« ハードルの低い女(木村文乃)VS仄暗い森の奥から(菅野莉央) | トップページ | 私たちは皆復讐をしている、私たちは皆嘘をついている、私たちは皆ふにゃふにゃ(長澤まさみ) »

2012年12月13日 (木)

燃やさないでどんなに叫んでもオレンジの炎静かに揺れるだけ(松山ケンイチ)

20世紀に生まれた多くの人が薩長による皇国史観の影響を受けている。

戦後、民主主義や西洋的合理主義がその流れを幾分変えたが、一度染められた思想というものはなかなかに根深いものだ。

日本史を彩る英雄たちの多くが賊軍の名のもとに歴史的迫害を受けていることは間違いない。

その最大の例が平清盛であることは疑いようのないことだ。

そもそも、鎌倉幕府の台頭により、その敵であった平清盛は充分に極悪非道に脚色されているのである。

それが・・・さらに武士という軍事独裁政権の指導者を善悪で色分けすることにより、悪玉としての色彩を強めて行くのである。

結果として・・・清盛の孫である安徳天皇を溺死に追い込み、源平合戦を終息させ、結局、兄・頼朝に粛清された源義経がこの時代の英雄ナンバーワンとなるのである。

一方で、勝てば官軍、一方で天皇の敵の敵ということで・・・義経が人気を博するのだった。

そのために・・・平清盛の偉大さを正面から地道に描くと・・・そんな清盛は知らないということになるのである。

そもそも・・・日本史の一つの分水嶺である平安京時代の終焉について歴史教育が不足しすぎなのである。

キッドは今の日本があるのは平清盛が実力主義・合理主義・貨幣経済を導入したからだと小学一年生に教えるべきだと思う。

それこそが脱・ゆとり教育というものだ。

平清盛をあがめよ・・・なのである。

まあ、大河史上に残る大傑作に対し、あまりに低視聴率なのが残念無念なんですけど。

ちなみにキッドの父方は平氏(坂東平氏)、母方は藤原(伊藤)氏である・・・結局、身内贔屓かよっ。

で、『・第48回』(NHK総合20121209PM8~)脚本・藤本有紀、演出・中野亮平を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は最終回直前の見果てぬ夢に溺れる平清盛描き下ろしイラスト大公開。欲にまみれ鬼気迫る清盛公の迫力満点でお得でございます。病中にあってなおこの画力・・・敬服つかまつる。次回は「最後の清盛」が大公開予定・・・今から楽しみでございますよ・・・だから私信はコメント欄でやれと何度言ったら・・・。

Tairakiyomori46平清盛は治承五年閏二月(1181年3月)に享年64でこの世を去る。その前年末、永年の夢であった新都・福原京で安徳天皇による新嘗祭を終えると各地での源氏の蜂起に対応するために平安京に還都する。構想十年、実現わずか半年の遷都の終了である。富士川の合戦の平氏方の敗走により、信濃、美濃、尾張と源氏のドミノ倒しのような蜂起が発生し、その火の手は山城国に接する近江にまで迫っていたのである。近江国では近江源氏の流れを組む山本冠者義経、柏木甲賀入道の兄弟が旗揚げしていた。十一月には平家の本拠地とも言える伊勢国へのルートを封鎖しており、平家筆頭家人とも言える伊藤忠清の兄である伊藤景家の軍勢が移動中に襲撃され、多くの武者が討ち死にしている。この事件と清盛の京への帰還はほとんど同時である。六波羅に戻った清盛が最初に命じたのは近江源氏の鎮圧であった。山本義経軍は水軍によって琵琶湖の水運ルートも遮断し、これによって平安京は北陸からの補給路を断たれることになる。さらに近江源氏軍は前進を重ね、近江国山城国の国境地帯であり、後白河院所縁の地である園城寺まで占領した。すでに平安京は最前線に晒されていたのである。清盛は四男の平知盛を大将軍とする追討軍を十二月に発した。知盛は清盛の武将としての才能を最も濃く受け継いだとされる名将である。知盛の丹波勢、重盛の遺児・資盛の越前勢、伊藤忠清の子、佐衛門尉忠綱、信濃守景清、平貞能の兄・平家継らの軍勢を率いて、園城寺を放火炎上させると近江源氏軍を西に追いやった。退却した近江源氏は土岐光長らの美濃源氏と合流すると再び西へ向かう。六波羅付近では摂津多田源氏の一族が謀反して近江勢を手引きし夜襲が敢行されるが清盛本陣はこれを撃退した。再び国境線に展開する近江源氏・美濃源氏の連合軍三千騎に対し、二千騎の知盛軍は窮地に陥るが清盛の八男淡路守清房が援軍を率いて到着、劣勢を覆し、連合軍に壊滅的打撃を与える。山本義経は根拠地山本山城に籠城するが十二月中旬に追討軍の猛攻を受けて敗走。土岐光長らと美濃国へと撤退する。追討軍は美濃に攻め込むが大和国南都で僧兵が蜂起したために軍を治める。南都の僧兵は平家方の武将で鳥羽天皇の落胤とされる妹尾太郎の軍兵を虐殺したのだった。十二月下旬、清盛は五男の平蔵人重衡を大将軍、清盛の弟教盛の嫡男・平中宮亮通盛を副将とする南都鎮撫軍を大和国に侵攻させる。南都の僧兵は各寺に立て籠り徹底抗戦の姿勢を示したが重衡は焼き打ちを敢行。大仏殿を始め各寺を全焼させ南都大衆を殲滅したのである。平家は再び武威を示し、仏罰を恐れる一部の貴族たちは恐怖した。

清盛は安徳帝とともに平安京に戻った。

そもそも・・・動乱の幕開けとなった以仁王の偽書の流出には忍びの力が働いている。その背後には誰がいるのだろうか。

清盛は平家忍びの棟梁とも言うべき朱雀を六波羅の奥の殿に呼び出した。

「後白河院であろうか・・・」

清盛の問いに朱雀は答える。

「法皇様は入道様に鼻を折られて以来、大人しくしておられます・・・また・・・八条院の陰陽師忍びはほとんどを殲滅いたしました・・・」

「では・・・誰か・・・」

「我が兄の追放に伴って関東に放った風馬の最後の報告によれば・・・関東各地には妖気が散在しているとのこと・・・」

「四方に散ったという・・・玉藻前の霊気か・・・」

「それらは各地で豪族たちに憑依し・・・心を燃やすそうです」

「心をな・・・」

「欲望に火をつけ・・・野心を抱かせ・・・恐れを忘れさせるのです」

「つまり・・・日の本が・・・もののけだらけになったということか・・・」

「風馬のつなぎ(連絡)が途絶えたことから・・・おそらく各地の平家忍びも皆、もののけの虜となったのでございましょう」

清盛は微笑んだ。

「面白いのう・・・」

「・・・」

「われら武士は・・・もののふ・・・つまりもののけの心をもった人ということだ・・・信西入道は死罪を復活させた・・・それは朝廷が臣に死を賜るという古来の法の復活に過ぎぬ。われら武士は殺生を戒める御仏の教えに帰依しながら・・・殺生を繰り返してきた。朝廷にとってまつろわぬ民は民ではなく・・・賊に過ぎぬからの・・・そうして・・・愚かな公家たちは安逸をむさぼり・・・歌だの舞だのにうつつを抜かしてきたのだ・・・我が父上も・・・我が祖父も皆・・・その矛盾・・・その偽りの法に従って殺戮を重ねて行った。生あるものを殺めて病まぬ心があろうか・・・のう・・・朱雀」

「・・・」

「そういう世を変えたいと願えば・・・己が変わらねばならぬ。そういう世を覆すために強くならねばならぬ・・・そして、わしは叔父を殺し、友を殺し、ついには帝を孫とする立場までのぼりつめた・・・その結果がこれじゃ・・・」

「あらゆるものが・・・わしを殺しにかかっておるようじゃ・・・」

「それが仏の教えというものでございましょう」

「ふむ・・・」

「因果応報でございます」

「ふふふ・・・さようじゃのう・・・こうなるようにしてきたからこうなっただけのことよな」

「・・・」

「入道様・・・いえ・・・伯父上様・・・我らしのびは・・・それをはじめに教えられるのではございませんか」

「そうじゃ・・・色即是空だからの・・・世の中を変えたと思うほど何一つ変わってはおらぬのかもしれぬ・・・」

「しかし・・・源氏と平氏が切磋琢磨し・・・きっとこの世を動かしましょう・・・皆が望む世を・・・作り上げるのです」

「それが修羅の世であってもか・・・」

「それを皆が望むのであれば・・・」

「玉藻前はこの国の外からやってきた災いであった・・・しかし・・・人はやがてそれに馴染み、それと共に生きるようになる・・・外からやってくるものを拒むわけにはいかぬ・・・しかし・・・かってこの国の民草が王家に支配されたように・・・さらなる災いが訪れるかもしれぬ・・・統子様が・・・かって申しておられた・・・強くなければ生きて行くことも叶わぬ世が来る・・・そのために民を強くするのがわが定めとな・・・」

「入道様が妖狐を滅ぼしたのも・・・それによって散じた妖気が再び災いを招くのも・・・すべては定めでございましょう」

「ふふふ・・・なかなか・・・くのいちの境地にはいたれぬのう・・・わしは男の子じゃからの」

「ほほほ」

「わしの宿命の終りも近い・・・最後にこの清盛の戦を・・・この世に示すのも一興じゃ・・・歌や舞などよりもわしの血は戦にむいておるのじゃから・・・」

清盛の血は火を招く超人の血である。

「知盛・・・重衡・・・戦上手な我が子らは皆、よき火炎魔神だわ・・・命ある限り、燃やしつくしてみるがよい」

「入道様あるかぎり・・・平家に敗北はございませぬからな」

「そうじゃ・・・源氏の小童どもに戦の恐ろしさをとくと教えてやらねばのう・・・」

清盛の命の炎は今、燃え尽きようとしていた。

関連するキッドのブログ→第47話のレビュー

|

« ハードルの低い女(木村文乃)VS仄暗い森の奥から(菅野莉央) | トップページ | 私たちは皆復讐をしている、私たちは皆嘘をついている、私たちは皆ふにゃふにゃ(長澤まさみ) »

コメント

ばんはです
もうねぇ、風邪がきついっす・・・( >д<)、;'.・ ィクシッ
どうにかしたいんですが
ここのところ、毎年風邪が長引きます; ̄∇ ̄ゞ

とりあえず、今はこの作品よりも
来年の大河に向けてあれこれイラストの
資料集めに奔走してる日々だったりしてます; ̄∇ ̄ゞ

ともあれ、今回(49話)は
頼朝が自分の意志を継いでくれている事を
喜び、更にこの源平の争いが天下の争いとなり

もう王家が介在する余地はないと
二人共考えているところがよいですなぁ

さてはて、どんなラストが待ってるのか

おそらく若い頃の清盛とかが出て
盛り上がるみたいなパターンとかに
なりそうな気はしますが、最後まで
がっつり見せてほしいものです ̄∇ ̄

投稿: ikasama4 | 2012年12月16日 (日) 22時59分

pencil✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥pencil

お疲れ様でございます。

体重はどんな感じですか。
少し太り気味の方が抵抗力はますようです。
ただし、年齢的に
ウイルスとの相性がいい場合は
もう免疫できるまで忍の一時ですな。
こじらせるとこわいので・・・
まあ・・・お仕事もあって大変だとは思いますが
休養をとることを優先なされることを
お願い申しあげます。
体あってのあれやこれやですからねえ。

ふふふ・・・来年は
内容はともかく・・はるか様ですからな・・・。
CM以外のはるか不足は深刻ですからね。
どんだけ・・・かかりきっていることやら。

きっと・・・凄いんだろうなあ。

まだ今回(49話)未視聴でございます。

とにかく「高校入試」のリピートが
エンドレスなので・・・。

なにしろ反体制派一族なので
自民圧勝予想をしていると
単なる予測に対する糾弾も激しかったし・・・。
さっきまでめそめそしていました。

おなごかっ。

これから・・・軽く食事して・・・
じっくり見たいと思います。

何時だと思ってんだ・・・寝なさいっ。xmas

投稿: キッド | 2012年12月17日 (月) 03時32分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/83353/48304687

この記事へのトラックバック一覧です: 燃やさないでどんなに叫んでもオレンジの炎静かに揺れるだけ(松山ケンイチ):

» 平清盛 第48回 幻の都 [レベル999のgoo部屋]
『幻の都』 内容 富士川で源氏を迎え撃った平家軍は大敗した。 「平家はもはや、武門ではございません。殿御自身も、武士ではございません」 伊藤忠清(藤本隆宏)の言葉が、清盛(松山ケンイチ)に突き刺さる。 一方、頼朝(岡田将生)は、付き従った東国武士たちに所...... [続きを読む]

受信: 2012年12月13日 (木) 18時05分

» 大河ドラマ「平清盛」第48回 [日々“是”精進! ver.F]
還都… 詳細レビューはφ(.. ) http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201212090004/ NHK大河ドラマ 平清盛 完全版 Blu-ray-BOX 第弐集ジェネオン・ユニバーサル 2013-03-06売り上げランキング : 5044Amazonで詳しく見る by G-Tools ... [続きを読む]

受信: 2012年12月16日 (日) 20時39分

« ハードルの低い女(木村文乃)VS仄暗い森の奥から(菅野莉央) | トップページ | 私たちは皆復讐をしている、私たちは皆嘘をついている、私たちは皆ふにゃふにゃ(長澤まさみ) »