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2012年12月21日 (金)

なんじゃこりゃ的な相棒Elevenの世界へ・・・はいぃ(水谷豊)

うわあ・・・久しぶりの本当の谷間だなあ・・・。

目移りしちゃうほど・・・谷間番組が並んでいる。

「ドクターX」とかな・・・終っちゃってるしな。「結婚しない」とか終ってる上にどうでもいいしな。

「純と愛」は分析対象としては面白いが・・・その前に「家政婦のミタ」を論じなければならない。

まあ、「女王の教室」↘「演歌の女王」↘「学校ではおしえてくれないこと」の後の爆発の余韻なんだな・・・きっと。

「リミット-刑事の現場2-」↗「曲げられない女」↗ときて「リバウンド」↘だったので・・・良い感じの起伏なんだな。

まあ、ここ二作は「父帰る」(菊池寛)のプロローグをやっているようなものだが。

「ハエ女」「ピン女のメリークリスマス」は女優的にはそそられるが・・・ラブコメとしてはもうひとつだったしなあ。

で・・・結局、「相棒」かよっ。

で、『相棒Eleven・第9~10回』(テレビ朝日20121012PM9~)脚本・輿水泰弘、演出・安養寺工を見た。来年の元日スペシャルが不思議系の太田愛・脚本なので・・・メイン・ライターの年末・前後篇スペシャルである。しかし・・・ものすごくオカルト系に仕上げてきている。今季はすでに「幽霊」の話(第7話「幽霊屋敷」)があったわけである。もちろん、単なる「夢」の話という逃げ道はできているのだが・・・杉下右京(水谷豊)あまりにも「幽霊」に憧れすぎなのである。

突然、キノコ狩りにいってキノコ料理を恋人の悦子(真飛聖)に御馳走しようと思い立ったカイト(成宮寛貴)である。ところが・・・キノコ狩りの名所で瀕死の重傷を負って放置され、通報によって救急車で病院に搬送される。一時は危篤状態だが・・・覚醒すると記憶喪失になっている・・・相棒が事件に巻き込まれ、相棒不在の年末なのだった。

冷酷で俗悪な官僚として描かれる警察庁次長の父親・甲斐峯秋(石坂浩二)は瀕死の息子を見舞いにもこないわけだが・・・心のパパとなっている右京は恋人よりも早く、病室にかけつけるのだった。

実年齢で言うと・・・水谷豊(60)、成宮寛貴(30)で親子であっておかしくない年齢差である。どうしても二人には擬似親子の匂いがある。

孤高の天才である杉下右京が得られなかったものを得ようともがいているようにも見えるこのシリーズなのだな。

なにしろ・・・右京は一目でカイトを気に入り・・・欲したわけなのだから。

同時に・・・カイトはあまりにも非人間的な出世の権化である父親に心底悩んでいるわけである。

二人は・・・足らざるものを補おうとしているのだ。

ある意味、ちょっと不気味な心情を隠し持つ二人なのである。

ところが・・・今回の犯人たちはそれを上回る人非人モードを漂わせます。

「一体、なぜ、カイトは暴行されたのか・・・」・・・真実を求めて瀕死のカイトの発見現場に姿を見せる右京。「警察官に対する殺人未遂」を視野に捜一トリオも捜査に合流。

謎の女性の通報に使われた公衆電話。

右京はそこから一番近い「美味しいキノコの森」へと足を踏み入れる。

森の奥には・・・怪しい人々の集う正体不明の「馬鹿(まろく)庵」が建っていたのだった。

実は・・・この施設は一種の宗教施設である。

事件には死亡した馬鹿庵の主人・伏木田(前田昌明)がかかわっているのだが・・・ものすごい前歴の信者を抱えているので・・・そういう人だったというのは近所の噂にもっとなっているはずだと思う。

しかし・・・そのあたりは伏せて・・・事件は展開していくのである。

しかも・・・カイトが収容された青梅市中央病院のちょっとお茶目な看護師ルミ(尾高杏奈)からはカイトが握っていた毛髪をプレゼントされるという・・・「おやぁ」な伏線もあります。

しかも・・・ルミはその後・・・姿を消してしまうのです。

そこに・・・なにが・・・いや・・・そこは何もなく・・・ただ出番がなかっただけなのです。

なにしろ・・・「まろく庵」には本命ゲスト・ヒロインである伏木田の娘の「お嬢」こと真智子(柴本幸)が控えているのです。ついでにどうやら虐待少女あがりの長尾恭子(梶原ひかり)がいます。さらには・・・庵主亡き後・・・「まろく庵」を守っている男たちのリーダー格が生方豊茂(山本學)です。

右京のバックアップメンバーが検索すると生方は保険金がらみで妻を殺害した前科者であり、その他の男たちも覚せい剤やら障害やらの逮捕歴のある理由ありの男たちなのである。

彼らに共通しているのは・・・「狂信者」だと直感する右京。

いや・・・お茶の間的にはよく分かりませんが・・・右京が直感する限り間違いないのだな。

最初はカイトに会ったこともないという・・・怪しい人々ですが・・・通報の電話の声とお嬢の声紋が一致するなどの証拠をつきつけられ・・・生方は「俺がやった」と白状。

その動機は・・・「長尾恭子がカイトに強姦されそうになったからだ」という衝撃の展開。

その証拠にカイトの握っていた毛髪は恭子のものだった・・・。

カイトは森の中で変なキノコを食べてバッド・トリップを見知らぬ少女を襲ったのだった・・・わけではなくて・・・それは嘘だったのだ。

記憶を取り戻したカイトは「確かに首をしめたが・・・それは車の中だった」と証言する。

森の中で強姦未遂したのではなく・・・車の中で・・・ということは・・・強姦未遂→正当防衛で暴行ではなくて暴行→無意識での反撃だった可能性があると右京は宣言。

「なんの証拠があるのです・・・」というお嬢。

「それは・・・この森のどこかに即身仏が埋まっているからです」

お茶の間の99%の魂が体を抜けて空に溶けて行った瞬間です。

もちろん・・・ここまでのヒント・・・「鈴の音」、「竹筒」、「なんとなく宗教関係」、「お嬢の父親の不在」から・・・入定ミイラ・・・すなわち即身仏を想定していたオカルト好きの人も多かったかもしれません。

なんでもありの密教の世界では「空海」の時代から「ミイラになったら不老不死」というおバカな信仰が根強いからである。

しかも・・・この伏木田はミイラになったら衆生を救済できる超・仏になれると妄想した新興宗教の教祖なのである。

そして・・・結構、荒んだ過去を過ごしてきたメンバーたちはそれを「本気で信じちゃった」狂信者たちなのだった。

明治以後、即身仏のシステムそのものが禁止されて、そもそも、即身仏化のために周囲の協力を要するために自殺幇助罪に触れるため、宗教的行為そのものが犯罪に直結しているのである。

「みなさんの気持ちは尊重したいのですが・・・犯罪である以上、見逃すわけにはいかないのです」

「ちぇっ・・・あいつとおんなじこといいやがる」と吐き捨てるように言う生方。

つまり・・・即身仏になるために土中の屍櫃(かろうと)から伏木田が響かせた鈴の音を聞きつけたカイトは・・・人命救助しようとして信者たちに抹殺されようとしたのだった。

それでは本末転倒なのでお嬢がそれを制止し・・・通報したのが本当のところなのだった。

「だから・・・殺しておくべきだったんだ」

「・・・」

お茶の間は充分、唖然だったのだが・・・この後、超・仏となった教祖がカイトの記憶障害を緩和するという幻想が挿入され・・・茫然となるのである。

なんだ・・・どこかの宗教のステルス・マーケティングなのか。

それは・・・やばいんじゃないか。

まあ・・・こういう狂信者は実在するので・・・という警句として考えておくことにする。

ちなみに・・・先達者として即身仏になったとという伝承のある空海であるが・・・「火葬」されたことが記録に残ってます。

まあ・・・高齢化対策として・・・「即身仏のすすめ」が役所から回覧されてきたらちょっと面白いけどねえ。

もちろん・・・右京はプライバシーの侵害など違法捜査の常習犯なので・・・目的達成のためには手段を選ばない確信犯たちの気持ちはよく分かるのです。

まあ・・・物凄い後味の悪さを残して2012年の相棒は終了したのである。

それにしても・・・柴本幸の演じた狂信者の娘の狂信者・・・不気味すぎる。

ぞくぞくしましたぞ。

関連するキッドのブログ→第一話のレビュー

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コメント

私の魂も十分空に溶けましたわ~。
唖然茫然の世界でしたが、印象推理の
どこにもミイラへ結びつく
確固たるものってないですよね。
凡人には飛躍しすぎでしょうとしか思えないような。
森の中の秘密といったら化学工場なんかが思い浮かぶし
ミイラと言えば年金詐欺が記憶に新しいです。
そんな俗世間とはかけ離れたところで
衆生を救うという思想がよくまあ生まれたもんです。
彼らが本気で信じたらしいという点と
それを理解している右京さんにただ驚きました。
確かに不思議系の脚本さんですね。
お正月特番が楽しみです。

そんな宗教大好きな日本人ですが
明日、明後日は皆キリスト教徒なのですねえ。
じいや、ここは普通のイチゴのケーキがいいです~。
でもシャンパンだけは特別なのをお願いしますね~。

投稿: エリ | 2012年12月23日 (日) 09時50分

ribbon✿❀✿❀✿かりん☆スー☆エリ様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿ribbon

じいめの昔なじみの精霊さんが
空中に溶けた魂の断片回収が
大変だとぼやいておりましたぞ。
瓶詰めにして食すとふわっとするそうです。

基本的に
右京さんはオカルト大好きなキャラクターなので
「鈴の音」と「竹筒」でピンと来ていたのでしょうな。

キッドは火の鳥/手塚治虫(鳳凰篇)を
久しぶりに思い出しました。
チリリーンでございますな。

年金ミイラ・・・一同爆笑のフレーズですな。

キッドは東北の人々は
意外とピンと来ていたかもと思います。
本場ですからな。

宗教的情熱とか
自殺の自由とか
苦行と涅槃とか
世界救済とか
超人願望とか
人それぞれにピンとくるのかもしません。

乾燥式ミイラの場合は
ダイエットの一種ですからな。
ギリギリまでしぼる。
ある意味、力石徹です。

くいしんぼには
一番向かない修行と言えましょう。

せっかく絶命しても
乾燥が足りないと腐敗いたします。
東北が適しているのはそのあたりもありますな。

掘り返して
「あ・・・腐っちゃった」
というのは弟子一同・・・残念無念でしょうな。

埋めている間に
教団が解散したりすると
そのまま放置です。

日本の地下にはそのように忘れ去られた
無数の即身仏が埋まっているのでございます。

まあ、じいめなどはそういうことを思い出して
即身仏と聞くと思わず微笑んでしまいますね。

太田愛脚本ではここまで・・・
殺人がないのに苦く
文学的なのにユーモラス。
不思議な世界が展開いたしますので
じいめも楽しみでございます。

明日はクリスマス・イヴでございますな。
世界中の恋人たちに幸あれと祈りたいと存じます。
じいめは深夜ひそかに「バッドマンリターンズ」を
鑑賞する予定です。

お嬢様のイチゴのショート・ケーキのために
温室では一万粒のイチゴの収穫予定を厳選中でございます。

平成財閥では
ペリエ・ジュエのボトル・1ダース1000万円を
お客様プレゼント用に配布いたしますが
お嬢様方には
ピンク、ブルー、ヴァイオレットの
三色シャンパーニュ風ジュース
「ベルエポック気分」を
ご用意しましたぞ。

ちょっぴりリキュール入りですので
大人気分をお楽しみくださいませ。wine

投稿: キッド | 2012年12月23日 (日) 16時11分

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