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2012年11月 9日 (金)

何か含むところのある私の冷たい表情・・・採点中ふにゃふにゃ(長澤まさみ)

ミステリとは神秘である。

神の秘密だから常人には窺い知ることができないものだ。

その真髄とも言えるドラマになってきたな・・・。

なにしろ・・・何が起こっているかさえもがわからないまま・・・第5回なのである。

ついてこれない人多数なのではないか。

しかし、さすがに第5回なので・・・ヒントはかなり積まれてきた。

①主人公の春山杏子(長澤まさみ)には謎の男についての回想シーンがある。その男はどうやら何かに悩み追い詰めていたらしい。旅行代理店から教師に転職した帰国子女という杏子が何かを含んでいることは確実なのだろう。キッドにとってこのドラマの魅力は思うところがあるらしい杏子の一挙一動を疑惑の眼差しで見つめることに尽きる。その他の登場人物の言動に注ぐ冷たいまなざし、反応して幽かに歪む口元、声のトーンの微妙な変化。すべてが怪しいのである。見逃せないのである。まさに杏子先生の監視者気分なのである。もう、充分堪能できたので・・・このまま、杏子先生が単なる傍観者であったという結末でも満足できる。由緒正しく美しい人を疑いの目で見るのは楽しいことなのだなあ。

②もっともあやしくない人物であるみどり(南沢奈央)が黒幕だったらどうしようと言う恐怖。みどりは物凄く自己中心的な性格である。週末のデートのためのホテルの手配を同僚に頼んだり、同僚の携帯を勝手に覗こうとしたり、教え子と不適切な関係にある同僚をリゾートホテルに誘ったり、無理なお願いの上に無理なお願いを重ねたり、教員一同が入試に集中している最中にのんびり検索したりしている。しかし、教頭にレアなとんかつ弁当を配ったり、答案用紙の置かれた部屋で一人になったり、偶然、掲示板を発見したり・・・なにかとアレな人物なのだ。なにしろ・・・ヒロインだと思っていたら男の子だった過去のある人物なので油断できない。

③実際に事件を起こしているのは「僕と彼女と彼女の生きる道」の小柳凛を演じた美山加恋(15)の演じる受験生・芝田麻美である。あくまでアクシデントであるようにも受け取れるようになっている携帯電話の秘匿、携帯電話の試験中の着信、試験妨害の発生なのであるが・・・「注意事項の貼り紙」のすり替えが意図的なものであれば・・・合格させれば不合格者たちが納得せず、不合格にすれば母親の芝田昌子(生田智子)が納得しないというジレンマを管理者たちに与える絶妙の展開は完成したことになる。

④在校生である2年B組の石川衣里奈(山崎紘菜)はほぼ、唯一登場している現役の一高生である。教師と不適切な関係である上に、過去の入試で携帯を鳴らし、一高OBで人格的にかなり鬱陶しいスリット坂本(高橋ひとみ)とも英語のスピーチコンテストで確執がある上に、入試当日に校内に潜入し、インディゴ・リゾートのゴールド・カードを盗んだりしているのである。しかし・・・新人女優に真犯人の荷は重い気がするので・・・最大のミスリード要員であるようにも見える。

このように登場人物、それぞれの疑わしさは高まっているわけである・・・女優陣だけじゃないかっ。

基本、性的にノーマルなので・・・そういう問題じゃないだろっ。

まあ・・・とにかく・・・年末まで・・・「高校入試」をエンジョイして・・・年の瀬にじっくりと全編リピートを楽しむ・・・これはもうスケジュール的に間違いない。

誰がお前の年末年始スケジュールの話をしろと・・・。

「ゴーイングマイホーム」もリピートするけどねえ。正月になるかもしれないけど・・・。

もう、いいわ。

で、『高校入試・第5回』(フジテレビ20121103PM1130~)脚本・湊かなえ、演出・北川学・星護を見た。ちなみに星護は「僕の生きる道」「僕の歩く道」の演出家である。抑制された情感というものを描くのが上手いのだな。二回に一回、杏子の回想が入り、今回は回想のない回なのだが、回想がなくても杏子の一挙一動がなにやら意味ありげに見えてくるのである。特にその他の登場人物のセリフに対する杏子の眼差しの変化が・・・実に思わせぶりなのだ。これはたまらんっ。

1:名無しの権兵衛

終了直前、何かが起きる

掲示板の予告通り、五時間目「英語」の終了間際、芝田麻美のポケットの中の携帯電話の着信音が鳴り響く。

君の夢を見た・・・

・・・今、君に届けたい・・・

失格と告げられた麻美は過呼吸に陥り・・・教室は騒然となった。

そして・・・「高校入試」は終了した。

部室にて密会する体育教師・相田(中尾明慶)と衣里奈。

「え・・・見られたって・・・誰にさ~」

「・・・みどり先生」

「なんだって~」

「でも、すぐに逃げたから私だって気付かなかったかも・・・」

「そうか、みどり先生は視力が良くないからな」

「そうなの?」

「コンタクトの度が最近、合ってないらしい」

「よく、知っているのね」

「いや、職員ならみんな知ってる話なのさ~」

「・・・」

「それより、受験生にまじって帰りなさい」

「インディゴリゾート・・・誰と行くの?」

「・・・え」

「これ、部屋で見つけたのよ」

「お前が持ってたのか~」

「誰と行くの」

「み、水野先生と修学旅行の下見だよ」

「ふ~ん・・・そうなんだ・・・じゃあね」

一人になった衣里奈はつぶやく。

「ウソツキ・・・絶対許さないんだから」

何を許さないのか。二人の週末交際をか。二股かけてる相田をか。それとも恋のライバルみどり先生をか・・・予断を許しません。

とにかく・・・相田とみどりのカップルは「高校入試をぶっつぶす犯人」から一番遠いと思われる。

応接室では的場校長(山本圭)、入試部長の荻野(斉木しげる)、第二会場の責任者・水野(阪田マサノブ)が、芝田母娘と、闖入者の同窓会会長・沢村幸造(入江雅人)に応対する。

「芝田さんのお嬢さんの・・・携帯が鳴ったの」

試験妨害のクレームをつけに来た沢村は態度を豹変させ・・・芝田母娘に同情するポジションにチェンジである。

「私がうっかりメールを送ってしまって・・・でもそれだけで失格だなんて言うんですよ」

「・・・それはまた厳しい処分だ」

「学校は毎年のことでしょうけど・・・こちらは一生に一回の高校入試なんです・・・その親の苦労なんてまるで分かっていないんですよ・・・それに食堂には「携帯電話使用可」って貼り紙がありました。まるで唆すみたいに」

「いや、しかし、お母さんがメールを送られても娘さんが指示に従って携帯電話を提出していれば起こらなかった問題です」と反論する荻野。

「口頭でも説明しましたし、黒板に掲示した注意事項も読むように促しました」と水野。

しかし・・・麻美は反駁する。

「その先生はもごもごしゃべるので・・・よく聞き取れませんでした。黒板に貼ってあった紙はちゃんと読みましたけど・・・失格なんてどこにも書いてありませんでした」

水野は気がつく。「去年の注意事項」が「携帯電話の電源を切る」だけだったことを。

試験本部では上条教頭(清水一彰)が腹痛を感じていた。

そこへタイミングよくやってくるみどり。

上条は答案用紙が置かれる本部の留守番をみどりに依頼する。

トイレへ向かう上条。部屋に一人残るみどり。

その視線の先には・・・。

第二会場では教師たちが後片付けをしている。

杏子の指導担当でもある英語教師の小西(徳山秀典)が「注意事項」の貼り紙の不備に気がつく。

「これ・・・去年の用紙じゃないか」

「そうですけど・・・え、使いまわししてるんじゃないんですか」と契約更新の危ぶまれている数学担当講師・村井(篠田光亮)が応じる。

「第一会場では今年用の新しいものだった」

「何か・・・問題でも」

「大ありだよ」と一高OB教師の一人で美術担当の宮下(小松利昌)は事態を察する。

男性教師たちのやりとりを無言で見つめる杏子だった。

そこへ・・・応接室組が「証拠」の確認にやってくる。

「ほら」と麻美は不備のある貼り紙を指し示すのだった。

「携帯電話を持ちこんだら失格なんてどこにも書いてないわ」と麻美の母親の昌子が鬼の首を獲った口調である。

蒼ざめる教師たち。

「結論は早めに出した方が身のためですな・・・なにしろ、こちらは県会議員の奥さまとお嬢さまなので・・・」と無用の差し出口をする沢村だった。

「校長・・・これから採点をしなければならないので今日のところは一度ひきとっていただき、採点後に会議を開いてその結果をご報告させていただくことにしたらどうでしょう」と結論を先延ばしにするためにアドバイスする荻野。

しかし、ここは攻めどころとばかりに昌子は「いいえ、今、ここで結論を出してもらわないと・・・大体、なぜ、こちらが処分を受けるみたいな言い方をされなきゃならないのよ。被害者は私たちの方でしょ」と譲らないのだった。

「そうですな」と無責任に煽る沢村だった。

「失格だなんて言われたからウチの娘は過呼吸を起こして試験を途中退場しなければならなかったのよ・・・受験を妨害されたのは娘の方でしょう。もし、これで失格だなんておっしゃるのなら正式に訴えさせていただきます」

「訴える」という一言に敏感な的場校長は直ちに結論を出すのだった。「芝田さんの失格は取り消します」

「当然ですよ・・・それに落ち度は学校側にあったわけだから・・・英語の点は加点していただかないと・・・」容赦ない昌子だった。

「え・・・」

「ママ、もういいよ・・・英語はちゃんとできていると思うから」と余裕を示す麻美だった。

「そう・・・とにかく、合否に関係なく答案用紙の開示は請求させていただきます」と念を押す昌子である。

合意せざるを得ない的場校長だった。

満足して帰る芝田母娘を送りに出る校長だった。

残された教師たちに「心配しないで・・・私の責任です」と告げる荻野だった。

その表情を見守る杏子。

管理者たちが去ると小西は「入試をぶっつぶすってこういうことだったのか」とつぶやく。

「まさか」と応じて視線をそらし様々に揺らぐ複雑な表情を浮かべる杏子。

17:名無しの権兵衛

携帯なっちゃった

18:名無しの権兵衛

可哀相・・・失格になるのね

19:名無しの権兵衛

いや・・・ならない・・・コネで

20:名無しの権兵衛

そんなのありかよ

21:名無しの権兵衛

訴えてやる\(*`∧´)/

「あ、もう書きこまれてる・・・知~らないっと」と掲示版をチェックするみどりだった。

職員室ではみどりの参加する国語チームや理科チームが採点会場に移動を開始。

一人残された坂本はあわてる。

「なんでよ・・・英語チーム、どこいってるのよ」

英語チームの主なメンバーは受験会場にいた。

出口に向かう芝田母娘と校長を見つめている杏子。

「お帰りだ・・・こっちはそろそろ採点だな」と宮下。

そこで、村井が掃除用具入れで発見したものを取り出す。

携帯電話だった。

すかさず・・・「それ、私の・・・」と言い出す杏子。

「え・・・春山先生のだったんですか・・・」

「中・・・見ていないでしょうね」とわざとらしく念を押す杏子。

「どうして・・・村井先生が杏子先生の携帯を・・・」と疑う小西。

「偶然、見つけたんです・・・ビニール袋を捜そうとして」と村井。

「もしかしたら・・・杏子先生の携帯を鳴らすつもりだったんじゃないのか」と突然推理する宮下。

「なるほど、しかし・・・偶然、あの子の携帯電話が鳴ったので計画変更ですか」と同意する小西。

「もしも・・・杏子ちゃんの携帯が鳴ってたら厄介なことになっていたな」と宮下。

「春山先生、ラッキーでしたね」と村井。

「・・・そうなのかな」と謎めいた受け答えをする杏子だった。

本部に怒鳴りこんだ坂本は単独で採点を開始することを教頭に同意させ、英語の採点会場に向かう。

トイレでばったり顔を合わせる坂本とイケメン受験生・良隆(高杉真宙)の父である松島崇史(羽場裕一)。

「これから採点ですか・・・僕は参加できませんがよろしくお願いします」

「心配ご無用よ」

松島の視線の先には無防備な答案用紙が置かれている。

そして意味ありげな笑みを浮かべる松島だった。

まあ・・・坂本相手だとみんな苦笑が基本なので紛らわしいのだな。

ここで相田と坂本が合流する。

坂本から答案用紙を受け取る相田。

そして、坂本は単独で校内放送で英語チームを召集するのだった。

英語の答案用紙は・・・回収した村井、本部に持ち帰った水野、本部で留守番のみどり、坂本、松島、相田と全員が一人で何かできる機会があったのである。・・・どうも渋いね。

さらに・・・試験開始前の謎めいた杏子による一枚補充。

もう・・・なにがなにやらなのである。

採点会場に先着した坂本と相田は答案を床に落とし、番号不揃いが発生する。

これは故意なのか・・・単なるアクシデントなのか・・・疑い出すとキリがないのだ。

「採点にこんなに辞書が必要なんですか」

「単語の意味の問題で・・・たまに辞書の六番目くらいのマイナーな意味を書く子がいるのよ・・・そんなことで採点ミスだなんて揚げ足とられるんだから」

漸く、杏子、宮下、小西が到着する。

「携帯問題はどうなりました」と相田が聞く。

「不起訴だよ」と宮下。

「そんなに簡単に結論出して大丈夫なのかな・・・訴えられたりして・・・」と心配する相田。

「むきーっ、やめてよ、もう、どうして・・・よりによって英語でこんな問題が・・・」

地団太を踏む坂本の姿を冷笑する杏子だった。

冷笑したぞ。杏子のターゲットは坂本なのか。

坂本の携帯隠し→発覚

自分の携帯→自爆予定

問題化→「それなら坂本先生も盗まれたのだから・・・」

という計画・・・いや、ミッションのスケールが小さすぎるな。

やはり、同時多発テロなのか。

村井がゲイで小西と杏子の間を裂こうとしている自作自演では・・・。

それはないな。

ないない。

ないね。

宮下がコーヒーを奢ると言いだし、杏子と小西が食堂に向かう。

つまり、坂本、宮下、相田が採点会場に残ったのだな。

父兄控室だった食堂では松島が後片付けをしていた。

「携帯電話可」の貼り紙がみどりの手によるものであることが明らかになる。

掲示版を発見したのもみどりだが、掲示版には「ゴールドカードってなに?」のカキコがあり、そのカキコは衣里奈であることが予想される。実況者は複数いるかもしれないが、教師の行動については次のメールのやりとりが漏洩経路の一つをしめしている。

衣里奈≪今、なにしてるの≫

相田≪これから採点≫

コーヒー買いだしの帰り道で杏子と小西はバレーボール部の部室に灯りがついていることに気がつく。

「相田先生が消し忘れたんですかね」と杏子。

職員室では、校長と教頭そして荻野が履歴から掲示版を呼び出す。

教頭「・・・訴える・・・」

荻野「困ったことになりましたね」

教頭「あの娘を合格させたら他の受験生に訴えられ、不合格ならあの娘の親に訴えられ・・・訴えられまくりですな」

校長「しかし・・・あの娘の親は確実に訴えるだろう・・・ネット上のおまいらは騒ぐだけじゃないの」

荻野「しかし・・・ネットで騒がれると場合によって裁判以上のダメージが・・・あることないこと書かれたりして」

校長「とほほ」

英語採点会場。

「飲むのならあっちで・・・開示請求された時にコーヒーの沁みなんてついてたら誠意を疑われるでしょう」と坂本。

「相田先生、部室の電気ついてたよ」と小西に言われ、コーヒーを盛大に噴き出す相田だった。

各クラスごとに仕分けられた答案。五人の教師が五つのクラスを問題ごとにそれぞれ採点していく。

「記号問題は2番を体育の相田先生に、4番を美術の宮下先生に・・・そして1番を私、3番を小西先生、5番を春山先生に・・・」と仕切る坂本先生。

宮下が最初に第二会場の答案を採点し・・・問題が続出する。

①受験番号通りではない

②模範解答小文字なのに大文字で解答の答案がある。→模範解答の裏の注意事項を参照。

③告発文が書かれている。

「ケータイ騒ぎの時に55番が61番をカンニングした」

二人の位置関係から「Shakespearet(ウィリアム・シェイクスピア)」が書けずに四大悲劇は「ハムレット」「マクベス」「オセロ」「リア王」は書けている 55番(沢村の息子の翔太)の疑わしさが浮上する。

告発者である59番は杏子の証言で松島の息子と判明する。

→坂本の提案で問題は先送りとなる。

④答案用紙が一枚不足している。

「46番がない」と宮下。

「携帯が鳴った娘のじゃないのか」と小西。

「あの娘は77番でした」と杏子。

ここで・・・相田が落した時に白紙の答案があったことを思い出す。

「じゃ・・・それが46番ね」と坂本。

「でも・・・これ、完全に白紙ですよ・・・」と相田。

「問題見てあきらめたってことは・・・」と宮下。

「そんな子は・・・うちにはいらないわ・・・じゃあこの白紙が46番ということで・・・0点でいいわね」

→46番・・・謎の受験生・淳一(柾木玲弥)だな・・・。

96:名無しのスリット

模範解答に徹底的に従う。これが 一番 平等なの

96:名無しのヒロイン

平等? ああ それなら納得です

98:名無しのキッド

杏子先生のパンツルックの尻から・・・じゃなかったシリアスな演技から目が離せない

99:名無しの権兵衛

賽は投げられた

関連するキッドのブログ→第4話のレビュー

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