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2013年1月19日 (土)

夜行観覧車に乗って小六から中三まで(杉咲花)お手並み拝見(吉田里琴)

思い切ったキャスティングである。

時間の錯綜というのはドラマではよくある手段だが・・・大河ドラマなどの場合は少年時代から老年時代までを描くので慣れないと違和感がつきものである。

今回はミステリで2010年~2013年という四年間の歳月が横たわっているらしい。

大人の四年間は鈴木京香(44)にしろ石田ゆり子(43)にしろ・・・なんとでもなるわけである。

しかし、小学校六年生から中学三年生までを演じる杉咲花(15)はなかなかに大変そうだ。

おなじく同級生の中川大志(14)もであるな。

だからでっかい小学生と思うしかないのだな。

ちなみにおなじく同級生である吉田里琴(13)は軽く大人びた小学生を演じている。

ちなみに中学生の宮崎香蓮(19)、高校生の安田章大(28)もなんとか・・・ね。

で、『・第1回』(TBSテレビ20130118PM10~)原作・湊かなえ、脚本・奥寺佐渡子、演出・塚原あゆ子を見た。横浜の架空の高級住宅地・ひばりヶ丘をめぐるサスペンスである。坂の下から来た遠藤一家は上昇志向の強い主婦・遠藤真弓(鈴木京香)の虚栄によってお屋敷街の片隅の駐車場跡地に新築の家を購入し、引っ越してくるのだった。分相応という言葉を知らない女の悲劇の始りである。

そういう身の程知らずの母親の犠牲となるのが小学六年生の娘・彩花(杉咲花)である。ちなみに夫は建設会社に勤務するサラリーマンで35年の住宅ローンの返済に迫られる啓介(宮迫博之)である。

坂の下に棲む人々と自分たちは階層が違うと信じているひばりヶ丘の女主人が小島さと子(夏木マリ)である。異物として侵入してきた遠藤家が禍々しくてならないのである。

がさつで社交辞令という言葉を知らない遠藤真弓はいきなり、引っ越し前の挨拶もせずに大量のゴミを出して顰蹙を買い・・・小島夫人に目をつけられてしまうのだった。

そんなさと子を庇うのは週末にインスタントラーメンを食べる貧民街の出身ながら、病院を経営する整形外科医・高橋弘幸(田中哲司)の夫人となった淳子(石田ゆり子)である。

家の配置関係で言うと【【【【【【【小島家】】】】】】】【遠藤家【道路】【【【高橋家】】】となっている。

高橋家には彩花と同級生の慎司(中川大志)、彩花の目指す私立中学に通う比奈子(宮﨑香蓮)、医大を目指す受験生・良幸(安田章大)がいるのだった。

高橋家も新参者であったが、夫の職業と妻の貧民あがりながらにそつのない社交力でひばりヶ丘にはそれなりに馴染んでいるらしい。

海の見える方向に日本最大級の観覧車が構築されていく間に、遠藤家もそれなりにひばりヶ丘に溶け込んでいくのだが・・・無神経な母親と違い、格差社会の荒波に彩花は少しずつ病んでいくのだった。

引っ越してから引っ越しの挨拶。

無神経で無遠慮なゴミ出しにより、早くもマークされてしまった遠藤夫人の挨拶回りは誰にも取り合われない。

助け舟をだした高橋夫人は「挨拶回りは小島家から」というルールを教授する。

坂の上から娘を車で小学校に送迎する遠藤夫人。

受かってもいない「私立中学になってもみんな仲良くしてほしい」などと空気をまったく読まない発言で彩花のクラスメートに接する。

「セレブになっても公立においでよ~」と彩花の同級生の村田志保(吉田里琴)は優しく気付かないフリをするのだった。

やがてひばりヶ丘ではチャリティーバザーが開催。

夫の会社のタオルやら、使い古しのぬいぐるみを出品しようとした遠藤夫人は高級ブランド品のならぶバザーに立ちすくむ。

ニヤニヤしながら小島夫人は「あらあら、遠藤さんは何をお持ちくださったのかしら・・・」

そこへやってくる高橋夫人。

彩花は「お母さんがマジ庶民なんです~」と縋るのだった。

憐れに思った高橋夫人はそっと自分の出品するものを半分手渡してくれるのだった。

思わず「神様、仏様、高橋様」と拝む遠藤夫人である。

実年齢では一つ下だが物凄くかっこいい高橋家の次男に恋心を感じる彩花。

小島家の音楽界に招待され、姉のピアノに弟のヴァイオリンという姉妹演奏にうっとりなのだが・・・自分以外の子供たちがすべてプレイヤーであることに物凄いいたたまれなさを感じるのだった。

屈辱を感じて小島家を去る彩花を遠藤夫人は事情も知らずに礼儀をわきまえないと小島夫人の前に引き戻す。

「まさか・・・なんの音楽的素養のない御令嬢がいらっしゃるとは思わなかったもので・・・可哀相なことをしました」と嘯く小島夫人。

「ピ、ピアノがひけないと・・・ふ、普通じゃないとおっしゃるの」と蒼白になる遠藤夫人。・・・いい加減学習すればいいのに・・・。まあ、ハトポッポを首相にしてしまう国家の庶民だからな。

そこへ高橋夫人がやってきて・・・彩花と簡単な連弾を披露してその場を取り繕ってくれるのだった。

「なんと・・・御礼をしたらよいのやら」という遠藤夫人に「じゃ、一緒にカップラーメン食べて」ともちかける高橋夫人。

実は庶民出身だった高橋夫人は遠藤夫人と友情関係を結ぶことを提案するのである。

遠藤夫人は「幸せ」を満喫するのだった。

やがて・・・家族ぐるみの交際が始まる。

しかし・・・蜜月は長く続かないのが人生というものなのである。

坂の上の私立中学に挑んだ二人の子供たち・・・。

雪の舞う・・・合格発表の日。

彩花は不合格となり、慎司は合格してしまう。

虚栄心にあふれる遠藤夫人は悔しくて悔しくて二度と心から微笑むことはできないのだった。

そして・・・四年の歳月が過ぎる。

2013年1月22日の夜・・・。

コンビニに買い物に出かけた遠藤夫人の右手には包帯が巻かれている。

夫の啓介は玄関を閉めて震えている。

娘の彩花は積木くずし風になっている。

高橋夫人は居間で泣き伏している。

そして・・・庭には高橋弘幸が何者かに後頭部を殴られ倒れている。

中学生となった慎司は行方不明である。

結城哲也刑事(高橋克典)は「顔見知りの犯行」を疑いつつ殺人事件の捜査を開始するのだった。

予告編で見る限り、吉田里琴は来週も出番があるのだった。

関連するキッドのブログ→高校入試

シナリオに沿ったレビューをお望みの方はコチラへ→くう様の夜行観覧車

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コメント

じいやちゃま、こんにちは!
またまた格差を描く湊作品でしたね。
まさに抉り出すといった演出で
皆さん、怖い怖いと言いながらも
楽しんでいたみたいですよ。。。

賢い人ならそんな変な場所に近寄らないですよね。
空中移動も一発OKのお屋敷と違って
自家用飛行機を止める場所もないみたいだし、
アタシもね、ひばりヶ丘は坂を上りきる自信ないわ(チガウッテバ

そんなわけで、ピアノぐらいは弾けて当たり前という
じいやの教育が今こそはっきりと身に染みましたのよ。
ベートーベンのソナタで泣きべそかいてたら
じいやにハッパかけられたのも
今では懐かしい~~。
あそこを越えたら
ラフマニノフも入りやすくなりましたもんねえ~不思議ですわ。

まあ、事件発生が主軸のドラマみたいですけど
あまり関係なかったりして^^;
犯人はママか息子のどちらかでしょうしね。

むしろ妖怪夏木さんに同化して見ていきそうなアタクシですのよ。

今晩はね、かぶとレンコンを使った和風のポトフをどうぞ。
庶民のお料理も愛があって侮れないですわよ。
ワインもホットにして芯から温まってね~。

投稿: エリ | 2013年1月20日 (日) 15時39分

✿❀✿❀✿かりん☆スー☆エリ様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿

世界は格差に満ち満ちておりますから
題材に不自由はしないのでございますねえ。

まあ、このドラマにおける程度の格差では
ポケットの中の塵芥の階級闘争のようなものですなあ。
なにしろ、丘を切り開いて住み着いた初代開拓民と
新参者の間のことですので
何が違うのかさっぱりわかりませんぞ。
やはり、高貴な伝統というものは最低でも
千年ほどの熟成が必要なのでございます。

ましてや自家用原子力発電所もないようでは
停電などの場合、エレベーター一つ動きませんですぞ。

まあ、下々の間にも
それなりに上下感覚がございますので
ご参考になるドラマかもしれませぬ~。

平成財閥の英才教育は
基本的に英国王室と日本国皇室の伝統行事に
対応できる程度の教養を
五歳までに修身なさるカリキュラムになってります。
エリ様は四歳でマスターなされてしまいましたので
じいやとしては誠に感服つかまつりました。
まこ様は問題外といたしましても~。
アンナ様は米国育ちでございますので
些少ながら略式になっております。
しかし・・・お嬢様方は
生れ持った気品があふれんばかりですので
教養などほんの装飾にすぎないのでござりまする~。

(じいやバカ発動中)

ミステリはミステリとして・・・
上流への憧れと
身の程知らずの傲慢さを
合わせ持つ主人公母に翻弄されるいたいけない娘と
小泉今日子の未来を思わせる絹の靴下夫人の怪演や
いつまでも初々しい石田姉の危うさ爆発が
なかなかにそそるドラマでございますなあ。

平成財閥七草かゆの
カニぞうすいヴァージョンが
まこ様からリクエストされましたので
明日の朝食にお持ちいたします~。

投稿: キッド | 2013年1月21日 (月) 01時39分

ミュージシャンの娘“花ちゃん”に音楽ができない役をさせるたぁ粋な演出やね〜‥

【マクロス芸人】の“宮迫博之”が自分の娘役が【ミレーヌ・ジーナス】の娘ってゆうコトゎ知ってるンかな…?

投稿: ですとろい | 2013年1月22日 (火) 14時09分

✪✪✪ブザビーヤマピー✪✪✪ですとろい様いらっしゃいませ✪✪✪ブザビーヤマピー✪✪✪

ふふふ・・・。

思春期の娘さんの話なので
プライベートなことはまあ、成人後で
いいのじゃありませんかねえ。

そういうことを含めて女優ではありますけどね。

あくまで歌ミレーヌは歌ミレーヌ。

梶浦花は今は杉咲花なのでございますし。

秘するが花でございますよ。

投稿: キッド | 2013年1月23日 (水) 02時46分

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