あたしはとてもおつむが軽い~書店員ミチルの身の上話~ノン・レガート(戸田恵梨香)
NHKの(火)は小説原作ドラマの二本立てである。
女性作家と男性作家の二本立てでどちらもまあまあの滑り出しなのである。
こんな女がいたらいいなあ・・・という男性の願望まるだしのヒロインを描いたのがコチラで非常にわかりやすい。
っていうか・・・「ゴマホ」では大人しくしていた新井浩文はまたしてもどんな女でも寝てしまうキャラとして復活なのである。
だけど・・・すごい説得力なんだよな。なんか・・・ある種の電波かフェロモン出してるとしか思えない。
なにしろ、戸田恵梨香とのディープキスなんか、そのまま違うジャンルの導入部分でもいいほどにリアルでエロティックなのだな。
まあ・・・とにかく・・・今夜はコチラで。
で、『書店員ミチルの身の上話・第1回』(NHK総合201301082255~)原作・佐藤正午、脚本・演出・合津直枝を見た。脚本・演出はプロデューサーでもあり、是枝裕和監督の映画「幻の光」の企画・プロデュースを担当したりしている。映画「落下する夕方」では監督。まあ・・・基本的に淡々としているわけだ。もう、これは好みの問題なのだな。
で、出身地の長崎の「女の子のような女」を淡々と描いた原作を淡々とドラマ化なのだな。
宝くじにあたったことで女の子が幸か不幸か違う生活を手にする話と言えば大島弓子「ノン・レガート」(1985年)が思い出されるのだが・・・ほぼの延長線上にある作品であるだろう。
ただし・・・いかにも処女な大島弓子のヒロイン19歳・小松菜晴子とちがって・・・。
25歳・古川ミチル(戸田恵梨香)は・・・。
あたしは とても おつむが軽い
あんたは とても 心が軽い
二人並べて よくよく 見れば
どちらも いいとこ あほう鳥
・・・な感じなのである。
ちなみに「ノン・レガート」は音楽用語で・・・ニュアンスとしては音をつなげるレガート(通常スラーを用いて表される)をしないがスタッカートよりは長いという中途半端な感じになります。
つまり・・・すべらかではないが歯切れがいいわけでもないという人生の機微ですな。
もっとも・・・流されるように生きて行くという点では二人の主人公はすごく似ています。
長崎の書店員・ミチルは平凡な女である。
一年くらい交際している上林久太郎(柄本佑)は誕生日のプレゼントにミチルの父親が愛用しそうな高級つりざおを選ぶようなガッカリさ加減で、近所の大学生・竹井輝夫(高良健吾)はストーカーモードでなんとなくつきまとう。なぜなら潜在する稀有な魅力があるからなのだ。
そんなミチルの心を鷲掴みにするのが東京の出版社から出張してくる豊増一樹(新井浩文)である。
妻子あるこの男に「ミチルちゃんの幸せに加担したい」とかなんとか甘い言葉を囁かれて出張の度に関係を結んでいる。
そんなある日、出張が一ヶ月空くと知ったミチルは急に男と別れがたくなり・・・男と一緒に空路、東京へやってきてしまうのだった。
なにしろ・・・「虫歯の治療に行く」と言ったまま、書店を後にしてこの顛末なのである。
凧だ・・・ミチルは凧なのだ・・・しかも糸が切れてます。
まあ・・・それだけだと・・・盛り上がらないので・・・もうすぐ、職場の仲間に頼まれて購入した宝くじが一等2億円の高額当選をすることになるのです。
行方不明のミチルのために田舎では一騒動持ち上がっているが・・・とにかく今は「男」とうっとりしたいミチル・・・波乱万丈の生涯はもうすぐです。
まあ・・・これは楽しいよね。
宝くじは連番で買うべきか・・・バラで買うべきか・・・ミチルは頓着しませんが・・・。
見極めたいあなたは天使テンメイ様の数学記事を参照なされますように。
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