私ははらちゃんがわからない(麻生久美子)
現実がつらいと感じるから逃避するのか。
逃避するから現実が辛いのか・・・。
分岐点が遥かな過去すぎて、もはや、よくわからない。
だが・・・幼い頃には現実と非現実の境界線は曖昧で自分が逃避しているのか、してないのかも曖昧だっただろう。
そういう意味ではは現実と非現実の境界線は今も曖昧である。
なにしろ、すべてはフィクションなのだから。
それでも、たとえば恋をし続ければ・・・現実であろうとなかろうといつかは叶うのが当然なのである。
そうでなければ・・・これほどまでに人間は増えなかっただろう。
そうでないとすれば・・・もうすぐ人間は減るだろう。
で、『泣くな、はらちゃん・第4回』(日本テレビ20130209PM9~)脚本・岡田惠和、演出・狩山俊輔を見た。矢口百合子(薬師丸ひろ子)が深く関与している矢東薫子の漫画を模倣して極私的漫画を描く越前さん(麻生久美子)・・・いかなる超常現象でか・・・そのキャラクターはらちゃん(長瀬智也)は越前さんのいる世界で実体化してしまう。そして・・・はらちゃんは自分がマンガの世界の住人であることをついに知ってしまうのである。
「私たちはみんな越前さんの描いたマンガなんです」
「えーーー・・・意味わかんない」
はらちゃんが直感した世界の秘密をその他の登場人物は理解できない。
ただ、ユキ姉(奥貫薫)だけは何かを知っているような表情を見せる。現実世界について、はらちゃんに教えたのもユキ姉なので・・・何かを知っているかもしれないし・・・ただそういうキャラクターなのかもしれない。なにしろ・・・マンガなんだから。
「そうだ・・・越前さんに教えてもらおう」・・・決意した、はらちゃんだった。
しかし・・・およびがかからないのである。
なぜなら・・・越前さんは【はらちゃん】のことが気になってマンガどころじゃなかったのだった。
おりしも、かまぼこ工場「ふなまる水産」はバレンタイデーはかまぼこ強化週間なのだった。
突然、現れて、突然、消えてしまう。
どこの誰かもわからない。そして自分のことを好きだという。
そんなこと言われても困ると思うけれど・・・なんだか気になってしまう。
いつもなら関係ないと思うバレンタインデーにも心が騒ぐ・・・。
そして、いつも【彼】を求めてふりむいてしまう。
「それは恋だね」と断言する全知全能の百合子さんだった。
「でも・・・その恋はやめておいた方がいい」と諭すように言う百合子さんなのである。
私は彼がわからない
彼の心がつかめない
私は一体どうなっちゃってるの
一方で越前さんに片思いしている田中くん(丸山隆平)は盛んにチョコレートが好きだを連発するのだが・・・反応したのは田中くんに片思いしている悪魔さん(忽那汐里)なのだった。
膠着状態に陥った二次元/三次元世界だった。
それを打破するのは例によって越前さんの性悪な弟・ひろし(菅田将暉)だった。姉の経済力で生きて行きたいひろしは・・・姉に漫画家の才能があるならそれもよかろうとノートを漫画喫茶「漫画王国」の漫画家風住人に鑑定に出したのである。
そのあおりを受けて、【あっくん】(清水優)がこちらの世界に実体化し、犬恐怖症になってしまう事件も発生するのだった。
ひろしはかまぼこ工場にあらわれて「かわいいは正義」の力でおばちゃんたちを魅了しつつ、姉に「姉ちゃんの漫画は金にならないって・・・だからもう漫画なんか描かない方がいいよ」と独自の主張を展開する。
そのはずみで【はらちゃん】降臨である。
「越前さん・・・教えてほしいことがあるんです」と迫る【はらちゃん】にドキドキが止まらない越前さんは・・・思わず【彼】を拒絶してしまう。
そんな【はらちゃん】に親近感を感じる田中くんは【彼】を外回りの仕事に連れ出すのだった。
「僕はマンガの世界の人間なんです」という【はらちゃん】・・・。
「僕もそうだよ・・・(マンガを読んで現実逃避しているの意)」と田中くん。
「そうなんですか・・・誰が描いたマンガなんですか」
「荒田ヒトシ先生さ・・・(荒田ヒトシの描くマンガが好きなのである)」
かみあっていないのにかみあう会話の妙である。
【はらちゃん】はもちろんそれが誰だか見当もつかないのである。
その時、【はらちゃん】は救急車と遭遇し・・・病気の存在を知る。
工場に戻ると越前さんは風邪で早退していた。
田中くんから風邪も病気だと知らされ、あわてて救急車を捜す【はらちゃん】だったが・・・救急車をキャッチすることはできなかった。
「誰か・・・助けてください」
「セカチューかっ」
悪魔さんがやってきた。悪魔さんは越前さんの家を【はらちゃん】に教えるかわりに・・・田中さんについての情報を得るのだった。
そして・・・ついでに【はらちゃん】に「地獄へ落ちろ」のサインqを教えて・・・荒田ヒトシの漫画を買い、チョコレートの材料を買いこみ、いそいそと自分の家に帰る悪魔さんだった。
越前さんの家には百合子さんが待っていた。
すでに熱にうなされて寝込んだ越前さんのために・・・越前さんの母親・秀子(白石加代子)に頼まれて昔なつかし氷枕の準備をしている百合子さんなのである。
「それはなんですか・・・」
「氷枕よ・・・風邪をひくと熱が出るからこれで頭を冷やすの」
「氷枕さん・・・」
「はらちゃん・・・こっちの世界は楽しい?」
「はい・・・でも・・・楽しいけど悲しいです」
「どうして・・・」
「こちらの世界は私の世界とはあまりに違うので・・・」
「そう・・・」
「越前さんが病気になって苦しんでいるというのに・・・私は病気になったこともない・・・越前さんのつらさがわからない・・・それが悲しいです」
思わず涙ぐむ百合子さんだった。
「私にできることはありませんか」
「じゃ・・・看病だね」
「看病・・・それはなんですか」
「ずっと一緒にいてあげることかな」
「それなら私にもできますね」
「がんばって・・・はらちゃん」
すべての事情を把握している様子の百合子さん。やはり・・・神様の神様なのか・・・。
「せつないことになっちゃったなあ」と自分で自分の頭をポカスカするところがもうセーラー服を着せたいくらいのかわいいよ、【薬師丸】かわいいよなのであった。
【彼】を娘の初めての恋人と思いこんでいる母親公認で看病にはげむ【はらちゃん】だった。
熱に弱いタイプらしく、身悶えて、あえぎまくる越前さん。【はらちゃん】は闘病する越前さんと氷枕さんを精一杯応援するのだった。
そしてうなされて助けを求めて差し出された越前さんの手を思わず握り締める【はらちゃん】だった。
そして・・・バレンタインデーがやってきた。
工場長の玉田(光石研)は百合子さんから義理かまぼこをもらい有頂天となり、田中くんはツンデレ女王の悪魔さんからあくまで偶然、心のこもりすぎた荒田ヒトシ風スペシャルでたったひとつのあまったチョコレートをもらい心が少し温まる。
街ではいつもの警官(小松和重)が賄賂の前払い的チョコをもらい万歳を叫ぶのだった。これは・・・ある意味、死亡フラグかもしれないなあ。
「今日、家に帰ったら女子高生にもらったチョコレートを食べるんだ」でかっ。
目覚めた越前さんは目の前の【はらちゃん】に驚愕する。
母親に「熱が下がったのは【彼】が徹夜で看病してくれたおかげ」と言われ恐縮する越前さんだった。
「それは・・・ありがとうございました」
「ありがとう・・・ということは何かもらえるんですか」
「・・・何が欲しいんですか」
「何もいりません・・・だって今日は越前さんからチョコレートをもらう日ですから」
「・・・」
「両思いの人はもらえるんですよね」
「あげますよ・・・もう熱が出そう」
思わず、越前さんの母親から学んだおでことおでこで熱を測るテクニックを使う【はらちゃん】に越前さんはヒートアップするのだった。
「熱はさがりましたか」
「下がるかっ・・・とにかく・・・チョコレートはもらっておどろいてよろこんで食べるんです」
「・・・そうなんですか・・・じゃあもらったらおどろいてよろこんで食べます」
「もう・・・あなたは一体だれなんですか」
「はらちゃんです」
「また・・・私に気持ちを言わせておいて・・・自分はふざけてばかり・・・結局、からかっているのね・・・そうなのね」
怒りだす越前さんに・・・悲しむ、はらちゃん。
「馬鹿にしないでよ・・・【誰】が私の描いたマンガのはらちゃんよ」
越前さんの描いたマンガの【はらちゃん】なのである。
怒りにまかせてノートを開く越前さん・・・消失する【はらちゃん】・・・。
「え・・・」
一人残された越前さんは自分の正気を疑いつつ・・・昔なつかし水銀式体温計を咥えてノートのはらちゃんにチョコレートをプレゼントするのだった。
なぜこんなにも彼のことを好きになってしまったの
この胸の苦しみをどうすればいいのかな
彼をなじって傷つけてみようかしら
彼にすがって泣いてみようかしら
それとも愛してるって叫んでみようかしら
そんなこと私にできるはずもない
いつだってクールに誰にも関わらないように
生きて来た私だもの
けれど今・・・彼の愛が真実かどうか・・・私は答えを求めている
そして・・・答えを知ることがこわくて仕方ない
だって私には彼の愛し方がわからないもの
はらちゃんたちは神様から贈られたチョコレートを食べておいしくて驚いて喜びを分かち合う。
ノートの外の世界ではまたしても弟が現れて世界に衝撃をもたらす。
そして・・・越前さんは見た。
自分の描いたマンガの【チョコレート】を食べる【はらちゃん】を・・・。
「えええええええええええええ」
ショックで卒倒する越前さんを抱きとめておでことおでこを寄せ合う【はらちゃん】だった。
越前さんが聖母マリアなら、はらちゃんはジーザス・クライスト・スーパー・スターなのか。
関連するキッドのブログ→第3話のレビュー
まこ「しょれしょれ~。先週は恵方かまぼこで稼ぎまくったのでその売上をしゅべてつぎこんでバレンタインデーかまぼこを増産するのでしゅ~。やっちまいな、ノルマ達成しちまいな、達成しないとおしおきだじょ~、急がないと次のひなまつりかまぼこが間に合わないのデス!」
くう「オリジナルのはらちゃんもいたのかしらねえ・・・百合子さんと恋におちてたりして・・・一方、相思相愛のはらちゃんと越前だけど・・・神様と人間だからねえ・・・どうなるんだろ・・・とにかくノルマは達成しなくちゃね~」
シャブリ「気がつくと毎日が自分の手作りのかまぼこなのでありました~・・・現物支給ですかーーーっ・・・っていうか自給自足・・・」
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コメント
やっほーまこかま工場における一輪の花ならぬアクマさん…くうでございます。
しかし、その世界はなぜか「カラマーゾフ」の世界のようにドロドロっぽく見えるのでありました。
殺すしかないねっ。
本当~に毎週毎週楽しくて切なくて優しくて、幸せなドラマでございます。
今期で一番愛すべきドラマです。
この幸せにずっと続いていてもらいたいのです。
お互いが違う世界の住人だと知ってしまった越前さんとはらちゃんは、
これからどうなるんでしょうねぇ…。
楽しみだったり不安だったりですわ~。
投稿: くう | 2013年2月10日 (日) 14時54分
しょれしょれ~!!!
ひな祭り☆かまぼこが終わったら、次は花見☆かまぼこ、
んで、母の日☆かまぼこに父の日☆かまぼこ・・・
休んでる暇はないヨ、働け、働けなのデス!
ったくもう!また長沼さんがサボってる!
お仕置きだべ~~~~~~!!!
あっくんも「まぁまぁ飲みましょうよ」じゃないヨ!
まこ☆ミキはまだ未成年ですヨ、このスカポンタン!!!
と、現実逃避して妄想の世界に浸ってますが何か・・・?
投稿: まこ | 2013年2月10日 (日) 15時53分
❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀
まこお嬢様のお遊びにノリノリでお付き合いくださりありがとうございます。
まこかま工場付属食堂の食券一年分をお受け取りくださりませ~。
おすすめは「かまぼこ入り卵とじうどん」ですぞ~。
従業員はほとんどロイドなので
誰も利用しないのですがこういうのも雰囲気でございますからね。
この工場は「カラマーゾフ」というよりは「蟹工船」の香りがいたします~。
ドラマの方も氷枕とか体温計とか・・・
高度成長時代以前の匂いがいたしますねえ。
じいめなどはその鄙びた雰囲気だけでうっとりなのですな。
ファンタジーである以上、「魔法」がかかっているわけですが
その効力がいつまで続くのか・・・。
【はらちゃん】は越前さんの永遠の愛を手にいれることができるのか。
ハッピーエンドを願いつつ・・・せつなくてもいい
最後まで慈しみたいと思う今日この頃でございます。
投稿: キッド | 2013年2月10日 (日) 17時43分
●no choco●まこ☆ミキ様、いらっしゃいませ●no choco●
お・・・まこお嬢様のスケジュール管理データベースが書きかえられている・・・。
三月ひなまつり☆かま
四月お花見☆かま
五月こいのぼり☆かま
六月はなよめ☆かま
七月たなばた☆かま
八月お盆☆かま
九月お月見☆かま
十月もみじ☆かま
十一月かぼちゃ☆かま
十二月クリスマス☆かま・・・。
お嬢様~、高校生なので学業をお忘れになってはなりませんぞ~。
おおっ・・・ロイド工場のラインが
長沼ロイド増産シフトに設定しなおされている・・・。
おさぼり手抜き機能搭載のロボットを一万台も
作られて・・・どうなさるのです。
なになに・・・長沼さんの働きぶりが他人とは思えない・・・ですと。
悪いお手本を見習ってどうするのですかーーーっ。
おお・・・カラマーゾフの悪いパパロイドまで・・・。
酒かっくらってガハハと笑うだけのロボットなんて
何の役に立つんですかって・・・。
ああ・・・黒いロイドに気を取られている間に
まこ様が脱走なされましたぞ~。
みなのもの~学年末試験までには絶対確保~。
留年だけは阻止せねばなりませぬぞ~
投稿: キッド | 2013年2月10日 (日) 18時00分