燃えろ、いい女~焦がせ、僕の魂を(中島裕翔)
コーンスープとミートローフといえば軽いもてなしの料理である。
質素といえば質素だが・・・急な客人のために用意する食事としてはそれなりに心がこもっていると言えるだろう。
急な客人といえば、結婚式帰りの二人である。
そうなれば・・・突然の嵐が襲来する。
性的にはまだまだ未熟な二人が・・・性の狩人が主をつとめる古城にやってくる。
もちろん、「ロッキー・ホラー・ショー」の幕が上がるのである。
その中でも異彩を放つのが地獄のロックライダー、超絶的な性の愛玩用モンスターの失敗作、エディ(ミートローフ)なのである。
屋敷の主の正体は・・・実は宇宙人だ。
なるほどね・・・そういうことがやりたいのでございますね。・・・いや、お前の妄想的にはな。
で、『シェアハウスの恋人・第7回』(日本テレビ20130227PM10~)脚本・山岡真介、水橋文美江、演出・南雲聖一を見た。束の間の正気を取り戻したヒロインの汐(水川あさみ)はドレスアップして友人の結婚式に出かける。例によって世間はせまいので友人の結婚相手は雪哉(谷原章介)がアルバイトしている「にっこり弁当」の社員である。参列者の中に雪哉に一方的に恋をしている明海(黒沢かずこ)と言う女がいて、汐と雪哉が友人だと知るとすり寄ってくる。常識的に考えれば「彼が妻子ある男であること」を遠回しに伝えるところだが、「プライベートなことだから」という理由で秘す汐であった。邪推すれば、汐は自分自身が雪哉の結婚をなかったことにしているのである。
つまり、汐の狂った頭では・・・雪哉の実子である空知(君野夢真)と父親の仲をとりもつことで自分が母親=妻になったように考えているわけである。
しかし、そういう妄想に支配されている一方で・・・汐の中にはどうやら、汐に愛を告白した辰平(大泉洋)が気になる心も生じているのであった。
客観的に見れば、妥協して辰平でもいいのではないかという打算が生じているわけだ。
恋と言う情熱とは違い、愛は時に計算高いのである。
帰宅した汐は妄想上の夫の手作りコーンスープ&ミートローフを楽しむ予定だったが、それは不詳の弟、シスターコンプレックスで、弱虫、へたれで知り合った日から何年すぎてもあなたって手も握らない赤いスイトピー・凪(中島裕翔)が美味しくいただいてしまったのだった。
そもそも、この年頃なら好きな女の子とはすべての体位を試した上にいろいろな禁断のプレーもやってみるのがノーマルだと思うし、それほど好きでもない女の子でも相手がその気になれば一応やっておくのが当然なのでよくわからないのだが・・・お前はな。凪は恋人のカオル(川口春奈)と性行為は新婚旅行先までお預けどころかキスもできないチェリー・ボーイなのだった。
挙句の果てにカオルが他の男と挑発的なキスをしたことで悶々としていたのだった。
サタデーナイトを思い出せよ
それなりに着飾って楽しんだことはないのか
宇宙の彼方から届いた光で
神様の存在を感じるようにさ
汐は自分以上に奥手な弟を持て余すのだが・・・同類相哀れみもする。
翌朝、カオルがやってきて・・・凪の贈り物を返すと主張する。
これまで凪はカオルに君のことを愛してるカップだの、鳩笛だの、ベスト・ラブ・ソングだのをろくでもないものをプレゼントしてきたのである。ラプソングを聞きながらベッドをギシギシいわせて夜明けのコーヒー飲まなければただのガラクタである。・・・笛はどうすんだよ・・・あ、あれか。昇天の合図用か・・・お前はな。
信じられないことにそれでもカオルは凪に見切りをつけることはできず、愛してもらいたいと未だに思っているのである。もちろん、凪もカオルを愛したいのだが・・・下半身に忠実になれない性格なのだった。
いかした女をドライブに連れて行き
いかれた音楽をラジオで聞いて
サックスでロックンロールをしまくって
ごきげんタイムを過ごせばバッチリさ
もどかしい二人に汐はショッピングを口実にしてこぶつきデートをもちかけるのだった。もう、その発想が理解できません・・・お前はな。
カオルは風船パフォーマーに「彼女と一発決めることもできないへなちょこ男」をリクエストするのだった。
なんとか、二人をとりもとうとする汐だったが、遅効性の告白されちゃったのでなんだか気になってきましたシンドロームを発症する。
何を見ても何を聞いても、辰平の記憶がフラッシュバックしてくらくらしてしまうのである。難儀な姉弟なのだった。
結局、凪は・・・。
「Hot Patootie - Bless my soul(情熱的な恋人よ、我が魂に祝福あれ)などと頓珍漢なことを口走るのだった。
通りがかりの三浦刑事はため息をついてつぶやくのだった。
「女の泣き言に分析は要らん・・・黙って聞いてやって・・・大変だったなって言ってやる・・・それだけでいいんだ」
まあ、相手がフランクリン・フルターなら「厄介者め」と斧で安楽死処分されるところである。
香水で鼻をくすぐられ
ジーンズを脱がすのももどかしく
ピンクの口紅を舌でとかして
耳元で愛をささやくだけなのさ
しかし、凪がカオルの恩寵を受ける日はまだ遠いらしい。
翌日はストーカーと化したブタゴリラが来襲する一幕があって、シェアハウスは蛇口とかホースとかを一方的な恋の思い出の戦利品として強奪されるのだった。
しかし・・・雪哉が「にっこり弁当」の正社員として採用されることがわかり、汐と辰平は祝福するのだった。
その夜、調子に乗った汐は実の母親の許可もとらず、幼稚園児を長距離バスで呼び出すという暴挙に出る。
もちろん・・・雪哉に引き合すという大義名分で押し切るつもりなのである。
しかし、まだ完全に「まともな父親」としての復活を果たしていないと感じる雪哉は頑なに面会を拒むのだった。
いや・・・大人なんだからさ・・・などと常識的な話をしても無駄なのである。
所詮、いい年してシェアハウスの住人なんだから。
結局、代理母、代理妻としての役割を演ずることがてきなかった汐は・・・辰平で妥協しようとする内面的葛藤をもてあましたあげく・・・なんだかつかれちゃって家出を敢行するのである。
ふ、ふりだしにもどるのかよっ。
あわてふためく・・・まだまだ駄目な父親、相当に駄目な弟、そしてそこそこ駄目な宇宙人。
しかし・・・ついに宇宙人は・・・その神秘な下半身を青白く発光させて・・・本人を含めた全員の度肝を抜くのだった。
な、なにが光ってたんだよお。
かわいい女に祝福を
マジで愛しいロックンロール
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