そして、姉の浮気相手はいなくなった(真木よう子)VSごめんなさい・・・悪いとは思っていないけどと彼は言った(宮﨑あおい)
急に身近な誰かがいなくなるのは応えるものだ。
人間工学的にそうなのである。
認知のドーパミンの分泌不足になるのである。
その人の顔に、声に、匂いに、ぬくもりに、味になじめばなじむほど・・・たとえばうんざりしたりしていも・・・刺激を失えば反応を失うのである。
知っているものが発する安心感を脳が感じられなくなり、それが不安を呼び、過剰な不快感を生みだすようになる。
鬱のメカニズムである。
家族や友人、職場仲間、近所の人にペット・・・ありとあらゆる馴染み深いもの。
そういうものから逃れたい人は認知力が弱かったり、認知のドーパミンのメカニズムに機能障害がある可能性がある。
だが・・・そういう機構を知っていたとしても・・・誰かがいないことで寂しくなったり、何もかもを捨て去りたくなったりするのが人間という厄介な生き物なのである。
キッドは大画面にはあまりなじめない。
程よい画面であまり横へ横へと広がらない画面で・・・ちまちまとテレビを見ていたい。
それが一番、安心できるのだ。
人類が滅亡しても生きていける気さえします。
で、『遅咲きのひまわり~ボクの人生、リニューアル~・第7回』(フジテレビ20121204PM9~)脚本・橋部敦子、演出・植田泰史を見た。第2回の記事で四万十市の人口を3万5千人ほどと書いたがドラマではおよそ3万6千人と言っていた。まあ、この場合は誤差の範囲内と考える。しかし、4万10人を目指す場合、後、4千人か、後、5千人かは結構重要な問題かもしれない。なにしろ、スポンサーが高知県だからな。あれかな・・・やはり「四万十市ばかりでなく高知県全体の話題も盛り込めませんかね」とか言われてるのかな。帽子パンの件・・・営業の人、御苦労さまです。
青春物語で脇役の誰かが死ぬ(主に自殺)のはお約束だが、禁じ手でもある・・・安直さが滲み出るからである。初回にいきなり世話好きの近所の老婆(倍賞美津子)を殺したドラマである・・・今回は予告編まで四万十市地域おこし協力隊隊長・藤井順一(桐谷健太)の生死不明を引っ張るわけだが・・・死なないと思う。いや、タイトルで歌う姿が出てくる度に「こいつもう死んでるんだぜ・・・」とお茶の間に思わせるのは反則だと考えるからである。
三年契約の四万十市役所臨時職員の小平丈太郎(生田斗真)は二階堂かほり(真木よう子)と川でひと泳ぎした後でお茶を飲むのだった。
そこへ四番ピッチャー松本弘樹(柄本佑)がやってきて合流する。
「俺・・・彼女の部屋から出たんだ・・・」
丈太郎が片思いしている看護師・森下彩花(香椎由宇)についてである。
丈太郎に言っているのか・・・十年前に別れたかほりに言っているのか・・・微妙なところである。
しかし丈太郎は素直に「でも・・・俺・・・彩花さんにふられちゃったんだ・・・」
「・・・」
「誰も愛せない・・・って言われて・・・」
「そんなこと言われたの・・・」と反応するかほりだった。
とにかく、丈太郎は市民病院リハビリアシスタントの弘樹と大河内欣治(ミッキー・カーチス)が三歩歩けたことを抱き合って喜んだり・・・因縁の野球対決をついに果たしたりと・・・仲良し度を高めたのであった。
現在の状況はこんな感じである。
丈太郎→→→♥←←←弘樹
丈太郎→→・・・・・←←かほり
丈太郎→→→→・・・←彩花
丈太郎→・・・・・・・←市会議員の娘の今井春菜(木村文乃)
丈太郎→→・・・・・・・←順一
丈太郎・・・・・・・・・・・・妹に異常な嫉妬心を燃やす島田さより(国仲涼子)
さよりはついにかほりに心情をこぼす。
「私はあたしより頭がよかった・・・あんたより・・・ちやほやされてたし」
「それで・・・私が東京行って医者になって戻ってきたことが腹立たしいの」
「東京に行くなんて・・・思いつかなかった・・・この町で幸せになるのが当然だと思っていた」
「それを・・・頭が悪いって言うんじゃないの・・・」
「むきーっ」
中年男に弄ばれた春菜は両親の決めたお見合い結婚路線に乗せられ、そのコースの先輩である。さよりに問いかける。
「お見合い結婚して・・・幸せになれますか」
「私は幸せよ」
「うそくさい」
「むきーっ」
病気をかかえる夫のために擬似愛妻弁当を作ったのに食べてもらえない上にちょっとコーヒーを飲んで帰ってきたら咎められて。
「むきーっ」
そんな・・・さよりをあくまでお姫様のようにあがめる順一。
二人はボランティアでわけありの男と女が一夜を過ごす民宿でついに一線を越えようとする・・・先週越えてなかったのかよっ。
高校時代にできなかったさよりとのツーショット撮影をせがむ順一。
成り行きでさよりの唇を奪う順一。
順一の唇を奪い返すさより。
獣のように貪りあう二人・・・と思ったらさよりの結婚指輪で萎える順一だった。
・・・獣根性なさすぎるだろっ。
もう、許す気満々だったさより。
「むきーっ」である。
順一と丈太郎の関係も冷えていた。
丈太郎→→♥←←←商店街のおっさんたち
順一→→→→・・・・・商店街のおっさんたち
・・・だからである。
その頃・・・ナース森下は悶々とした夜を過ごし・・・自傷である。
ナース森下も自殺要員なのである。
しかし・・・森下と丈太郎。かほりと弘樹のパートナー・チェンジもそこはかとなくありのムードなのであるが・・・「サンリバー」の忍びのマスターはうっかりカップを落してぶちこわしである。このシーンのためのタメ・・・長かったな。
そして・・・新しい土地で新しい人生を切り開こうとする丈太郎と・・・新天地をどうしても夢見ることができない心の底から臆病な順一の心はすれ違って行く。
「今、人口3万6000人だから・・・4万10人を目指すのって・・・どう?」
「・・・頼むよ」
商店街の人々の意見を聞いて・・・それを順一に伝えようとする丈太郎だが・・・。
順一はすでに・・・不在だったのである。
二夜連続・・・抱いてくれたらいいのに展開万歳。
で、『行為んく・・・荒淫苦・・・香インク・・・コーインク・・・コ▼▼ーインク▼▼・・・だからどうしたいんだよ・・・▲ゴーイング マイ ホーム▼・第8回』(フジテレビ20121204PM10~)脚本・演出・是枝裕和を見た。ついにレム睡眠行動障害を発症する良多(阿部寛)だった。弱いものを苛めたいという心理は猫時代の名残なので誰もがもっている。「いじめはいけない」と言えば言うほど夢の中では「クーナを虐待している」のが人間というものなのだ。
キッドと同様に萌江(蒔田彩珠)もまた▼が気になって仕方ないので窓辺の▼に心を奪われてしまうのだった。▼を使いたいだけだろうっ。
「ごんぎつね/新美南吉」(1932年)
(ダイジェスト開始)
兵十(ひょうじゅう)が母親のために獲った魚を悪戯心で逃がしてしまったきつねのごん。
兵十の母親の葬儀で事情を知り気が咎めるのだった。
お詫びのために兵十の家に魚介類を届けるのだが兵十は魚泥棒の容疑で取り調べを受ける。
兵十はきつねの悪戯に業をにやし・・・ごんを火縄銃で撃つ。
しかし・・・ごんの運んだ栗で・・・ごんの意図に気がつく兵十。
「おまいか・・・」
「・・・」
(ダイジェスト終了)
「この時、ごんは哀しかったんですか・・・それともうれしかったんですか」
「それ・・・先月の教材ですよね」と萌江の時間差攻撃にたじろぐ杓子定規な担任教師・園田(千葉雅子)であった。また・・・有名人の母親に怒鳴りこまれたらどうしようと・・・「手袋を買いに/新美南吉」(1943年)を貸しだしてお茶を濁すのだった。
(ダイジェスト開始)
寒くなったので子狐に手袋を買ってやろうと思った母狐。
子供の手を人間の手に化けさせて店の戸から手だけ出すように指示する。
うっかり狐の手を出してしまった子狐だったが・・・現金払いだったために手袋を購入できる。
「人間って優しいね」
「お金を持っていればね」
(ダイジェスト終了)・・・おい・・・なんですか・・・オチ違うんじゃないか・・・解釈の問題です。
問題生徒を早く送り出したい園田だった。
まつたけをマヨネーズで食べる良多。
「いいんじゃないの」と良多の父(夏八木勲)。
「いや・・・いくらなんでも・・・それはねーな」と沙江(山口智子)。
そんな場面ないだろう・・・いや、妄想的にはマヨまつたけ美味しくいただきました。
そして・・・一家は三人で仲良く・・・長野の田舎町に向かうのだった。
こういう時に限って隣の小林(バカリズム)は姿を見せないのだった。
タクシーの徳永は「誰にも褒めてもらえなかったら自画自賛するしかないよね」
良多は姉(YOU)を思い出す。
「お母さんたら・・・お父さんを愛しているのよね・・・私、そこまで夫のこと愛してないなと思って」
「だから・・・夫と子供たちを残してプチ家出ですか・・・厄介な人だな」
「なによ」
「健次(安田顕)くんの焚きこみごはんおいしそうだったな」
「姉の旦那なんだから・・・さん付しなさいよ」
「・・・まったく」
こういう姉がいなくてホッとしたものも・・・実在する姉を思い出してゲンナリした人もきっといると思われる。
そういう姉本人は自分がそうだとはけして思わなかったもします。
ついに対面する・・・沙江と菜穂(宮﨑あおい)・・・和気藹々である。
しかし・・・クーナのイベントの打ち合わせを終えて坪井一家を送り出した菜穂の表情は曇る。
ふりかえったら良多は「なんだ・・・俺に気があるのか」と誤解するところだが・・・今回は菜穂が捨てられた女であることが明らかになる回なのである。
リアルに菜穂を捨てられる男は芸能界広しといえどもそうは多くないが・・・。
菜穂の失踪中の夫・めぐむ(加瀬亮)である。・・・おまいかっ。
しかも・・・あやしげな母娘凛・のん登場である。
めぐむは酪農家に住み込みで働いているらしい。
「そうか・・・大地(大西利空)も小学生か」
「この辺は・・・めぐむに似てるよ」
「そうかな・・・」
「サッカーやってる」
「ふうん・・・町どうなってる?」
「今、4997人」
「だから言ったんだよ・・・ダムなんか造ったってろくなことないって」
「そうだね・・・」
「あの町はもうだめさ」
「・・・だから(私を)捨てたの?」
「俺は(町のために)やれることはやったもの」
「私はそんな風には捨てられない・・・生れ育った場所だし」
「俺はあんまりいい思い出ないんだ・・・あそこに」
「(私とのことも)・・・」
「やり直したかったんだ」
「別の人とってこと・・・」
「・・・」
「一緒に暮らしてるの?」
「・・・なんか菜穂らしくないな」
「らしくないって・・・(私ってどういう感じなの)」
のらりくらりと肝心なことは言わない悪い男だった。
そして・・・きっと・・・菜穂は要領の悪い女なのである。
歩み去る菜穂はこらえきれずに振り返る。
「なんで黙って出て行ったの?」
「すまない・・・でも、俺・・・後悔してないんだ」
菜穂の涙に落ちない男を演じられる人も少ないよね。
ひどい男であるが・・・菜穂はそういうタイプに弱いらしい。
傷心して帰った菜穂はさすがに歯型コレクターの父親(西田敏行)に甘えるのだった。
「人口一人増やそうと思ったんだけど・・・失敗しちゃった」
「そんなやつ・・・あきらめちゃって・・・次にいけばいいよ」
「後悔してないって言われちゃった」
「・・・」
「なんだっけ・・・お母さんの口癖・・・」
「後悔というのはかってそこに愛があった証拠だ」
「それってなんかの小説の引用なのかしら・・・」
「トイレの日めくりのカレンダーの今日の一言だよ・・・母さん、気にいってその日のやつだけとっておいたんだ」
「誰の言葉なの・・・」
「北欧に伝わる諺だってよ」
「じゃあ・・・やっぱりクーナの言葉かしら」
「・・・」
そして・・・いよいよ・・・クーナ探索の日がやってくるのだった。
結局・・・萌江と菜穂がヒロインなんだよな。
まあ、二人を裏で繋いでいるのは沙江だけどな。
・・・おまいにとってはな。それより再現率高めな・・・。
いじれないよなあ・・・これは。
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