なぜかと問うても答えはないから入試をぶっつぶすふにゃふにゃですよ(長澤まさみ)
秋ドラマも終盤戦である。
次々と最終回を迎えるドラマの数々・・・今回はかなりのインパクトが続いていく・・・その中でまだ・・・もう一週あるのかよ・・・というこのドラマ。
ここまで視聴してきたものは・・・終っちゃうのかよ・・・本当に終っちゃうのかよ・・・と複雑な気持ちになっているはずである。
ついにヒロインが仮面を脱ぎ捨て・・・告白も半ばでつづくである。
こんなとこで・・・ですかーっと絶叫したものも多いだろう。
まあ・・・ミステリの謎解き告白としてはまだ・・・序の口である。
それにしても充実しすぎだよね・・・半分・・・夏ドラマだったら・・・終っていることに文句を言っても仕方ないのよ。もう・・・夏のことは忘れなさい。過去に留まり続けていることに意味なんてないのよ。
そんなことを彼女に冷たい視線を浴びせられつつ言われてみたくない人にはこのドラマの魅力は半減するかもしれませんな。
で、『高校入試・第12回なのに最終回じゃないんだぜ』(フジテレビ20121222PM2310~)脚本・湊かなえ、演出・星護を見た。それでもついにここまで来たよな。「彼」(姜暢雄)が杏子(長澤まさみ)の恋人ですでに死者であることが明らかになったのである。そして・・・杏子の供述に嘘がないのなら・・・「彼」と一高は無関係だということである。杏子はただ・・・日本の学校制度について知りたかっただけなのである。その動機は「ここにはいない人の心を知りたい」という単純明快なものである。なぜなら・・・「彼」は「死」という秘密のベールに包まれているのだから。・・・彼を死に追いやった事件は四年前に起きているのである。彼の部屋の新聞記事には第一志望の高校に不合格となった高校生が自殺したことが報じられているが公立高校とあるだけで学校名は特定されていない。そして自殺した生徒の親が開示請求をしたことで採点ミスが発覚。採点ミスに関わった「彼」は酒に溺れ、自殺とも事故とも判断できない状況の中、酩酊状態で車に轢かれ死亡したのだった。
さすがに・・・一高関係者なら誰かが事情を知っているだろう。少なくとも五年前に坂本(高橋ひとみ)や荻野(斉木しげる)は一高に在籍していたのである。
「彼」の四年前の事件と、田辺淳一(横山幸汰→柾木玲弥)の兄の光一(中村倫也)の五年前の事件は無関係であると思われる。
このままで行くと・・・杏子は誰も殺さないし・・・学校を爆破したりはしなさそうだ・・・いや、そうとも言えんぞ・・・「復讐相手は誰でも良い」という考え方は今、流行中だからな。
まあ・・・それが「復讐」と呼べるかどうかは別として。
【高校入試をぶっつぶす★12】
1:名無しの権兵衛
復讐するは誰にあり?
2:名無しの権兵衛
>>1
復讐するは人それぞれにあり
試験当日の夜は更けて行く・・・。
的場校長(山本圭)と入試部長の荻野の問答は続いていく。
「そもそも・・・この掲示板に書き込んでいる名無しの権兵衛たちは・・・現行入試の何が不満なんだろうか?」
「入学制度自体に・・・でしょうか」
「しかし・・・学力でランク分けせずに・・・底辺に足並みをそろえていたら・・・国を担う優秀な人材が育たないではないか・・・人口十億人の隣国の超エリートにいいようにふりまわされて・・・国が滅ぶよ」
「しかし・・・学力だけが人間の優劣をつけるものでもないでしょう」
「そんなの詭弁だよ。エリートは常に少数派だ・・・頭の良い奴が冷血漢で、頭の悪い奴が心が豊かな人間だなんて・・・バカのやっかみ以外の何物でもないだろう」
「いや・・・校長はそこまでおっしゃってませんが・・・」
「すまん・・・つい口がすべった・・・」
「いえ・・・我々の使命は人間をなるべくバカにしないことですから・・・」
「とにかく・・・頑張って勉強したものを否定してどうするってことだ」
「ランクの低い学校に通っているものは頑張っていないと・・・」
「いやいや・・・人間は皆、能力に差があるのだ。それぞれがその能力の範囲で努力する。バカはバカなりに努力して少しバカでなくなる。その努力は褒められるべきだ。しかし・・・そのことを学力の判定の場に持ち込んだら・・・意味不明になるだろう。努力と合否の判定は別のものじゃないか」
「じゃ・・・バカはどこで評価されるんですか」
「親が家で褒めてやればいい・・・親バカってのはそのためにある言葉だろう。あるいはバカはバカなりに自画自賛すればいいんだ。自画自賛っていうのは昔からバカのすることなんだから」
「・・・」
「昔はみんなそうだったろう・・・かけっこだって・・・たとえビリだったとしても・・・がんばったねっておふくろは褒めてくれたよ」
「うちの親もへたくそな似顔絵をいつまでも居間に飾ってくれていました」
「高校入試だって・・・それと同じじゃないのか・・・」
「・・・」
・・・分かったこと。的場校長は足が遅かった。荻野は絵が下手だった。
五年前・・・光一が「不合格」だったことで感じた絶望感とは比較にならないようだ。
光一が結果を受け入れられなかったのは・・・自己採点が自分より4点も低かったものが・・・「合格」していたからである。
「校長・・・ぶっつぶしたいのは入試そのものではなく・・・たとえば採点の仕方といった入試にまつわる何かではないか・・・とは考えられませんか」
「そういえば・・・うちでも五年前に採点ミスがあって・・・我々も処分を受けたっけ・・・」
「五年前・・・四年前では・・・」
「ちょっと待て・・・五年前だったか・・・四年前だったか」
「そこ・・・わりと重要ですけど・・・首謀者は本年度の受験生ではなく過去に採点ミスの被害を受けた者かもしれません」
「被害と言っても・・・合否には関係なかったじゃないか」
「本当に・・・そうなんですか」
荻野・・・直接関係してなかったか・・・あるいは校長の強弁に驚いたのか・・・判断不能のリアクションである。
「荻野くん・・・こちら側の人間がそういうことは言っちゃいかんだろう・・・新聞にも書いてあっただろう・・・もしも合否がひっくり返っていたのならマスコミがとっくに調べて・・・公表しているよ」
「あ・・・そうですね」
納得したのか・・・一時退却なのか不明である。
もう・・・迫真の演技だな。
「しかし・・・それでも・・・採点ミスに対する抗議という理由は充分に考えられるな。それならば・・・どんな妨害を受けようとこちらのルールを貫き通すのみだ・・・よし・・・決めた。みんなを呼んできてくれ」
不合格者・光一は語る・・・「そして・・・僕は今年六月、入試の結果に疑問を抱いた人が県に開示請求をして採点ミスが発覚したという記事を見つけた。そこで・・・僕も入試の結果を開示請求する決意をした・・・」
おい・・・二つの事件は一緒なのか・・・四年前なのか・・・五年前なのか・・・分からなくなってきたぞ・・・。
しかし・・・さすがに・・・「彼」が一高の教師で職場の同僚ならこの後の各人のリアクションが・・・。
おい・・・忘れるなよ・・・彼らはみんな嘘つきだってことを・・・。
そうだったな。
55:名無しの権兵衛
こちら側の人間・・・こちらのルール
56:名無しの権兵衛
四月自殺の記事 六月開示の記事 十一月採点ミスの発覚・・・これは同じ年度の他県の話なのか?
もう一人の不合格者である村井(篠田光亮)の激怒は続いていた。
「たった一日で・・・その後の三年間が・・・いや、人生が決まるんです・・・それをあなたたちは分かってるんですか・・・みどり先生・・・痴話げんかなんかでもめてる場合じゃないでしよう・・・ましてや・・・石川・・・恋仇を邪魔するために・・・受験を妨害するなんて絶対に許されることじゃない・・・」
少しひるむ石川衣里奈(山崎紘菜)だったが・・・いや・・・恋の成就だって大事だよね。
しかし・・・みどり(南沢奈央)は不合格者なので・・・村井の言いたいことは分かったらしい。
この合格したものとそうでないものの谷間の問題はこの後も展開して行く。
「入試をぶっつぶすなんて・・・とんでもないことだ・・・だけど・・・僕には少し期待する部分もあった・・・一連の事件を引き起こして・・・制度自体を何かいい方向に転ずる・・・そういう目的があって・・・何事かを成し遂げようとしているのではないかと・・・でも、今はそう思えません。一体、何がしたいんですか・・・説明してください・・・春山先生」
坂本「えーっ」
宮下(小松利昌)「ちょっと・・・ちょっとちょっと」
小西(徳山秀典)「勘違いじゃないのか」
水野(阪田マサノブ)「・・・」
杏子「何を説明しろと・・・」
そこへ絶妙のタイミングで荻野がやってくる。これは入るタイミングを伺っていたと考えていいだろう。
荻野は松島(羽場裕一)に石川を自宅に送り届け、そのまま帰宅するように指示する。
これにみどりは「セクハラ疑惑捏造の恐れあり」と進言し、同行を申し出る。
痴話げんか延長線の危惧も囁かれるが荻野の判断で松島、みどり、石川の退場が決まる。
この状況で・・・松島とみどりが素直に退場するのは怪しいと言えば怪しい。
しかし、受験生の親である松島と、石川と恋のバトル中のみどりの退場は自然の流れとも言えるだろう。
残留するのは・・・杏子、その肩を意味ありげにつかむ荻野、・・・坂本、宮下、相田(中尾明慶)の一高OBトリオ、エリート・小西、不合格者・村井。そして的場校長と上条教頭(清水一彰)である。
本部に集合した教師たち・・・そして最後に杏子が覚悟を決めた面持ちで入室する。
坂本「村井先生が今回の事件の犯人は春山先生だって・・・」
的場「春山先生・・・本当ですか」
杏子「私が何をしたと言いたいんですか」
村井「貼り紙です」
村井は試験会場準備中の杏子の不審な行動について指摘する。
しかし・・・杏子は「あなたはこの事件に関係してないの?」と聞き返す。
「僕は知りません・・・」と応ずる村井。
「貼り紙をしたのは私ではありません・・・しかし、事件に加担していたことは認めます」
激しく動揺したのは・・・小西だった。ま、好きだったからな。
そして・・・杏子は語りはじめる。
事件の中心人物は・・・学校外部にいる・・・お茶の間的には田辺淳一(15)受験番号46である。
学校内部には協力者が少なくとも3人いる。
断定できないのは中心人物からそれぞれが指令を受けて別個に活動する組織だから構成メンバーを特定できないため。
携帯電話を仕込んだのは協力者の一人石川。
それを偶然察知した杏子は石川を庇うために「杏子LOVE」のステッカーを残す。
中心人物に杏子の携帯電話を廊下に置くことを提案。
中心人物はそれをロッカーに移動。
目的は試験終了後に携帯を鳴らし回答用紙への細工を円滑に行うためだった。
杏子の任務は合言葉で確認しあった中心人物に回答用紙を二枚配布し、回収時に白紙を用いて紛失させること。
しかし・・・アクシデントが発生し回収は困難になる。
よって芝田麻美(美山加恋)の事案は無関係。
ネットでの試験問題の流出などは杏子はノータッチ。
石川の暴走には驚く。
貼り紙が自分の仕業ではない以上、教師の内部協力者が別にいることを指摘。
・・・以上が杏子の協力だった。
第三の協力者がだれであるかを・・・探り合う教師たち。
しかし・・・生徒との不適切な関係を指摘された相田以外は平常心を装うのだった。
60:名無しの権兵衛
これは・・・荻野で決定?
61:名無しの権兵衛
書き込みをあおっていたのは松島じゃね?
62:名無しの権兵衛
坂本のロッカーの貼り紙はみどり?
63:名無しの権兵衛
教室の貼り紙は宮下?
64:名無しの権兵衛
答案の回収と細工は水野?・・・注意事項が小西なら全員、クロか・・・
小西は杏子に「動機」について尋ねる。
「目的は学校について・・・知るためです・・・そこにいたるまでの心情は皆さんには理解してもらえないかもしれません」
「それは・・・聞いてみなければわからない」
杏子は「過去」を開示するのだった。
鎌倉の長谷観音にある経蔵の輪蔵(まわり堂)・・・修学旅行の添乗員だった杏子はそこで喫煙しようとする生徒を注意する。
輪蔵には一切経が収められており、輪を一回回すだけで一切経を読んだのと同じ功徳があるというバカ向けの装置である。
そんな有り難い場所で喫煙とはもってのほかなのである。
たちまち、杏子を襲って口封じをしようとする生徒たちだったが・・・そこに「彼」が現れる。
熱血教師の寺島だった。
杏子の当時の同僚である徳原優介の先輩でもあった「彼」は杏子をデートに誘うのだった。
やりたいさかりだったのだ。・・・適齢期っていいなさい。
たちまち・・・恋人関係となった二人。
しかし・・・四年前の四月。「彼」が勤務する高校で不合格となった受験生が自殺。
十一月に採点ミスが発覚する。
「合格していれば・・・息子は・・・」と親に詰られた「彼」は鬱状態になり・・・不慮の死を遂げてしまうのだった。
「だから・・・なの」
「そうです・・・高校入試をぶっつぶすための協力者になったのです」
結局・・・杏子はここで・・・帰国子女として・・・日本の高校を理解しようとしたという最初の説明を翻さないのである。
ただし・・・それは・・・せっかく一高に合格したのに一高を愛していない生徒たちに失望し、問題教師・坂本を代表とする一高OB教師が採点ミスを重く受け止めることもなく、一校卒をただひたすら自慢し、その他を見下してバカ騒ぎしていることに唖然とし、不合格したらしたでそのことに呪縛される・・・人々の不毛な姿を発見しただけだったという皮肉を伴うのだった。
この過程で・・・一高を不合格になったことで空回りしていた村井が救済された模様である。
的場「学校は・・・優秀なトラブルメーカーよりも扱いやすいバカを求めているんだ」
村井「そうだったんですか・・・杏子先生・・・帰国子女にはわからないとか・・・失礼なことを言ってすみませんでした」
「いいえ・・・失礼なのは・・・思ったことをそのまま言っている私の方ですから・・・そして・・・帰国子女にはわかるまいは彼の口癖でしたから・・・でも・・・私も言ってみたかった・・・たとえ・・・採点ミスで受験生が自殺したとしても・・・同じ過ちをくりかえさないために・・・立ち直って教師を続けるべきだと・・・彼に・・・しかし・・・彼は死んだのです」
99:名無しの権兵衛
バカ・・・バカ・・・「彼」のバカ・・・。
100:名無しの権兵衛
バカは死ななきゃなおらない・・・。
101:名無しの権兵衛
このスレは100を越えたので書き込めません。
新しいスレをたててください。
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