめのけ(声=玉井詩織)が浸透し始めたのである。

「先生は私が邪魔みたい」

「そんなことはないよ」

「私は先生よりお母さんに逢いたい」

「お母さんはいない・・・そのために彩未先生がいるんだよ」

「・・・」

「今夜は悪夢を見させない」

「いつもそうしてよ・・・」

「それはできないんだ・・・君が魔法少女になりでもしない限りは・・・」

「なれるの」

「それはアニメの話だからドラマではまだ無理なんだよ」

一滴の涙を流して眠る結衣子に祖父の古藤博士(小日向文世)は孫萌えコンプレックスを感じるのだった。

莉音の無意識に連結した悪夢ちゃんの予知夢

白鳥である佐藤未来は魔女と化した清水莉音の母親に襲われる。

そして、川から河童が現れて白鳥を襲うのだった。

しかし、悪夢の内容は夢王子(GACKT=二役)の活躍で救われる・・・。

悪夢ちゃんの「夢札」を見た彩未は・・・「白鳥の湖になんで・・・河童が・・・しかも夢王子まで・・・」と唖然とする。

「ブラックスワン・・・悪夢のような映画だった」と「白鳥の湖」についての知識が「その映画」だけらしい学者バカをさらけ出す古藤博士だった。

夢分析のためのヒントを求めて、「バレエ教室の発表会」を鑑賞する彩未と結衣子。

結衣子は彩未に擬似マザコンを形成しているので喜びを感じる。

しかし・・・せっかくの晴れ舞台で・・・音楽にチャイムが重なり、莉音は失敗してしまう。

その後で未来が華麗に踊ったことにより、莉音の母親の貧乏被害妄想が発動し、バレエ教師に「お金で妨害を頼まれたんでしょう。貧乏人は死ねばいいと思っているでしょう」に詰め寄るのだった。

愛する母の壊滅ぶりを見て莉音の心もまた歪みまくるのだった。

白鳥と黒アラスク

莉音はバレエを汚したと莉音の母親が妄想する未来をナイフで脅し誘拐して川に流してしまう。

そこへ現れた連続誘拐犯。

莉音は恐ろしい予感を感じるのだった。

一方、目的のためには手段を選ばないサイコパスである琴葉は例の睡眠導入剤で結衣子の夢札を手に入れる。

その夢札を入手した志岐は・・・。

二週連続児童行方不明にあわてふためく校長(キムラ緑子)は「デ・ジャヴかしら」とボケをかます。「いや、錯覚でなくてリアルに同じ状況発生です」と3年1組担任の稲本先生は(川村陽介)はツッコミの腕に磨きがかかっている。

そこへ莉音が学校に助けを求めて駆け込む。母親に迷惑わかけられないコンプレックス発動中なのである。

突然、登場した刑事(田中哲司)の手に握られているのは志岐がプリントアウトした「悪夢ちゃんの悪夢」に登場する河童の画像だった。

匿名の目撃情報として寄せられた画像から・・・河原が割り出され・・・監禁されていた未来は無事救出される。チャイムを鳴らしたのも河原だった。愛する未来のために偽のお嬢様である莉音に鉄槌を下したらしい。お嬢様にしか愛を感じられないコンプレックスを持つ変態だったのである。

「助けを呼んだのは莉音ちゃん」と未来に伝える悪夢ちゃん。

「そう・・・」と貧乏人には援助の手を差し伸べなければならないと教育されている未来は偽善コンプレックスによる慈愛の微笑みを浮かべるのだった。

夢と言う名の捏

その夜・・・睡眠遊行した彩未は・・・幼い頃の記憶の一部を取り戻す。

母親のいない子が母親のいる子に感じる羨望。

夢の中の謎の少女・詩都子(吉倉あおい)に対する殺意。

「私は人殺しだ・・・」

無意識に封印された記憶の告発に・・・驚愕する彩未。

そこへ・・・古藤博士が深夜の訪問をする。

博士は「志岐が夢札と予知夢の実在をマス・メディアに報じたこと」を告げる。

「だから・・・夢王子が事件を解決したのね」

と悪夢ちゃんの夢を解釈する彩未。

「いや・・・志岐くんが科学者としての野心を解放してしまったのだ」

と現実の解釈をする古藤博士だった。

サイコパス大戦の開戦である。

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2012年11月17日 (土)

お楽の方の場合はあまりにもおバカさん(多部未華子)

愛のもつれとは基本、三角関係である。

乙女の皆さまは帝国アイドルなどに幻の操を捧げたりしてかりそめの愛を育んだりもする。

その帝国アイドルがスキャンダルを起こしたり、電撃結婚した場合・・・それぞれの愛に応じて心に傷を負うのだろう。

なにしろ、愛している男が他の女を抱いているのである。

まあ、男子も同様かもしれず・・・そうならないために絶対に結婚しない二次元の女子に魂を奪われたりするわけである。

もう少し、リアリストになると現実に結婚したりして夫の浮気に悩んだりする。

また、恋愛の過程でふたまたをかけたりする豪のものもいるだろう。

夫の浮気といっても風俗通いくらいなら、韓流スターにいれあげて心の復讐を果たすだけですんだりもする。

とにかく・・・「愛する人が他の人と性行為をしている」ということの心の乱れは・・・意外と馴染み深い心なのかもしれない。

まあ、間男と同衾中の妻を発見したら一刀両断するくらいの気持ちです。

それをやりすぎと感じるあなたは心の広いお方です。

まあ、二人の遺体を山の中に埋葬しながら・・・少し後悔したりもしますがね。

しかし、後悔先に立たずですからな。

で、『大奥 ~誕生~[有功・家光篇]・第6回』(TBSテレビ20121116PM1030~)原作・よしながふみ、脚本・神山由美子、演出・藤江儀全を見た。女の名は千恵の女・徳川家光(多部未華子)は捨蔵(窪田正孝)との間に千代姫(後の女・家綱)を儲けた。女家光は捨蔵にお楽と新たに名付ける。将軍の父・・・お腹様(御種様だけどな)・・・となったお楽の方は有頂天になり庭の柿を跳躍して奪取後、着地に失敗し予後不良となるのだった・・・。

お万の方(堺雅人)の苦渋を知る玉栄(田中聖)はお楽の方の不幸を素直に喜ぶ。

将軍家の男子継承にこだわる春日局(麻生祐未)は姫誕生にも喜びは半ばであった。

我が子・稲葉正勝(平山浩行)を偽将軍に据えているのだから・・・このまま御家のっとりをたくらんでもよさそうなものだが・・・そこは六人衆との力関係もあり・・・基本的に春日は忠義の女なのだろう。

春日局はしばらくの間、お万の方と女家光の愛の暮らしを許すのだった。

しかし、お万の方に子種がない以上、次の種のものも確保しなければならない。

新たなる種は溝口左京(市川知宏)という武家の男子だった。

再び、お万の方を通じて・・・他の男との褥を求められる女家光。

「お江与の方だとて寡婦となっては他の男に嫁ぎ、子を生んだ・・・この世の幾多の女がそうして生きて来た・・・わしだけが耐えられぬ道理はあるまい・・・」

「あなた様は・・・母となり・・・強く美しくなられた・・・」

愛する男の苦渋を知りつつ、母としての喜びを感じる女家光。

愛する女の幸福を祈りながらも心が疼くお万の方。

哀しい女と男の物語はさらに続いていくのだった。

Mako008 ドラマの中では女家光の祖母にあたるお江与の方が余人(四人?)の男に嫁いで・・・とセリフがあるが、史実では最初の夫が従兄にあたる佐治一成、二度目の夫が豊臣秀吉の甥である豊臣秀勝、三度目の夫が男・徳川家光の父である徳川秀忠である。戦国の世に限らず、未亡人や離縁された女が他家に嫁いだり同族の後妻になったりするのは日常的なことと言える。お江与の母である織田信長の妹・お市の方はお江与の父である浅井長政の没後、柴田勝家に嫁している。女家光の父・男家光の父である徳川秀忠の母である西郷局(お愛の方)は夫・西郷義勝の死後、徳川家康の側室となった。徳川家康の母である伝通院(於大)は家康の父・松平広忠と離別し、久松俊勝に嫁ぐ。このように家光の血筋の女たちは母、母の母、父の母、父の父の母と皆、二夫にまみえているのだった。ここまでくるとちょっとした因縁を感じる。

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Mako007 ごっこガーデン。将軍表の間のセット。まこじゃじゃーんと揃った我が愛人たち・・・くるしゅうない、くるしゅうないじょ~。まさにお花畑でしゅ~。どさくさにまぎれて竹さまもまぜちゃいました~。それにしても・・・捨蔵ちゃんは頭にお花を咲かせすぎたのでしゅ~。惜しい男を失くしたわっ、ぼぎゃああああんくうお楽~・・・重盛くんに続いて美男薄命の定めなのでございましょうか・・・絶妙なキャスディング・・・そして可哀相な運命・・・稲葉さまも実の息子を抱きしめることもかなわず・・・はらはらとこぼれる涙の日々でございました・・・種がある喜び・・・大切だわ~ikasama4御意シャブリ御意、御意~金曜日忙しすぎ~

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2012年11月16日 (金)

ぶっちゃけ、ぶっちゃけた人はぶっちゃけてふにゃふにゃ(長澤まさみ)

ミステリは基本的にぶっちゃけません。

いや、最後はぶっちゃけるだろう。

我慢できない人は最後から読みはじめますよね。

・・・完全に読書の楽しみをしらないよな。

ぶっちゃけないでじらす・・・これが楽しみを与えるものの姿勢ですよね。

それに答えてこその楽しみだ。

ぶっちゃけ・・・誰もがそうでないことが与える側のジレンマなんですよね。

しかし、ミステリの書き手が冒頭から「ぶっちゃけ、犯人はこの人で~す。手口は自殺を装った他殺だよん」って書いたらバカだろう。

もう、坂本先生(高橋ひとみ)レベルのバカですね。

坂本先生ってバカなのか。

バカでしょう・・・水晶を額にあててる時点で。

ぶっちゃけ、そうかもな。

で、『高校入試・第6回』(フジテレビ20121110PM1110~)脚本・湊かなえ、演出・星護を見た。試験に成功したものは試験制度を否定しない。否定するのは失敗したものだろう。試験には圧倒的な敗者が存在するが、試験制度は否定されない。なぜなら試験制度の勝者が制度を構築するからである。しかし、人間が社会的な生物である以上、指導者を選抜する制度は必要不可欠だろう。より優秀な指導者を選抜するのが試験制度なのである。しかし、敗者の怨念が蔓延し、誰もがそう思わなくなった時、制度は崩壊するのである。

100年ほどの人生のたった一日が将来を左右する。

現代の日本では高校入試はまさにそういう一日である。

しかし、勝者にしろ敗者にしろ・・・そのことをなるべく忘れているのである。

人生は長いし、短いからだ。

一高OBで英語教科主任の坂本は白紙の答案用紙に受験番号46番を書き込む。

短絡的でその場その場を生きて行くバカにありがちな行動である。

なぜ、46番を書き込むのか。だって46番の答案用紙がないんだもの・・・である。

この世界では県立橘第一高等学校の入試に合格したものは圧倒的な勝者である。

どんなバカであっても教科主任になれるのだった。

短絡的でその場その場を生きて行くのは試験突破には必要な性格であるとも言える。

しかし、冷静で過去の事例から将来の出来事をある程度、予測できる英語担当の小西(徳山秀典)は注意を促すのだった。

「待ってください。もっと慎重に対処するべきだ」

「しっかり、議論を重ねたじゃない」

「白紙で提出したのが・・・試合を放棄するためではなくて・・・勝負に出たのかもしれない」

「何を言ってるのか、さっぱり理解できないわ」

「(あんたに理解できることなんてこの世にあるんですか)・・・受験生が開示請求をして・・・自分の答案用紙が白紙扱いになっていることについて・・・そんなはずはない、試験問題を解いて答案用紙に記入した・・・と主張したらどうしますか?」

「だって白紙は白紙でしょう」

「こちらが受け取ったのは白紙だと証明できますか?」

二人のやりとりを見守っていた一高OBで美術担当からの英語採点応援要員の宮下(小松利昌)が口を出す。

「なるほど・・・学校側のミスを主張するのか」

隣の席の一高OBで体育担当からの英語採点応援要員の相田(中尾明慶)も頷く。

「つまり・・・ちゃんと問題を解いた解答用紙を学校側が紛失した・・・白紙に勝手に受験番号を書いて〇点にした・・・隠蔽工作、偽装工作じゃないか・・・訴えてやる!・・・ってことっすよね~」

あわてて、自分で記入した「46番」を消そうとする坂本だった。

しかし、簡単には消えないのだった。

「じゃ、逆はどうなのよ・・・その子が白紙で提出しなかった証拠は?」

「試験中、まったく答案用紙に手をつけていない受験生がいたら・・・試験官の誰かが不審に思うのじゃないかな・・・」

問題の第二試験会場の試験官の一人だった英語担当の杏子(長澤まさみ)に視線が注がれる。

「46番は席の場所で言うと黒板に向かって右端の一番後ろの子です・・・男子でしたけど・・・ちゃんと問題を解いていたと思います・・・他の教科も共同不審な態度があった覚えはありません」

「問題を解いてたのなら・・・白紙じゃ出せないよな・・・消した跡もないし・・・」と相田。

「もしも・・・問題を解いているフリを巧妙に演じたとしても・・・回収段階で白紙と気付くはずだし・・・受験番号記入漏れはその場で書かせる決まりだし・・・」と小西。

再び、視線は杏子へ。

「私は携帯電話が鳴った子を保健室に引率したので・・・回収の時の状態が分かりません」

「水野先生(阪田マサノブ)は携帯電話を本部に取りに来ていた」と小西。

「すると回収は村井先生(篠田光亮)が一人でしたのか・・・白紙を渡されてもうっかり気がつかなかった可能性はあるな・・・」と宮下。

「じゃ・・・白紙だったことは証明できないわけ・・・こちらのミスってこと・・・」

その場をしのげなくなると頭痛を発する坂本は謎の水晶玉を額にあてるのだった。

・・・もう、おバカさんなんだから・・・。

この人は・・・犯人から一番遠い・・・意外な犯人の候補だけど・・・計画的犯行できないよね。

杏子が担任する2年B組の生徒で、相田の交際相手で、バレーボール部のマネージャーで、いろいろと問題のある生徒で、現在も校内に潜伏中の石川衣里奈(山崎紘菜)は携帯電話で件の掲示板をチェックしている。

1:名無しの権兵衛

苦労して高校入って・・・良い事あったの?

石川衣里奈は自分の高校入試を回想する。

ずっと見つめている・・・

受験中に衣里奈の携帯が鳴ってしまう。

一人残され、処分の決定を待つ衣里奈に優しい声をかけた教師が相田だった。

「携帯が鳴ったのは問題だったけど・・・特に罰則の規定もないし・・・今回は御咎めなしだ・・・よかったな」

ホッとしたのもつかの間、頭のおかしい女子生徒二人が教室でいちゃもんをつけてくる。

「私たち、仲良し三人組で受験したけど・・・あんたのせいで一人落ちちゃった」

「そんな・・・言いがかりです・・・その子は英語が苦手だっただけでしょ」

「何よ・・・開き直って謝りもしないなんて・・・嫌な子ね・・・」

「いじめぬいてやるから・・・覚悟しなさい」

「ひひひひ」

「・・・」

それから頭のおかしな生徒たちとそのとりまきによる陰湿ないじめが始る。

なにしろ、頭のおかしな生徒というのは基本的に多数派なのである。

そういう前提のドラマは視聴率を獲得できない傾向があります。

いじめに耐える衣里奈に優しく声をかける相田だった。

「今、男子バレーボール部のマネージャー募集中なんだが、やってみないか。女子に人気だから・・・下手にいじめられなくなるぞ・・・なにしろ・・・好きな選手に変なこと言われたくないとみんな思うからな」

「私・・・やります」

衣里奈にとって相田は恩人であり、恋しい人だったのだ。

そんな衣里奈の携帯にメールが届く。

≪試験問題のリーク、お疲れ様≫

≪引き続き・・・校内の実況もよろしくね≫

≪あなたの彼氏、音楽の先生と浮気している・・・インディゴリソートに行くみたい・・・邪魔しちゃえば?≫

ついに・・・正体の一部をのぞかせる「謎の犯人」である。

何しろ・・・何をしようとしているのかも不明な犯人なのである。

もちろん・・・「入試をぶっつぶす」貼り紙が貼られるとか、携帯電話が盗まれるとか、注意事項に支障があるとか、携帯電話が試験中に鳴るとか、答案用紙が白紙だとか、カンニングについての密告があったとか・・・様々なアクシデントは発生しているが・・・それがすべて同一犯の犯行であるのか、共犯者は何人いるのか・・・という問題はさておき・・・何をしようとしているのかも第6回に至って・・・まだ不明なのである。

つまり・・・「最初にメインの事件が起きない」というミステリとしては物凄く斬新な展開なのである。

景気づけのために「爆破予告」くらいはしてほしいよね。

そうでありながら・・・この面白さ・・・一部愛好家熱狂展開なのである。

娯楽の伝道師ディズニーは「真の娯楽は老若男女を問わない」と指導するが、この解釈の一つに「おバカさんでもお利口さんでもとにかく楽しい」というものがある。そういう意味でこのドラマは明らかに邪道と言えるだろう。

邪道、最高。

さて・・・共犯者あるいは実行犯である衣里奈に指令を送っているのは誰なのか。

現段階ではあらゆる可能性があるが・・・ニュアンスとしては杏子である可能性が伝わってくる。

相田と音楽教師のみどり(南沢奈央)の交際について杏子が知っている可能性は高い。

何よりもインディゴ・リゾートの件は小西が杏子から軽く聞いた程度。

恋愛関係についての事情通の村井も怪しいが・・・怪しすぎる。

相田とみどりの仲を邪魔したいのはみどりに明らかに惚れている東大卒業の水野も候補者ではあるが・・・それは横道すぎる。

そうなると・・・やはり、衣里奈の操り手は杏子の線が濃厚だ・・・。

様々な問題を抱える衣里奈を使って・・・相田とメールをやりとりしている衣里奈に情報収集させたり、校内での暗躍を手助けしたり、させたりしているわけである。杏子の目的が復讐であるとすれば・・・手先として誘導しつつも衣里奈自身が復讐のターゲットの一人である可能性も高いだろう。

恐ろしいことである。

まあ、恐ろしい結末が待っているとしてな。

本部の人々はすでに恐怖をたっぷりと味わっていた。

ため息をつくのは上条教頭 (清水一彰) だった。教頭より五歳年上の部下である入試部長の荻野 (斉木しげる)は問題の先送りを提案する。

「とりあえず・・・採点結果を待ちましょう。問題の芝田麻美(美山加恋)がもしも英語で満点だったとしても・・・他の教科との合計で・・・合格には難しいラインにいるかもしれない」

的場校長(山本圭)が反応する。

「ああ・・・そうだな」

教頭もすかさず追従するのだった。「なるほど・・・芝田麻美が他の科目で合格ラインに達しなければ・・・開示請求されても責められることもないし、ネット上で追求されることもない・・・これは八百万の神、森羅万象に祈りを捧げなくては・・・落ちろ~、落ちろ~、芝田麻美落ちろ~、受験番号77番に呪いあれ~」

・・・バカである。この世界ではバカでも教頭になれるらしい。

暗礁に乗り上げた英語採点会場。

「こうしてもらちがあかんな・・・とりあえず採点を終わらそう」と宮下。

「そうですね・・・もしかしたら・・・問題の答案用紙はどこか別の場所に紛れ込んでいるのかもしれない」と小西。

「46番が・・・仮に白紙提出をしたとしたら・・・他の教科も出来が悪いんじゃないかな・・・それならどっちみち、不合格なわけさ」と相田。

「杏子ちゃんはどう思う?」・・・みどりに対する水野同様、密かに杏子に邪な欲望を抱いている宮下はなにかにつけ杏子にふるのだった。つまり、杏子と会話している気分をエンジョイしている変態だからである。

・・・みんながみんな自分と同じだと思うなよ・・・。

「私は・・・答案用紙が迷子になっていることを祈ります」

「私は・・・46番は単に出来が悪かったんだと思うわわ」と聞かれもしないのに意見を述べる坂本だった。

こうして、ここでも問題は先送りにされる。

いつか、誰かが「16日にやめたっていい」と涙声で叫ぶことになる傾向である。

一方、携帯電話が鳴ってしまった芝田麻美は掲示板の推移を眺めて・・・恐怖を感じていた。

11:名無しの権兵衛

携帯電話の件どうなった?

12:名無しの権兵衛

失格にならないみたい

13:名無しの権兵衛

議員の娘だからか?

14:名無しの権兵衛

ふざくんな

15:名無しの権兵衛

議員に何ができる?

16:名無しの権兵衛

実名晒せば落選確実。

17:名無しの権兵衛

ぶっつぶす

18:名無しの権兵衛

議員の娘もぶっつぶす

19:名無しの権兵衛

いや、丘してからぬっころす

20:名無しの権兵衛

>>19 通報すますた

そこにノックの音がして・・・いかにもおバカ風な良妻賢母の昌子(生田智子)がやってきた。

「御夕飯できたわよ~、今日は麻美ちゃんためにおいしいハンバーグ作ったのよ~」

「いらない」

「どうして・・・麻美ちゃん・・・ハンバーグ大好物でしょ」

「私・・・ハンバーグが好きだなんて一度でも言ったことあった?」

「だって・・・子供はハンバーグが好きだって決まってるし、麻美ちゃんだっていつも残さずに食べるじゃないの」

「他のものも残さずにたべてるでしょ、子供がハンバーグ好きだなんていつの時代の話なのよ・・・これ、セリフにすると食品会社から圧力かかるけどあえて言うわよ。ハンバーグなんて馬糞みたいなもダサイわよ・・・ママのダサイイメージですべてを決めつけるのいい加減、やめてくれる」

「ママはいつも・・・麻美ちゃんのことを一番に考えているのに・・・」

「だってママのやることなすこと私のために何一つ役に立ってないんだもん・・・ママは存在そのものが百害あって一利なしなのよ。今日だって・・・あんなことになって・・・夕食がハンバーグって重いって思わないの」

「じゃあ・・・おうどんにするわね」

「なんじゃ・・・そりゃ」

「だって・・・体調が悪い時にはおうどんって感じでしょ」

「感じってなによ・・・なんで・・・私が今食べたいものを直接リサーチしないわけ?」

「えと・・・麻美ちゃん・・・何が食べたいの・・・」

「・・・もういい・・・何もいらない」

「それじゃ・・・体に悪いでしょ」

「一食抜いたって死なないよ・・・それに私は一高に合格しても行かないから」

「どうしてよ・・・」

「私の事件はもう・・・周知の事実なのよ・・・これで一高生になったら確実に迫害されるのよ。机、窓から外に投げられちゃうし、体育館でリンチされるわよ」

「何言ってるの・・・」

「そういう時代なのよ・・・田舎のバカ教師とか、バカな県会議員夫人には理解できないだけ」

「あなた・・・まさか、中二病・・・中三なのに」

「とにかく・・・私は菫ヶ丘高校に行くわ・・・そしてやりたかったピアノをやる」

「何言ってるの・・・優秀な子は一高に行くの・・・一高に生きながらピアノを続ければいいじゃない」

「入試のために・・・無理矢理ピアノをやめさせたくせに」

「だって・・・あなたのためを思って」

「どうして私のためになると?」

「総合的な判断よ・・・」

「そこらへんのおばさん三人くらいの意見を総合しても単なる思い込みと変わらないって言ってんの?・・・わかる?・・・私は私の意見を聞けって言ってるの」

「そんな・・・私はベストを尽くしてきたのに・・・」

「もういい・・・とにかく、晩御飯はいらない・・・高校は菫ヶ丘に行く。これが私の望み・・・親なら子供の願いをかなえる方向で善処してよ」

「・・・麻美ちゃん」

「出て行って・・・出ていかないと・・・ぬっころすわよ」

「ぬって・・・ぬって何・・・」

泣き伏す麻美だった。

そして母は途方に暮れる。

昼間はあんなにいいコンビだったのに・・・。

(どうしてどうして今夜はあんなに機嫌が悪いのかしら)・・・おバカな母親だった。

英語以外の教科の採点は順調に進捗している。

国語チームのみどりの心はすでにインディゴリゾートの熱い夜に向かっている。

数学チームの村井はある答案に感嘆していた。

「すごい・・・難問にも完璧に応えている・・・」

100点満点の46番だった。

そして、採点終了一番乗りは社会チームだった。

本部で上条教頭は未だに「落ちろ呪文」を唱え続けていた。

「今年も社会は早いですね」と荻野試験部長。

「難問もあったので・・・時間がかかると思ったのですが・・・解答したのは20%くらいで・・・残りは空欄にしていたので・・・ゆとり教育で知能的貧富の差が拡大しているのでしょうね・・・その分・・・残りのり80%は団子状態で合否判定が難しくなるかもしれませんねえ」と社会主任の水野である。

「え・・・点差開かないの・・・」と青ざめる教頭だった。

本部のパソコンに採点結果を入力する水野。

荻野が読み上げを担当するのだった。

35:名無しの権兵衛

一高卒業→二流大学→フリーター←今、ココ!

36:名無しの権兵衛

>>35 一高不合格ならそれ以下ってこと?

沢村家である。陰湿なサイコパス野郎である翔太(清水尋也)に一高卒業生で無職の兄・哲也(荒木宏文)が尋ねる。

「入試、どうだった?」

「ああ・・・うん・・・まあまあ・・・かな」

「一高なんて・・・受かって当然、楽勝だよな」

「・・・それよかさ・・・働かないの?」

「うるせえな・・・まだ何年も学生でいられるお前に・・・俺の気持ちなんかわからねえよ」

そこに帰宅する同窓会会長・沢村幸造(入江雅人)だった。

英語の携帯電話事件のために「試験が妨害された」と父親に主張した翔太は淡い期待をかける。

「あれ・・・どうなった」

すかさず、割って入る哲也。「あれって・・・なんだよ」

「いや別に兄貴には関係ないよ」

「お前もしかして・・・試験の出来が悪くて親父に裏工作頼んでんのか?」

「違うよ・・・ねえ、父さん」

「・・・そうだ・・・馬鹿なことを言うんじゃないよ」

「で・・・」

沢村は携帯電話を鳴らしたのが県会議員の娘だったために息子の意向は無視していたのであった。

「ああ・・・ちょっと・・・もう一度出かける・・・とにかく晩飯を先に食ってろ・・・」

沢村家の夕食のおかずもハンバーグだった。

44:名無しの権兵衛

カンニングネタはどうなった・・・?

45:名無しの権兵衛

コネタだからな

46:名無しの権兵衛

ハンバーグ定食のパセリみたいな感じ

47:名無しの権兵衛

それ、最近、見なかったりして・・・。

48:名無しの権兵衛

近所の魚屋の御刺身にはついてるけど

49:名無しの権兵衛

ゆとり世代はパセリ食べないからな

50:名無しの権兵衛

そろそろなんか投下してくれ

英語チームもようやく採点後の確認作業に入っていた。

「英語チーム、いつもよりペース早いじゃないか」と宮下。

「いえ・・・ここからが問題なんです」と小西。

相田は宮下がdをbと間違えていることを指摘。

宮下は相田がDとKを間違えていることを指摘。

目くそ鼻くそを笑う展開の後で杏子が坂本に攻撃を仕掛ける。

「あれ・・・ここから記号の問題が1点で計算されている・・・」

「今年もですか・・・坂本先生」とたたみかける小西。

「記号は普通1点でしょう」と鼻白む坂本。

「坂本先生のテストはそうかもしれませんが県は2点と指定しているので従ってください」

「たかが・・・1点や2点のことで・・・目くじらたてないでよ」

「その1点や2点で・・・人生を左右するのが高校入試なんです」

「そんなこと・・・言うならもう採点なんかやんない」

バカの下にガキのつく坂本はへそを曲げた。

「去年もそうやって主任の坂本先生が駄々をこねたから他の教科より1時間も遅れたんじゃないですか」

「なんだって」と呆れる応援部隊の相田と宮下だった。

「坂本先生・・・美容のために早く終えて帰って寝ましょうよ」となだめる相田だった。

「杏子ちゃんも・・・小さなミスくらい黙って・・・なおしちやって・・・」と宮下。

杏子は鋭い眼差しを隠してポーカーフェイスとなる。

「ですよね・・・そのための確認作業ですものね」

機嫌を直す坂本は小西のミスを発見してほくそ笑む。

「ダメじゃない・・・こんなに簡単なミスをして」

「注意事項を読んでください・・・それも正解なんです」

あっさり切り返す小西だった。

英語の不得意な英語教師は実在する。

「とにかく・・・」と宮下はぼやく。「採点するのは人間なんだからさ・・・どんなに注意を払っても完璧ってことはないんだよ・・・それなのにわずかなミスが他人の人生を左右してしまうことがある・・・もう・・・それは事故でしかないんじゃないか」

「そう、そうなのよ」とやみくもに共感する坂本だった。

本部における社会の採点結果入力は終った。

「77番はどうなのよ」それだけが気がかりな教頭だった。

77番・芝田麻美の社会科の得点は89点だった。

全教科平均の合格ラインが90点の一高としては非常に微妙な得点だった。

そこに国語チームのみどりがやってくる。

「国語の先生方はへとへとなので私が入力することになりました」

「じゃ・・・読み上げは私がやろう」と名乗りをあげる水野。みどりとの共同作業をしたい年頃なのであった。

「じゃあ・・・さっさと片付けましょう」

物凄いスピードで入力するみどりだった。水野も懸命に腰をふって・・・いや読み上げて応じるのだった。

この二人・・・できてるんじゃ・・・と疑いの眼差しを向ける校長と教頭だった。

受験生の父親であるために採点に参加できない英語の松島(羽場裕一)はいつもの処で一服中。

かっての教え子だった村井が合流する。数学チームも採点終了なのである。

「うちの子はどうやら・・・同じクラスに嫌いなやつがいるらしい」

何事か思い当たる村井だった。

「そいつがおちて先生の子が受かるといいですねえ」

誰かに聞かれたら困る会話である。

松島家の夕食は焼き魚のようだ。

母親と向かい合って食事をする良隆(高杉真宙)は回想する。

宿題を借りた翔太が自分だけ提出して良隆の分を提出しなかった苦い記憶。

翔太はそのうち幼女に悪戯して逮捕されそうな性格のようである。

・・・どういう性格なんだよっ。

英語の採点会場では相変わらず坂本の暴走が続く。

坂本は電卓も満足に使えないようだ。

「また、こわれてるの」と坂本。

「電卓のせい・・・まさかの責任転嫁」と宮下。

その言葉に鋭い眼差しを送る杏子。

「全員でチェックするんですから・・・坂本先生が間違えても問題ないですよ」と相田。

「なんですって」と悪口には敏感な坂本だった。

杏子は恋人(姜暢雄)との第三の回想に入る。

「ミスなんて・・・誰にでもあることじゃない・・・完璧な人間なんていないんだから・・・もっと前向きに考えようよ・・・」

「世の中・・・そうやって開き直った者が勝つのか・・」

唇をゆがめる杏子。

本部では英語を残した時点で77番が合格ラインより下に位置するが、合格ラインまで6点しかないことが確認される。

英語の採点が終了する。

芝田麻美は95点を獲得していた。

「これで失格になっていたら・・・」と恐怖を感じる教師たち。

「今年も無事終了ね」と何事もなかったような坂本。

「答案用紙が1枚足りないことを報告する必要があります」と小西。

「試験会場の担当は杏子先生だから・・・報告はお願いするわ・・・入力は小西先生ね」

「すべてが水の泡になったら大変ですからね」と小西。

密かにちらりちらりと坂本に批判的な視線を送る杏子。

やはり・・・メイン・ターゲットは坂本なのか・・・。

まあ、いつ刺されてもおかしくない言動だからな。

本部では校長と教頭が硬直する。

「答案用紙が一枚足りない?」と教頭。

99:名無しの権兵衛

答案用紙が一枚足りない・・・

本部・・・盗聴されているのか・・・。

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2012年11月15日 (木)

雨の降る日を待ってさらば涙と言おう(松山ケンイチ)

ついに・・・その日は来た。

革命の成就である。

この日から明治維新まで・・・ある意味では現在に至るまで・・・皇室は政治と切り離されたのである。

すべては平清盛の成し遂げた歴史的偉業なのである。

天皇や上皇、そして法皇が・・・この国の治天の君になることは二度となかったのである。

この後、政治は源氏、北条氏、足利氏、織田氏、豊臣氏、徳川氏と受け継がれた後で、帝国政府、日本国政府と続き、明日解散すると言われる野田氏に至るまで・・・皇室のものではなくなったのである。

その是非はともかく・・・すべては平清盛の軍事革命の成果なのだ。

そういう認識を日本人はもっと共有するべきではないのかな。

右や左の問題を抜きにして。

だから、治承三年の政変で後白河法皇の幽閉された十一月二十日はわが心の革命記念日なのである。

その日は日出ずる国の臣民の天皇家の支配からの卒業の日なのだから。

念のために申し上げるが日本国の象徴としての皇室を敬愛することとは無関係の話です。

で、『・第44回』(NHK総合20121111PM8~)脚本・藤本有紀、演出・中島由貴を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は新作描き下ろしはありませんが・・・平安京の幕を引くもう一人の巨頭・・・後白河法皇の御姿・再公開でうっとりでごさいます。彼方を見つめる法皇は千年の世の行く末を見つめるかの如く。後、二百年足らずで・・・千年ですからねえ。時の過ぎるのは本当に早いものでございます。

Tairakiyomori42 治承三年(1179年)六月、摂関家の実質的な棟梁となっていた清盛の娘・白河殿盛子が逝去する。その莫大な遺産を後白河法皇はすべて没収した。続いて七月、平重盛が病没すると法皇はその遺領である越前国も召し上げ、院近臣の藤原北家善勝寺流季能の知行国とした。ただし、季能の妻は亡き清盛の次男・基盛の娘であり、朝廷にも平家に対する一定の配慮があったことを窺がわせる。これらの決定に深く関与したのは盛子の義弟にあたる関白・松殿基房である。藤原摂関家の最後の抵抗とも言えるこの決定を清盛は好機と捉えた。平家の一族・郎党は危機感を覚え、その力を清盛の下に結集したのである。十一月十四日、清盛は大軍を率いて福原から平安京に入り、十五日、関白基房を解官し、基房の甥で摂関家嫡流の藤原基通を関白として据えた。十六日、天大座主に親平家派の明雲が復帰。十七日、主だった公卿、殿上人をすべて解任し、諸国の受領66ヶ国の半数を平家のものとする決定を下す。十八日、前関白・基房は配流となった。そして・・・一日を置いた二十日。後白河法皇を鳥羽殿に幽閉したのである。この日、平安京は終焉を迎えたのである。明けて治承四年(1180年)、高倉天皇は譲位し、安徳天皇が誕生する。

亡霊の集団が平安京の夜を支配していた。

平家呪詛のために闇の陰陽師が召還した百鬼夜行は夜毎、京の都を闊歩し、瘴気を振りまいていた。鬼と化した亡者たちに・・・法皇方、平家方の区別はない。力弱きものはたちまちとり殺されていく。

平家の霊能者や比叡山の霊僧たちは調伏に全力を注ぐが・・・一人、また一人と犠牲は増えていく。馬鬼と化した西光と白河殿盛子が相討ちとなり、奈落から戻った源義平は平重盛を奈落へと連れ去った。

反魂の術者たちはすべて召還したものたちの餌食となり、内裏には昼間から異形のものが姿を見せるようになっていた。

平時子は高倉帝、平徳子、皇太子を守るために秘本・源氏物語の霊力をすべて使い結界を張っていた。

ここに・・・ついに平清盛は立った。

姪の朱雀率いるくのいち部隊を先鋒に・・・霊能武者千騎を従えて上洛したのである。

都の各所で徹底的な除霊が行われ、憑依されたものは清められた。

後白河法皇院所に昇った清盛はついに法皇に巣くった天狗と対峙する。

「清盛か・・・去れ・・・ここは汝のような下賤の者が侍る場にあらず」

「問答無用」

清盛は霊刀・草薙の剣を薙ぎ払った。

一尺ほどにのびていた天狗の鼻が根元から切り離され、鮮血が宙を舞う。

法皇は昏倒した。

「それ・・・ものども」

霊能武者は法皇の体を緊急封印し、鳥羽殿に用意した封じ曼荼羅へと運ぶ。

ついに・・・平安京は平家一門の霊的占領下に置かれたのだった。

平家による都の制圧の報は諸国の武者たちを驚愕させたのであった。

清盛の四つの目は・・・燃えさかる都の炎を見た。

どこからか・・・舞姫の歌が聞こえる。

「白拍子か・・・」

一人目の白拍子は亡き母だった。

二人目の白拍子は亡き妻だった。

三人目の白拍子は亡き娘だった。

次々と白拍子たちが清盛の傍らを舞いながら過ぎて行く。

清盛の四つの目からはとめどない涙がこぼれていた。

つむじ風が巻き起こりそれは強い北風となっていった。

平安京・・・最後の冬が始まろうとしている。

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2012年11月14日 (水)

見えないものが見えるのは月のない夜(真木よう子)VSブタさん、カエル、四つ葉のクローバー(宮﨑あおい)

月のない夜は暗いものである。

もちろん、都会で生きていればそんなことはない。

月のない夜にひっそりとかわされる秘密のあれやこれやもないのだな。

田舎だって月のない夜にはそれほどこだわらない時代である。

しかし・・・隠されたことが明らかになるのは月のない夜がふさわしい。

暗がりは人の心を緩ませるから。

一方で・・・あの机は神聖な机だったのだな。

相変わらず・・・主人公の妻の危機についての妄想は継続中だが、今回は一旦休憩である。

なにしろ、家族が「家」に戻ってきているのである。

さらに、妻は実家にまで戻っていく。

それはそれとして、あの机である。

主人公の娘は・・・母の食卓を神格化していたのではなくて・・・亡き友の机を神聖視していたらしい。

そして、主人公は妻ではない誰かに心が浮き立つ。

人はみな「ここではないどこか」を求めている。

死者に憧れるのはその変形である。

ないものねだりのあげくにここにあるものを失い、失くしてはじめてそれが大切なものだと知る。

それが「ここではないどこか」にあるものだから。

で、『遅咲きのひまわり〜ボクの人生、リニューアル〜・第4回』(フジテレビ20121113PM9~)脚本・橋部敦子、演出・植田泰史を見た。現実逃避こそが人生である。ドラマはその一つの例だが・・・そのドラマの中で現実逃避をする人々を見るのはまた趣きのあることなのだな。歯を食いしばり働いて・・・余った時間をもてあましたり、何もかも忘れて過ごしたり、何かに熱中したりする。それが人生なのである。もちろん、そういうのが得意の人もいれば不得意な人もいる。毎日、ランチはオムライスで大丈夫な人と、いろいろと目先を変えたがる人がいるかのように。

四万十市の山沿いの村祭りの主催に成功した三年契約の四万十市役所臨時職員の小平丈太郎(生田斗真)は、ご褒美に好意を寄せる二つ年上の看護師・森下彩花(香椎由宇)からキスしてもらい有頂天度100%である。

そんな丈太郎に世話役の四万十市地域おこし協力隊隊長・藤井順一(桐谷健太)は「天神橋商店街にサーファー相手の宿泊施設」を作る計画を話す。さびれる一方の商店街をなんとかしたいと・・・切羽詰っている藤井だが・・・その真剣度100%は丈太郎には伝わらない。

ちなみに天神橋商店街は実在する。四万十市にしてみればワンクールのドラマの舞台になることは盆暮れ正月百年分の盛り上がりだろうが・・・落ちぶれ果てた商店街として描かれる天神橋商店街の気分は微妙だと察することができる。

だが・・・森下彩花が四万十中央市民病院の医師・二階堂かほり(真木よう子)の元彼・松本弘樹(柄本佑) と同棲中であることを知らない丈太郎にはすべてはどうでもいいことなのである。

藤井のもう一人の相談相手であるしまんと今井不動産勤務今井春菜(木村文乃)は不倫中の男からメールが届いて上の空で、丈太郎も森下をデートにお誘いするメールの文面作りに全知全能を傾けているのだった。

藤井は孤独だった。

これを絵文字にすると・・・。

lovely丈太郎。

coldsweats02春菜

crying藤井。

・・・こんな感じ。

みんなの集まる溜まり場サンリバーは太陽の川・・・四万十川のことなのだろう。

まあ、忍びのようなマスターが日川さんなのかもしれないが・・・。

丈太郎からサンリバーに誘われた森下は微笑む。

返信メールを待ちつつ、サンリバーで待つ丈太郎を急襲するのだった。

「あの・・・高知市までドライブはどうですか」

「遠出はちょっとね・・・」

「往復五時間はきついすよね・・・じゃ、DVDを見るとか」

「いいんじゃない」

「あの・・・どこで・・・」

「あなたの部屋でいいんじない」

happy02丈太郎

丈太郎が森下を見送り振りかえるとかほりだ。

森下が年下の男と同棲中なのを知っているかほり。

catfaceかほり

微妙な感じなのである。

意気込んで商店街の地域おこし会議に望んだ藤井だったが・・・。

商店街の親父たちは現実から目をそむけるばかりだった。

まあ・・・直線距離で海まで五キロは微妙に遠いよな・・・宿泊施設として。

挙句の果てに同席した丈太郎に意見を求め、苦し紛れに丈太郎が口にした「ゆるキャラ」案に飛び付く始末だった。

地域おこし課課長の日下(松重豊)は「・・・かつお・・・かな」とつぶやくのだった。

pout藤井

しかし、丈太郎の頭にあるのは・・・「はじめて彼女とDVD、何を見る?」のみである。

何故か、すぐに当直中のかほりに電話で相談する丈太郎。

「食事は何がいいかなあ」

「鍋でいいんじゃない」

「森下さんの真似するなよ~」

「真似してないよ~」

まあ・・・まだ序盤の主人公とヒロインである。

けして、イチャイチャしているのではありません。

そして・・・森下の部屋では焼きそばを作って待っている松本弘樹だった。

「そろそろ冬ものを(実家に)とりにいかないと・・・」

「いつまでもここにいていいの?」

「出て行った方がいいかな?」

「そういう意味じゃないわよ」

微妙な関係の二人らしい。

半年ぶりの美容院でリフレッシュしたかほりの姉で人妻で二児の母のさよりは「髪切ったんだ・・・似合ってる」と藤井に言われてちょっと嬉しかったのだが・・・銀行員の夫・島田久志(矢柴俊博)はまったく気がつかず・・・見合い話に気乗り薄なかほりを「医師という立派な職業についているんだから」と持ち上げたので不機嫌度100%に達する。

かほりは姉の妙な劣等感と自分に対するいわれなき嫉妬に気が付いているので居づらくなり実家の食卓を後にするのだった。

angryさより

despairかほり

今回、かほりは受けて受けて受けまくるのである。甘えたい人々の好感度↗なのだな。

お互い現状に対する不満を抱きつつサンリバーで不倫の第一歩を踏み出すさよりと藤井。

「まったく・・・商店街の将来ときたら・・・」

「せっかく・・・ショッピングセンターのパートを終えてコーヒー飲んでるのにどうしてあんたの愚痴を聞かなきゃならないの・・・私はちやほやしてもらいたのに・・・」

「悪かったな・・・商店街がつぶれても・・・ショッピングセンターがあれば困らないもんな」

「私・・・帰る」

見事にカウンターから存在を消しているマスターだった。でも、確かに存在しています。

sadさより

wobblyふじい

心を許すのともたれかかるのは似ているようでちがうんだな。

認めたくないものだ・・・甘えさせてもらえない自分というものを。

実家に冬物を取りに戻った松本は無職で妻に働かせ飲んだくれる父親と遭遇。

「働いたらどうなんだ・・・」

「お前こそ、女の家に転がりこんで、ヒモみたいな暮らししてるくせに」

似たもの父子らしい。

いつもよりさらに暗い気持ちになった松本はかっての恋人かほりに救いを求める。

「昔、二人でコーヒー飲んだよね・・・大人の味だとか言っちゃって」

「覚えてない・・・」

「昔の友達と連絡とったりする?・・・」

「いいや・・・」

「だよね・・・みんな結婚して子供がいたりして・・・絶対話あわなさそう・・・」

暗がりで突然、かほりを抱きしめようとする松本。

思わず、身を避けるかほり。

唖然とするかほりに・・・苦笑でとりつくろう松本だった。

coldsweats02かほり

coldsweats01松本

下心を思い出した藤井は職場でさよりの壊した缶詰を買い取り、関係修復を図る。たちまち、機嫌が直るさよりだった。

「へこんでいても味はかわらないから」

「ごめん・・・この間は気がたっていて」

「ここからどこかへ出て行かなかったこと・・・後悔してないのか」

「そのことは考えないようにしているの」

「俺もそうだよ」

夕日の中で急接近するさよりと藤井だった。

お楽しみの夜。

丈太郎の借りたDVDから森下が選択したのは・・・。

「ローマの休日」だった。

王女様と新聞記者り身分違いの恋の話である。

闖入してきた今井春菜は哀しい別れのシーンでは涙がとまらないのだった。

もちろん・・・丈太郎はガッカリである。

crying丈太郎

落胆したまま、引受けた仕事を投げ出す丈太郎。

「ゆるキャラやはり無理です・・・」

「お前・・・俺の気持ち分かってないだろう・・・三十年・・・この町で生きてきて・・・何もいいことがなかったこの街で生きていけなくなりそうな・・・俺の気持ち」

丈太郎は藤井の重い言葉に奈落の底に堕ちて行くのだった。

wobbly丈太郎

サンリバーで遭遇するかほりと丈太郎。

「俺ってバカだった・・・」

「私だって・・・言っちゃいけないこと・・・つい言うよ」

「でも・・・俺ほどバカじゃないと思う・・・」

「それは・・・まあね」

「おいっ」

結局、気が合う二人だった。

藤井は勇気を出してもう一度・・・村おこし計画を練り直す。

そして・・・今井春菜は妻と別居した男(自己申告)・松浦徹(岡田浩暉)の呼び出しに応じてしまうのだった。

丈太郎は星空を見上げる。

かほりは・・・ついに同棲中のカップルを目撃・・・森下の同棲相手が誰かを知る。

今回、オープニング曲はエンディング曲になっています。

夜の仕事で遅くなり、帰ってきて、テレビをつけ、「おっ・・・ラッキー、これからか・・・なんかで延長して遅れたのか・・・」とぬかよろこびをした人がきっといるだろうと妄想してささやかな幸福感を感じる夜だったのです。

happy02キッド。

で、『ゴーイング マイ ホーム第5回』(フジテレビ20121113PM10~)脚本・演出・是枝裕和を見た。帰る時間を聞かれて「じゃ、食事はいらないわね」と沙江(山口智子)に言われたばかりの良太(阿部寛)に「帰る時間を聞かれても食事を作る必要があるかどうかの確認だけなんですよね」とぼやく隣の部屋の会社員・小林悟(バカリズム)である。ここでは変な光線を出したりしません。・・・テレビ東京を誰もが見てると思うなよ。

あひるよ、と言って

突き出した君の

くちびるすこしあふれる

いまわのウオーター

・・・どういう状況なんだよ。

相変わらず、危機的状況の坪井家。

父の病状は相変わらずだが、見舞いのノルマは果たしたと言い切る母親に娘の萌江(蒔田彩珠)は冷たい視線を送る。

「私にとって血のつながった祖父はあなたにとってはただの義理の父親ということにはならないのです・・・だって肉親の肉親は肉親だから・・・それを否定するのはあなたと私の血のつながりを否定することなのです」

まあ、そういうことに想いがおよばない人は割と多いんだよ・・・萌江ちゃん。

「後悔するのは愛があるからだって親父のノートに書いてあった」

「私・・・もう少し、味の分かる人と結婚すればよかったと後悔してるけど・・・それは愛があるってこと」

「それはちょっと・・・ちがうんじゃないか・・・おい」

などと義理イチャイチャを展開する良多と沙江だったが・・・良多の頭に浮かぶのは・・・下島菜穂(宮﨑あおい)の可愛いハロウィン風コスプレだった。

夢のような旅を終えて現実に戻ってきたように見える三人だったが・・・良多の心は菜穂の元に残され、萌江のクローゼットには盗んできたクーナ人形が鎮座しているのである。

旅にも家にも特別な期待を抱かないようにしている沙江は・・・疎外感をそこはかとなく嗅ぎ取る。

一人で父親の見舞いに行くという良多に・・・萌江は不適切な下心を嗅ぎつけるのだった。

萌江にとってはそこそこ大切な良多と沙江の夫婦関係だからである。

もちろん・・・クーナにお願いしたいことがある萌江にとっては良多に抜け駆けされることも心配なのである。

一週間ぶりに教室に戻った萌江は「かって男の子が腰をおろしたので萌江に突き飛ばされることになった机」がなくなっていることに気がつく。

その机は「めぐみちゃんの机」でクラスメートによれば「先生がどこかに片付けた机」らしい。

そして萌江の机に貼られた「ブタさん・カエル・四つ葉のクローバー」のシール。

萌江にとって・・・その机はかけがえのない机だったのである。

放課後、巨大な十字架のある礼拝堂を抜けた萌江は倉庫に収納された「聖なる机」を搬出し、教室に搬入する。

萌江にとってあるべき場所に置かれた机は・・・クラスメートたちを恐怖のどん底に叩き落とすのだった。

めぐみちゃん・・・帰らぬ人なのか。

高田純次(高田純次)が「勉強させてもらいます」と登場して去っていく。

良多は部下の真田(新井浩文)にドス黒い顔で「親父が・・・お前にまかすと言ったんだよ」とクーナのプロモーションを手伝うように促す。

親との間に何かあったらしい真田はうかうかと情にほだされるのだった。

完成したCM「アーモンドペロンチョ」をスポンサーの瀬戸(笹野高史)に持って行く二人。

クーナの話をもちかけると発見者に賞金1憶円を出すというかなりドス黒い瀬戸である。

「でも、いないんだろう・・・」

「まず、いないと思います」

「もしも・・・発見されたら・・・戦争で死んだ母親とつないでほしい・・・」

クーナは死者と生者をつなぐというのがこのドラマの設定なのである。

そして・・・意外と重要なポイントらしい。

そして黒い奴ほど白いものを欲しがるものなのだな。

フローリングの床の木目が気になるクーナの夢でゴキブリに襲われるクーナの狼狽ぶりを楽しむ良多だった。良多は父親譲りのドス黒さをそこそこ持っているのだった。

かなり回復してきた夫の栄輔(夏八木勲)にさりげなく菜穂について尋ねる敏子(吉行和子)である。

「(幼馴染の)治(西田敏行)の娘だよ」

「あまり、似ていませんね」

「(俺のかって愛した)母親に似たんだよ」

「おや・・・そうでしたか」

永年ドス黒く連れ添ったドス黒い夫婦だった。

母親の死をめぐってなにやら確執があるらしい菜穂と治。

今日も中華料理風の店で菜穂は治をちくちくと痛ぶるのだった。

「おじいちゃんと遊ばないようにしなさい」

「無理だよ」

母と祖父のどす黒い遊びに戸惑う下島大地(大西利空)だった。

敏子のいない隙に栄輔の見舞いにくる菜穂と大地。

七並べをする三人に「どんな関係に見える?」と聞かれ「おじいちゃんと娘さんとお孫さん」と答える七生総合病院のナース千恵子(江口のりこ)・・・。

「えへへ・・・」

「え・・・違うの?」

「むふふ・・・」とドス黒い笑みを浮かべる三人だった。

沙江は久しぶりに実家に戻り、実母の辻時子(りりィ)とたわいもなくドス黒い会話を楽しむ。

「あなた・・・わたしへの意趣返しで仕事してるでしょ」

「いつも・・・お母さんの買ってくれた菓子パンのことを思い出しておいしいものを作るの・・・これでもかって」

「わたし・・・つらくてあなたの出てるテレビ消しちゃうの」

恋人とのデートのための弁当を娘に作らせる恋多き老女である。

「萌江ちゃんのことは気にしないでいいんじゃない」

「そうかな」

「あなただって昔、ぬいぐるみと話してたわよ」

「うそ・・・」

「心配になって耳鼻科に連れて行ったものよ」

「そういう時は普通・・・精神科じゃないの?」

そして・・・萌江のクーナの祭壇には・・・沙江の手作り弁当が捧げられていたのである。

「どうか・・・めぐみちゃんに逢わせてください」

萌江の願いはそこはかとなく・・・ドス黒いのである。

ドス黒いドラマって本当に和むよなあ。

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2012年11月13日 (火)

現物支給の作業着、寒い季節に感じる温もりPRICELESS(木村拓哉)

この物語の敵役と言えばもはや、主人公の異母兄弟・ミラクル魔法瓶の社長・大屋敷統一郎(藤木直人)で間違いないだろう。

ひとつの可能性としては・・・前社長の大屋敷巌の遺言に続きがあり、「・・・金田一二三男(木村拓哉)を試しに解雇してみろ・・・器の大きさが分かるから・・・」とかなんとか言って・・・統一郎があえて異母兄弟に試練を与えているという展開もあったわけだが・・・この段階でもはやその目はなくなった感じである。

第一に・・・統一郎は経営者として実際に器が小さい。

第二に・・・今回は二三男に対して「なんで・・・あいつが・・・」と敵意むき出しのセリフがある。

結局、統一郎は設定的に誠に器の小さい男なのである。

さて・・・こうなると兄弟の和解があるのかどうかが一つの焦点だな。

おそらく・・・最終回はクリスマス・シーズンで・・・そうなると主客は転倒することができる。

つまり、「クリスマス・キャロル/ディケンズ」である。守銭奴のスクルージが三人のクリスマスの精霊に導かれ、心を改める物語だ。

合理化を重ね、保身に固まり、「最悪の事態に備えるための準備」を怠ったら・・・どういうことになるか・・・今ほど、人々が感じている時はそうはないだろう。

「ありえないことなんてない」と言うのは「メルトダウンなんてないさ、メルトダウンなんてうそさ」と歌い続けた人々に捧げられる言葉なのだろう。

おそらく・・・統一郎社長は最終回で・・・温もりを保ち続けることの大切さを思い知ることになるのだろう。

なにしろ、魔法瓶の会社の社長なのだから。

で、『PRICELE$S?あるわけねぇだろ、んなもん!?・第4回』(フジテレビ20121112PM9~)脚本・古家和尚、演出・平野眞を見た。今回はミラクル魔法瓶のライバル企業のホットスプリング社が名前だけ登場する。現実的に考えるとタイガー魔法瓶と象印マホービンという二つの会社は両方とも大阪本社の会社なのだが・・・どちらがより、ミラクル魔法瓶のモデルにふさわしいかと考えた場合、やはり・・・字面的にタイガー魔法瓶かな。象印だったら奇跡マホービンになるわけだし・・・どうでもいいんじゃないかな。まあ、設立はタイガー魔法瓶の方が古いしな。でも象印マホービンは金三郎・銀三郎兄弟の設立なんだぜ・・・もういいんじゃないか。

さて・・・気になるのは模合謙吾(中井貴一)ことモアイ統括本部長が取引先で披露した手品の内容である・・・いいや、そこはどうでもいいと思うぞ。

今回ははっきり言ってモアイ部長が精霊化する回なのである。

で、主人公は冬に備えて防寒着を入手するのだ。

物語は偶然に偶然を重ねるパズルのような展開だが、無理のない展開なので気にならない。

主人公がヒーローとなるのは物語の必然なのであるが・・・この物語の主人公はヒーローが似合いすぎて・・・ちょっとなんとかしたいと思われやすいレベルに達している。その関門を上手く潜り抜けていることをまず賞賛しておきたい。

今回も・・・際どいところで・・・主人公はヒーローではなくて・・・ヒーローを信じる男というポジションを確保しているのである。

それにしても・・・なんとかしてヒーローにならないように注意する必要がある主人公・・・もはやさすがというしかないな。

幸福荘の早朝・・・貧乏生活からの脱出を目指す経理の魔法使い・二階堂彩矢(香里奈)はハロー・ワークに出発する。

「ええっ・・・朝一番で・・・」

「私、あなたほど脳天気ではないので・・・」

一日500円のノルマを達成できない金田一は白飯抜きなのだった。

そんな金田一を何故か慕う榎本小太郎(藤ヶ谷太輔)が食べられる野草採取中の公園まで訪ねてくる。

榎本が初めて商品化にこぎ着けた「携帯炊飯器付弁当箱」がついに実現しそうだという報告なのだった。

先輩として元・同僚の快挙を祝い、焚きだしランチセット(無料)を奢る金田一。

ふと・・・かって寒さをしのぐ一夜の布団(ダンボール)を与えてくれたゲンさん(五頭岳夫)の姿が見えないのが気にかかる。

早速、ゲンさんのダンボールハウスを訪問する金田一。

ゲンさんは病に伏していた。

「風邪薬とかは・・・」

あるわけないだろ、そんなもの

タイトルである。ノルマ達成なのか。

そこで、金田一は榎本に借金して風邪薬を買うのだった。

金は天下の回りもの・・・このあたり、能天気です。

一方、すっかり・・・社長の飼い犬になったモアイ部長。

「無益な新製品の開発をストップし、有益な事業だけを残していく」という拡大再生産という企業の本質を見そこなった社長の方針に従い・・・新規事業の停止の任務を帯びるのだった。父親に認められなかった哀しい男は父親の残したものをすべて消去したいという怨念に憑かれているらしい。

そのリストには榎本とともに「どこでも炊き立てご飯」を共同開発していた下請け会社・相模川製作所が含まれていた。

一方、ハローワークで職にありつけなかった二階堂はどこぞの「ご当地アイドル」に採用が決まった路上アイドル・富沢萌(小嶋陽菜)から伊達政宗関係のアルバイトのピンチヒッターを頼まれる。

伊達政宗と言えば独眼竜で知られる藤原北家魚名流の戦国武将である。奥州の覇者であり、関ヶ原の合戦では徳川家康に従い、仙台藩62万石の主となったのだった。

しかし、実情は銘酒・伊達政宗の舞を御酌するセクシーな仔猫ちゃん的キャバクラ嬢の仕事なのである。

そこへ・・・この手の店は初めてという客・相模川(石井正則)がやってくる。永年開発していた事業が実ったために部下を連れてお祝いに来たのだった。

初めての客と初めてのキャバクラ嬢は伊達政宗の話題で盛り上がったらしい、胸をまさぐったりはしなかったらしい。この件のツッコミ必要なのか・・・ムネマサじゃなくてマサムネだし・・・必要なのか?・・・文句のない展開なので再現性高くなっちゃうんで・・・なるほど。

ほろ酔い加減で幸福荘に戻った二階堂に・・・金田一は榎本の紹介で工場での短期アルバイトができそうだと報告するのである。

小さな石鹸カタカタなりそうな話であるが・・・銭湯代450円のない金田一なのでなりません・・・いたって脳天気な金田一なのである。

そこへ・・・金田一の謎の恋人・広瀬瑤子(蓮佛美沙子)が現れる。

「会社に戻れないなら・・・父に会ってください・・・父なら就職をお世話できると思うので・・・はやくこんなみじめな境遇から抜け出さないと・・・」

「いや・・・一応、仕事が決まりそうなんで・・・」

自分がみじめな境遇とは思いたくない金田一だった。いや・・・思っていないともう・・・かなりかっこいいヒーローになっちゃいますから・・・要注意ですぞ。気持ちは分かりますけどね~。・・・誰に言ってんだ・・・脚本家に決まってるでしょう・・・そうなのか、でももう遅いと思うぞ。

翌日・・・金田一を待っていたのは「携帯炊飯器開発中止」の悲報だった。

アルバイトどころではなくなった金田一だったが・・・榎本にもう一度、モアイを説得するように働きかけるのだった。

一方、娘にシャネルのバッグを買い与えねばならないモアイ部長は「無実の罪で解雇された元部下の糊口をしのぐアルバイト先の危機」に反応し・・・社長にお伺いをたてる。

「相模川製作所は契約続行を申し出ているのですが・・・」

「良い男はこちらから別れを切り出さずに相手に嫌われるように仕向けるものだ」的なアドバイスを言い出す社長だった。

納入量を千台から三千台に増やすこと。

そうすれば・・・向こうから断ってくるという社長。

一方、カーテンを隔てて同棲中の金田一二階堂ペアの寝物語。

「モアイさんって最低」と二階堂。

「いや・・・モアイさんはここから凄い」と断言する金田一。

そして・・・金田一は自分の首をかけて部下を庇ったモアイ部長の武勇伝を話すのだった。

昔は昔、今は今なのでは・・・と二階堂は思い不服なのだった。

実際、庇ってもらえなかったから・・・金田一は解雇されているのだから。

ここも・・・あまり・・・信念を強調しすぎるといつもの方向になっちゃうよ・・・だから・・・もう遅いんだってば・・・それにここまでくれば・・・そこそこヒーローになっちゃってもいいんじゃね・・・いや、もう少し、やせ我慢色出した方がいいよ~・・・ま、そこは好みの問題かもねえ。

相模川製作所で無理難題の契約続行条件を提示するモアイに騒然とする一同。

しかし、去っていくモアイに感謝の言葉を告げる金田一。

「チャンスを与えてくれてありがとうございます」

「いや・・・あの反応みただろう・・・世の中には最初からら無理なことってあるんだよ」

「いや・・・なんだってやってみなくちゃわかりません」

能天気な人の傍では人は鬱になる場合もあるが・・・能天気が伝染する場合もある。

「とりあえず、やってみましょうよ」と金田一が励ますと・・・ついその気になる一同だった。

励まされた相模川社長はサイズ・フリーの作業着をお礼に渡すのだった。

「う・・・暖かい」

とにかく、体が温まる金田一である。

ダンボールの温もりを知る金田一にとってそれは極上の暖かさなのだった。

しかし、世間の風邪は冷たい。熟練工の派遣を同業者に依頼したが悉く断られてしまう。

「沈みかかった舟に乗るバカはいない」のである。

たちまち、絶望した相模川社長に「あきらめるのが早すぎる」と怒りをあらわにする金田一。

なにしろ、工場がつぶれたらアルバイトできないのだ・・・そうそう、この方向ですよ。

しかし・・・帰宅した金田一を待っていたのは家主・鞠丘一厘(夏木マリ)からの相模川社長行方不明の知らせだった。

あわてて・・・社長捜索の旅にでる金田一。社員から豪遊の話を聞きキャバクラを目指すのだった。

転びかけたギャバクラ嬢をそつなく助けながら、SAYAKA(源氏名)こと二階堂と遭遇である。

「えー・・・ここでバイトしてんのかよっ」

「あなたこそ・・・なんでここに・・・」

「すごく小さい社長さんを捜してるんだ」

「あ・・・その人なら今、帰ったわよ・・・石田三成の話をしてあげたら喜んでた」

「どんな話」

「六条河原で斬首されて三条河原で晒し首になったこととか・・・」

「えーっ」

石田三成は豊臣秀吉の家来で実戦が下手なことで知られる戦国武将である。よせばいいのに徳川家康に関ヶ原の合戦を仕掛け、案の定敗北して逃走中に捕縛、処刑されたのだった。

二人は橋の上で思案に暮れる相模川社長を無事確保したのだった。

藤沢(升毅)のバーで落ち着く三人。

マスターの藤沢は・・・ランチの売れ残りのフランスパンくりぬいてソーセージぶっこみの合体式ホットドッグを振る舞うのだった。

無心にエッチなパンを食べる三人である。

ここで・・・金田一は何かを思いつくが・・・それはまた来週の話らしい。

とにかく・・・何気ないトークの中で・・・熟練の労働者や経営者がホームレスになっているという話を相模川から聞いた金田一は「不可能を可能にする突破口」を閃くのだった。

知り合いのホームレスにはそういう人材が埋もれていたのである。

しかし、落ちぶれ果てたホームレスには働く気力がもう一つ湧かないのだった。

しかし、ゲンさんが「こいつは俺の命の恩人だ」と鶴の一声である。

誰もがゲンさんにダンボールをもらっていたのだろう。

ついに貴重な労働力が確保できたのである。

二階堂も参戦し、作業衣を確保し、ペアルックを決めるのだった。

納入期限の一週間が過ぎ、ついにノルマは達成されたのだった。

唖然とする・・・モアイ。

しかし・・・会議では・・・金田一がらみであると知った大屋敷社長が契約不履行で訴えられる危険を覚悟で開発中止を断行する。

意地になっているのだった。

「それでは約束が・・・」

「この会社を守るためだ」

「あなたは・・・間違っている。苦しい時こそ、新製品の開発だという総務省が正しいとは言いませんが・・・世の中のニーズに答えて新しい何かを生みだしていくことをやめた企業なんて死んだも同然です。斬られるべきなのは彼らではない・・・社長、あなただ」

「自分で何を言っているのか・・・わかっているのか」

「まちがったことは言ってません」

「馬鹿な男だ・・・」と去って行ったモアイを評する財前専務(イッセー尾形)である。

しかし、統一郎社長は「本当に馬鹿ならあんなことは言わない」と苦い思いをかみしめるのだった。

統一郎は父親に見捨てられた憐れな子供なのである。

だからと言って器の小ささはどうにもならないのだ。

モアイはやる時にはやる男。

宙に浮いた新製品をライバル会社に売り込んだのだった。

そして、モアイもまた・・・解雇され・・・家族に家を追い出され・・・幸福荘にたどり着く。

第三の精霊の誕生に・・・。

思わず噴き出す金田一二階堂・・・。

「まあ・・・ここにもそれなりの幸せがありますよ」

あるわけないだろう・・・そんなもの

・・・タイトルの念押しである。

その頃・・・金田一の恋人は・・・父親(草刈正雄)とともに統一郎と逢っていたのだった。

ワンツー。

Jumpin' Jack Flash/The Rolling Stones

俺は溺れちゃって土座衛門

誰もが感じる死の苦悶

転んじゃったら膝から出血

人はパンのみで生きるものにあらず

釘付けされたモンスターのドラえもん

しょうがないなのび太くんは

しょうがないなのび太くんは

しょうがないなのび太くんは

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An004 ごっこガーデン。幸せの町工場セット。アンナおっとレビューはまだまだこれから、とりいそぎのお誕生日おめでとうなのぴょ~ん。偶然を装ってくっつくごっこ。楽しくて楽しくて朝までうっかりごっつんこなのぴょ~ん。レビューお待たせしましぴょん。まこ先代社長は本当は統一郎に試練を与えたかったのではないのでしょうか~。そうじゃなかったらボケたおしてましゅ~。フジッキー社長、孤独をかみしめしゅぎでしゅ~。じいや、Hなホットドッグおかわりだじょ~くう男をあげたモアイ部長・・・だけど家庭はぶっこわしちゃった・・・よいお父さんはけして真似しないでくださいみのむしまあ、かっこ悪くてもシャネルは買えなくてもペコペコしてでも妻と娘は守ってもらいたいよね~ちーずまだまだまだまだ悪夢ちゃんですikasama4またひとつ星が消えて行く・・・クレイジーキャッツも残りお一人ですな

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2012年11月12日 (月)

MONSTERSとは脅迫状付のナイフの血を本物と見抜けない外科医一同のことですか?(山下智久)

全国の小学生の皆さん、今回の「MONSTERS」も楽しかったですね~。

今回のトリックはなかなか見事なものでしたね~。

ちょっと安心しましたよ~。もちろん、あらかじめ、被害者の血を採血しておけばよかったんですよね~。

被害者のコーヒーに睡眠薬でもいれてちゃっちゃっとね~。器具に不自由しませんからね~。

なにしろ・・・殺人の後にすり替えるわけですから・・・もう一か、八かですよね~。

ダミーのナイフに犯人が自分の血液を残すなんて指紋隠してDNA隠さずみたいでおかしいですね~。

それにしても犯人のDNAを探偵さんはどうやって入手したんでしょうか・・・。

それは犯人が二枚目さんだからアレなんですね~。探偵さんがきっと誘惑したんですねえ。

そして・・・性病がこわいからとかなんとかいって避妊をしたんですよねえ。

うっとりとした夜の後で冷酷に避妊具に残された体液の鑑定結果を証拠としてつきつける。

素敵ですね、色っぽい話ですね、やらしいやらしい感じですねえ。

良い子のみなさんは意味わからなくてもいいんですよ。そのうちにおじさんが教えてあげられるといいんですけどね。

さあ、もう時間が来ました。ドラマの後でまたお会いしましょうね。

で、、『MONSTERS・第4回』(TBSテレビ20121111PM9~)脚本・蒔田光治、演出・大澤祐樹を見た。今回はとぼけた味わいをそれなりに計算された演出でそつなく見せてくれたようだ。どのあたりが計算されているかというと・・・事件の舞台となる明光大学病院が巨大だということである。第一に今回、足の腫物の手術で入院した西園寺刑事(山下智久)の病室。病棟中のナースたちが看護にやってくるためにAKB48人くらいの女子が一同に会するほどのだだっ広さがある。西園寺は御曹司なので特別室なのだろう。第二に犯行現場である倉庫前。駐車場でもないのにやたらとだだっ広いのである。その広さが犯人の命取りになるくらい広いのだった。第三に謎解きのシーンの査問会議の会議室。舞踏会を開けるほどのスペースがある。大病院だとはいえ・・・こんな会議室が必要でしょうかと問いたくなるほどのだだっ広さである。ほとんどの人が気付かないかもしれないが・・・これが演出というものなのだな。

東京男砂漠に咲く、一輪の花はなんちゃって新人外科医(研修医でないとすれば最短で26才前後である)の鈴木佳代を演じる波瑠(21)、夏ドラマでは「小さな故意の物語」でなんちゃって女子高校生やってました。上下に幅広くなんちゃってである。non-no専属モデルだが女優暦はそこそこ長い・・・今回も初々しい女医さんをそれなりに初々しく演じていて花を添えましたな。

退官を控え、明光大学病院第一外科教授・門倉俊三(佐々木勝彦)は後任の教授に私立朋南病院から引き抜いた第一外科講師の村川英樹(佐藤二朗)を推薦しようとしていた。

第一外科のエース外科医として准教授の安東研一(吉田栄作)がいるのだが、製薬会社との不正取引の事実があり、査問委員会で追求する方針だったのである。

よせばいいのに・・・それを安東本人に通告するおバカな門倉教授である。

案の定、刺殺されて倉庫前で死体となって発見されるのだった。

もちろん・・・門倉を殺す可能性のあるものは星の数ほどいるのであるが、地道な捜査は金田班長(遠藤憲一)とその部下にまかせ、真犯人にまっしぐらの平塚刑事(香取慎吾)だった。

お見舞いのバナナとミカンとリンゴならバミリである。

よ~い、スタートでバミったところから歩き出してくださ~い。・・・なのである。なんのこっちゃ。他の皆さんは板付でお願いしま~す。だからなんなんだよっ。

もちろん、キャスティング的には真犯人は安東に決まっているのだが、なんとなく安東派の外科医・土田隆弘(尾上寛之)の証言により、村川講師にも医療事故の怪文書や、犯行現場付近での目撃などで一応嫌疑がかかるのだった。

そんなことを言えば、土田も怪しいし、鈴木佳代だって可愛い顔してババンバ~ンなのである。・・・なんのこっちゃ。

しかし、今回は患者として入院中の西園寺刑事が偶然、事件解決の突破口を開くのだった。

村川講師のデスクに置かれた血のついたナイフと脅迫状を見て、佳代先生からハンカチを借り、ビニール袋からナイフを取り出し「本物の血液」と意味不明の鑑定をした後で佳代先生の初めての人になる西園寺刑事。脅迫は立派な犯罪行為なので直ちに通報するように・・・。通報していれば事件は起きなかったのである。

今回の安東の犯行の全貌。

犯行現場に村川を呼び出して放置。(午前十時頃)

手術中にわざと負傷して一時退室。

自分の血液を付着させたダミーのナイフと脅迫状をメール・ボックスに投函。

手術室に戻る。

土田がメールボックスから脅迫封筒を村川のデスクへ。(午前十一時頃)

犯行現場に門倉教授を呼び出した安東は倉庫の表の物影(停車中のトラック)に隠れて門倉を背後から刺殺。(正午頃)

講義から戻った仏の村川が脅迫状「次はお前だ」を見て門倉教授の安否を確認しなければと騒動になる。(午後一時頃)

安東が全員が出払った無人の外科医室でダミーと本物を交換・・・以上である。

物凄いタイトロープである。

ここで鑑識さんが登場。

「血の乾き具合から見て・・・犯行は午前十時から午後一時までの間ですな」

「しかし・・・凶器は午前十一時に届いています」

「同様のナイフを用意してあらかじめ採取した血液を付着させれば凶器の擬装など簡単です・・・その程度のことは私でもわかります」

「あなたがいなくてよかった・・・」と胸をなでおろす出演者一同だった。

わざとたどたどしく関係事項を忘れ・・・安東を罠にかける西園寺だった。

「だから・・・犯人は倉庫の表の物影にかくれていたんだ・・・仏なら可能だ」

「仏については聴かなかったことにします・・・大体、村川先生は『ハンドク!!!』の片桐先生、『JIN-仁-』の福田先生、『医龍』の松平先生、『サマーレスキュー』の高井先生など・・・医師役のキャリアは長いのです」

「ま、全部脇役でっすー。おっつ・・・患者とのやりとりのシーンでちょっとしたアドリブしたけどみんなカットになっとーる」

「それはともかく・・・ものかげってなんですか・・・ものかげって」

「ものかげはものかげだろう」

「普通、日常会話でものかげなんていいませんよね」

「もしも、私が犯人ならうっかりトラックの影からって言うんじゃないか」

「ま、言葉の彩ですからな」

「結局、証拠はないんじゃないか」

「ありますよ・・・あなたの血液のついたハンカチがね」

「それで崩れるのはアリバイだけだろう。私の動機になる書類は発見されないわけだし・・・誰かが私に罪をなすりつけるために私の血液を勝手に採取したのかもしれないじゃないですか」

「・・・ぐっ」

「グー子かっ」

「教授就任おめでとうございます」

・・・はい、見事に今回も迷宮入りでしたね。痛快ですね。

なんといっても松葉杖で一生懸命に走る西園寺刑事に一部愛好家熱狂なんですね。

私にはそういう趣味はありませんが・・・病室のベッドであの美しくて綺麗で可愛い西園寺刑事の無防備なお尻を差し出されたら、とてもとてもとても我慢ができないかもしれませんね~。

思わず撫でてしまうかもしれませんね~。

はい、それでは次週またお会いしましょうね。さよなら、さよなら、さよなら。

関連するキッドのブログ→第3話のレビュー

Erioo4 ごっこガーデン。禁断のVIP病室セット。エリなんとーーー、山P先輩のレビューを二週連続おさぼりするとは~。だって、ねえ、だってだってなんだもん・・・でも女医さんごっこはヤルノデスーっ。手術ナノデスー。ムフフmariだってだってなんだもんですよね~」ぼきゃぁぁぁんですねーっ。中学生でもダッテダッテナンダモンデス・・・更新はありませんっくう・・・ikasama4御意、御意、御意~シャブリきゃあ~、レビュー率低すぎ~。せめてツイッターまとめをお楽しみください・・・波瑠ちゃん・・・」 

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2012年11月11日 (日)

生死の境の深い穴を抜けると夢の国だった・・・もげっ(北川景子)

ドラマはフィクションのひとつのジャンルだが・・・フィクションは現実の影法師であると考えることもできる。

もちろん、現実がフィクションの影であることも疑いようのないことである。

それはともかく、ドラマには現実というフィクションの影がさしこんでいると言える。

最近、世界は人々に津波による原子力発電所のメルトダウンという恐怖を与えた。

目に見えない放射能は拡散し、人々は「死」を身近に感じたのである。

1906年に自殺したオーストリア人科学者・ルートヴィッヒ・エードゥアルト・ボルツマンは原子を実在の対象と考えた原子論を展開した。ウイーン大学でボルツマンの晩年に薫陶を受けたリーゼ・マイトナーはポーランドのキュリー夫人の下で放射能の研究を続けることを望んだが果たせず、ドイツ人の化学者オットー・ハーンとの共同研究を選択する。およそ40年後・・・物理学者であり、化学者である二人は「ウランの原子核に中性子を照射しても核が大きくならず、しかもウランより小さい原子の存在が確認される」という核分裂を発見し、それを証明した。核分裂は原子力爆弾を生み、原子力発電所を生んだ。

それはけして・・・ある日突然、起こるものではない。熱心な研究者たちが情熱を傾け、試行錯誤を繰り返した努力の成果として起こるのである。

しかし、新しい現象は突然、嵐のように人間の理解を越える。

核兵器の研究は着々と進み、1945年、核分裂の発見からわずか7年で広島にウラン235原爆が投下された。

一瞬で10万人以上の人命を奪ったこの爆弾についてリーゼ・マイトナーは「その爆弾の開発にはまったく関与していない」とインタビューに答えている。

しかし、人間が好むと好まざるとに関わらず、地獄ではあの日が無限に再現され・・・そこに至る科学的研究に携わった死者たちは皆、その地獄に招待され、永遠の苦悶にあえいでいる。それを理不尽と感じるかどうかは神でも人間でもない悪魔には関わり合いのないことである。

まあ、人間はそこが何かを知らないからこそ、恐怖の真っただ中に飛び込んでいけるなかなかにユニークな存在であることは間違いないだろう。

で、『・第5回』(日本テレビ20121110PM09~)原案・恩田陸、脚本・大森寿美男、演出・佐久間紀佳を見た。人間の脳内から情報を取り出す研究は着実に進んでいる。しかし、それは当然の如く、人体実験を必要とするものである。だから、民主化された国家ではかなりの制限があり、秘密裏になら何をやっても許される独裁国家で大いに進展しているのである。そこでは人体に電極を差し込み、脳内の機能局在が分析され、発達したコンピューターによって人体の神経細胞の記憶を可視化するための解析作業が継続されている。もちろん・・・秘密を厳守できれば民主化された国家でも科学者が夢のAV化に成功している可能性は否定できないのだ。

上原翔(千葉裕太)の夢

緑の中を走り抜けていく罪悪感。翔はかって弟の隆(鈴木福)の演技力がありすぎるのを憎み・・・じゃなくて、視力が悪い弟に付きまとわれるのを嫌い、弟を車のトランクに閉じ込め、殺しかけた過去を持つサッカー好きの少年である。見知らぬ森の中で弟に深い穴に突き落とされた翔は・・・弟のけしかけるゾンビの群れに襲われるのだった。バ、バイオ・ハザー・・・・・・・・・・・・・・。

恐怖で目覚める悪夢ちゃんこと古藤結衣子(木村真那月)だった。

早速、担任教師の武戸井彩未(北川景子)に報告しようとする悪夢ちゃん。しかし、彩未は個人的事情で他人の無意識に関わっているゆとりがないのだった。

結衣子の祖父・万之介博士(小日向文世 )の助手・志岐貴(GACKT)のベッドからの監視により、彩未を誹謗中傷するブログを睡眠時遊行する彩未自身が書いていた事実が明らかになったのである。

「君の表層人格とは別の何か・・・つまり無意識の影のようなものが・・・君の睡眠中に活動したのだ。おそらく、君には封印された記憶があり、その抑圧に対する反抗が人格の分裂を引き起こしているのだろう」

「つまり・・・私は夢遊病で、統合失調症で、二重人格者ってことなのね」

「まあ・・・簡単に言うとそうなるが・・・病状としてはそれほど深刻なものではない・・・問題は失われた記憶の方だと思う」

「私は記憶喪失なんてしていないわよ」

「喪失した記憶を喪失しているからね」

「もげっ」

・・・というわけで、他人のことをどうこうする気分ではない彩未だった。

「悪夢ちゃん・・・あなたの見た悪夢なんだから・・・あなたがなんとかしなさいよ」

教師に指導されて仕方なく上原翔への接触を試みる悪夢ちゃんは・・・体育の授業中にひたすら上原翔を見つめるのだった。

たちまち、口からジャムを吐く小泉綾乃(白本彩奈)、キメラ使いの相沢美羽(木村葉月)という5年2組のおませプリンセス二人は悪夢ちゃんが上原翔に恋をしていると決めつける。無理矢理告白タイムである。

「古藤さんが上原に言いたいことがあるんだって・・・」

「なんだよ・・・」

クラスメートたちが期待が高まる中・・・。

「弟がいますか・・・」

「いるよ・・・」

「弟にひどいことしましたか」

心の傷に触れられた翔はサッカーボールを結衣子に蹴り込むのだった。

思わず鼻血の結衣子、かわいいよ結衣子なのである。

実は本当のサイコパス(異常人格者)である養護教諭・平島琴葉(優香)の待つ保健室に運ばれた結衣子だった。休憩時間のこととはいえ、少し責任を感じた彩未は謝罪に来た翔と結衣子の仲をとりもつ。

「アドバイスをしてあげなさい」

「あの・・・穴に気をつけて・・・けして落ちないように」

「・・・?」

意味がわからない翔だった。しかし、立ち聞きするサイコパス琴葉の邪眼は騒動の気配を感じて色めき立つのだった。

一方、彩未の睡眠時遊行症について万之介に報告する志岐。

「彼女は無意識に支配されて行動し、逆に夢の中では自我による明晰夢を見ることができる特異な存在です・・・先生は彼女の何に注目しているのですか」

「それについてはもう少し待ってくれ」

「いつまで待てばいいんです」

「夢を可視化することはやはり危険なことなのだ・・・」

「今更、何をおっしゃってるんです」

「これを世間に公表すれば・・・予想もつかない混乱を社会にもたらすかもしれない」

「そんなことを恐れていたら科学者なんてやっていられませんよ・・・わかりました・・・私は科学者として独自に研究を進めることにします」

「・・・」

決裂する博士と博士の助手だった。

科学的発見が秘匿されることは許されない。それは万人に共有されるべきものであるからである。たとえ・・・それによって世界が滅びるのだとしても・・・なのである。

それがマッド・サイエンティストの正しい心意気というものだ。

一方、上原の家では難病のために失明の危機にある隆の手術をめぐって両親が夫婦喧嘩を展開中だった。

気分が重くなる翔に弟の隆は「宝」の話をする。

車のトランクに閉じ込められた隆は見知らぬ別荘地に運ばれて発見され騒動になるのだが、家族が迎えに来るのを待つ間、付近を探検した隆は森の中で箱に入った札束を発見するのだった。隆はスボンのベルトを巻き付け目印にして・・・宝の箱を森の中に埋めてきたのだと言う。

「なんでそんなことを・・・」と思わないでもない翔だったが、演技力のある弟に説得され、宝探しの旅に出ることにする。用意周到な弟は別荘の住所をメモしていた上に、インターネットでルート検索も終えていたのである。

二人がたどり着いた別荘地では何やら事件が起こったらしく、立ち入り禁止のテープの貼られた森の中には巨大な穴が掘られてあった。

首尾よく宝物を発見した兄弟だったが・・・不可解な穴にそそられ・・・結衣子の注意も虚しく、ボール、弟、兄の順番で・・・穴に落ちてしまうのだった。

兄弟の行方不明が伝えられ騒然となる職員室。

仕方なく博士の研究所を訪れる彩未だった。

「君は・・・志岐くんといつから関係しているのだ」

「そこですかっ」

「彼は危険な男だと言ったはずだ」

「あなたの方から私にアプローチしてきたくせに・・・勝手なことを言わないでください」

「私は・・・」博士は彩未についての何かさらに重大な秘密を隠している気配である。

悪夢ちゃんの「第二の夢」によって兄弟がそろって穴に落ちていることを知った彩未は学校に戻ると保健室で仮眠を獲るのだった。

責任を感じた悪夢ちゃんも後を追う。

待ち構えていた邪悪な保健室の先生は睡眠導入剤を悪夢ちゃんに飲ませ、志岐から託された携帯型夢枕の上に悪夢ちゃんを眠らせるのだった。

ついに・・・夢を通じて他人の無意識に潜入する秘術を持っていることを明らかにした彩未である。もはや、スペックと言っても過言ではない。

夢王子(GACKT=二役)の介入を拒絶して、謎の異次元生命体ゆめのけ(声=玉井詩織)に教導させ、彩未の無意識→共有無意識→翔の無意識経由で別荘地を確認した彩未は覚醒すると、現実世界の上原家→捜索願を受理した所轄警察をめぐり・・・兄弟の落ちた穴を特定したのだった。

その穴は(隆が金を隠匿したことによって)金をめぐって仲間割れをした詐欺グループが殺し合い、生き残ったものが仲間の死体を埋めた穴だった。

こうして・・・二人は地元の警察に無事に救助されたのだった。

「あの夢には続きがあった」と悪夢ちゃん。

「その夢では・・・弟の目は治っていたかしら」

「治っていたみたい・・・」

そして兄弟は地中から大金を掘りだしていた。

しかし・・・その夢は志岐によって盗まれていた。

志岐は兄弟に先回りして手下の山里(和田正人)に宝を発掘させたのである。

予知夢による現実の改変・・・どれほど時空を歪ませるのか想像もつかない悪魔の領域に恐れを知らない邪なものたちは足を踏み入れたのだった。

そして・・・彩未は封印された過去から自分自身の影によって追求を受ける運命らしい・・・。

夢と現実の境界線は今や風前の灯なのである。

関連するキッドのブログ→第4話「邪夢」のレビュー

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2012年11月10日 (土)

たとえ心は許すまじとも体許せば孕むが道理じゃ・・・むふふ(多部未華子)

男女平等の世である。

しかし、神代から続く儒教的男尊女卑の傾向は男にも女にも深く根をおろしている。

男のようであろうとする女、女のようであろうとする男の気持ちはなかなかに想像力を要するものだ。

たとえば、男女雇用機会均等法が施工されて以来、少子化の波には拍車がかかっているという見方もできる。

そもそも、男女雇用機会均等法は男女平等の建前よりも、労働力の確保の本音の方が強いのである。

そうでありながら、既得権益の保守を考える男性側はなかなかに優秀な女性へと権力の移行をスムーズに行えない現状がある。

転じて、実力主義のスポーツの世界を見てみよう・・・日本が世界と対等に戦えるのは男子ではなくて女子という傾向が強いのである。

つまり・・・ある意味で、実力に男女差はないのだ。

一方で男女が戦えば男が勝つという論理もある。

しかし、ルールさえ、確立すれば・・・そういう性差による勝利というものも喪失されていく可能性はある。

男女に平等な就業のルールと出産・育児にまつわる優遇措置・・・それらを完備していくのは必然と言える。

優秀な人材として女性を起用すると同時に・・・人口の増減もコントロールしなければならない・・・実に厄介な問題だ。そして・・・何よりも・・・そういう新しい世の中に抵抗する通念というものが壁となって立ちはだかるのである。

そういう意味で・・・感染症によって男女比が著しくバランスを欠き、女性が世の主流にならざるを得ないというこの物語は・・・実に示唆に富んだ思考実験であると言える。

まあ・・・そう考えないでも・・・単なるメロドラマとしても面白いけどね。

で、『大奥 ~誕生~[有功・家光篇]・第5回』(TBSテレビ20121109PM10~)原作・よしながふみ、脚本・神山由美子、演出・渡瀬暁彦を見た。そもそも一夫一婦制からは逸脱している大奥の制度である。もちろん、正室というものはあるわけだが、後継者は側室からも生まれるので一夫多妻制と言っていいだろう。男女逆転すれば当然、多夫一妻制となり、男女比不均衡であれば・・・男系継承が困難となり女系が軸とならざるを得ない。DNA技術が発展するまで、あるいは血液型鑑定の技術が確立するまで・・・男系の維持には細心の注意が必要であり、そのための大奥なのである。現代だって・・・多くの男親は自分の子供たちが血縁であるのかどうか・・・半信半疑でいきているわけだしね。そうなのかよっ。

もちろん、出自にはこだわらないという考え方もある。親子関係の情はDNAのみが決するわけではないからだ。濃密な親子関係を築く養父母・養子や嫁姑・婿舅だってある。しかし、ここではあくまで血脈という非実力主義での権力の継承に主眼が置かれているのだ。

春日局(麻生祐未)の政策に問題があるとすれば・・・男子出産にこだわることだろう。

男子将軍の後継者を求めるからこそ、我が子、稲葉正勝(平山浩行)を家光の影武者に仕立て、女家光(多部未華子)を「将軍様」ではなく「上様」と呼ぶことになる。

逆転史の未来を描く映画版「大奥」の八代将軍・徳川吉宗の代には女・吉宗(柴咲コウ)が最初から女将軍であったことから・・・逆転史の中では当然、この矛盾は解消される定めにあると言える。

なにしろ・・・たとえ男子が出産されても生き残るのは基本的に女子なのだ。

また、同時多発出産ができない女系だから・・・結局、女将軍をたてるしかないわけなのだな。

それはおそらく・・・家光の代で起こるのだろう。

男子の死亡率が80%という奇病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」が蔓延し、男家光(岩井秀人)は寛永十一年(1634年)に31歳で逝去する。十年近くが経過して・・・男子人口は激減・・・さらにその傾向は留まるところを知らないのである。人為的な処理があったとしても最終的には人口の五人に一人が男という社会に到達するのが自然なのだから。物語では地球規模の歴史は描かれないが・・・ちなみに奇しくも日本の戦国時代末期(16世紀後半)・・・地球の裏側のイングランドはエリザベスⅠ世女王が君臨していたのだった・・・庶民のレベルでは逆に一夫多妻が状態となるのである。結婚の平等を実現するには一夫四妻制度が妥当ということになる。イスラームの世界では男女比が同じでこうなっているわけで・・・つまり・・・五人に一人しか男が結婚できない社会なのだとも言える。

それに対して・・・逆転史の一夫多妻制は自然な成り行きなのである。

その中で大奥だけが多夫なのである。女将軍に対する女たちの憧憬いかばかりか・・・。

一夫一婦制の男子がハーレムを夢見るのとは全く違うはずである。

しかし・・・女家光の心にはまだ儒教的貞操観念が存在し・・・愛するお万(堺雅人)以外の男に抱かれるのは苦痛であるらしい。

よいではないか、よいではないか・・・という気分にはなれないのである。

一方で・・・種なしと判定され、お褥を禁じられるお万の心情はかなり分かりやすい。

新婚旅行から一年、新妻が懐妊しないと・・・性交禁止になってしまうのである。ま、三年くらいだと・・・それはそれで・・・おいっ。夫婦間にセックスを持ちこまないタモリ以外はかなり不便なことになるだろう・・・おいおいっ。

いや、お万の場合は・・・女・家光に心底惚れてしまったので・・・愛する女が別の男に抱かれるのが公式決定というのは舌かんで死にたくなるくらいの心痛をもたらす状況らしい。

微笑み侍は唇かみしめ侍となったのだった・・・なんのこっちゃ。

そのうえ・・・お万の方の能力を認める春日局は・・・新しい種・古着屋の倅・捨蔵(窪田正孝)の教育係をお万に命ずるのであった。

「上さまがこの男と無理なく性交できるよう万事教育せよ」なのである。

お万の耐えがたき日々は続くのだった。

そして・・・捨蔵は庶民丸出しの馬の骨なのである。

なにしろ・・・士農工商の世なのである。町人として十八年も生活してきたものに武家作法を叩きこむのは至難の業なのだった。

「馬子にも衣装といいますが・・・」

「まあ・・・お褥はどうせ裸ですし」

お側衆も投げやりである。

女家光とお万は夜の生活は禁じられていたが・・・仲睦まじく逢瀬を重ねている。

「いつか必ず一緒に死んでくれますね」

「もちろんでございます」

そういう会話を知らぬ正勝やお万の世話役・村瀬正資(尾美としのり)は安堵を覚える。

しかし、そんな折、正勝の妻で事情を知らぬまま未亡人となった雪(南沢奈央)が後継者である鶴千代(西山潤)、娘の野乃(荒田悠良)を伴って登城。その姿を見た正勝は・・・「愛するものと引き裂かれる思い」が簡単には割り切れぬことを思い出す。

ちなみに・・・正史において・・・寛永十一年に死亡した正勝は小田原藩八万五千石の初代藩主である。鶴千代は稲葉正則を名乗り二代目小田原藩主となっている。

男子病没の相次ぐ逆転史でははたして・・・このまま無事成人できるものなのか・・・。

奇跡の生存率を誇る六人衆・・・松平信綱(段田安則)を筆頭に下総佐倉藩初代藩主・堀田正盛(菅原卓磨)・・・母は正勝の異母姉である・・・、忍藩主・阿部忠秋(柴田善行)、岩槻藩主・阿部重次(浅田祐二)、浜松藩主・太田資宗(井上久男)、勝山藩主・三浦正次(朝良晃三)なのであるが・・・後継者はやはりおぼつかない。

松平信綱の妻(生稲晃子)が嘆いていたように川越藩主となるべき松平輝綱は死去している。その代は女・家光同様・・・女・輝綱が継いでいるらしい・・・次回のお楽しみである。

このように逆転史は着々と進行しているのである。

微笑みの影の暗い怨念を襖にぶつけるお万であった。

そして・・・お万のために若紫を殺めた玉栄(田中聖)は心の鬼を払おうと無心で木刀を振る。

二人の哀しい男は道場の片隅で慰め合うのだった。

一方、勝手に名乗ってはならぬのに名乗り、目を合わせてはいけないのに上様をとくと見定めた捨蔵は馴れ馴れしい態度に出て「おまえがわしを抱くのではない。わしがおまえを抱くのだ」と一喝されるのだが・・・滞りなくお褥は務めたのである。

上様、ご懐妊~なのであった。

そして寛永十九年(1642年)夏・・・上様は無事、千代姫を出産なされるのだった。

「石女ではなかったのか・・・」と愛娘を得て母となった女・家光、家光の娘の父となった捨蔵改めお楽の方・・・そして苦悶するお万と玉栄・・・時代は新しい局面を迎えるのである。

史実では・・・寛永十四年(1637年)に千代姫が生まれ、寛永十八年(1641年)に家綱が生まれている。

逆転史では女・家光の最初の女児は死産・・・そして千代姫が生まれるのである。

もちろん・・・千代姫が四代将軍・女家綱になることは間違いないのだろう。

新たなる後継者を得て・・・将軍家は・・・そして上様の愛はどこに向かうのだろうか。

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Mako006 ごっこガーデン。紫の薔薇の間セット。まこボギャあああ~ん、女・家光様は出産、出産また出産なのでしゅか~。きびしかね~。なになに・・・正史では徳川将軍は三代・家光→四代家綱(母・お楽)→五代綱吉(母・お玉)と続くのでしゅね~。むつかし~。乙女心はさておいて両手に花で・・・まあ、よいではないか、よいではないか~なのでありましゅた~。もはやお万は紫の薔薇の人ポジションなのだじょ~・・・ぐへへくうお楽の方~・・・かわゆいわ~・・・もう典型的なバカな子ほどかわゆいのパターンですの~。そして玉栄・・・ほんまに・・・ええ子や・・・しかし・・・その汚れちまった悲しみは・・・やがて・・・なんだね~シャブリ金曜の夜は見るものありすぎ~。じいやに代わって申しましょう・・・殺す気か~ikasama4御意~

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2012年11月 9日 (金)

何か含むところのある私の冷たい表情・・・採点中ふにゃふにゃ(長澤まさみ)

ミステリとは神秘である。

神の秘密だから常人には窺い知ることができないものだ。

その真髄とも言えるドラマになってきたな・・・。

なにしろ・・・何が起こっているかさえもがわからないまま・・・第5回なのである。

ついてこれない人多数なのではないか。

しかし、さすがに第5回なので・・・ヒントはかなり積まれてきた。

①主人公の春山杏子(長澤まさみ)には謎の男についての回想シーンがある。その男はどうやら何かに悩み追い詰めていたらしい。旅行代理店から教師に転職した帰国子女という杏子が何かを含んでいることは確実なのだろう。キッドにとってこのドラマの魅力は思うところがあるらしい杏子の一挙一動を疑惑の眼差しで見つめることに尽きる。その他の登場人物の言動に注ぐ冷たいまなざし、反応して幽かに歪む口元、声のトーンの微妙な変化。すべてが怪しいのである。見逃せないのである。まさに杏子先生の監視者気分なのである。もう、充分堪能できたので・・・このまま、杏子先生が単なる傍観者であったという結末でも満足できる。由緒正しく美しい人を疑いの目で見るのは楽しいことなのだなあ。

②もっともあやしくない人物であるみどり(南沢奈央)が黒幕だったらどうしようと言う恐怖。みどりは物凄く自己中心的な性格である。週末のデートのためのホテルの手配を同僚に頼んだり、同僚の携帯を勝手に覗こうとしたり、教え子と不適切な関係にある同僚をリゾートホテルに誘ったり、無理なお願いの上に無理なお願いを重ねたり、教員一同が入試に集中している最中にのんびり検索したりしている。しかし、教頭にレアなとんかつ弁当を配ったり、答案用紙の置かれた部屋で一人になったり、偶然、掲示板を発見したり・・・なにかとアレな人物なのだ。なにしろ・・・ヒロインだと思っていたら男の子だった過去のある人物なので油断できない。

③実際に事件を起こしているのは「僕と彼女と彼女の生きる道」の小柳凛を演じた美山加恋(15)の演じる受験生・芝田麻美である。あくまでアクシデントであるようにも受け取れるようになっている携帯電話の秘匿、携帯電話の試験中の着信、試験妨害の発生なのであるが・・・「注意事項の貼り紙」のすり替えが意図的なものであれば・・・合格させれば不合格者たちが納得せず、不合格にすれば母親の芝田昌子(生田智子)が納得しないというジレンマを管理者たちに与える絶妙の展開は完成したことになる。

④在校生である2年B組の石川衣里奈(山崎紘菜)はほぼ、唯一登場している現役の一高生である。教師と不適切な関係である上に、過去の入試で携帯を鳴らし、一高OBで人格的にかなり鬱陶しいスリット坂本(高橋ひとみ)とも英語のスピーチコンテストで確執がある上に、入試当日に校内に潜入し、インディゴ・リゾートのゴールド・カードを盗んだりしているのである。しかし・・・新人女優に真犯人の荷は重い気がするので・・・最大のミスリード要員であるようにも見える。

このように登場人物、それぞれの疑わしさは高まっているわけである・・・女優陣だけじゃないかっ。

基本、性的にノーマルなので・・・そういう問題じゃないだろっ。

まあ・・・とにかく・・・年末まで・・・「高校入試」をエンジョイして・・・年の瀬にじっくりと全編リピートを楽しむ・・・これはもうスケジュール的に間違いない。

誰がお前の年末年始スケジュールの話をしろと・・・。

「ゴーイングマイホーム」もリピートするけどねえ。正月になるかもしれないけど・・・。

もう、いいわ。

で、『高校入試・第5回』(フジテレビ20121103PM1130~)脚本・湊かなえ、演出・北川学・星護を見た。ちなみに星護は「僕の生きる道」「僕の歩く道」の演出家である。抑制された情感というものを描くのが上手いのだな。二回に一回、杏子の回想が入り、今回は回想のない回なのだが、回想がなくても杏子の一挙一動がなにやら意味ありげに見えてくるのである。特にその他の登場人物のセリフに対する杏子の眼差しの変化が・・・実に思わせぶりなのだ。これはたまらんっ。

1:名無しの権兵衛

終了直前、何かが起きる

掲示板の予告通り、五時間目「英語」の終了間際、芝田麻美のポケットの中の携帯電話の着信音が鳴り響く。

君の夢を見た・・・

・・・今、君に届けたい・・・

失格と告げられた麻美は過呼吸に陥り・・・教室は騒然となった。

そして・・・「高校入試」は終了した。

部室にて密会する体育教師・相田(中尾明慶)と衣里奈。

「え・・・見られたって・・・誰にさ~」

「・・・みどり先生」

「なんだって~」

「でも、すぐに逃げたから私だって気付かなかったかも・・・」

「そうか、みどり先生は視力が良くないからな」

「そうなの?」

「コンタクトの度が最近、合ってないらしい」

「よく、知っているのね」

「いや、職員ならみんな知ってる話なのさ~」

「・・・」

「それより、受験生にまじって帰りなさい」

「インディゴリゾート・・・誰と行くの?」

「・・・え」

「これ、部屋で見つけたのよ」

「お前が持ってたのか~」

「誰と行くの」

「み、水野先生と修学旅行の下見だよ」

「ふ~ん・・・そうなんだ・・・じゃあね」

一人になった衣里奈はつぶやく。

「ウソツキ・・・絶対許さないんだから」

何を許さないのか。二人の週末交際をか。二股かけてる相田をか。それとも恋のライバルみどり先生をか・・・予断を許しません。

とにかく・・・相田とみどりのカップルは「高校入試をぶっつぶす犯人」から一番遠いと思われる。

応接室では的場校長(山本圭)、入試部長の荻野(斉木しげる)、第二会場の責任者・水野(阪田マサノブ)が、芝田母娘と、闖入者の同窓会会長・沢村幸造(入江雅人)に応対する。

「芝田さんのお嬢さんの・・・携帯が鳴ったの」

試験妨害のクレームをつけに来た沢村は態度を豹変させ・・・芝田母娘に同情するポジションにチェンジである。

「私がうっかりメールを送ってしまって・・・でもそれだけで失格だなんて言うんですよ」

「・・・それはまた厳しい処分だ」

「学校は毎年のことでしょうけど・・・こちらは一生に一回の高校入試なんです・・・その親の苦労なんてまるで分かっていないんですよ・・・それに食堂には「携帯電話使用可」って貼り紙がありました。まるで唆すみたいに」

「いや、しかし、お母さんがメールを送られても娘さんが指示に従って携帯電話を提出していれば起こらなかった問題です」と反論する荻野。

「口頭でも説明しましたし、黒板に掲示した注意事項も読むように促しました」と水野。

しかし・・・麻美は反駁する。

「その先生はもごもごしゃべるので・・・よく聞き取れませんでした。黒板に貼ってあった紙はちゃんと読みましたけど・・・失格なんてどこにも書いてありませんでした」

水野は気がつく。「去年の注意事項」が「携帯電話の電源を切る」だけだったことを。

試験本部では上条教頭(清水一彰)が腹痛を感じていた。

そこへタイミングよくやってくるみどり。

上条は答案用紙が置かれる本部の留守番をみどりに依頼する。

トイレへ向かう上条。部屋に一人残るみどり。

その視線の先には・・・。

第二会場では教師たちが後片付けをしている。

杏子の指導担当でもある英語教師の小西(徳山秀典)が「注意事項」の貼り紙の不備に気がつく。

「これ・・・去年の用紙じゃないか」

「そうですけど・・・え、使いまわししてるんじゃないんですか」と契約更新の危ぶまれている数学担当講師・村井(篠田光亮)が応じる。

「第一会場では今年用の新しいものだった」

「何か・・・問題でも」

「大ありだよ」と一高OB教師の一人で美術担当の宮下(小松利昌)は事態を察する。

男性教師たちのやりとりを無言で見つめる杏子だった。

そこへ・・・応接室組が「証拠」の確認にやってくる。

「ほら」と麻美は不備のある貼り紙を指し示すのだった。

「携帯電話を持ちこんだら失格なんてどこにも書いてないわ」と麻美の母親の昌子が鬼の首を獲った口調である。

蒼ざめる教師たち。

「結論は早めに出した方が身のためですな・・・なにしろ、こちらは県会議員の奥さまとお嬢さまなので・・・」と無用の差し出口をする沢村だった。

「校長・・・これから採点をしなければならないので今日のところは一度ひきとっていただき、採点後に会議を開いてその結果をご報告させていただくことにしたらどうでしょう」と結論を先延ばしにするためにアドバイスする荻野。

しかし、ここは攻めどころとばかりに昌子は「いいえ、今、ここで結論を出してもらわないと・・・大体、なぜ、こちらが処分を受けるみたいな言い方をされなきゃならないのよ。被害者は私たちの方でしょ」と譲らないのだった。

「そうですな」と無責任に煽る沢村だった。

「失格だなんて言われたからウチの娘は過呼吸を起こして試験を途中退場しなければならなかったのよ・・・受験を妨害されたのは娘の方でしょう。もし、これで失格だなんておっしゃるのなら正式に訴えさせていただきます」

「訴える」という一言に敏感な的場校長は直ちに結論を出すのだった。「芝田さんの失格は取り消します」

「当然ですよ・・・それに落ち度は学校側にあったわけだから・・・英語の点は加点していただかないと・・・」容赦ない昌子だった。

「え・・・」

「ママ、もういいよ・・・英語はちゃんとできていると思うから」と余裕を示す麻美だった。

「そう・・・とにかく、合否に関係なく答案用紙の開示は請求させていただきます」と念を押す昌子である。

合意せざるを得ない的場校長だった。

満足して帰る芝田母娘を送りに出る校長だった。

残された教師たちに「心配しないで・・・私の責任です」と告げる荻野だった。

その表情を見守る杏子。

管理者たちが去ると小西は「入試をぶっつぶすってこういうことだったのか」とつぶやく。

「まさか」と応じて視線をそらし様々に揺らぐ複雑な表情を浮かべる杏子。

17:名無しの権兵衛

携帯なっちゃった

18:名無しの権兵衛

可哀相・・・失格になるのね

19:名無しの権兵衛

いや・・・ならない・・・コネで

20:名無しの権兵衛

そんなのありかよ

21:名無しの権兵衛

訴えてやる\(*`∧´)/

「あ、もう書きこまれてる・・・知~らないっと」と掲示版をチェックするみどりだった。

職員室ではみどりの参加する国語チームや理科チームが採点会場に移動を開始。

一人残された坂本はあわてる。

「なんでよ・・・英語チーム、どこいってるのよ」

英語チームの主なメンバーは受験会場にいた。

出口に向かう芝田母娘と校長を見つめている杏子。

「お帰りだ・・・こっちはそろそろ採点だな」と宮下。

そこで、村井が掃除用具入れで発見したものを取り出す。

携帯電話だった。

すかさず・・・「それ、私の・・・」と言い出す杏子。

「え・・・春山先生のだったんですか・・・」

「中・・・見ていないでしょうね」とわざとらしく念を押す杏子。

「どうして・・・村井先生が杏子先生の携帯を・・・」と疑う小西。

「偶然、見つけたんです・・・ビニール袋を捜そうとして」と村井。

「もしかしたら・・・杏子先生の携帯を鳴らすつもりだったんじゃないのか」と突然推理する宮下。

「なるほど、しかし・・・偶然、あの子の携帯電話が鳴ったので計画変更ですか」と同意する小西。

「もしも・・・杏子ちゃんの携帯が鳴ってたら厄介なことになっていたな」と宮下。

「春山先生、ラッキーでしたね」と村井。

「・・・そうなのかな」と謎めいた受け答えをする杏子だった。

本部に怒鳴りこんだ坂本は単独で採点を開始することを教頭に同意させ、英語の採点会場に向かう。

トイレでばったり顔を合わせる坂本とイケメン受験生・良隆(高杉真宙)の父である松島崇史(羽場裕一)。

「これから採点ですか・・・僕は参加できませんがよろしくお願いします」

「心配ご無用よ」

松島の視線の先には無防備な答案用紙が置かれている。

そして意味ありげな笑みを浮かべる松島だった。

まあ・・・坂本相手だとみんな苦笑が基本なので紛らわしいのだな。

ここで相田と坂本が合流する。

坂本から答案用紙を受け取る相田。

そして、坂本は単独で校内放送で英語チームを召集するのだった。

英語の答案用紙は・・・回収した村井、本部に持ち帰った水野、本部で留守番のみどり、坂本、松島、相田と全員が一人で何かできる機会があったのである。・・・どうも渋いね。

さらに・・・試験開始前の謎めいた杏子による一枚補充。

もう・・・なにがなにやらなのである。

採点会場に先着した坂本と相田は答案を床に落とし、番号不揃いが発生する。

これは故意なのか・・・単なるアクシデントなのか・・・疑い出すとキリがないのだ。

「採点にこんなに辞書が必要なんですか」

「単語の意味の問題で・・・たまに辞書の六番目くらいのマイナーな意味を書く子がいるのよ・・・そんなことで採点ミスだなんて揚げ足とられるんだから」

漸く、杏子、宮下、小西が到着する。

「携帯問題はどうなりました」と相田が聞く。

「不起訴だよ」と宮下。

「そんなに簡単に結論出して大丈夫なのかな・・・訴えられたりして・・・」と心配する相田。

「むきーっ、やめてよ、もう、どうして・・・よりによって英語でこんな問題が・・・」

地団太を踏む坂本の姿を冷笑する杏子だった。

冷笑したぞ。杏子のターゲットは坂本なのか。

坂本の携帯隠し→発覚

自分の携帯→自爆予定

問題化→「それなら坂本先生も盗まれたのだから・・・」

という計画・・・いや、ミッションのスケールが小さすぎるな。

やはり、同時多発テロなのか。

村井がゲイで小西と杏子の間を裂こうとしている自作自演では・・・。

それはないな。

ないない。

ないね。

宮下がコーヒーを奢ると言いだし、杏子と小西が食堂に向かう。

つまり、坂本、宮下、相田が採点会場に残ったのだな。

父兄控室だった食堂では松島が後片付けをしていた。

「携帯電話可」の貼り紙がみどりの手によるものであることが明らかになる。

掲示版を発見したのもみどりだが、掲示版には「ゴールドカードってなに?」のカキコがあり、そのカキコは衣里奈であることが予想される。実況者は複数いるかもしれないが、教師の行動については次のメールのやりとりが漏洩経路の一つをしめしている。

衣里奈≪今、なにしてるの≫

相田≪これから採点≫

コーヒー買いだしの帰り道で杏子と小西はバレーボール部の部室に灯りがついていることに気がつく。

「相田先生が消し忘れたんですかね」と杏子。

職員室では、校長と教頭そして荻野が履歴から掲示版を呼び出す。

教頭「・・・訴える・・・」

荻野「困ったことになりましたね」

教頭「あの娘を合格させたら他の受験生に訴えられ、不合格ならあの娘の親に訴えられ・・・訴えられまくりですな」

校長「しかし・・・あの娘の親は確実に訴えるだろう・・・ネット上のおまいらは騒ぐだけじゃないの」

荻野「しかし・・・ネットで騒がれると場合によって裁判以上のダメージが・・・あることないこと書かれたりして」

校長「とほほ」

英語採点会場。

「飲むのならあっちで・・・開示請求された時にコーヒーの沁みなんてついてたら誠意を疑われるでしょう」と坂本。

「相田先生、部室の電気ついてたよ」と小西に言われ、コーヒーを盛大に噴き出す相田だった。

各クラスごとに仕分けられた答案。五人の教師が五つのクラスを問題ごとにそれぞれ採点していく。

「記号問題は2番を体育の相田先生に、4番を美術の宮下先生に・・・そして1番を私、3番を小西先生、5番を春山先生に・・・」と仕切る坂本先生。

宮下が最初に第二会場の答案を採点し・・・問題が続出する。

①受験番号通りではない

②模範解答小文字なのに大文字で解答の答案がある。→模範解答の裏の注意事項を参照。

③告発文が書かれている。

「ケータイ騒ぎの時に55番が61番をカンニングした」

二人の位置関係から「Shakespearet(ウィリアム・シェイクスピア)」が書けずに四大悲劇は「ハムレット」「マクベス」「オセロ」「リア王」は書けている 55番(沢村の息子の翔太)の疑わしさが浮上する。

告発者である59番は杏子の証言で松島の息子と判明する。

→坂本の提案で問題は先送りとなる。

④答案用紙が一枚不足している。

「46番がない」と宮下。

「携帯が鳴った娘のじゃないのか」と小西。

「あの娘は77番でした」と杏子。

ここで・・・相田が落した時に白紙の答案があったことを思い出す。

「じゃ・・・それが46番ね」と坂本。

「でも・・・これ、完全に白紙ですよ・・・」と相田。

「問題見てあきらめたってことは・・・」と宮下。

「そんな子は・・・うちにはいらないわ・・・じゃあこの白紙が46番ということで・・・0点でいいわね」

→46番・・・謎の受験生・淳一(柾木玲弥)だな・・・。

96:名無しのスリット

模範解答に徹底的に従う。これが 一番 平等なの

96:名無しのヒロイン

平等? ああ それなら納得です

98:名無しのキッド

杏子先生のパンツルックの尻から・・・じゃなかったシリアスな演技から目が離せない

99:名無しの権兵衛

賽は投げられた

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2012年11月 8日 (木)

こんにちは赤ちゃん、私が外祖父よ(松山ケンイチ)

「忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず」は明治維新の原動力となり、最終的には帝国を太平洋戦争で滅亡寸前まで追い込んだ頼山陽の著書「日本外史」にある平重盛の言葉である。

もちろん、尊王攘夷的な信仰がその土台にあり、その立場において反逆者を父親に持つ忠臣の苦渋を言い表している。

二者択一というものはたとえば「日米同盟」か「日中友好」かと必ずしも二律背反しない選択肢でも可能である。

しかし、「革命」か「保守」かはなかなかに妥協点を見出しがたい命題であると言えるだろう。

歴史は常に勝者の側から語られるものであり、敗者に属する平清盛はあくまで悪として語られるが、その中で重盛は清盛に抵抗した勢力として生温い目で評価されるのである。

しかし、現実主義的立場で言えば「優柔不断」の最たるものとも言える。

「忠孝どちらを選ぶのか、はっきりせよ・・・泣きごと言ってんじゃねえよ」なのである。

さらに・・・重盛が立ちはだかったことにより、清盛は「最後の手」を誤り、ついに革命に失敗したとも言える。

非情の革命者が・・・親子の情に溺れてすべてを失う。

これがまた・・・「平家物語」の醍醐味でもある。

清盛は義母の情けにより、宿命のライバルの子らを助命し、息子の嘆願により、革命を断念する。

まさに・・・悲劇の英雄にふさわしい甘い男なのだった。

逆に言えば・・・情に流されたらとんでもないよという警句であるとも言えよう。

しかし・・・その場その場は・・・子として親として期待にこたえることが気持ちよかったのだから・・・仕方ないのである。

で、『・第43回』(NHK総合20121104PM8~)脚本・藤本有紀、演出・柴田岳志を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はファン待望、平筑後守家貞が一子・平田入道家継の弟、平清盛の嫡男重盛が次男・平資盛の乳父、平肥後守貞能の描き下ろしイラスト大公開でお得でございます。まあ、レアアイテムでございますれば。平家軍団制があったとすれば伊藤忠清が関東方面軍ならば、平貞能は九州方面軍の軍団長と言えますし・・・。近江攻防戦では大将軍平資盛の侍大将として勝利し、清盛の臨終の期待に応え、清盛死後も九州の反乱者・菊池隆直の軍勢を鎮圧するなど活躍もあり、最後は出家して平忠正の嫡男長盛の娘の嫁ぎ先である源氏方の宇都宮家を頼って関東で隠居生活・・・12世紀末まで生きる・・・実に渋いですな。ちなみに壇ノ浦で死んだはずの平資盛の末裔が織田信長でございます。貞能の気配り天晴です。

Tairakiyomori41 安元三年(1177年)六月、鹿ヶ谷の陰謀を未遂に終わらせた平清盛は陰謀参加者を捕縛、嫡男・平重盛の義兄だった藤原成親を備前国に流罪とした。備前国は重盛の異母弟・宗盛の子・清宗の領国である。成親を待っていたのは七月には餓死という末路だった。他にも清盛の異母弟・平中納言頼盛の義弟である村上源氏出身の俊寛僧都が薩摩国鬼界ヶ島に流罪となっている。俊寛も治承三年(1179年)に断食により自害して果てた。平家一門における平時子系以外で後白河法皇よりの派閥、重盛の小松殿家、頼盛の池殿家は完全に反主流派となったのである。暗殺未遂の陰謀の処理が終わった安元三年八月、治承元年に改元が行われる。翌、治承二年(1178年)春、平安京に大火が発生する。前年の安元の大火と合わせて、平安京の朱雀大路以東は壊滅的な打撃を受けている。平安京の終焉が接近する予兆の中、高倉天皇の中宮・平徳子は懐妊し、十一月に言仁親王を出産する。そして十二月には立太子される。平清盛に帝の外祖父に成れるチャンスがめぐってきたのである。同時にそれは言仁親王の祖父である後白河法皇との対立が最終局面に入ったことを意味していた。清盛が夢見る武家の世・・・平家王朝の成立は目前に迫っていたのだ。

「それは・・・恐れ多い・・・ことだ」

清盛の意図を悟った重盛は驚愕した。清盛は平家系天皇の誕生を確実にするために後白河法皇を幽閉しようと計画していたのである。

すでに、平家六波羅屋敷には後白河法皇を幽閉するための御殿が建立されている。

福原から上洛した清盛は時子の屋敷である西八条院に逗留していた。そこには時子の産んだ宗盛もいる。宗盛は母・時子の異母妹で、亡き建春門院滋子の同母妹ある平清子を妻としていたが、妊娠中の清子は夏に急逝した。喪に服すために宗盛は右大将を辞任している。

全盛を極める平家一門にも「死」の暗い影は落ちていた。

その最中の言仁親王(後の安徳天皇)の誕生なのである。

清盛は狂喜して・・・そのまま、正気を失ったかのようである。

霊力高い高階家出身の母の血を引く重盛には父・清盛の真の姿が霊視できる。

八条院の奥の間で重盛と面会した清盛には顔が二つあった。

穏やかな仏の顔と・・・苦悶し憤る鬼の顔である。

その鬼の顔が重盛を睨みつけている。

白河院の落胤として生を受け、平正盛、忠盛と三代続く平家の野望を完遂するために、身内(平忠正)を斬り、友(源義朝)を斬った修羅のすべてがその鬼の形相に込められている。

その目は疑心暗鬼に囚われ、実の息子である重盛をも猜疑の眼差しで見つめる。

その圧力に抗いながら、重盛は鬼と化した父の意に逆らった。

「反平家の力を削ぐために法皇様を幽閉なさるなど・・・愚策でございます」

「・・・」

「そこまでなされずとも・・・立太子された言仁様は次の帝に成られましょう」

「・・・」

清盛は無言で拒絶の意志を示す。

重盛は後白河法皇が清盛を暗殺しようとしたことを知っている。それどころか・・・その企てへの参加を呼び掛けられてもいたのである。もちろん、重盛は拒絶し、反乱に参加しようとする義兄・成親をいさめている。

しかし、事は露見し・・・成親には餓死という残酷な末路が与えられた。

それを未然に防げなかった重盛も苦しい立場に置かれていたのだった。

それでも重盛は臣下による法皇幽閉という前代未聞の清盛の企てには反対するしかなかった。

「急いては事をし損じると申します」

切羽詰った重盛は戦略的立場から説得を試みることにした。

「王家の代示する八嶋(日本)の六十六国のうち、もはや平氏の知行国は十七国に登っています。しかし、過ぎたるは及ばざるが如しで、残り四十九国の勢力が結集されれば平家の望みは潰えまする」

漸く、両面宿禰である清盛の仏の目が開く。

「ここは後白河法皇と和し、高倉天皇と結びつつ・・・自然な流れで言仁親王の帝位継承を待つべきです。さすれば、秋津島六十余州はつつがなく平家の手の内に入る道理でございまする」

鬼の顔と仏の顔が融和し・・・清盛は人に戻ったようだった。

「重盛・・・祖父・正盛、父・忠盛がどれほど仏の教えに背き殺生を行ってきたか・・・汝(な)にわかるか・・・」

「我(わ)もまた父上と同じくこの手を血に染めてきましたれば・・・」

「すべては病み乱れ切った王朝の幕引きをするためぞ・・・」

「それゆえに・・・でございます。最後は血を流さずに終わらせましょうぞ・・・親王のあの小さな手にこの国のすべてを握らせるために」

「平家三代の望み・・・四代目としてしかと受け継ぐか・・・」

「如何様にも」

清盛の目から涙がこぼれる。

「我の定命ももはや尽きようとしておる」

「父上・・・」

「すべてを汝に託すぞ・・・」

父と子は和解した。

その頃、後白河院の奥の間には闇の陰陽師が集っていた。

後白河法皇の顔には狐を思わせる異相が浮かんでいる。

「呪え・・・呪い殺すのだ・・・王家に仇なす不埒な輩に神罰を下せ」

陰陽師たちの呪詛の真言は高まりを見せる。

護摩壇の向こうに置かれた人形には梵字で名が記されている。

六波羅魔王平清盛・・・白河殿悪女郎平盛子・・・そして小松殿悪鬼平重盛。

炎の灯りに照らされ天狗と化した後白河法皇は凄惨な高笑いを放った。

夜の闇に閉ざされた妖気漂う平安京に初雪が舞い始めている。

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2012年11月 7日 (水)

ご褒美はお祭りの後で(真木よう子)VS絆なんて信じない彼女(宮﨑あおい)

今季のフジテレビ系の火曜日のドラマは共に群像劇と言っていいだろう。

「遅咲きのひまわり」は地方都市の夢見る頃は過ぎたけれど現実を受け入れられない青春にしがみつく人々の物語である。

「ゴーイング マイ ホーム」は消えてしまいそうな家族と最初から消えているような小人族のファンタジーだ。

どちらも「帰る場所を求める人々」が集っている。

「遅咲きのひまわり」は競争にやぶれたヒロインと最初から競争をあきらめた主人公を軸に決められたレールを逃れようとするもの、見果てぬ夢をおいかけようとするもの、失くしたものをあきらめきれないもの、過去と現在の落差にいたたまれないもの、現実とはちがうなにかを求めるものなどがあがきもがきながら身をよせあっていくというせつないながらも楽しい人間の物語。

「ゴーイング マイ ホーム」は最初から指摘しているように仕事と家庭の両立を目指す主人公の妻が破綻して行く物語である。夫や娘は妻や母のすべてを支配しようとする自我から逃れ、幻想の森に魅了されてしまう。自分にとって理想の妻であり、母であり、職業人であろうとした主人公の妻は自分の帰る場所がなくなっていることにふと気がつくのだった。

主人公の妻は・・・誰もいなくなった「我が家」で仕事に熱中する。

それを素晴らしい事と感じるか、哀しい事と感じるかは他人とどういう距離感でいることが好ましいと考えるかによって人それぞれで違うと考える。

もっとも、主人公の妻以外は、主人公の父親の危篤という事情でそれぞれが休暇を過ごしているのであって、ここまでに述べたことはキッドの妄想に過ぎないとも言えるのだった。

だが、主人公の妻が孤独に直面していることは・・・千円札を賭けてもいいのだった。

で、『遅咲きのひまわり〜ボクの人生、リニューアル〜・第3回』(フジテレビ20121106PM9~)脚本・橋部敦子、演出・植田泰史を見た。足を負傷してしまい一時的に農作業ができなくなった大河内欣治(ミッキー・カーチス)のピンチヒッターとして三年契約の四万十市役所臨時職員の小平丈太郎(生田斗真)はついに稲刈りを完遂する。欣治に「慣れて来た」と褒められ喜ぶ丈太郎は無欲な男なのである。

近隣の老人たちの昔話から「失われた曽我野の村祭り」(フィクション)について知った丈太郎はお祭り男の血が騒ぐ、地域の子供たちのためと称して「村祭りの復活」を企画するのだった。

最初は渋い顔をする地域おこし課課長の日下哲也(松重豊)や丈太郎の世話役である世話役の藤井(桐谷健太)だったが、とある理由から丈太郎に好意をよせる年下のお嬢様・春菜(木村文乃)の協力を得て・・・村祭り復活に向けて動き出す。

祭りの夜といえば軟派の血が騒ぐらしい。

丈太郎は早速、好意を寄せる二つ年上の看護師・森下彩花(香椎由宇)に「今度、子供たちのためにお祭りを復活させようと思うんだ。もしも成功したらご褒美がもらえないかと思って・・・」どういう理屈か意味不明だが、謎めいた看護師・森下は「いいわよ・・・ご褒美、何がいいか考えておいて」とあっさり承諾する。

丈太郎は森下の同棲相手とは知らずにちょっと仲良くなったリハビリアシスタントの松本弘樹(柄本佑)にも協力を呼び掛ける。

丈太郎と同様の下心に目覚めた初恋の人を忘れられない世話役の藤井は人妻で二児の母親である島田さより(国仲涼子)がパートタイムで働くスーパーマーケットのレジで「今度、村祭りやるから遊びに来てよ」と口説くのだった。

さよりの妹で四万十中央市民病院の医師・二階堂かほり(真木よう子)は森下が年下の男と同棲中であることを知っているために・・・有頂天の丈太郎を危ぶむが・・・森下の相手が高校時代の恋人である松本だとは気付いていないのだった。

それよりも・・・かほりには気になることがあった。研究医として渡米することを目標にしていたかほりは・・・東京医療科学大学がん研究センターの岡島教授(中丸新将)に因果を含められ島流しになった現在も・・・教授が大学に呼び戻してくれるのではないかと淡い期待を抱いているのだった。

しかし、教授は音信不通だった。電話をかけてくるのは丈太郎くらいなのである。

「ご褒美って何がいいかな・・・彼女に手料理をごちそうしてもらうとか・・・」

鬱屈していたかほりは丈太郎の軽さに脱力するのだった。

そんなある夜、丈太郎の住居にワインを持った春菜がやってくる。何故か、丈太郎に好意を寄せる春菜は抱いてもらう気満々で狸寝入りをするのだが、地元の女と噂になることを極度に恐れる丈太郎はかほりを呼び出すのだった。

「なんで私が呼び出されなきゃならないのよ・・・」と不平を述べるかほりだったが・・・両親が自分のために用意した見合い相手がオードリー春日似なのを確認すると家を出るのだった。

春菜の陰謀は失敗した。・・・どうやら春菜は故郷から誰かに連れ出して欲しいと願っていようだ。それにしても相手が丈太郎ってどうなんだ・・・。

祭りの準備にいそしむ丈太郎たちのところへ、さよりが芽衣(庵原涼香)・結衣(高嶋琴羽)姉妹を連れてやってくる。藤井は有頂天になり、さよりは手際よく準備を手伝うのだった。

合流したかほりが寄付金として五千円を渡すのを見たさよりは主婦として鬱屈した思いをかほりにぶつける。

「五千円なんて・・・私の一日のパート代より高いじゃない・・・良い御身分ね」

「そんな・・・私だってそれだけの働きはしてるから」

「そうね・・・私なんて誰でもできる仕事をしてるだけですものね」

「姉ちゃん、いつからそんなにひがみっぽくなったの」

「私のどこがひがんでるっていうの」・・・逆ギレするさより。ある意味「ゴーイング マイ ホーム」の主人公の妻と対角線上に位置しているのだな。

臨床医として経験不足のかほりは優秀な看護師・森下のフォローでなんとか業務をこなしている。

しかし、森下のいないところでは点滴の投薬量を間違えるなどというミスもおかしてしまうのだった。

「まったく・・・中途半端で使えないドクターだよ」と看護師の青山薫(田口淳之)に陰口をたたかれ、それを耳にして悲哀にかられるかほりである。

そんなある日、四国を台風が直撃する。

沈下橋を渡り、橋向こうの三郷の村(フィクション)に入った丈太郎と急患の往診に出かけたかほりは降雨によって水面下に消えた橋のために陸の孤島に閉じ込められてしまう。

16日が誰かの月命日であるらしい看護師森下は松本を一人残し、嵐の墓参りに出かける。

停電である。

蝋燭に火をともす丈太郎・・・。

「あんた・・・すっかりここに馴染んでるわね・・・うらやましいわ」

「そんな・・・俺なんか・・・君こそ・・・立派なお医者様じゃないか」

「私は望んでここにきたわけじゃない」

「でも・・・俺から見ればそれって贅沢な悩みとしか言いようが・・・」

さすがに底辺の丈太郎にそう言われては返す言葉のないかほりだった。

台風一過。もう一度病院の様子を見に行ったかほりは「先生の顔みたら・・・ほっとした・・・ありがとうね・・・先生・・・いてくれてありがとう」と感謝されて悪い気はしないのだった。

丈太郎は微笑んだ。

帰り道、遅咲きのひまわりの世話をする丈太郎の姿に前より暖かい眼差しを送るかほりだった。

さあ・・・ほぼ完成した恋の数珠つなぎ・・・。丈太郎→森下→松本→かほり→丈太郎である。まあ、春菜→丈太郎と、藤井→さよりはなんだか別枠だな。

祭りの日。丈太郎の手作りの神輿は子供たちにかなり喜ばれたようだ。

春菜は季節外れの浴衣で無駄な勝負を挑むのだった。

人は誰も愛される誰かを求めているとか丈太郎が一人言をつぶやいていると森下は丈太郎の唇を奪う。

突然のご褒美に硬直する丈太郎だった。

四万十市・・・も丈太郎ものどかだなあ。

で、『ゴーイング マイ ホーム第4回』(フジテレビ20121106PM10~)脚本・演出・是枝裕和を見た。人間の無意識が夢を通じて時空間を超越した情報の森につながっているのは悪夢ちゃんで、筒井康隆なら「ヘル」に直通なのだが、この物語の主人公風(ふう)の良多(阿部寛)の夢はクーナ風の世界へ通じてしまったらしい。クーナ風の長老風の小人はタクシー運転手徳永(阿部サダヲ)のそっくりさん風で、クーナの風俗は借りぐらしのアリエッティ風なのだった。・・・まあ、夢だからな。

良多の父・栄輔(夏八木勲)の意識が戻った。

しかし、危険な状態は続いているらしい。

栄輔の妻・敏子(吉行和子)は「私、誰だか分かる。最初はと・・・」

長女の多希子(YOU)は「私、誰だか分かる。最初はた・・・」

と騒がしい。

朦朧としている栄輔は「良多・・・」と息子の顔と名前は一致する。

多希子はそれが悔しくて悔しくてならないのだった。

しかし、菜穂(宮﨑あおい)がやってくると「くみ・・・」と呼びかけ、菜穂の息子の大地(大西利空)を良多と呼びかけるのだった。

生死の境を彷徨いながらとぼけたじいさんであることは間違いないようだ。

その生き様は傲岸不遜であり・・・病床にあってなお・・・家族を穏やかならぬ気持にさせるのだった。

栄輔の秘書である山下(清水章吾)にはこっそり、「夢の中でくみと結婚していた」と明かす栄輔。

すると山下は「そういう夢は口に出さないことです」とたしなめられる。

実際の妻である敏子はそんな栄輔をもう憎めなくなっているらしい。

一方、くみが自分の母の名だと知っている菜穂は相変わらずポーカーフェイスで栄輔との関係もあやふやなままの表現を続けている。

そんな菜穂を相変わらず疑いの目で見る敏子と多希子だった。

「どういうご関係ですの・・・」

「クーナ関係です・・・」

「クーナ?」

狐につままれる母娘だった。

その頃、亡き久実の実の夫であり、栄輔の幼馴染であり、菜穂の実父でもある歯医者の鳥居治(西田敏行)はクーナの森にいた。

亡き妻に共通の友人である栄輔の無事を報告していると・・・幻想の少年少女が背後を通りすぎる。

それは幼い日の栄輔と久実と治だったらしい。

良多の妻であり、級友に母の手作り弁当を売ったことを担任教師の園田(千葉雅子)に問題視され自宅謹慎処分になった萌江(蒔田彩珠)の母親でもある沙江(山口智子)はフードスタイリストの仕事を優先し、夫の父の危篤時も駆けつけなかったのだが、仕事が一段落したのでようやく病院に顔を出す。

トンネルを抜けると田舎だったのである。

冥界タクシーに乗って生死の境界線を越える。

おそらく・・・ここにはラインがあります。

夫にも娘にも絆を感じられない沙江にとっては夫の父の生死はまさに他人事だった。

沙江はそういう自分を隠しとおしているつもりだったが・・・夫はともかく、肉親である娘は敏感に紗江の心のなさを感じ取っているのである。

すぐに仕事のために長野から東京へ戻るという沙江に萌江は愛情への飢餓感の裏返しであるそっけない態度で応じる。

沙江はそういう娘の態度に違和感を感じ、はじめて危機感を持つのだった。

「私、母親として期待されてないみたい・・・」

「・・・そうかな」

言葉を濁す良多だった。

すでに良多の心はクーナに一直線なのである。

ホテルの一室で萌江をなだめる良多。

「ママは仕事だからな」

「ママは仕事が好きだよね」

「でも自分な好きなことを仕事にできるのは選ばれた人だけなんだぞ」

「そうなんだ」

「萌江は将来、何になりたい」

「科学者」

「じゃあ・・・パパと一緒だな」

「そうなんだ」

「パパは科学者になれなかったけどな」

良多は治に歯の治療を受けている。

「父は・・・どこまで本気でクーナを捜していたんでしょうね」

「この年になると・・・やり残していたことをしたくなるもんだ」

「やりたい放題やってたぞ・・・」

「そうでもない・・・栄輔は本当は科学者になりたかったんだが・・・父親が重病になって薬の仕事についたんだ・・・」

「へえ・・・」

良多の家系は科学者になりそこなうらしい。

治は娘の菜穂に栄輔の病状を聞き出そうとするが・・・他人には優しい菜穂は父親には手厳しいのだった。

「自分で聞けばいいじゃない・・・」

「病院に行くと母さんのことを思い出すから・・・」

「何言ってんの・・・肝心な時にはいなかったくせに・・・」

久実の死をめぐり、なにやら確執のある父と娘風である。

親友の恋人を妻にした治と、恋人を親友が妻にした栄輔は病院で顔を合わせる。

二人にしか分からない情感の漂う中、興奮させてはいけない患者に無理矢理葡萄を食べさせようとする治。

あわてて止めに入る患者と家族に感情移入し続けたために表情を失った七生総合病院看護師・堤千恵子(江口のりこ)だった。

すっかりクーナ事務局でくつろぐ萌江を迎えに来た良多はクーナの像が消えていることに気がつく。

「時々、散歩にでるんですよ」とおだやかに応じる菜穂だった。

クーナ誘拐犯の萌江は心和むのだった。

その頃、沙江は一人で仕事に熱中している。

その姿は充実しているようでもあり、わびしくもみえる。

いよいよ良多は栄輔にクーナについて問うのだった。

「クーナはいるんですか・・・」

「いるさ・・・」

「古事記に書かれたように・・・」

「そうさ・・・オクニヌシノミコトの国づくりをスクナヒコネが手伝った・・・歴史的事実だ」

「神話的にね」

「スクナヒコネはニライカナイ(常世の国)とこの世をつなぐことができるのだ」

「行ったきり帰ってこないのでは・・・」

「実際、帰ってきている」

「恐山にですか・・・」

「ダイコクとエビスは親子のようなものだ・・・だからプライスレスにはエビスビールのパロディーでダイコクビールが登場する」

「美術さん、いい仕事してましたよね」

「スサノオ、ダイコク、エビス・・・いいツナギだろ」

「まあ、脱サラ中華料理店風ですからな」

「で・・・私は話したい死者がいるのだ」

「ツナグを見たのですね」

「なんだそれは・・・」

「公開中の映画です」

「そんなものは知らん・・・クーナの話だよ」

「ツナグ風な・・・」

「とにかく・・・つないでもらいたいのだ・・・斬るのは簡単だがつなぐのは大変だぞ」

「それは・・・死んだじいさんですか・・・それとも死んだくみさん?」

「みなまで言うな・・・」

男親と男の子は以心伝心なのである。だから全く男ってやつはと女はみんな言うのだな。

とにかく・・・栄輔のクーナ捜しには立派に下心風がありました。

そして良多は栄輔に胸の痛む千円札を渡されるのである。

萌江はクーナの話をする度に栄輔に千円もらっていたのである。

父と娘は祖父によってつながったのだった。

関連するキッドのブログ→先週の火曜日のレビュー

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2012年11月 6日 (火)

中華料理店の日給10,000円、仕事のあとの一服の清涼感PRICELESS(木村拓哉)

わらしべ長者といえば・・・企画会議でもう何にも思いつかんと言う状態でそっと出されるアイディアで、藁にもすがる無能なスタッフが一応やってみるかと採用して大抵失敗に終わる企画である。

なぜなら、手垢が付きすぎているからである。

今回はそれがドラマでしかも・・・かなりメインのアイディアである。

ひやっとするが・・・そこはマネーゲームにこだわる作家の脚本だけに抑制がきいていい味に仕上がっているようだ。

もちろん、「マネー」を主題に置けば「物々交換」という「マネー以前」の話というのは当然、考慮する必要のある項目と言えるだろう。

つい、最近まで「米」が「マネー」だった国の話である。

「米」と「銭」の前は、「米」と「金」と「銭」だったし、その前は「米」と「絹」だったし、その前は「米」と「貝殻」だったりもしたわけである。

貨幣経済が庶民にとって主流となったのはつい最近だし・・・そのために「米」はありがたいもので、「銭」は不浄なものという偏見がまだまだまかり通っている。

「米俵」を担がなくても「銭」があれば「物々交換」が成立する。すべては「便利」のためなのである。

ここまで、このドラマの物々交換は北別府のサインボール→「トイズ」と言う名の箱入りキャラメルのおまけの「戦国武将フィギュアシリーズ・山中鹿介幸盛(レアアイテム)」が成立している。

今回は「山中鹿介幸盛」→中華料理店「青春軒」でアルバイトする権利→労働報酬としての一万円札→店主送別会の費用→思い出のラーメン屋台・・・と物々交換が展開して行く。労働だとか感謝の気持ちとかそういうものも「物質」であるという考え方がある。あるいは物理的現象と言ってもいい。

そういう視点で「わらしべ長者」を展開すればギリギリセーフということだ。

で、『PRICELE$S?あるわけねぇだろ、んなもん!?・第3回』(フジテレビ20121105PM9~)脚本・古家和尚、演出・平野眞を見た。その日暮らしの王子・金田一二三男(木村拓哉)が新社長・大屋敷統一郎(藤木直人)の異母兄弟だったためにミラクル魔法瓶を解雇された陰謀に首をつっこんで解雇された経理の魔法使い・二階堂彩矢(香里奈)だった。せめてもの救いはちびっこ盗賊兄弟の鞠丘貫太(前田旺志郎)両太(田中奏生)にラーメン二杯と交換で「戦国武将フィギュアシリーズ・山中鹿介幸盛(レアアイテム)」を入手できる交渉が成立することであった。

しかし・・・その人形はたまたま入った中華料理店「青春軒」の店主・佐倉辰彦(木村祐一)に奪取されてしまう。

前回指摘した通り、金田一は植木等、二階堂は谷啓のポジションである。

金田一は無責任全開で、二階堂はふりまわされるのである。

金田一のために職を追われた二階堂のささやかな楽しみを奪うことくらい・・・その日暮らしの王子には造作もないことなのだった。

金田一は兄弟にあげたはずの人形の所有権を行使して、人形と引き換えに中華料理店のアルバイト時給900円~を入手するのだった。

「え~、お願い、お願い」という二階堂の懇願も虚しいのである。

キッドなら一生怨むところだが・・・どんだけコンプリートしたいんだよ・・・谷啓ポジションの二階堂はこの運命を甘んじて受け入れる他はない。

同時に金田一の非情さは異母兄弟の大屋敷統一郎に通じるものであることを指摘しておく。

だが、金田一と大屋敷の差は捨てられた猫である二階堂とルーム・シェアをすることで示される。驚くべきことに場末の女将・鞠丘一厘(夏木マリ)の経営する「幸福荘」はただ今、満室なのだった。

カーテン一枚で仕切られているが金田一と二階堂は一つ屋根の下で暮らす仲なのだった。・・・どんな仲なんだよっ。

もちろん、それを正直に金田一の恋人・広瀬遙子(蓮佛美沙子)に話すと誤解されてしまう仲である。瑤子は走って逃げだすのだった。

それを伝えられた金田一の動揺加減はまさにちゃらんぽらんなのだった。

金田一・・・実は恐ろしい男なのである。

二階堂は不当解雇された会社に未練を示し、なんとか解雇の取り消しを求めようとするのだが、その日暮らしの王子はほとんど興味を示さないのだった。

なにしろ、金田一は目の前の時給900円~に目が眩んでしまっているのだった。

鍵を握る模合謙吾(中井貴一)ことモアイ統括本部長に談判に出向く二階堂。

しかし、出世の道を選んだモアイ本部長は「私にできることはない」と二人の救済には関知しない宣言である。

モアイ本部長は出世を喜んでくれる妻と娘がいる身なのだった。

絶望した二階堂の前に「幸福荘」の新たなる住人・パンチラ魔法少女じゃなくて路上アイドルの富沢萌(小嶋陽菜)が出現する。小嶋はアイドル役の似合うアイドルなんだな。まあ、「メン☆ドル」しか印象がないわけだが。そして、拾われた猫の宿命として「猫耳」をつける二階堂だった。ユニット組んで「生写真」で一日売上目標1万円に心揺れる二階堂である。

一方、「青春軒」に初出勤した金田一は店主のやる気のなさに困惑する。

なにしろ・・・客が来ないのである。近所にある飛魚出汁のラーメンの店は大盛況なのだが「青春軒」は一杯600円のラーメンが二杯・・・一日の売上1200円である。

もちろん・・・時給をもらえる雰囲気ではないのだった。

かっては「青春軒もうまかった」とラーメン通の通りすがりの人に聞き込んだ金田一は店主に「お客さんに喜んでもらえるような仕事をしましょうよ」と催促するが、店主はまったく興味を示さない。

店主はおそめの青春に挫折した男なのである。

しかし、今を生きる金田一は就職した以上、いい仕事がしたいのだった。

帰宅した金田一は猫耳の二階堂には目もくれず、ビラ作りに熱中するのだった。

翌日ははりきって駅前でビラを手渡し宣伝活動である。

そんな金田一に気がつくモアイ部長。

まったく屈託のない金田一に気が重くなるモアイ部長だった。

それを忌々しげに観察する統一郎。執念深いのである。

統一郎はモアイを伴い、業績の落ちた取引先を切るための商談に向かう。

「自分の身を守るためには相手の改善を待つよりも切り捨てる。人であれ、取引先であれ、情に流されていては共倒れする」というオーソドックスな経営理念を披露である。

モアイは現場の人間として企業の連携がそれほど単純ではないと知っているがあえて口出ししないのであった。なにしろ、モアイには守るべき家族があるのだ。

結局、賃金を入手しそこなう金田一だった。

かっての部下である榎本小太郎(藤ヶ谷太輔)は客として来店してくれるが・・・会社では「金田一」の名前は禁句であり、それ以上の波及効果は期待できないのだった。

金田一は経営改善のために経理の魔法使い・二階堂の手腕を役立てようと考える。

しかし、心臓に持病がある店主は二人の前で卒倒してしまう。

「40才で脱サラして・・・屋台のラーメン屋から始めたよ。そして青春軒をオープンして結構、評判の店にもなった。お客さんの喜ぶ顔が励みの日々だった。しかし、これからと言う時に身体を壊して休業。なんとか再開したが近所に人気の店が出店して・・・お約束の閑古鳥・・・もう、店じまいしようと思う」

店主の青春の挫折に暗い気持ちになる・・・はずもない金田一である。

「じゃ、最後に良い仕事をしましょうよ」とあくまで前向きなのである。

頼まれると嫌とは言えない二階堂は猫耳で駅前ビラ配りを強要されるのだった。

またしてもモアイ部長が遭遇。いたたまれない気持ちになるモアイだったが・・・モアイには・・・愛する家庭が・・・あるのだから。

盗賊兄弟は無法なビラの投函である。

まあ、ゴミの大量発生でしかない・・・この宣伝行為・・・ものすごく迷惑だが・・・そんな仕事しかない人の自暴自棄ぶりを考えるとうかつに注意もできない今日この頃である。

まあ、ブログにつくその種のトラバとかコメとかもメディア変われど底辺は同じの図ですな。

それが世界というものですからねえ。

そして、金田一は「青春軒」をピカピカに清掃するのだった。

しかし・・・客は来ないのだった。

来たのは投函ビラに対する苦情電話のみだった。

それが現実なのである。

けれど店主は金田一のやる気に1万円のご祝儀をはずむのだった。

その金で最後の客になることを決意する金田一だった。

久しぶりのごちそうに金田一、二階堂、盗賊兄弟は満足だった。

しかし、様子を見に来たモアイはあまりの罪悪感に早々に退散するのである。

そして・・・店を売って田舎に帰るという店主は・・・金田一に屋台を譲ってくれる。

それがドラマなのである。

Jumpin' Jack Flash/The Rolling Stones

育ての親はおしゃぶりの得意な青髭婆さん

俺の背中に鞭の味を教え込んでくれたもんさ

さあ、お楽しみの時間

箱の中身はなんじゃろな

箱の中身はなんじゃろな

箱の中身はなんじゃろな

悲鳴が上がれば大喝采

関連するキッドのブログ→第2話のレビュー

An003 ごっこガーデン。青春の蹉跌中華料理店セット。アンナ今回も良かったのぴょん。残念な感じの閉店間際にたたみかける幸せの予感。しわくちゃの一万円って涙が出るのぴょ~ん。お客さんが来ないから最後のお客さんになる。兄弟も路上アイドルもフミ君のおごりで身も心も満腹になったのぴょん。いなくなったらさみしい男・・・それがフミ君なのだ~。じいや~、この後はルーム・シェアごっこぴょん。カーテン自動おっこちタイマーは30秒設定で~。衣装チェンジもドキドキ生着替えをするのぴょ~ん。朝っぱらからリピしてますぴょん。そしてツボりますぴょん。そしておさらいリピぴょんまこ冷たい北風のようなフジッキー社長とポカポカの太陽のような金田一同じ血を引く兄弟だけどピンチに強いのはどっちかな~。落ち目の人間を切るのは簡単だけど、世の中全体が落ち目になったら誰もいなくなっちゃうんだじょ~。じいや、ラーメンおかわりでしゅ~くう金もらえれば一緒だとはいうものの・・・残さず食べてもらうと作った人はうれしさプライスレスだよね~。西行・忠盛の営業行脚・・・なんか笑える~・・・のは私だけ?」ちーずまだまだ悪夢ちゃんなのですみのむしのぼうの城なのです・・・以外とじっくりみる必要のあるドラマかも・・・ikasama4ようやくメンテナンス終了なのです

天使テンメイ様のつぶやき風レビューはコチラへ→テンメイ様の突然ウルッと来てしまったのだ

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2012年11月 5日 (月)

MONSTERSとは反対車線にだけ見える看板を立てる日本一の焼きそば屋さんのことですか?(山下智久)

全国の小学生の皆さん、今回の「MONSTERS」も楽しめましたか~。

ミステリって本当に面白いですよね~。

でも、もっともっと面白い作品はたくさんあるので、ミステリってこんなもんなんだって見切りつけちゃだめですよ~。

今回も最初から分かっている犯人を追いつめて行く主人公の変顔が面白かったですね~。

そして、主人公のパートナーが私生活のパートナーとあわやキスの大惨事、ひやひやどきどしましたねえ。

ここはミステリではなくて・・・ホラーのテイストなんですね~。誰得~ですよね~。

でも、殿方が三人で死体のあった場所に寝そべったりして・・・ちょっと楽しそうでしたね~。

こわい顔の刑事さんとかわいい顔の刑事さんが顔を寄せて吐息がかかりそうになるのはお約束ですが、ちょっとうらやましいですよね。

おでことおでこがごっつんこですよ。いやらしいですねえ。イミシンですね~。かわってもらいたいですね。

さあ、時間が来ました。また後でお会いしましょうね。

で、『MONSTERS・第3回』(TBSテレビ20121104PM9~)脚本・蒔田光治、演出・平野俊一を見た。演出が変わって無理矢理なギャグを控えたのでそこそこ見やすい展開になっている。相変わらず穴だらけのミステリだが・・・初心者向けということを考慮すれば・・・なにしろ、ダイイングメッセージとは何かまで説明してくれるわけである・・・大目に見れる範囲ではないだろうか。

もちろん、あの鑑識さんがいれば・・・。

「どうもここが犯行現場というには出血量が少ないですな。ところで・・・CAとの合コンの件ですが・・・」といきなり事件解決ですけれどね~。

さて、瀕死の被害者が犯人の手掛かりを残すためにメッセージを残すというのがダイイングメッセージです。

出血している場合は血染めの文字なのが一般的ですな。

さて、殺人事件の場合のネックはキッドが犯人だった場合、「キッド」と血文字を書かれてそのままにしておけるか・・・という問題があります。

まあ、消しますよね。

そこで・・・被害者はなんとか血文字に工夫を施す。

暗号化ですな。たとえば「漫才」と書いて、どつき漫才を連想させ、どつきを後ろから読めばきつどになって・・・「キッド」みたいな・・・苦しすぎわ。

まあ、キッドとしては消去のための時間を惜しんで「漫才」ならいいか・・・と見逃す可能性はあります。

後は書いた文字を自分の死体で隠したりするわけです。見えないインクで書くなどという必殺技もありますな。

それから、キッドならあり得ませんが迂闊な犯人がとどめを刺さずに去った場合という設定もあります。あるいは仮死状態から一旦息を吹き返して書いてから死亡とかですな。

恐ろしいのは自殺した被害者が怨みを込めて特定の人物を血文字で指名したり、錯乱状態の被害者が愛するものの名前を書いたりする場合もあって・・・この場合は冤罪が発生する可能性があるわけです。

そういう意味で今回は犯人によるダイイグメッセージの利用というアイディアです。

これにはたとえば犯人が一郎で容疑者の一人に二郎がいる場合、被害者が「一」と書いたのに犯人が書き加えて「二」にしてしまうなんていうこともあるわけです。

なぜか、「ダイイングメッセージ」を知らない警視庁捜査一課金田刑事(遠藤憲一)は「→」なのか「4」なのか「千」なのか、ひょっとしたら「私」の書きかけなのではないかといろいろと頭を悩ますわけです。

容疑者の一人、成木賞候補の推理小説家・矢崎健吾(白井晃)は→の指し示す処にある窓ガラスが「鏡」になっている・・・「鏡→かがみ→加賀美」で・・・被害者の島村勉(小林隆)とコンビを組んで「加賀美小五郎シリーズ」を書いていたもう一人の成木賞候補の推理小説家・篠田恭四郎(中村橋之助)が怪しいと指摘します。

まあ・・・証拠として採用するにはかなり不適格なもの・・・それがダイイングメッセージと言えるでしょう。

さて、このドラマにおける名探偵・平塚刑事(香取慎吾)は容疑者の一人、篠田の仕事部屋を訪問するといきなり壁にかけられた曼荼羅のタペストリーに注目します。これは受賞すれば金の成る木を得たも同然と言われる直木賞のような文学賞である成木賞候補の篠田がテレビ番組のインタビューに答えていた時・・・壁には別の絵が掛けられていたという点に注目していたからです。

金田は最初から犯行現場と犯人を直感で見抜いているわけです。

後は例によって部下の西園寺刑事(山下智久)と適当に遊びながら犯人を追いつめて行くのです。

金田は最初からダイイングメッセージは犯人の偽造と睨んでいます。なにしろ、死体発見現場と犯行現場は違うと断定しているわけです。

もはや犯人に間違いない篠田にはアリバイがあり・・・被害者の死亡時刻にはファミレスで食事をしていたと言うのです。

ファミレスと遺体発見現場の山荘の移動時間にトリックがあると読んだ西園寺は電車に乗り換えた古典的トリックを思いつきますが車道と線路の間に川があるため。十五分で川渡りというアクションを要求されます。これは「太陽にほえろ」で犯人が高速道路から身代金を高架下に投げ落とさせると推察した山さんがGパン刑事にあらかじめ購入しておいたロープを手渡し「これを使え」と言うようなものですな。・・・どんなたとえなんだよ。

西園寺はお約束で川に落ちます。

やがて・・・山荘への道の帰路・・・見えないはずの「日本一の焼きそば」の看板を見ていたことが篠田の失点となります。

おたふくソースでもいいですが粉末の方がいつもの味付けになるとキッドは考えます。

粉末ソースを切らすといつも焼きそばベチャベチャになっちゃうんですよね。

・・・もういいか。

それにしても・・・「動機」がもうひとつですね。

「あいつと私はかって一心同体だったんです。しかし・・・あいつの浮気で別れてから私にも他に好きな男ができたんです・・・今更あいつと復縁するなて・・・私には気持が悪くてたえられないことだったのです」とかなら分かるんだけどな・・・わかるかっ。

「あなたは犯行現場をごまかすために・・・あえてダイイングメッセージを残した。つまり、アリバイ作りのための偽装工作だったのです」

「なんの・・・証拠があるのだ・・・看板なんて前に見たのを覚えていただけかもしれない・・・なにしろ・・・あそこは作家がよく缶詰になる山荘への道なのだから」

「証拠はあります」

血痕にルミノールの塩基性溶液と過酸化水素水との混液を塗布または噴霧して暗所で見ると青白い光を発する・・・いわゆるルミノール反応である。

篠田の仕事場に鑑識さんが登場してルミノール試験を行う。

「出ませんな・・・」

「そりゃ・・・そうだ・・・私がその線で彼を殺すとしたら無関係な人気のない路地裏とかを選びますからね」

「直木賞・・・とれるといいですね」

事件は迷宮入りしたのである。

はい・・・今週もまた迷宮入りでしたね。しかし、川におちて濡れそぼる西園寺刑事が色っぽくてうっとりしましたよ。それではまた次回お会いしましょう。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

・・・あなたでしたかっ。男だらけのドラマだけに~。裏番組ですけどね~。

関連するキッドのブログ→第2話のレビュー

Erioo3 ごっこガーデン。凍てついた河セット。エリとにかく少し見やすくなった気がしまス~。とにかく腰がぬけそうな展開ですが、山P先輩を救助するためにどこでもスケートメリーポピンズスーツで出動なのでス~。浅田真央先輩復活Vおめでとうございまス~。じいや~、温かいお風呂の用意をお願いね~。ジャグジーカーもスタンバイして~mariきゃ~、Pちゃま、風邪でも引いたら大変ですよ~。ホットミルクをお届けしますーーーっくういろいろとアレなんで・・・ピンク軍団アップおそし・・・なんですよ~ikasama4うちは緊急メンテナンスが長くて・・・書き込めませ~ん」

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2012年11月 4日 (日)

悪夢ちゃんの思春期は天馬車に乗って・・・貞操帯ではなくて腹巻きもげっ(北川景子)

現実世界でピンチを救われ、ついに悪夢王子に身体を許した主人公。

・・・大丈夫なのかっ。

まあ、毒を食らわば皿までは自由なのだから~。

冤罪社会において自己防衛のために常に自分を監視カメラの下に置いておくこと・・・。

ナルシスト万歳である。

しかし、捏造社会ではそれも加工されてしまう可能性があるし、自分撮りだと修正を疑われ証拠能力に問題が発生。

まあ・・・すべては運命ですな。

明日、全国の小学校で毒入りカレー事件が発生しませんように・・・。

で、『・第4回』(日本テレビ20121103PM0940~)原案・恩田陸、脚本・大森寿美男、演出・猪股隆一を見た。小学生相手に「サイコパス宣言」を敢行する武戸井彩未(北川景子)先生である。「それはまずいのじゃないか」と中込教頭(阿南健治)、「責任とってくださいね」と甘澤校長(キムラ緑子)である。甘澤は開き直ったような彩未を「一皮剥けたみたい」と評価するのだった。この二人・・・いい味だしてます。

「自己責任」を伴う「自由」について5年2組の影のリーダー・小泉綾乃(白本彩奈)に論戦を挑み、事後処理である「児童を煙にまく作業」を行った彩未だった。

今回のヒロインを演じるのは「最後から二番目の恋」のクールな小学生・長倉えりなの中の人である。2002年組を代表する美少女と言っていいだろう。同世代ライバルは石井萌々果だな。

「自分の判断で学校を休むのは自由ですか」

「それは自由ではなくて自分勝手です」

「それは不登校です・・・しかし、どんな理由があるのかも知らず、それを自分勝手と決めつけるのも自由ですか」

「それは・・・わかりません」

「わからなくていいのです・・・学校は何かを分かるために来るのではなく、自分がわからないことを知るための場なのですから」

「・・・」

大人だって理解できないくらいの哲学的論争である。ま、ソクラテスの「無知の智」の初歩的展開と言えるでしょう。

まあ、鉄は熱いうちにうて・・・申しますからな。

しかし・・・例によって家庭に問題がある小泉綾乃は彩未に対して理由なき反抗心を抱くのだった。

放課後、女子五人組集結である。その中には浮気性の母親(相田翔子)の命の恩人である彩未を密かに崇拝している相沢美羽(木村葉月)も参加している。

「彩未先生は変だ」という綾乃に美羽は「彩未先生はかっこいい」と反論する。

小学生相手に理性的に話しかけても好感と悪寒しか残らないということだ。

そこに通りかかった悪夢ちゃんこと古藤結衣子(木村真那月)は綾乃の強い「意識」に感化されてしまうのだった。

たちまち、悪夢ちゃんの無意識は綾乃の無意識にリンクして、悪夢の中で遭遇なのである。

「あなたは・・・私の事が好き・・・それとも美羽ちゃんが好きなの・・・もしかしたら彩未先生が好きなのかしら・・・私の事が好きなら・・・これを食べて・・・私の血は苺なの・・・ほら・・・苺ジャムにしてあげる」

口から炎を出して苺をジャム化する結衣子の夢の中の綾乃。

困り果てた結衣子の前のパソコンから夢王子(GACKT)が登場してピンチを救うのだった。

「微妙に・・・怖い・・・」

悪夢ちゃんはそれが悪夢なのかどうか量りかねていた。

女子五人組は「彩未先生の同棲の事実を確かめよう」と彩未先生の部屋を家庭訪問する。

そこに待っていたのは結衣子の祖父・万之介博士の助手・志岐貴(GACKT=二役)だった。

志岐は独断で五人組プラス結衣子を彩未の部屋に招き入れ、おもてなしをするのだった。

「あなたは先生のカレシなんですか?」

「僕は召使のようなものですよ」

「何をほざいとんのじゃ」

帰宅した彩未は志岐を叱責するのだった。

「ロリコンかっ」

「いやだな・・・君の大事な教え子をもてなしていただけじゃないか・・・それに昔は子供たちが先生の部屋に遊びに来るなんてよくある話じゃないか」

「それは教師が女子更衣室を盗撮しない頃の話です」

「嫌な時代になったんだねえ」

仕方なく、児童たちを家庭に送り届ける彩未だった。

ここで・・・有名私立小学校に合格した弟を不合格だった姉の綾乃よりも差別的に溺愛する困った母親(西山繭子)が登場する。

「勉強を教えていた」という彩未の社交辞令を「まるで塾に通わせていない嫌味」と曲解し、それを娘に投げつける綾乃の母だった。

「母に捨てられる恐怖」を常に感じる綾乃はその不安を彩未に対する敵意に変えて合理化するのだった。

綾乃は再び、単独で彩未の部屋の志岐に会い、「先生の恋人にキスをされた」と虚偽の申告をするのだった。

綾乃の口からは「苺」という真っ赤な嘘の実が飛びだすのである。

ただちに「娘が汚されたこと」の責任追及のために学校に乗り込む綾乃の母だった。

「事の次第によっては警察に行く」と息巻く綾乃の母。

「キスされたのは事実ではなく私が綾乃さんに嫌われたということでしょう」

「なんですって・・・娘が嘘をついた・・・っていうの・・・こんな屈辱を受けるなんて」

「私が嫌われたのは本当です。キスされたというのはその意志表示でしょう」

「何言ってるの・・・娘が嘘をついているというのなら証拠をみせなさい」

笑顔の仮面を脱いだことにより現実の世界で窮地に立たされた彩未は言葉を失う。

そこへ・・・志岐が登場する。

フィギュアのような美形の登場にうっとりする甘澤校長だった。

志岐は「誤解を招かないようにすべてを録画してあります」と無実の証拠を提出するのだった。

「私は娘さんからある相談を受けました・・・その内容についてはお母様だけにお話ししたいのです・・・それともここで音声を流しますか・・・」

危険を察知した綾乃の母は降伏するのだった。

現実の世界で志岐に救われた彩未はついに志岐に「お泊り」を許すのである。

しかし、携帯夢札装置を開発した志岐は相変わらず他人の夢を平気で覗くインモラルな男なのである。

綾乃の先導で彩未に反旗を翻した学級委員長・大川美咲(川嶋紗南)たちが教室に戻り、綾乃は不登校になるのだった。

そして結衣子は本格的な悪夢を見るのだった。

綾乃が給食のシチューに毒を吐く夢である。

それを食べた児童たちは次々と倒れて行く。

そしてモンスターと化した綾乃が結衣子に襲いかかるのだった。

夢札を見た彩未は・・・一計を案じ、綾乃の母と面会する。

母親に叱咤され、学校に登校することになる綾乃。

教室では心ない児童たちがさっそく制裁のための手紙を綾乃に送り、いじめを開始する。

「ウソツキ」

事実なので耐える綾乃。その机の上からいじめの手紙を取り除いた彩未は綾乃の母親からの手紙をそっと置く。

「お母さんがあなたに厳しくするのは・・・あなたがお母さんにそっくりだからです。お母さんも不器用で勉強が苦手でした。だからあなたにはつい厳しくしてしまったのかもしれない。もしも辛い気持ちにさせてしまったらごめんなさい。でもこれだけは信じてほしい。いつでもどんな場合でもお母さんは綾乃の味方です」

綾乃は安堵と感謝の涙を幾筋も流すのだった。

折しも国語の授業のテキストは「雪渡り/宮沢賢治」である。

(前略)

堅雪かんこ、凍み雪しんこ。

雪がすっかり凍って大理石よりも堅くなり、空も冷たい滑らかな青い石の板で出来ているらしいのです。

そんな冬の日。

人の子の四郎は雪沓をはいてキックキックキック、野原に出ました。

そこで狐の子の紺三郎と意気投合し・・・月夜の晩の幻燈会の招待を受けるのです。

(中略)

兄の二郎からみやげの餅をもらい妹のかん子と月夜の晩の幻燈会に出かける四郎。

幻灯は「狐に化かされた人が兎のくそを団子だと思って食べる」という類の内容。

そして、可愛らしい狐の女の子がきびだんごをのせたお皿を二つ持って来ました。

四郎はすっかり弱ってしまいました。

狐の学校生徒がみんなこっちを向いて「食うだろうか。ね。食うだろうか。」なんてひそひそ話し合っているのです。かん子ははずかしくてお皿を手に持ったまままっ赤になってしまいました。すると四郎が決心して云いました。

「ね、喰べよう。お喰べよ。僕は紺三郎さんが僕らを欺すなんて思わないよ。」そして二人は黍団子をみんな喰べました。そのおいしいことは頬っぺたも落ちそうです。狐の学校生徒はもうあんまり悦んでみんな踊りあがってしまいました。

キックキックトントン、キックキックトントン

ひるはカンカン日のひかり

よるはツンツン月あかり

たとえからだを、さかれても

狐の生徒はうそ云うな

キック、キックトントン、キックキックトントン

笛がピーと鳴り幕は明るくなって紺三郎が又出て来て云いました。

「今夜みなさんは深く心に留めなければならないことがあります。それは狐のこしらえたものを賢いすこしも酔わない人間のお子さんが喰べて下すったという事です。そこでみなさんはこれからも、大人になってもうそをつかず人をそねまず私共狐の今迄の悪い評判をすっかり無くしてしまうだろうと思います」

(後略)

彩未は言う。「文部省が何と言おうとも私なら狐の黍団子は食べません。夜は腹巻きを脱ぎません。お腹をこわしたくないからです。それでも・・・空気を読んで食べるか食べないか・・・お腹を壊す覚悟があるなら、それは皆さんの自由なのです」

狐につままれたような一部の生徒たちだった。

教室の知的水準は絶対に足並みをそろえない・・・鉄則である。

やがて・・・給食の時間・・・結衣子は周囲に毒見をさせてから綾乃の給仕したシチューを味わい微笑むのだった。

ちなみにくさかんむりに母で苺である。

そして母と生で毒なのだ。

毒には産み育てる意味がある。それがいつしか「毒」になるのがこの世の恐ろしいところである。

孤児である彩未が小学校の教師になったのは無意味なことではないだろう。

そして、児童の母親たちが毒婦中心なのも偶然ではない。

彩未は悪夢ちゃんの夢を読み解きながら・・・毒婦を浄化し、母に戻していく。

なぜなら・・・この世界は黄金胎児である彩未が母親の胎内で見ている夢に過ぎないからである。

そして彩未は交代制多重人格による夢遊病ブロガーだったらしい。

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2012年11月 3日 (土)

戦のない平和な世のために耐えがたきを耐え二夫にまみえん・・・むふふ(多部未華子)

正気も極まれば狂気であり、狂気も極まれば正気である。

理性の求める大義と情感の発する人情との間で揺れ動く人の心。

そういうものを問いかけるドラマ・・・お茶の間には高尚過ぎますな。

そして、ジェンダーという呪縛に支配された人々の心を揺さぶる男女逆転倫理。

貞淑を是とする人々は混乱し、淫乱を否定しない人々は万歳三唱である。

これだけの反骨を示すドラマ・・・ゆとりある人々には理解不能なのではないでしょうか。

ついに変態の森の果ての至福の地を指し示す今回・・・そこは地獄でございました~。

産む機械と孕ませる機械の純愛・・・なんて逆説的なロマンチシズム・・・。

聖母のように貞淑に・・・娼婦のように大胆に花開く女・家光(多部未華子)・・・純情可憐の一幕でございます。

で、『大奥 ~誕生~[有功・家光篇]・第4回』(TBSテレビ20121102PM10~)原作・よしながふみ、脚本・神山由美子、演出・渡瀬暁彦を見た。時は流れて寛永十八年(1641年)・夏である。史実では寛永十八年八月(1641年9月)に第四代将軍となる徳川家綱を古着屋の娘あがりのお蘭ことお楽の方(宝樹院)が出産している。しかし、逆転史では女・家光の寵愛を受けたお万(堺雅人)が一年を経過して受精を果たせずにいた。心を鬼にして徳川幕府の安泰を望む春日局(麻生祐未)の心の休まることはないのである。歴史の神の命ずるままに次の一手を打たずにはいられないのである。なにしろ、下手な鉄砲数打ちゃあたる式で同時並行出産の可能な大奥と、一年に一人が基本の女大奥では効率が違うのである。

そのような政治の世界を離れ、束の間の幸せに浸るお万。弓道の指南を受け、その腕前は誰もが認めるほど上達していた。また、その教養を生かし、書物の講義を行うことで表の大奥侍衆に喝采を受けていたのだった。

その講義は「伊勢物語/作者不詳(紀貫之とも)」など古典の中でも柔らかな類のものまで含まれていた。

伊勢物語 第六段 芥川

むかし、男ありけり。

姫を盗み出でて、芥川を行ききれば

草の上の露を「何ぞ」と問われ

行く先を思い答えず。

夜も更け、鬼に出会う。

鬼は姫を一口に食いてけり。

泣けども甲斐なし。

白玉か何ぞと人の問ひしとき

   露と答へて消えなましものを

(宝石のようなものは何かと問われて露と答えそのまま死んでしまえばよかった)

一時の夢のような幸福も現実でははかなく過ぎ去る・・・できれば幸せな時に死んでしまいたい・・・理性があるゆえに束の間の幸せを受け止めることができないものが死を願うという感情に踊らせる。人の心の綺は平安時代から変わらぬものなのである。

一方、裏の大奥では実は春日局の一子・稲葉正勝(平山浩行)である偽・家光と女・家光という二人の三代将軍・家光の影が政治に熱中していた。

十一歳から将軍としての教育を受けた女・家光は天性の政治力を持ち、偽・家光に本・家光を想起させる。

「長崎の出島にオランダ商館を封じ込めよ」

「オランダ側が同意しましょうか」

「旧教のポルトガルを切り、新教のオランダと結んだは国に二つの異国の力を入れぬ家康公の教えなり。それは争いの火種となるからの。オランダとて独占貿易のうまみを捨てたりはせぬ」

「御意」

「大名家でも世継ぎに苦労していると聞く」

「いかにも」

「世継ぎなき大名家はとりつぶせ・・・徳川の直轄地を増やすのじゃ」

「御意・・・しかし養子を申し出るやもしれませぬ」

「養子縁組の許可を下さなければよい」

史実では出島でオランダ貿易が始るのはこの年である。

また史実では前年の寛永十七年、生駒騒動で讃岐高松藩生駒高俊が改易(かいえき)になっているが、実際に後継者不在のためとりつぶされた大名は寛永十八年の備中松山藩池田長常、翌年の下野那須藩那須資重、越後村上藩堀直定など多数に渡っている。

逆転史でもこのような大局は揺るがないのである。

裏の大奥に幽閉された女・家光と表の大奥から一歩も出られぬお万は短い愛の一時を過ごしていた。

しかし、正史では寛永二十年九月(1643年10月)に死去する春日局にとって将軍継承者を得ずに生涯を終えることは死んでも死にきれぬことであった。

天正七年(1579年)に明智家家臣・斉藤利三の娘として生を受けた春日局こと斉藤福は齢四歳で本能寺の変を迎える。続いて起こる山崎の合戦で父は敗北、六条河原で斬首される。以来、秀吉の日本統一戦争、半島侵攻戦争、家康の関ヶ原の合戦、大阪の陣と絶えることの戦争の日々を過ごしてきたのである。春日局ほど戦のない世の有り難さを知るものはいないのだった。

徳川将軍家に後継者なくば戦乱の再開は必至なのであった。

春日局にとって将軍家後継者問題は単なる妄執ではなかった・・・世のため人のため解決しなけばならない必修課題だったのである。

お万を確保したと同じように新たな子種を持つ男を選びぬかねばならないのだった。

春日局は探索の結果、古着屋の倅・捨蔵(窪田正孝)に目をつける。実家が古着屋である以上、この男は正史の宝樹院となる運命なのだろう。

「平家物語」では夫・平通盛の跡を追って自害した小宰相を「史記」の「忠臣は二君に仕えず、貞女は二夫にまみえず」の故事をひいて讃える。

このような感情は自然のようなものでもあり、また儒教教育の呪縛にすぎないものでもある。

時に人は「あなたに捧げる愛」に燃え、「禁じられたあちらこちらの恋」に萌えるものなのである。

どちらが先にあるのかはこの際、論じまい。

しかし、女・家光にとってお万は初めて心を許し、身も心も捧げた相手なのである。

その胸に抱かれることは他の男とは比べることのできない愉悦をもたらしたのだった。

その心を知るゆえに・・・「道具」としてチェンジされることに異議を唱えるお万だった。

しかし・・・ドラマは春日局の言動によってその心を語る。

史実の正勝の命日は正月二十五日だが・・・逆転史では家光は夏頃に死んだらしく、その日より身代わりとなった正勝の七回忌。

我が子の幸せを願わぬ母はいないであろうに・・・春日局は我が子から妻子という家族を奪い、家族から夫と父親である正勝を奪ったのである。

夫の死を未だ信じられる妻の雪(南沢奈央)に厳しい言葉を投げ、可愛い孫にも極力関わりを避ける。影となった我が子に「嫁も子らも息災」と告げるのみ。

そして・・・捨蔵を拾う時の老いの影を宿した暗い逡巡。

耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶ老女なのである。

春日局に束の間の幸せを破られ懊悩しつつ、お万は女・家光の心を案じる。

女・家光も春日局の非情に裏切られた思いを抱くであろう。

「このような仕打ち、何より上様にとってむごすぎます。これではまるで道具と同じや!こないにしてまで血を繋げたとして、その後に何が待っているというのです。そうまでして守らねばならぬ徳川家とは、あなたにとって一体何なのですか・・・」

「それは、戦のない平和な世のことです」

殺し文句であった。民の救済を願うお万の心にたたみかけるのである。

そして・・・一人の少女の救済を決めたお万には・・・自らが・・・女・家光にこのことを受け入れさせる役目を負う他はないのであった。

愛の暮らしの絶頂にある女・家光である。

「これより一切、お褥を辞退させていただきとうございます」

「わしに・・・他の男と寝所をともにせよと申すのか」

「嫌・・・!嫌!それでお前は痛くもかゆくもないのじゃな・・・他の男になぶられるのはわしのほうだけじゃ・・・わしの体だけがいつも汚され、辱められ、血を流すのじゃ・・・。お万よ、そなた・・・春日に逆らえば身が危ないと思うたか・・・死ね! 死んでしまえ!・・・そんな腑抜けは死ねばよい!」

お万は女・家光を抱く。

「・・・殺してください」

お万の思いつめた言葉に女・家光は心痛むのは自分だけではないことを悟る。

「・・・駄目!殺すことなどできぬ・・・死ねなどとは嘘じゃ・・・お万・・・死んでは嫌!どんなにひどい男でもそなたが好き・・・好きなのじゃ!」

かわいいよ、上様かわいいよである。

ある意味・・・失楽園なのだな。

そして・・・人の上に立つ者の義務を知る哀しい男と女の話なのである。

「・・・わしは役目を果たせぬかもしれぬ・・・その時は・・・ともに相果ててくれるのか」

「果てましょうとも・・・」

そして・・・二人は愛の営みに突入、これ以上なく燃える一夜を過ごすのだった。

「上様~逝きまする~」

「お万、お万、ああお万、ともに果てようぞ~」

「上様」

「お万」

・・・そこまでにしときなさい。

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Mako005

ごっこガーデン。大奥お褥の間セット。まこぼぎゃああああんっとギャラリー多すぎ~。多部ちゃんだけに~。くしゅん・・・こんなにも好きあってるのに・・・玉ちゃんとか楽ちゃんともしっぽりなのでしゅか~。竹ちゃまもありでしゅか~ぐふふ。おっとヨダレが・・・。じいや~。お化粧直しでしゅ~。お金儲けならまだしも大義のために恋を捨てることなどできましぇぬ~。わかれろきれろは芸者の時に言う言葉~。美しくもはかなく萌え~なのでしゅ。嫌い嫌いは好きのうちの王道展開ばんじゃい~くうラブラブモードから一気に破局へ・・・女大奥って大変そうだーっ。浮気性の人なら大丈夫なのかっ。ふたまたどころじゃない代もあるからな~。とにかく男の世継ぎの生存率低しだから・・・女将軍の御世になっていくのね~・・・ガスター重盛からチャラ男へ・・・おもてをあげよが意味不明の町人(史実では武家くずれの前夫の娘)に大奥務まるのかしらね~ikasama4堺さん・・・多部ちゃん・・・二人とも冴えわたってますなシャブリ大学生・南沢ちゃん・・・出まくり~ですーっ

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2012年11月 2日 (金)

帰国子女の私には分からないよ・・・キターッ!ふにゃふにゃ(長澤まさみ)

このドラマ、ここまでの視聴率が・・・。

7.7%↘6.3%↗7.0%↘4.9%・・・である。

まあ、ある意味、何も事件が起こらない「24」で・・・どう楽しんでいいのかわからないお茶の間みたいなことかな。

まあ、そうだよねえ・・・まさしく・・・ちょっとした知的水準を要求され、のんびりしたいのに頭なんか使いたくないよう・・・という気持ちも分からないではない。

しかし・・・そんなこと言ってると認知症になりますぞ~。

何もないところに無限の可能性が広がってることに気がつかないと・・・。

もう、キッドの脳内では登場人物の半数近くが死亡しています。

あの、それから、主人公は明らかに「復讐のために教師になった女」ですよ。

主人公の恋人はおそらく死んでます。たぶん一高の元教師です。いろいろあって自殺でしょう。

で、一年間くらいでどうしてそういうことになったのか・・・主人公はリサーチ済。

誰が悪いのか見極め終って復讐劇の幕があがったところです。

それが「高校入試」・・・すでに何人かは殺害対象であることが明らかで・・・はたして無罪を勝ち取るのは誰かということになるのでしょうねえ。

最後は有罪判決を下された関係者と校舎が爆発炎上して答案用紙は灰になります。

立ち上る黒煙を背に朝日にむかって主人公が微笑みを浮かべて歩み去る・・・そういう話だと思います。

もちろん、あくまで、妄想上は~。

で、『高校入試・第4回』(フジテレビ20121020PM1130~)脚本・湊かなえ、演出・星護・北川学を見た。第2回に続いておそらく主人公・春山杏子(長澤まさみ)の恋人である寺島俊章(姜暢雄)の回想シーンが挿入される。第2回では契約更新の危ぶまれている数学担当講師・村井(篠田光亮)が教室の片隅の歌詞の落書きについて「生徒の間で流行っているんですよ」という言葉に反応して・・・「生徒のために最近の流行を雑誌でリサーチする」彼との和やかな思い出が蘇った。当然、これはフリであって、今回はオチの一種である。一高OB教師の一人で美術担当の宮下(小松利昌)の「帰国子女の杏子ちゃん」に反応して・・・「あなただけのせいじゃないのにどうしてそんなにも責任を感じなきゃいけないの?」という杏子に寺島は「帰国子女の君には分からないよ」と憔悴した顔で告げるという思い出なのである。今の処、「彼」の存在は杏子の胸の内以外には語られておらず・・・当然、それは秘密にするべき事情をともなっているわけである。これらの言動と回想の連動がなんらかの関係があるのかどうかは不明だが・・・これまでの対応行動で察すると杏子は村井に対しては能動的で、宮下に対しては受動的である。村井に対して含むところがあるようにも見え、宮下の動静を冷徹に観察しているようにも見える。二人とも有罪の可能性はフィフティー・フィフティーというところでしょうか。少なくとも二人は杏子の正体を知らず、杏子に対して性的下心を抱いているようだ。

きっと・・・この番組を見ている時は悪徳刑事のような下司な顔つきをしているんだな。

職員室での待機役となっている音楽担当教師の滝本みどり(南沢奈央)は、偶然「学校裏サイトの掲示版」にたどり着き、他の教師たちに知らせる。2年B組の石川衣里奈(山崎紘菜)と不純異性交遊をしている上にみどりとリゾートホテル・インディゴで密会する候補ナンバーワンである第一会場担当の体育教師・相田(中尾明慶)は「なんだ、こりゃ」と驚く。

1:名無しの権兵衛

入試をぶっつぶす

2:名無しの権兵衛

マジかよ

3:名無しの権兵衛

マジレスすんな

4:名無しの権兵衛

何すんの?

5:名無しの権兵衛

宣戦布告!

6:kidcat

ここか。お昼の新ソバのざるそばキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

宮下は「これってヤバくないか?」と煽る言動。

これに対し杏子は「荻野先生も呼んできます」と入試部長の荻野(斉木しげる)へと事態を拡大させるのだった。

本部へ向かう途中で杏子は同窓会会長・沢村幸造(入江雅人)の息子で受験生の翔太(清水尋也)が校長室前でうろついているのに遭遇する。

「どうかしたの」

「あ・・・いや・・・腹痛の薬が欲しくて」

「保健室はあっちよ」

「ありがとうございます」

立ち去る翔太を見送った杏子は「(試験で翔太が)苦戦していたもんな」と率直な感想を述べ、復讐者である印象を薄めるためのミスリードを行う。単に率直な感想じゃないのかよっ。

あらためて昼食にとりかかる教師たち。

宮下はいつものように杏子になにかと話しかける。

「今頃、本部で緊急会議か」

「あの掲示板の書き込みはうちの受験生が・・・」

「受験生だけとは限らんな」

「在校生もってことですか?」

掲示板に誰が書いているのか・・・教師を除外した杏子の言動は復讐者ポジションへの復帰を意味している。単に素朴な疑問じゃないのかよっ。

「昨日の貼り紙のこと。携帯隠しの一件。さらに「サカモト」という実名。受験生にしても在校生にしてもターゲットは一高、もしくは一高の教師たちってことだな・・・」

そこへ会議を終えた荻野と教頭の上条(清水一彰)がやってくる。

「インターネットの掲示板に不審な書き込みがあるとの報告を受け本部で検討しましたので教頭より報告をしてもらいます。なお、校長には本部を空にするわけにはいきませんので待機していただいています」

「荻野先生から報告を受け、インターネット上の当該ページを確認した結果、表現のしかたが著しく曖昧という点で本校を対象に書き込まれたものではないと判断しました。また、試験の問題文が掲載されていた点につきましても、試験開始後に出ており、本校では受験生から携帯電話を回収しているという点から何ら問題はないものと見なします。が、午後からあと2科目、先生方におかれましては各自厳重に注意をしていただきたい。以上」

杏子の指導担当でもある英語教師の小西(徳山秀典)が異議を唱えようとするが、上条教頭は「本部を校長一人にしておけない」と言い残し退出する。

残された教師たちは浮かぬ顔である。

ちなみにこの学校には他にも多数の教師がいる模様であるが、登場教師は・・・。

主人公の復讐者・帰国子女の転職英語教師・杏子・・・決めつけんなよ。

イケメン小西。

変態メガネ顔の宮下。・・・おいっ。

仏頂面の水野(阪田マサノブ)・・・社会科担当。

ベテラン問題女教師のスリット坂本(高橋ひとみ)・・・英語担当。

若手問題女教師のみどり。

そして相田先生であるわけさ~。

これに同窓会会長と確執があり、息子のイケメン受験生・良隆(高杉真宙)の父である松島崇史(羽場裕一)・・・保護者控室担当の英語教師。

その教え子だったちょっとおっちょこちょいな数学教師・村井などが主要登場人物として登場する。

変態メガネの宮下とスリット坂本、そして相田は一高OB教師であるわけさ~。

水野もOBだが軽薄トリオとは一線を画しているらしい。

主人公と同じ英語担当はイケメン小西、スリット坂本そして受験生の父で「夜花」上映担当の松島である。

12:名無しの八兵衛

登場人物詳細はコチラへ

http://www.fujitv.co.jp/kokonyushi/chart.html

タイトルである。実は主人公はサイキック(念動力者)で最後はターゲットをみんな空中浮遊させるのだ・・・そんな結末は絶対ないぞっ。

とんかつ弁当をお楽しみ中の相田の携帯電話に着信があり、メールを見た「え~、やばいさ~」と言いながら席を立つ。

19:名無しの権兵衛

ここのことバレたみたい

20:名無しの八兵衛

やばくね

21:名無しの十二兵衛

まじすか

22:名無しの権兵衛

>>19 実況中止

23:名無しの権兵衛

>>19 撤収

第二受験会場では芝田麻美(美山加恋)と同じ制服の女子受験生がおしゃべり中である。

「ひっかけ問題でたね~」

「地理の記号問題イでエでしょ」

「そうそう」

「塾の先生の言った通りだったよ」

どうやらひっかかったらしい翔太が小児的行動で机と拳で対話する。

「ちょっと~、なに、あの子」

「やだ、目があっちゃった~」

「なに・・・私たちにむかついてんの?」

ムードがキモい翔太は後方に着席する日頃からいじめているらしい良隆につっかかる。

「おい、良隆、バカのくせに一高なんて受験するなよ~、キモくて集中できないんだよ」

無反応のイケメン良隆だった。

「・・・八つ当たりしてる~」

「先生、呼びに行く」

「呼ぼうか」

沈黙する翔太だった。

そんな状況を楽しむ受験に失敗した兄・田辺光一(中村倫也)を持つらしい謎の受験生・淳一(柾木玲弥)だった。

バレー部の部室では相田を待ち伏せている2年B組のいろいろと問題ある女子生徒・石川衣里奈(山崎紘菜)が登場。受験の時の携帯騒動、坂本がらみの遅刻事件など物議を醸している妙に目立つ生徒である。言動は怪しげだがすべてミスリードだろう。

ただし、名無しの権兵衛の一人ではあるだろう。

「わっ」

「わっじゃねえよ・・・小学生かっお前は・・・モンスターズかよっ」

「私の誕生日なんだもん。五分でいいから逢いたくてさ」

「だからって入試の日に学校に忍びこむなよ」

「ちゃんと校門から入ってきたよ・・・受験生と一緒に。ほら、中学生の制服懐かしくない?」

「朝からいたのかよっ」

「これを着ていたあの時から・・・私、キヨタン一筋なんだよ」

「懲りないやつだな・・・お前って」

「ちがうの・・・あの時みたいに助けてほしくてここに来たんだよ」

突然、泣きだす衣里奈・・・ウソ臭いが嘘泣きでもないようだ。・・・お前、女の涙に甘すぎな。

再び女子受験生二人組。女子トイレでガールズ・トークである。

「さっきの子、ヤバいよね」

「思ったよりできなくてピリビリって感じ?・・・結構、難度高しだったし~」

「だからって他の子に八つ当たりしてもね~、小学生かよっ。お前の方がキモッ」

「数学の時・・・泣いてた子もヤバいよね~」

「一高・・・甘くないよね~」

その時、使用中の固執から麻美が出現する。

「あれ・・・麻美だったんだ・・・大丈夫?」

「うん・・・」

「どうしたの・・・あの子、具合悪いの?」

「ううん・・・だけど携帯電話依存症みたいな・・・授業中でも10分置きに携帯開いてないと不安になるみたい」

「なに・・・それ・・・マジヤバじゃん」

「携帯を没収された時なんて過呼吸になっちゃって・・・それ以来、特別に教室公認になっちゃって」

「じゃあ、今日なんて・・・」

「うん・・・かなりヤバいんじゃないかな・・・えへへ~」

「うふふ~」

連続ドラマ「夜の花戦車、西へ」(第拾話)

涙依「彼は四号戦車じゃない・・・五号なの・・・五号なのね」

ハインツ「いや・・・もはや五号とは呼ばないでやってくれ」

涙依「ではなんと呼べば・・・」

ハインツ「パンターだ。彼は美しき野獣・・・豹戦車なのだ」

涙衣「パンター・・・なんて角ばっているのかしら」

ハインツ「新機軸の傾斜装甲だ・・・」

涙依「じゃあ、どんな砲弾もはねかえすのね」

ハインツ「たまなんかはねかえせ~だ」

「死んだはずの戦車が生き返るなんてねえ」

「とにかく・・・最終回を見なくては落ち着いてランチも食べられないわ」

とりあえず最終回に突入する保護者一同だった。どんだけ集中してんだよ。

なすすべなく最終巻をセットする松島である。

杏子はピンクのキティちゃん日本観光カップ、宮下は美術教師とは思えない黄色い花模様のカップである。

食後のコーヒーを杏子のために入れる宮下だった。

「ありがとうございます」

「おかえしだよ」

「教頭・・・問題なしって断言してましたね」

「厳重に注意とか付け足してたけどな」

「私、不思議に思うのですが・・・教頭とか・・・まだ上を狙っている人が保守的なのは分かるのすが・・・もう上がない校長までどうしてそうなんでしょう?」

「まだ・・・上があるんだよ。定年後の楽で高収入の役職を狙ってるのさ。郷土資料館の館長とか、公民館の形ばかりの相談役とかね」

「え・・・それって天下りですか」

「そうだよ・・・この時期、保守的になるのは上を狙ってる奴ばかりじゃないのさ」

「・・・」

「移動の季節だからね・・・杏子ちゃん・・・この学校は快適かな?」

「ええ、まあ・・・思っていたよりは・・・」

「そんな君が四月から不良高校とか僻地の高校とかに赴任しろと言われたらどうする?」

「仕方ないとは思うけど・・・ちょっと不安になるでしょうね」

「でしょ」

「そういう人事って誰が決めるんですか」

「辞令を出すのは県だけど・・・実質は校長判断なのさ」

「校長にはそんな権限があるんですかあ・・・」

「ちょっと逆らったら飛ばされちゃうよ」

「じゃあ、宮下先生も」

「まあ・・・俺は別に」

「でもこの間、家を新築なさったんでしょ・・・」

「痛いところつくね・・・新築祝いの花瓶かあ・・・でも、杏子ちゃんは安心だ」

「どうしてですか?」

「最初に赴任したら最低でも四年はいなければならないルールなんだ」

「なるほど・・・」

「だからみんなを代表してガツンと言ってくれない?」

「あらら・・・私ってそんな立場だったんですか」

宮下・・・過去にもそうやって新人教師を唆したか・・・。

「いや・・・ごめんねえ。帰国子女の杏子ちゃんにはおかしなシステムなんて教えない方がよかったかもねえ」

杏子はその言葉で過去の恋人(?)との記憶が蘇る。

憔悴した男を励ます杏子。

「帰国子女の君には分からないよ」

「あなただけのせいじゃないのにどうしてそんなにも責任を感じなきゃいけないの?」

「帰国子女の君には分からないよ」

帰国子女の君には分からないよ

帰国子女の君には分からないよ

午後1時5分のチャイムが鳴る。

四時間目は理科である。

杏子は本部で上条教頭から問題用紙を受け取る。

次に入室した相田はどこか上の空だった。

再び、チャイムが鳴り、高校入試が再開する。

職員室では荻野とみどりが問題をめぐる会話を行う。

みどりは掲示板を監視する。

「化学の問題にどこの中学でも行っていない実験に関してのものがあるんですが・・・」

「理科がらみの書き込みはないですね」

「・・・」

「こっちが気がついたことを知ったみたいです」

どうやって知ったのかは追求せず、疑問点をずらしていくようなみどりである。

「うちの学校とは限らないのかも・・・サカモトなんてよくある名前だし・・・貼り紙だってよその学校でも貼られたりしていて・・・そういう情報はないんですか」

「いや・・・特に」

「隠蔽体質ですものね・・・どこの学校でも厳重に注意をなんていってたりして」

笑いながら去る荻野はこれ見よがしに怪しい影となる。

みどりは弁当か一つ余っているのに気が付き、松島の元へ弁当を届ける。

一時的に無人となる職員室。

連続ドラマ「夜の花戦車、西へ」(第拾壱話)

涙依「暗視スコープ・・・そんなものが・・・」

甲斐「連合軍の底力だよ」

涙依「じゃ・・・夜戦による急襲は・・・私、行かなくちゃ」

甲斐「待ちたまえ・・・もうギアチェンジもできない車体でどうするつもりだ」

涙依「パンターはまだやれます」

甲斐「いや・・・パンターDはもう限界だよ」

涙依「しかし・・・パンターGは視界が悪くて」

甲斐「六号・・・いやティーガーⅠ型が君を待っている」

保護者控室のドラマ鑑賞中に驚くみどりだった。

受験会場では件の問題にクレームをつける受験生がいた。

杏子と村井は緊張するが水野は落ち着いて対処しことなきを得た。

職員室に戻ったみどりは見知らぬ男がいることに驚く。大洋ツーリストの徳原優介(倉貫匡弘)だった。彼は再発行された「INDIGO RESORTのGOLD VIPカード」を届けにきたらしい。

「優ちゃんって男の人だったんだ・・・杏子先生のカレシさんですかあ?」

「いや・・・ちがいます」

丸くなって良い味だしてるなあ。

お茶を勧められ遠慮しつつ応じる徳原だった。

みどりは恋人が紛失したカードを取り戻した。

四時間目が終了し、教室を出た杏子は校門を出る徳原を目撃する。

振りかえり意味ありげに校舎の方向を見つめる徳原だった。

すべては作戦なのだろう。

村井が答案用紙を本部に搬入し、杏子が問題用紙を受領する。

この時、杏子は一枚不足していると申し立て補充する。

それが事実だったかどうかは不明である。

ただし、チェックは行われなかった。

ついに最終科目である五時間目「英語」が開始された。

本部では的場校長(山本圭)が安堵のため息をつく。

78:名無しの権兵衛

終了直前事件は起きる

79:名無しの権兵衛

お楽しみはこれからだ

職員室では荻野とみどり。英語の試験問題チェックである。

「シェイクスピアですね」

「すごい・・・荻野先生・・・情報科の先生なのに一目でわかるんですか」

「パソコンが使えるので資格をとりましたが・・・元は英語の教師だったのです」

はい・・・英語教師の新しいターゲット入りました。

連続ドラマ「夜の花戦車、西へ」(最終話)

涙依「これが128ミリ砲・・・」

楓「ヤークトティガーは無敵の重戦車よ」

涙依「でも・・・戦車の機動性は死んだわ・・・これは単なる突撃砲」

楓「気をつけて・・・見慣れない車体は同志討ちの危険がある」

涙依「敵も味方も撃破して・・・最後に私たちが残ればそれが勝利じゃないの」

楓「あなた・・・変わったのね」

涙依「戦争は人を変えるもの・・・四号戦車に乗っていた頃の私は・・・死んだのよ」

満足した保護者たちのざわめきの中、芝田麻美の母親である昌子(生田智子)は携帯電話を操作する。

芝田麻美のポケットの中の携帯の着信音が鳴り響く。

ざわめく教室。

杏子は冷静に注意する。気をつけてカンニング行為とみなされますよ。

水野が告げる。「携帯電話を出しなさい」

拒絶する麻美。

「では、机の上をそのままにして退出しなさい」

「あの・・・試験は・・・」

「続けることはできません」

「・・・そんな」

麻美は過呼吸に陥った。騒然とする教室。

村井が妙に手際よくビニール袋を取り出し応急手当をする。

杏子は麻美を支え励ます。

「大丈夫・・・歩けるね」

「はい」とは言わずに無言で頷く凛ちゃん・・・いや麻美だった。

教室内では翔太がカンニングを敢行。良隆がそれを目撃する。

そして謎の受験生は微笑みを収め、気遣わしげな表情を示す。

村井の提案で杏子が麻美の保健室行きに付き添うことになる。

これはアクシデントなのではないか。

類似した行動を杏子が行う予定だったのではないかと推察する。

教室では水野が毅然とした態度で「時間の延長はないので試験を続けるように・・・」と告げる。

昌子は応援メッセージを送ったことを沢村に告げる。試験中の娘にか・・・?

松島がインターホンを受け、昌子に保健室行きを指示。

みどりがそれを阻止しようとするが松島が事情を説明。

そこへ便乗しようとする沢村をみどりが阻止。

一高同窓会の圧力をはねかえす菫ヶ丘女子校卒業生のみどりだった。

そこへ衣里奈が出現し、逃走中である。

目まぐるしい展開だ。

保健室では娘の身を案じる母親が教師たちとちぐはぐな会話を交わす。

そして・・・試験は終了した。

村井は答案用紙の不足に気がつくが机の中から麻美のものと思われる用紙を回収する。

ここはさすがに何かトリックが発生か・・・。

杏子の補充。

水野の確保。

村井の回収と・・・あたかも連携プレーのようだが・・・すり替えのチャンスは・・・杏子にはないように見えるのだが。

その場合は村井と麻美の共謀の可能性は残る。

しかし・・・麻美は英語が得意科目なので・・・あくまで携帯電話を鳴らすことに意味があるのか。

やはり、ミスリードかな。

昌子は応接室へと導かれる。

問題用紙の回収も終了する。

教頭「携帯電話が鳴るとは・・・厄介だな。受験生は過呼吸をおこし・・・同伴者の母親がいるとは・・・教室担当者は水野先生か・・・残念なことにならないといいがね」

村井「水野先生に落ち度はありません」

教頭「講師ごときの君が口をはさむことじゃない」

自己保身の権化のような教頭の言動に表情が変わる村井だった。

応接室では水野、荻野、校長が昌子に応対することになる。

相田は校内の見回りを自発的に実行し、本部には教頭が残った。

沢村父子は情報を交換したらしい。

「とにかく・・・うちの息子はシェークスピアがシェの字で消えたと泣いたんだ」とボケを展開する沢村にのる松島。ツッコミをいれるみどりである。この三人は無罪であってほしい気がする。

応接室では「本校におきましては試験中に携帯電話が鳴った場合試験妨害と見なして失格とさせていただく決まりになっています」という荻野の説明に昌子は気色ばむ。

そこへ「携帯電話が鳴ったのは試験妨害だ」と主張する沢村が乱入する。

昌子が同様の趣旨でいるものと誤解した沢村は「共闘」を申し込むのだった。

第二教室で教師たちが合流する。

「携帯なっちゃったんだって・・・」と村井に問う宮下。「まさか予告通りのことが起こるとは」

杏子は「予告って貼り紙の・・・宮下先生はあの子がわざと携帯を鳴らしたと思うのですか」と問いかける。

「誰だって思うよ・・・なあ、小西君」

「そうですね・・・最初が失敗したので第二案を実行した」

「坂本先生の携帯の紛失と関係があると?・・・でもそれは受験生には無理でしょう」

麻美を庇う杏子。やはり第二案を実行しようとしてアクシデント発生なのかな。

しかし・・・杏子はどう考えても単独犯・・・いや「優ちゃん」は協力ぐらいはするか。

「単独犯じゃないってことだ・・・在校生と受験生が共謀してだな」とボケる宮下。

はたして・・・村井は掃除道具入れで何を発見したのか。

そして・・・注意事項の異常にわざとらしく気付く小西の真意は・・・。

95:名無しの権兵衛

で、みどり先生のお相手は?

96:名無しの権兵衛

>>95 相田じゃねーの。

97:名無しの権兵衛

>>95 コニタンじゃね?

98:名無しの権兵衛

>>95  思い切って校長。ロッカーの中にあったのはゴールドカード?

99:名無しの権兵衛

トラブル発生

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2012年11月 1日 (木)

そこに行けばどんな夢も叶うと言うよ・・・だけどあなたは感謝知らず(松山ケンイチ)

ひとつの時代の終りは言いかえれば乱世である。

乱世には英雄や革命者も現れるが根強い抵抗勢力も現れる。

滅びの予感におびえ、人々は右往左往する。

天皇家は聖と俗の統一を目指す。

仏法者は信仰による支配を目指す。

武家は実力による軍事独裁を目指す。

この世の矛盾に遭遇し、もがきあがく人々はそれぞれの生活や家族、時には信念を懸けてサイを振る。

出た目によって喜怒哀楽しながら・・・それぞれの決着の日がやってくる。

海賊王・兎丸、源氏の棟梁・源義朝、天才・信西・・・共に夢を見た友は去り・・・最大の敵・後白河法皇に対する革命家・平清盛は孤独である。

その血にまみれた手に今日も呪われた汗がにじむ。

終焉は近い・・・その時、清盛は何を思うのか・・・。

そして、滅びの風が吹きすさぶ。

で、『平清盛・第42回』(NHK総合20121028PM8~)脚本・藤本有紀、演出・渡辺一貴を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は阿波忌部氏麻植為光の子、信西の乳兄弟、中納言・藤原家成にして俗名・藤原師光こと西光の断末魔イラスト大公開の圧巻でございます。複雑な人間関係の果てに後白河法皇の第一の近臣となった故の増長・・・その果ての断罪。西光もまた憐れな時代の犠牲者と申せますな。まあ、自業自得とも言えますが・・・。

Tairakiyomori40 安元3年(1177年)五月、朝廷は天台座主・明雲を伊豆国へ配流した。しかし、比叡山の大衆は源伊豆守の護送する明雲を近江国で奪還。延暦寺勢力は朝廷との完全対立の様相となる。仏法と王法の抗争に危機感を覚えた後白河法皇は平家一門に明雲の処刑を命じる。これに対して平清盛は兵力を増強するも明確な動きを見せないまま、事態は硬直化する。後白河法皇が平家と延暦寺派の慣れ合いを疑う中、白河院所縁の真言宗・法勝寺僧都で村上源氏出身の俊寛は鹿ケ谷山荘に後白河法皇を招き、平家打倒の密議を行ったとされる。密議に参加したのは後白河法皇の近臣である藤原成親、西光に加え、中原氏出身で清盛の弟・平頼盛の子の平保盛の郎党・平康頼、摂津源氏の多田行綱などであったという。後白河法皇は威信を賭けて源平の武者に平清盛暗殺を命じたのである。しかし、多田行綱は源満仲より八代を経た源氏の傍流であり、平康頼に至っては平家傍流の家臣である。その密議は戯れの域を出ていなかった。しかし、この企てを多田行綱は清盛に通報。後白河院の権勢を削ぐ好機と捉えた清盛は六月、密議に参加した西光を捕縛、拷問の末、自供を得ると斬首に処した。そして、関係者各位の一斉捕縛に踏み切ったのである。

守りの勾玉が砕け、危険を察知した西光は西へと向かった。乳兄弟であり、恩師でもある信西が東に向かって討たれたことが念頭にあったことは言うまでもない。西光は西の山を越え、丹波国から丹後へ、そして何処かで南下し、瀬戸の海を渡り、故郷である阿波国に逃れるつもりであった。行脚のために行者装束を身にまとい、身体には宋銭と玉を身につけている。西光の出自である阿波忌部氏麻植家は玉造部であった。日本列島特産物の翡翠を用いた勾玉は古代より大陸への輸出の目玉だった。

アマテラスの時代には呪術力も発達し、様々な効能を持つ珍品として高貴な人々に受け入れられたのである。しかし、それも今は昔の話。勾玉から呪術力は失われ、そこに神宿る信仰も廃れてしまった。しかし、鬼の棲む国と呼ばれた死国では古の玉が継承されている。西光は父より守りの勾玉と称する玉を受け取っていた。それが砕けた時に持ち主に死が近づいていると伝えられている。

平家への危うい陰謀が進む中、それが砕けるのを見た西光はなりふり構わず内裏を捨てたのである。

王室の姫たちの間の暗闘が鳴りをひそめた瞬間から・・・西光の仕える法皇は魔性の気配を漂わせるようになっている。時々、夜の灯りの中で法皇の鼻がするすると伸びて行くのを目撃したこともあった。

天狗・・・と西光は背筋が凍りついた。

一方で義兄弟の平重盛の父・平清盛は時々、顔が二つに割れることがあった。

王家と平家の確執はもはや魔性のものの争いであるかのように西光には感じられる。

そんなものにまきこまれてはかなわぬ。

西光にとって命あってのものだねだった。様々な縁によって後白河院第一の寵臣とまで言われるようになった身だが・・・元をただせば地方豪族の末裔である。きらびやかな都に未練はなかった。朝廷から見れば犬と呼ばれる平家にもどこの馬の骨かと案じられる生れなのである。

闇を走る西光の足取りは軽かった。

しかし、丹波の山中にたどり着いた頃から梅雨の雨が滴りはじめた。

道なき道を歩む西光にも疲労が目立ち始める。

しかし、里を避けての逃避行であり、近隣に身を休める場所はない。

その時、一本の大木に空洞があるのを西光は発見する。

闇に慣れた目はそこに先客があることがわかった。

それは涸れ果てたような老婆だった。

老婆が粗末な衣を纏い、蹲っている。

屍・・・と思った時、老婆が顔をあげた。

「行脚のお坊様でござりまするか」

その声は雨音の響く森の中に韻々と響き渡った。

「そうじゃ・・・」

「この婆は穢れた身の上近寄ってはなりませぬ」

「なんと・・・病か・・・」

「いいえ・・・飢えをしのぐために人を殺め、糊口をしのいだ畜生婆なのでござりまする」

「なんと・・・穢れを払うためにこの森に捨てられたか・・・」

「いかにもさようでござりまする」

「憐れな・・・」

「このような婆を憐れんでくださるか・・・」

「民を顧みぬまつりごとに罪があるのだ・・・」

「それでは・・・この婆の命たえし後は菩提を弔ってくださるか・・・」

「何を言う・・・まだいかなりとも生きていけようぞ」

「いいえ・・・この婆はもはや・・・虫の息でございます。脚も萎え、目も見えませぬ。どうか、息たえし後には念仏なりと唱えてくださりませ」

「婆・・・しっかりせよ」

思わず西光は骸のような老婆に手を差し伸べた。

その手をなにやら黒く毛深い手がとらえた。

「なんじゃ」

一瞬の驚愕があり次の瞬間、西光は背中を押され、老婆に抱きすくめられたような姿勢となる。

老婆の顔のあった場所には大きな牙を持った口が開いていた。

「うわっ」と叫びをあげる。

「だから近づくなと言ったではないか」

「お前はなんじゃ」

「この森に古くから住む土蜘蛛よ・・・年経て身体も弱り餌にも難儀していたところ・・・うまそうな坊主がやってきたのは幸いなこと」

「・・・」

断末魔の叫びをあげた西光に魔物の口が食い付いた。

西光は生きたまま土蜘蛛に貪り食われたのである。

逃走した西光を追った朱雀の犬追い衆は森の中で・・・半分肉の殺げた西光の頭蓋骨を発見し、回収する。

清盛の命でその髑髏はさらしくびとなった。

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