マッチョ、マッチョマ~ン、だけんじょ、凝視せねばならぬものはならぬのです(綾瀬はるか)
現在の銃には弾丸があり、弾丸には薬莢がつきものである。
しかし、そうした形式が発明されたのは天保七年(1836年)頃であり、実用段階に達したのが弘化七年(1847年)頃で、普及したのは安政五年(1858年)頃になる。
これによって坂本龍馬はガンマンになることが可能になったのだ。
それまでは基本的に弾丸と火薬は別々に装填されていた。
弾丸と火薬を装填しやすいように紙で包んだものがハトロン(紙早合)である。
八重の成長はまさに銃の進化の過程だったのである。
銃が身近なものであれば不要な説明をいちいちしなければならないのは不便なことである。
キッドは「銃社会が不幸だ」とは思わない。包丁一本あれば殺そうと思えばかなり殺せるからである。
銃を規制したら次は包丁を規制するのだろうか。
小学校に包丁持った男が乱入してきても児童を守るために女教師が携行している44マグナムで闖入者を射殺できる社会はそれはそれでいい社会だと考える。
・・・それまでっ。
で、『八重の桜・第3回』(NHK総合20130120PM8~)作・山本むつみ、演出・加藤拓を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は「Macho, macho man I gotta be a macho man」な陸奥国会津藩士・山本覚馬と「弾丸の行方を目で追いなさい」のメソッドを披露する元・但馬国出石藩士・川崎尚之助の二大イケメン描き下ろし大公開でお得でございます。やはり、姫様より「漢」が先でございましたな~。よろしいのです。マイペースでお願いします。
安政二年(1855年)十月、関東南部にM7クラスの直下型地震が発生。世に言う安政の大地震である。家屋一万戸以上が倒壊、大火災が発生し、死者は一万人を越えたと言われる。水戸藩邸にいた戸田忠太夫や藤田東湖なども死亡している。攘夷派の水戸藩主・徳川斉昭にとっては痛恨の一撃だった。安政三年(1856年)秋、米国は徳川幕府に対し駐日総領事ハリスを下田に来航させ通商の自由・通貨交換比率の取り決めをついての交渉を開始する。日米交渉は一年間続き、ついに安政四年(1857年)秋に日米間の条約となる下田条約が締結される。ハリスは江戸城に登場し、将軍に米国大統領ピアースの親書を提出する。これより、本格的な日米修好通商条約の交渉が開始されることになるのだった。この許しを幕府が朝廷に求め、朝廷が条約調印を拒否することによって幕末の混乱が開幕するのである。開国派と攘夷派、尊皇派と佐幕派は入り乱れて血みどろの抗争を展開するのだった。明治維新までいよいよ残り十年なのである。その頃、会津藩ではお上にたてついた山本覚馬が一年間の禁足処分となっていたのだった。
「武の極意とはなんでございましょう」と八重は米俵を担ぎながら言った。
「心・技・体の鍛錬じゃ」と兄の覚馬は答えた。
二人は半裸である。初夏の日差しが裏庭に差し込んでいる。兄の覚馬は両手に一俵ずつ米俵を持ち、振り上げては下ろす。発達した筋肉が躍動する。
八重は両手で一俵の米俵を担ぎあげては下ろしている。
膨らみかけた胸が幽かに揺れる。
山本家の居候となった元・但馬国出石藩士・川崎尚之助は茫然として二人の筋肉鍛錬のための稽古を見つめていた。
「シン・ギ・タイとはなんでございましょう」
「心とは心の動きを研ぎ澄まし、御することじゃ。何を目指すのか、何を為そうとするのか、そのための道筋はどうあるべきか、また、機に臨んで的確に為すべきことを為すために不動の心を養うことじゃ。技とはより理にかなった働きをするために手順や足さばき、ものの流れを支配することじゃ。体とはそれらを身を持って行うための力を養うことじゃ・・・今、しておるのは身体に力を与える鍛錬じゃが、それをするための技があり、そしてそれを成し遂げる心があるのじゃ」
「さすれば・・・兄上のように鉄砲を放てまするか」
「いかにも・・・刀を使うためにはそれを使う心を鍛えねばならぬ。それがもっともふさわしい技を磨かねばならぬ。そして、それがもっとも強くあるべき力を養わねばならぬのだ」
「武は膂力でございますな」
「その通りじゃ・・・同じ刀を持っても人よりも早く、人よりも強く、人よりも正確に相手を斬り殺すためには心・技・体が優れていなければならぬ」
「心得ました」
「鉄砲とて同じじゃ・・・鉄砲を相手より早く撃ち放つために、相手より正確に撃ち放つために、相手より優位に立つために・・・心技体は不可欠なのじゃ」
「承知」
見ているだけで息がつまるような鍛錬をしながら・・・平然と会話を交わす二人に尚之助はなにか常人離れした存在を感じるのだった。
これが・・・噂の鉄砲忍びというものか・・・。
先代藩主・仙石政美の逝去の時代から続く、但馬国出石藩のお家騒動に嫌気がさして俸禄を辞し、会津藩までやってきた尚之助だったが・・・この異常な兄妹の存在感に圧倒され恍惚となっている今日、この頃なのであった。
その時、八つの鐘がなった。
「よし・・・それまで」
覚馬が軒下に俵を積むと、八重はその上に俵を軽々と積み置く。
鍛え抜かれた二人の肉体美に・・・尚之助はチャーム(魅了)の魔法をかけられていた。
関連するキッドのブログ→第二話のレビュー
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コメント
こんばんはです
いやぁ女性視聴者は西島さんの上半身に釘付けだったことでしょう
あのシーンのためにがっつり鍛えましたって感じでしたねぇ
日新館の教授として
覚馬に川崎までもいて
女子生徒も許したらあっという間に女子生徒で埋まることでしょうな
くうお嬢様はハイテンションで塾頭筆頭になりそうな勢いです ̄∇ ̄
イラストに関しては吉田松陰
井伊直弼、佐久間象山、次は久坂玄瑞、真木和泉、宮部鼎蔵と
すぐ死にそうな人を優先です; ̄∇ ̄ゞ
会津の男性陣・女性陣に取り掛かれるのは
4月あたりからでしょうかねぇ; ̄∇ ̄ゞ
まぁ描いてすぐ大半が死んじゃうんでしょうけどねぇ; ̄∇ ̄ゞ
投稿: ikasama4 | 2013年1月21日 (月) 22時57分
ふふふ・・・世界のお茶の間で一部愛好家が
ときめき濡れそぼる一瞬でしたな。
諸膚脱ぎの覚馬の攻撃力100に
圧倒された今回でございました。
まさに心技体の賜物です。
日新館が女学校だったらと思うと
生徒募集に不安なしでしょうな。
まあ、母娘ともに虜の日々なのですな。
授業参観に満員御礼が出そう・・・。
今回はマップ背景もギリギリサービスいたしました。
くう様向けでござりまする。
それにしてもやはり日本列島はナニですな。
竜の頭の北の大地。
茎となる本州島。
根元なる二つの宝玉、四国と九州。
屹立しております。
そして・・・いよいよ幕末大量虐殺物語の開幕。
歴史とはまさに死体の集合体なのですな。
その華麗なる人々を
描いては亡くしまた描いては亡くす。
画伯の一瞬の輝きを求めての精進に
感謝感激でございます。
あくまでマイペースでお願いします。
この場を借りて
地球のいたるところに眠る
大和魂のご冥福をお祈り申し上げます。(UへU)ゞ
投稿: キッド | 2013年1月22日 (火) 00時39分