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2012年11月25日 (日)

悪夢ちゃん~サイコパス大戦~浮世がいやになる残酷な事実は子供に伝えないという考え方もげっ(北川景子)

サイコパスの定義はあいまいなものだし・・・そもそも、人間の精神状態を人間が定義することには無理がある。

誰かが「異常」と指摘したことを51%の人間が追認すれば「異常」が確立すると考えるようなものだ。

残りの49%は「本当にそうなのか」と疑問に感じつつ沈黙する必要があるわけである。

それでも・・・言葉が存在する以上、なんとなく分かってもらった上で話を進める必要があるだろう。

サイコパスは一般的に精神病質者と訳される。この解釈にも様々なものがあるが・・・精神病者ではなく・・・精神病的な資質を持っているものと考えるのが妥当だろう。

これに対しソシオパスということばがあり、一般的には社会病質者と訳される。

これらを統合して反社会性人格障害者という位置づけも存在する。

つまり・・・精神病とは断定できないが、社会にとって望ましくない人格を持つ者・・・それがサイコパスというものだということだ。

いかがであろうか。この危険なほどに曖昧な論理。これがサイコパスという言葉のいかがわしさなのである。

この記事では妄想的にサイコパスを次のように規定しておく。

サイコパスは自らが正当とする目的達成のためには不正な手段も辞さないと思考する人間である。

だから・・・犯人に自供させるために嘘を平気でつく杉下右京はサイコパスである・・・誰が「相棒」について語れとっ。

で、『・第7回』(日本テレビ20121124PM09~)原案・恩田陸、脚本・大森寿美男、演出・猪股隆一を見た。主人公の武戸井彩未(北川景子)は「私はサイコパスです」と宣言する。その意味は「安定した収入を得るために教師という職業についているのであって教え子である児童にはまったく愛情を抱いていないことを隠しているから」なのである。しかし、そんなことを言ったら多くの教師が「サイコパス」なのである。そうではないという人間がいればそれは単なる偽善者か、愚者なのである。

もちろん、その中間でなんとなく生きている人間も存在します。

しかし・・・実際には彩未は教え子である悪夢ちゃんこと古藤結衣子(木村真那月)に個人的な感情を抱いているのである。

しかし、結衣子に深くかかわることを避けざるを得ない個人的事情がある。

それは・・・真偽定かならぬ「殺人の記憶」である。

今の段階では彩未はそれを実際に実行していると信じているようだが・・・客観的に考えて成人女性を幼女がホームから線路上に突き落とすのは無理があるように思える。おそらくヒザカックンをしたのではないか・・・おいっ。

ともかく・・・平気で人の夢を盗む志岐貴(GACKT) は疑いようもなくサイコパスである。

しかし、彼は言うだろう。「夢についてどんな法律がありますか・・・たとえば夢の映像化に成功し夢の読み出し機『BAKU(獏)』を完成させたことは禁固何年罰金何円の罪になりますか・・・それによって他人の夢を映像化した夢札を公開することにはどんな刑罰が?・・・プライバシーの侵害?・・・夢の所有権をだれがどのように主張するわけですか?」と。

ついに・・・師であり、『BAKU(獏)』共同開発者でもある帝都工科大学人間科学研究所夢研究分室教授・古藤万之介(小日向文世)に背き、「夢の映像化の成功」を独占的に発表した志岐は同時に「予知夢」の存在を匂わし・・・そういうことに目がない愚かな金主を得たらしい。

志岐夢脳研究センターの所長に収まったのである。

すべては・・・結衣子の予知夢を獲得するために・・・自分との性行為までを行ったのだと悟った彩未は志岐を糾弾する。

「自分の野心のために私と恋人関係になったの・・・」

「そう考えてもらってもいい・・・関係を続けたいのなら予知夢を獲得するために私に協力してもらいたい」

「どれだけ自分の性的魅力に自信を持っているのよ・・・」

「嫌なら・・・予知夢能力者が誰かを世間に公表する・・・そう古藤先生にも伝えてほしい」

幼い結衣子が世間の目に晒されることは・・・彩未にとっても好ましくはない。

しかし、そのことに責任を負う立場にあると思いきれない彩未だった。

もちろん、志岐も悪人ではないのである。ただ、自分の欲望に忠実なだけなのである。

まあ、そういう人を世間では悪というかもしれませんが、悪魔は特にそうは思わないのですな。

古藤博士と結衣子に志岐の要求を伝える彩未。

「あの男が何と言おうと・・・結衣子は私と彩未先生が守る」と勝手に宣言する古藤博士だったが、無意識に潜む殺人者としての過去を悟らせては困ると考えた彩未は結衣子の救いの視線を振りほどくのだった。

「私には関係のないことです」

明恵小学校5年2組の教室では・・・予知夢について児童たちが検証を行っていた。これまでの経過から当然、彩未がその候補となるのだった。

「最近、夢の話が盛り上がっているみたいだけど・・・私とあの男はもう無関係なので面倒な質問はうざいのでしないでください」

「先生、予知夢を見たのは誰ですか?」クラスでもっとも空気を読めない男子児童榎本歩夢(清水優哉)が質問するのだった。

「私じゃありません」

「じゃ、誰なんですか」

「もしも・・・その人が誰だかわかったらあなたは会いたいですか」

「人間は秘密があるから生きていけるので・・・なにもかもオープンにはできません・・・私はそんな人には会いたくないな」

「私も同感です・・・つまり、そんな人間は存在しないということです」

彩未はクラスメートの目から結衣子の存在を隠すのが目的だった。

しかし、結衣子の幼い心には・・・「結衣子には逢いたくない」「結衣子はいないのも同然だ」と言ったも同然なのである。うかつにも彩未はそのことに気がつかない。

放課後、彩未の真意を質そうとした結衣子だったが、職員室に彩未は不在だった。

用もないのに校長先生(キムラ緑子)が「あなたのおじい様は志岐という彩未先生の恋人と知り合いなの・・・私、心配なのよ・・・彩未先生はああ見えて強い人ではないから」と心ない発言を連発するのだった。

慕っている彩未に迷惑をかけているという思いにかられる結衣子。

そこへ・・・好奇心を満たすためには児童に催眠導入剤を処方することも辞さないサイコパスであるである養護教諭の琴葉(優香)が接近する。甘言を弄して結衣子から予知夢を盗もうとする琴葉だったが・・・直感に優れた結衣子には琴葉の邪悪な意図がついに透けて見えたのである。

「もう・・・誰も信じられないし・・・誰にも助けてもらえない」

絶望した結衣子を・・・志岐の助手でサイコパス以前の無軌道な若者である山里(和田正人)は呼吸困難によって失神させ誘拐するのだった。・・・いや、もう完全な犯罪者ですから。

獲物を逃して失意の琴葉をロッカーに隠れていた彩未が襲う。

「あなたの仕業だったのね・・・」

「ごめんなさい」

「未成年者に薬物を勝手に処方するなんて・・・」

「悪気はなかったんです」

「御免ですんだら警察いらないのよ」

「それだけはご勘弁を・・・」

ついに結衣子を手中にした志岐は言葉巧みに結衣子を誘導する。

「君の祖父は君を閉じ込めておきたいだけなんだ・・・君はそれでいいのかい・・・」

「彩未先生は・・・私のために苦しんでいるの?」

「そうさ・・・君の悪夢が手に負えなくて私に相談したんだよ・・・これからは私が君の悪夢を世の中のために役立てる・・・ここが君の居場所なんだ」

そして・・・志岐は記憶喪失の強盗殺人犯の無意識を結衣子に読み取らせ・・・結衣子の見た悪夢によって共犯者の割り出しに成功するのだった。

異常な手段で事件を解決し満足する春山刑事(田中哲司)もある意味、サイコパスなのである。

「君の力が事件を解決したんだ」

「・・・」

そこへ、古藤博士と彩未が結衣子奪還に現れる。

「帰ろう・・・」

「私は・・・ここにいる」

ついに悪魔の城に心身ともにとらわれた悪夢ちゃんだった。

「どうするつもりなんだ」と自分の保護者としての立場を顧みず、彩未に縋る古藤博士。

結衣子の悪夢に対処するためとは言え・・・自分が諸悪の根源だとは夢にも思わない学者バカなのである。

「私にはどうすることもできない・・・私はサイコパスだから」

「意味がわからん」と絶句する古藤だった。

ここで、突然浮上する単なる凡人であるベテラン教師・貝原(濱田マリ)である。

彼女は反復夢について志岐に相談を持ちかける。

貝原の夢札

一部愛好家以外は見たくもない花嫁衣装で吊り橋に立つ貝原。「あしたまにあーな」と叫ぶが花婿の姿はまぶしくてみえない。

結衣子に対する保護責任放棄の呵責から・・・結衣子に声をかける彩未。

「私は大丈夫です・・・先生は元気出して・・・」

「私はあなたに元気を奪われたりししないわ・・・」

「私は・・・この世にいない子だから・・・大丈夫・・・一人でなんとかやっていきます」

「・・・」

貝原の無意識にアクセスした悪夢ちゃんの予知夢

花婿は死人で・・・かっての教え子だった。吸血鬼として蘇生した教え子は貝原を吸血し貝原は悪魔の花嫁として身を捧げる。

そこで・・・かって自分を慕ってくれた男子児童に「先生と結婚したい」と言われたことを思い出す貝原は短絡的にそうとは知らずに悪夢ちゃんに感謝の言葉を捧げる。

しかし、一瞬で教え子の将来を察した彩未は・・・教え子と連絡を取ろうとする貝原をいさめる。

だが、偽善者で愚か者で凡人である貝原は警告を無視するのだった。

そして・・・死の床に横たわる教え子と邂逅してしまうのだった。

なす術がないと知った時に・・・貝原はそうとは知らずに悪夢ちゃんに呪詛の言葉を投げつける。

「知らないでいればこんなに苦しむことはなかった・・・こんな夢を見る人は私にとって人殺しと一緒だ」

知らないということは本当に恐ろしいことなのである。

「どうして・・・あの子は私の血を求めたのかしら」

「麦山先生(岡田圭右)がしゃぶしゃぶで児童に食べられちゃうのと同じですよ・・・先生は教育者として献身し・・・その成果が教え子の心に永遠に残ることを望んだのです。仏教的法話世界の暗示です」

「あなたも・・・残酷ね・・・それでは私は教育者としてすごく強欲みたいじゃない」

「自己犠牲もまた・・・欲のなせるわざですから・・・」

「・・・」

二人はこの世の救いのなさをかみしめるのだった。

そして・・・幼い悪夢ちゃんの心はもはや・・・崩壊寸前である。

社会的なサイコパスは愚かな人間が形成する社会を認識した時に生じやすい。

合理化という精神作用が働くからだ。

愚かな人間の作ったルールに従うことは愚かであるということである。

このままでは結衣子は由緒正しいサイコパスになるか・・・精神的に荒み、廃人になるかしかないのである。

もっとも・・・その役にふさわしくない山里が虚しく結衣子を慰める。

「気にするな・・・君のせいじゃない・・・死に目に会えたことを感謝するよりも・・・自分の苦渋をぶつけることしかできない馬鹿な大人で・・・社会は成り立っているんだよ」

「・・・」

もちろん・・・悪夢ちゃんを救済できるのは彩未だけなのである。

しかし・・・殺人者としての記憶におびえる彩未はそれどころではないのだった。

出口なしの状況を打開するべく逃走を図る彩未は辞表を提出する。

「私の強欲で立ってはならない教壇に私はたっていたのです」

そんなことを急に言われても茫然とするしかない・・・俗人たる校長なのである。

なぜ・・・神は結衣子にとんでもない能力を与えたのか・・・その謎を彩未は解くことができるのか。

もちろん、彩未の言うように未来改変は歴史改変と違うわけではない。

未来も過去も時間に過ぎない。時間を捻じ曲げるのは空間を捻じ曲げるのと同じなのである。

世界崩壊の序曲は陰鬱に鳴り響く。

関連するキッドのブログ→第6話「チャイ夢」のレビュー

シナリオに沿ったレビューをお望みの方はコチラへ→くう様の悪夢ちゃん

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