遅咲きのひまわりの花言葉は私を忘れないで(生田斗真)東京タワーの気持ちか(真木よう子)
どうして・・・嘘を・・・それは「勿忘草の花言葉」だろ。
ひまわりは「あなたをみつめる」だからな。逆に言うと相手はみつめていない場合があるよな。
ひまわりの相手は太陽だからな。
太陽を見つめ続けたら目がつぶれるから無理なんだけどな。
遠距離恋愛の合言葉は・・・自然消滅だしな。
いや・・・共通のふるさとがあれば・・・「ただいまとおかえりの間」っていうか「Uターン」もあるだろう。
「ご無沙汰」って言うのもあるぞ。
まあ、基本は芸のためなら女房も泣かす、それがどうした文句があるかだよな。
夢のためなら恋なんて・・・どうせ一過性だし・・・という結論。
リニューアルですな。
リニューアルだよ。
歴史はくりかえす・・・なのだった。
で、『、『遅咲きのひまわり~ボクの人生、リニューアル~・最終回(全十話)』(フジテレビ20121225PM9~)脚本・橋部敦子、演出・石川淳一を見た。つまり、リニューアルなのである。ちょっぴり新しいけど基本は同じなのだ。「あせってる姿を見たことがない」という理由で恋人・紗江子(大塚千弘)から「永すぎた春」にピリオドをうたれた主人公小平丈太郎(生田斗真)は流れるままに三年契約の四万十市役所臨時職員になったわけである。そこでも特に「あせってる姿」を見せることはなかったのだが・・・四万十市の人々は「それ」がよかったらしい。しかし、きたるべき次の大震災の時は「あせって」水際から・・・いや・・・カヌーがあるから平気なのか。
二階堂かほり(真木よう子)もまたずっと秘めていた思いがあったのである。
夢についてどう行動するかについてはそれぞれのやり方がある。
大それた夢を持った場合・・・それをけして口にはしないというやり方もある。
なにしろ、実現しないと恥ずかしいし・・・口にすることで夢の重みが軽くなるタイプの人間もいるだろう。
そして・・・多くの場合、夢は夢のままひっそりと墓場に埋まるのである。
積極的に事あるごとに言うやり方もある。やりたいことをやりたいと言うことはやるための第一歩のようなものだからだ。
特に自分一人では実現できない夢の場合、言わなければ始らない場合がある。
もちろん・・・無言で実現する場合もある。ただし、多くの場合、高倉健である。
愛の告白は・・・「君と二人で生きて行きたい」という夢の実現にはかかせないのだ。
もちろん、相手があることなので人によってはただ頷くだけで達成されたりもする。
このドラマの結末は・・・ある意味、無責任である。
しかし、責任あるドラマの結末なんて・・・そう滅多にあるものではないのだ。
物語の登場人物が物語の後でどうなろうと・・・知ったこっちゃないわけである。
ただ・・・お茶の間に・・・なんとなく希望を抱かせることができれば・・・それはそれで成功した結末と言えるだろう。
「臨床医ではなく研究医として渡米したい」というかほりの夢の裏にはもう一つの決意が隠されていた。
「高校生の時に祖母がガンで死んで・・・ガンを治療できる研究がしたい」と思ったかほり。
その「夢」は研究医になるまでには語られたことだったのかもしれない。
しかし、研究医になった以上、夢の実現が夢になってしまったのである。
その道半ばで挫折を強いられたかほりは本来の夢を見失ってしまったのである。
一方で「夢らしい夢」を持たない丈太郎と出会ったかほりは限られた可能性の中でもがく丈太郎に自分にはないものを感じるのだった。
ないものねだりはたちまち恋に飛躍するのだった。
常にマイペースの丈太郎だったが・・・ガンの免疫治療の研究に挫折しながら、地域医療に不可欠な医師であるかほりはまぶしいほどの高嶺の花であるにもかかわらず、まったく頓着しないほどの男である・・・しかし、常に夢を語られ続けてついに染まってしまうのだった。
「俺も夢が欲しいちゃ」
標準語圏では標準語、地方に来たら方言・・・染まりやすい男なのである。
一方、かほりは故郷に帰っても方言に戻らない女なのだった。
二人はそれぞれの夢に向かって走りはじめる。
すると・・・たちまち、恋は置いていかれるのである。
この違うベクトルをどうするのか・・・物凄いアクロバットが展開されるのだが・・・まあ、シリアスな恋愛ドラマはこうあるべきなのである。
丈太郎の住居の軒先にはベゴニアが置かれている。
ベゴニアの花言葉は「親切・丁寧」である。
丈太郎は親切で丁寧な男である。そのために地域の人々に愛されている。
老いた農夫は大河内欣治(ミッキー・カーチス)は丈太郎に「荒れた田の復活法」を伝授する。
「早くても三年かかるぞ・・・」
「三年か・・・」
実家の金物屋が廃業した四万十市地域おこし協力隊隊長・藤井順一(桐谷健太)にとっては背水の陣である。丈太郎にも覚悟を決める時は近づいていた。
母親が病気のために生地である岡山に一時帰郷していた地域おこし課課長の日下哲也(松重豊)は何食わぬ顔で戻ってくる。
「もう・・・帰ってこないかと思いました」
「いや・・・ここが私の故郷ですから」
この時点で丈太郎の未来は決まってしまったのだ。
かほりと丈太郎は衝突する。
「あたしあたし」
「あたしってだれだよ」
丈太郎を襲うかほりである。
ガンの免疫治療の研究医に戻るか、地域医療に尽くす臨床医を続けるか・・・迷うかほり。
「好きにすればいいじゃないか」
「そんな無責任なことを言わないで・・・私はあなたとちがうんだから」
「どういう意味だよ」
「私には責任があるもの」
「そんなこと言って・・・本当は研究医になって成功する自信がないんじゃないの」
「なんですって・・・私には夢が・・・」
「夢ってなんだよ・・・言いたきゃ言えよ」
「・・・もういい」
痴話喧嘩である。
島田さより(国仲涼子)はボランティアを続けることにより、心に余裕ができたのである。
問題に正面からぶつかる決意ができたのだった。
「昨日の晩御飯なんだか・・・覚えている」
「忘れたよ」
「今は子供がいるからあれだけど・・・そうやって何もかも忘れて行くあなたとこれからも生きて行く意味が私にはわからない」
「なんだよ・・・何か文句があるのか」
「いつまでもあると思うな、晩御飯ってことよ」
「え・・・」
「離婚とかしたら・・・信用金庫とかでは・・・出世に響くんでしょうね」
「ええ・・・」
「私、出て行こうと思うちょるんよ」
「えええ・・・そんな僕と彼女と彼女の生きる道みたいなこと言われても・・・わかった・・・は、話し合おう・・・今夜は早く帰るちゃ」
「今夜はおでんちゃ」
「おでんか・・・おでんはいいな・・・」
結局・・・主導権の問題らしい。
まあ、家庭を守るのが主婦の役目でいる以上・・・主導権は妻が握るべきなのである。
夫の久志(矢柴俊博)はたやすく折れる男だった。今までは虚勢を張っていたのだった。
そして、さよりはストレス解消のための喫煙をやめる決心をしたのだった。
こうしてまた一人、煙草農家を愛する人が消滅したのだった。
ベゴニアの花言葉は「愛の告白」である。
「おれおれ・・・」
「おれおれってだれよ」
二人はカヌーに・・・久しぶりに乗った。
季節は流れている冬の気配の漂う四万十川。
二人は無言で流れて行く。
「私はガンで死んだおばあちゃんの仇をうちたかったの」
「うてばいいじゃないか・・・ガンを撲滅しても犯罪者にはならないんだし・・・」
「・・・」
「思いきって飛びこんじゃえばいいんだよ」
「この季節だと・・・それは無理だから」
かほりは決意した。
かほりの上司である東京医療科学大学がん研究センター教授の岡島(中丸新将)は後任の医師を手配した。
「しぇんしぇい・・・行かないで・・・」という病人たち。
しかし・・・かほりは「私には夢があります」と渡米への思いを語る。
その演説に胸をうたれたナース青山(田口淳之介)は「先生はノーベル賞とるかもしれないですよ・・・」とデレるのだった。
かほりは感動した。
かほりの送別会・・・。
四番ピッチャー松本弘樹(柄本佑)の医学療法士の専門学校への入学祝いを兼ねているのである。
なんとなく立ち直ったナース森下(香椎由宇)とメンバー最年少なのでまだまだ其処が浅い市会議員の娘の今井春菜(木村文乃)も顔をそろえる。
その席で丈太郎は・・・四万十市への永住宣言をするのだった。
「俺の作った米が世界に輸出される日をめざします」
丈太郎はようやく夢を得たのである。
行きつけの店の忍びのマスターも思わずもらい泣きをするのだった。
かほりは東京へ。
丈太郎は四万十で・・・それぞれの夢を追う。
別れの夜である。
「クリスマスツリーを飾るんでしょ・・・できたら写真メールしてよ」
「いいよ・・・お前も東京タワーのクリスマスツリーの写真送ってくれ」
「わかった・・・」
「・・・」
「・・・」
「じゃあな・・・」
「・・・」
恋の天使は静かに弓を置きました・・・。
「見送りに行かないのか」と順一。
「だって・・・空港まで往復六時間だぜ~」
「だけど・・・」
「ざまな(大)荷物があるわけでなし・・・」
「・・・」
「とにかく・・・早く収穫までこぎつけないと・・・俺たち・・・夢はあれどもプータローなんだから」
「それを言うなちゃ~」
東京に着いたかほりは爆弾宣言である。
「私は教授の下では研究いたしません」
「なんだ・・・ドクターX見たのか・・・。しかし、私以外に君に研究させる人間いないと思うよ」
「私も・・・かってはそう思っていました。しかし、自分の夢である以上、もう誰にも邪魔されたくないんです」
「・・・」
こうして・・・かほりも夢を追うプータローになったのである。
その道は遥で険しいのである。
二人のプータローにもクリスマス本番がやってくる。
≪東京タワーのクリスマスツリーどうなった≫
≪いそがしいんだもん≫
≪明日になったらなくなっちゃうじゃん≫
≪だって・・・恋人だらけだよ≫
≪ツリーが見たい。ツリーが見たい。ツリーが見たい≫
≪しょうがないなあ・・・もう≫
恋人たちに囲まれて東京タワーのクリスマスツリーを撮るかほり。
待ち構えていた丈太郎。
「よかった・・・気をきかせて東京スカイツリーに行かれたらどうしようかと思ったよ」
「何してんのよ」
「ほら・・・行方不明だったひまわり・・・近所の田中さんが鉢植えにしてたんだ」
「それをみせにわざわざ・・・」
「車で片道15時間かけてね」
「なにしにきたのよ」
「逢いにきたんだよ」
「なんで・・・」
「逢いたかったから」
「・・・私も逢いたかった」
そして・・・夢はあるけど無職の二人は・・・一夜の恋に我を忘れるのである。
二人は今・・・遠く離れてしまえば愛はおわるという常識にちょっとさからってみたい年頃なのだった。
とにかく・・・「アキハバラ@DEEP」(2006年)以来の生田斗真のまともな役柄の主人公が全うされたことに乾杯なのだった。ひ、久しぶりだな~。まあ、「イケパラ」とか「うぬぼれ」とか脇役ではいい味だしてたんですけど~。6年に一度って・・・。
これはこれで完結してると思うが続編は認めます。・・・何様なんだよっ。
それで・・・四万十市の町おこしは少しはどうにかなったのかな・・・。
ま・・・すべては順番だからな。
関連するキッドのブログ→第9話のレビュー
シナリオに沿ったレビューをお望みの方はコチラへ→くう様の遅咲きのひまわり
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コメント
真木よう子「どうせ渋谷のツリーとかでもわからんからええやろ」とか言って横着して東京タワーに行かずに違うところのツリーの写真撮影していたら再会は難しかったですね(笑)
投稿: ろーじー | 2012年12月29日 (土) 17時53分
☎aiko☎~ろーじー様、いらっしゃいませ~☎aiko☎
そうですねえ、画像検索で
家から一歩も出ない手もありますからねえ。
とにかく・・・四万十市民一同・・・
ええーっ最後は東京なんじゃねぇぇぇぇぇっと
絶叫したに違いない名シーンでしたねえ。
投稿: キッド | 2012年12月31日 (月) 17時17分