荒巻鮭1尾980円(歳末特価)、誰もいなくなってさっぱりした感じPRICELESS(木村拓哉)
人間は感情的な動物である。
かって・・・大陸は列強の草刈場であった。
刈られまくった大陸の怨みは深い。
しかし、それをすべての列強にぶつけることはできない。
そのために・・・もっとも立場の弱い国を攻めるのである。
「お前のものは根こそぎ本来、俺のものだ」という論理である。
「だから返してもらうぞ」
「いくらなんでも理不尽な・・・」
「我々はあくまで中立なのでお互いによく話し合って・・・」
「問答無用」
「土下座しますから許してください」
「愛国無罪、領海侵犯、一党独裁、領空侵犯」
「あー、それはやりすぎね」
「ちっ」
「民主化暴動」
「・・・」
「・・・よかった」
このドラマの語る物語こそ・・・我々の心から願うところなのである。
まあ・・・世界はそれほど甘くはないですが。
で、『PRICELE$S?あるわけねぇだろ、んなもん!?・第9回』(フジテレビ20121217PM9~)脚本・古家和尚、演出・平野眞を見た。さて、月9モードのサービスは終了していよいよ、兄弟対決の本番である。もちろん、兄弟対決といえば「カインとアベル」である。公式の設定で言うと統一郎(40)で金田一(38)なのであるが・・・長男誕生している間もないというのに・・・別の女を愛しちゃった大屋敷巌(中村敦夫)・・・すべての「まちがい」はここにあるわけであるが・・・死者を鞭打つことはできないのだな。
カインは弟のアベルが神の祝福を受けたことに怒りの気持ちを覚えた。
カインは弟に告げる。
「荒野に行こう」
そして、荒野でカインは弟を殺害する。
「旧約聖書」における兄弟間の両親(神)に対する愛をめぐる葛藤はカインコンプレックスを生じさせた。もちろん、嫉妬に身を焦がす人間はあらゆるものに嫉妬するのである。兄が弟に嫉妬しても問題はないのである。
しかし・・・何事も度を越してはいけないのである。
嫉妬の炎は多くの場合、わが身を焼き尽くします。
最終回がクリスマス・イブである以上・・・そうした修羅場は救いの御子によって必ずや修復されることでしょうが。
結局・・・ハピネス魔法瓶は広瀬ファンド社長の広瀬遼一(草刈正雄)から融資を受けられたらしい。設備投資によって経営危機は回避され・・・ビジネスとして軌道に乗ったのである。
金田一社長(木村拓哉)、役員の二階堂(香里奈)、平の(中井貴一)はビジネス・スーツを新調し、オフィスビルの一室に大会議室を構え、幸福荘の朝食には鮭だの卵焼きだのがつくようになったのだった。
自称アイドルの富沢萌(小嶋陽菜) もご相伴にあずかるのだった。
しかし・・・異母弟である金田一を心の底から憎悪するMiracle Electronics社長・大屋敷統一郎(藤木直人)はこの時を待っていたのだった。
当然のことだが・・・ハピネス魔法瓶はミラクル魔法瓶の開発した技術を勝手に転用しているわけである。
「捨ててあったから拾っただけ・・・」というのは特許の分野では通用しないのである。
「究極の魔法瓶」の技術はMiracle Electronicsが特許を取得し、保有しているのだった。その特許権をハピネス魔法瓶は明らかに侵害しているのである。
佃法律事務所所長でMiracle Electronicsの顧問弁護士を勤める佃基夫(近江谷太朗)は金田一に口頭で「つまり、あなた方にあの魔法瓶を取り扱う権利はありません。よって、Miracle Electronics社は御社を特許権侵害で提訴するとともに、『究極の魔法瓶』の販売差し止めの仮処分を求めることに決定いたしました」と伝えるのだった。
「何・・・決定してくれちゃってんの・・・」と金田一は唖然とするのだった。
鮭の切り身の大小にこだわっている場合ではなくなったのである。
「基礎技術は応用したが・・・完成したのは我々じゃないか」とミラクル製作所の辻所長(志賀廣太郎)は憤慨するのだったが、おそらく、ネットで意見を聞いてみた二階堂は「法律的には私たちが物凄く不利みたいですよ・・・なにしろ・・・向こうは専門の弁護士そろえてきて勝ち目はないって・・・みんな答えてくれました」と悲観的である。
しかし・・・そんな常識が通用する金田一ではない。
「大丈夫でしょう・・・負けません」なのである。
だが・・・大丈夫ではなかったのである。勝てないのである。
ハピネス魔法瓶は事実上の営業停止に追い込まれてしまうのだった。
金田一社長の息の音を止めようとする大屋敷社長はさらにかってのミラクル魔法瓶の下請けだったハピネス魔法瓶関連企業の切り崩しを開始するのだった。
担当は榎本小太郎(藤ヶ谷太輔)である。
しかし・・・大屋敷の強引な経営合理化で切り捨てられた人々はそう簡単にはなびかないのである。
「帰ってくれ・・・あんたんところに戻る気はない」
「・・・」
罵声を浴びせられめげる小太郎は社内つぶやきシステムにぼやくのだった。
(榎本)・・・おこられちゃった
(蟹江)・・・堪忍。堪忍。
(黒田)・・・がんばれ( ・∀・)つ旦~~
その頃、元恋人のピンチに広瀬遙子(蓮佛美沙子)は父親の元へ様子を伺いに来る。
「ハピネス魔法瓶・・・大丈夫なの・・・?」
しかし、広瀬社長は思うところがあるのだった。
故・大屋敷社長と親交のあった広瀬社長は・・・正妻の子である大屋敷社長と、愛人の子である金田一社長が異母兄弟であることを推察していたのだった。
そのために・・・和解の道を探り、二人の社長を呼び出すのだった。
「ここは・・・どうかね・・・お互いの利益を最優先して・・・Miracle Electronicsは訴えを取り下げる・・・ハピネス魔法瓶は売り上げの8%を特許料として支払うっていうことでどうだろうか・・・両者に出資している私の顔を立ててもらえないだろうか」
「残念ながら・・・この件に妥協の余地はないのです・・・経営者として決断したことですから」
「・・・」
「あまりに・・・むちゃくちゃでしょう・・・」と金田一。
「むちゃくちゃなのは君の方だ・・・後は裁判で決着をつけよう」と大屋敷。
「・・・」と広瀬社長は大屋敷の態度に明らかなカインコンプレックスの兆候をとらえるのだった。
こうして・・・善意の第三者として広瀬社長がお膳立てした交渉は決裂した。
金田一は・・・大屋敷がなぜ、そこまで自分を憎むのかは知らないものの明らかな敵意を感じて・・・受けて立つ決意を固めるのだった。
しかし・・・状況は厳しいのである。
訴訟沙汰の噂により、ハピネス傘下の関連企業はその他の請負仕事もままならなくなっていた。
あくまで徹底抗戦の決意をした金田一とそれに賛意を示す二階堂・・・しかし、二人より状況を把握したモアイは反対意見を述べる。
「ここは・・・一時退却するべきだ・・・」
「どうしてですか・・・我々には非がないじゃないですか・・・」
「だが・・・国民を飢え死にさせることはできないじゃないか・・・」
「欲しがりません・・・勝つまでは・・・じゃダメなんですか」
「みんな・・・超・腹ペコなんだよ・・・」
過労のために倒れるモアイだった。風評被害で仕事のなくなった関連企業を支援するために関係各所への説明に尽力したあげくのことである。
事情を知った金田一はたちまち、発想を転換するのだった。
大屋敷社長に面会を申し出るのである。
「ハピネス魔法瓶は魔法瓶事業から完全撤退します・・・その代わり・・・Miracle Electronicsで『究極の魔法瓶』の製造販売を継続してください」
「すべての成功をただで我々に渡すというのか」
「はい・・・大切なのは・・・みんなが『究極の魔法瓶』を作り続けることができる・・・そういう状況ですから・・・」
「しかし・・・君はそれですべてを失うんだぞ」
「平気です・・・ふりだしに戻るだけですし・・・どうか、それで勘弁してください」
土下座して謝罪理由のない謝罪をする金田一である。
「わかった・・・考えてみよう」
大屋敷の温情なき温情に感謝する金田一だった。
「ありがとうございます」
帰りがけに榎本と出会った金田一は後事を託すのだった。
関連企業の社長たちは「いまさらそんなことはできない」と金田一の説明に反抗する。
「俺たちは・・・あんたと一緒に働きたいんだ」
「・・・」
そこへ、モアイがかけつける。
「この男が一番そうしたいんです・・・皆さん、そこをわかってやってください」
社長たちはうなだれるのだった。
また・・・振り出しに戻った三人であった。
「しかし・・・あの大屋敷って人・・・どんな人なんだろう」と素朴な疑問を口にする金田一。
「自分勝手で強引で・・・他人に迷惑をかけても平気なところはあなたにそっくり・・・でもあの人は寂しい人だと思う・・・」と二階堂。
「へえ・・・俺に似てるのか・・・」と不思議に思う金田一だった。
兄弟だからさ・・・と応ずるお茶の間なのである。
しかし・・・カインコンプレックスによって人格を支配された大屋敷の暴走はとまらないのだった。
あくまで魔法瓶事業は再開せず、人材は再配置して飼い殺し扱いにするのだった。
「そんな・・・約束がちがいます」と異議を唱える榎本。
「決定するのは私だ。君達の代わりはいくらでも居る」と宣告する大屋敷。
(榎本)・・・ひどすぎる
(蟹江)・・・堪忍できねえ
(黒田)・・・限度をこえてる
(エリ)・・・優良な製品を放棄するなんて狂気の沙汰でスー。
(船村)・・・この会社・・・もうダメだろう・・・働き場所として
(八木)・・・ε-( ̄ヘ ̄)┌ ダミダコリャ…
(榎本)・・・俺たちはただの歯車じゃない!
(鳥飼)・・・そうだよな
(犬養)・・・もうやるしかないな
(時田)・・・一揆じゃ
(広島)・・・いいや、大脱走じゃ~!
すべてを見通した広瀬社長はMiracle Electronicsへの融資を打ち切るのだった。
「なぜです・・・ハピネス魔法瓶で生じた損失など・・・我が社がいくらでも穴埋めしますよ・・・冷静なあなたらしくもない・・・」
「冷静さを失っているのは君の方だろう。私情に溺れて利益を損失に変えてはビジネスは成立しないよ」
「私はあくまで経営者として合理的な判断を・・・」
「君がつぶしたかったのは・・・ハピネス魔法瓶ではなく・・・君と君の母親を裏切って、父親が愛人に産ませた君の実の弟の存在なのだろう」
「・・・」
絶対に他人には知られたくない心情を見抜かれて我を失う大屋敷だった。
そして・・・Miracle Electronicsは1507人の社員が全員、退職したのだった。
大屋敷の心には散髪が終わった時のような晴れ晴れとした気持ちが生じる。
「ふふふ・・・もう・・・俺は誰も背負ってないんだな」
「いいえ・・・私がおります」と忠義を見せる財前(イッセー尾形)だった。
そして・・・榎本が率いるMiracle Electronics元社員一同は幸福荘を訪れる。
仲良く歯磨きしていたハピネス・トリオは・・・口から歯磨き粉を垂らすのだった。
「これ・・・近所迷惑ですよね」
「そうだなあ・・・」
「じゃ・・・とりあえず・・・中でお茶でも・・・」
「入れるわけないだろう、こんな大人数」と決める一厘(夏木マリ)だった。
まさに・・・一同爆笑の「あるわけねぇだろ、んなもん!?」展開である。万歳三唱するしかないぞ。
来週はライブでみんなで歌うのか?
フミくん、ジャガーかっ。
ワンツー。
Jumpin' Jack Flash/The Rolling Stones
世界はずっと嵐の中
どしゃぶり続きのど真ん中
だけど気にすることはない
これは本当のことじゃない
テレビのドラマに決まってる
あるわけねぇだろ、んなもん!?
あるわけねぇだろ、んなもん!?
あるわけねぇだろ、んなもん!?
関連するキッドのブログ→第8話のレビュー
ごっこガーデン。ケチャップついてるは見逃せないセット。アンナ「アハハハハハ・・・そうきたのかーーーーぴょんぴょんぴょ~ん。それにしても自動ドアじゃないところにぶつかりすぎ~。ダーリンのおでこが心配ぴょん。ハピネス魔法瓶の仲良しトリオが仲良くしているだけで幸せぴょ~ん。こんな会社なら残業も休日出勤も苦にならないよね~・・・っていうか出社前も退社後も社員一同一緒だった~。毎日が合宿な会社・・・楽しそうだぴょ~ん・・・じいや、朝は和食にしてね~・・・お味噌汁はワカメでいいぴょんよ~」まこ「社員全員退職しちゃうとは・・・もはや民族大移動みたいだじょ~。それにしても・・・さびしいさびしいさびしい社長・・・本当に社長の器じゃなかったのかも・・・どうしようもない先代だけど・・・単に可愛いまじめな息子に重荷を背負わせたくなかっただけなのかもと故人にかわって弁解しておきましゅう~・・・次男はお気楽に背負えちゃうタイプだから~・・・あ・・・お気楽社長かっ」くう「心と心が通い合い・・・お互いを察し合うハピネス陣営・・・それに対しミラクル社長はただただ心を閉ざしていく・・・そして最後は裁判沙汰・・・ここはあの弁護士が登場しなければ絶対勝ち目がないところだよ。父親への屈折した思いをひたすら異母弟にぶつける異母兄・・・もう心の病の域だよね~。カインは最後はさすらいの人になる定め・・・統一郎もセンチメンタル・ジャーニーに旅立つのかな~」みのむし「いよいよ、最終回シーズンるるる」ちーず「まだまだ悪夢ちゃんですが・・・口ゆすいできていいですか・・・は心にのこりました」mari「シナリオに沿ったレビューできました・・・生放送・・・何するのかしら?」ikasama4「今年の風邪はしつこいので皆さんご注意ください・・・うがいはしないと」シャブリ「うおう・・・社長の幼少時が・・・コドモ警察のスマートさん(秋元黎)とは~。さすがは・・・コドモ警察一の美少年だよね~・・・あ、飯綱くん、ここでしちゃダメだよ~・・・じいや、ちょっとアレしちゃいました・・・××処理ロイドキターッ」
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コメント
こんにちは~。
今回は、キッドさんを思い出してました。それはね…
「カインとアベル」キタ━ヽ(゚∀゚)ノ━!!
『魔王』などでも神話ではお世話になりまして、
こういうお話を繋げるの、大好き♪
で、思ったんです。
統一郎が憎めないのは、フジッキーだからなのか?
って疑問だったんですけど、
いつも「悪」とされる側の、
同情する部分にヤラレてしまうのね~って。
カインコンプレックスに弱いσ(^_^;
専務イッセーさんも憎めないけど(笑)
悪いイタチとかキツネに見えて仕方ない(≧∇≦)ノ彡バンバン!
投稿: mana | 2012年12月19日 (水) 15時34分
|||-_||シャンプーブロー~mana様、いらっしゃいませ~トリートメント|||-_||
ふふふ・・・神の話で悪魔を思い出す・・・
誠によろこばしいことですな。
「カインとアベル」は
旧約聖書(ユダヤの聖典)の「創世記」の第四章にあたります。
「第三章」はアダムとイヴのエデンの園追放ですので
その直後に長男のカインが誕生するわけです。
カインは農民となり、次男のアベルは羊飼いとなります。
二人はユダヤの神であるヤウエ(主)に捧げものをします。
主はアベルの捧げた子羊がひどく気に入りました。
カインの捧げものである農作物にはあまり興味をひかれなかったようです。
この差別というか、えこひいきというか、単なる好みの問題が・・・カインをひどく傷つけるわけです。
これは「弟の方を可愛がる父親」と兄が感じやすい人類共通の傾向を暗示しているのですな。
神は・・・自分で原因を作っておきながら・・・
カインが顔を伏せて怒りを隠そうとしているのには
ただちに気が付きます。
意地悪な性格ですからな。
「汝はなにゆえに憎しみを宿すのか・・・汝は正しい行いをしなければならない。汝が正しくふるまえば汝はこの地で生きていける・・・そうでなければ汝の家の門前には罪が待ち伏せしているだろう」
しかし、カインはアベルを密かに殺します。
神は意地悪くカインに問いかけます。
「汝の弟はどこか」
「存じません・・・私は弟の番人ではありません」
「では・・・あの血ぬられた大地の叫びは誰の声なのか」
知っているなら聞くなよ・・・でございますよね。
こうして、カインの耕す土地は呪われて不毛の地となります。
そしてカインはエデンの東からも追放されてしまうのです。
放浪者となったカインは神に泣きつきます。
「ふるさとを追い出され異国を彷徨う私はきっと殺されてしまうでしょう」
神はカインを憐れんで「新たなる呪い」をかけます。
「カインを殺したものは七倍の復讐を受ける」という呪いです。
カインはノデの地で新たなる暮らしを始めます。
次男を失い、長男を追放されたアダムとイヴには三男のセツが生まれます。
まあ・・・ユダヤの神のわがまま気ままなこと・・・
昔の頑固親父の如しですな。
自分の不始末で兄弟が争っても
「あっしには関わりのないことで・・・」
という感じでございますよ。
人々の様々な情から言えば
カインに少なからぬ同情が集まっても
おかしくはないのでございましょう。
まあ、罪を憎んで人を憎まずですから・・・。
しかし、殺されたアベルとしてたまったものじゃないですが・・・死人に口なしですからな。
カインはその後、息子エノクを儲け息子の名をつけたエノクの町をそれなりに繁栄させます。
まあ・・・人というものはなかなかにしぶといものでございますよね。
弟殺しの兄でも・・・力があればついていく人もある・・・それが人類というものなのですねえ・・・
投稿: キッド | 2012年12月19日 (水) 16時27分