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2013年2月14日 (木)

告白するのもされるのも時の彼方に消えて行くさだめ(水川あさみ)

ラブストーリーの金字塔「ローマの休日」ではジョー・ブラッドレー(グレゴリー・ペック)が「君に話したいことがある・・・」と言いかけるとアーニャ・スミス(オードリー・ヘプバーン)が「何も言わないで」と言う。

そして、キスをするのである。

今度はアーニャ(実はアン王女)が「なんて言ったらいいのか・・・言葉が見つからない」と言うとジョーが「うん」と言う。

そして、キスをするのである。

告白したり、告白されたりしなくてもいいのである。

愛し合っていれば・・・。

キスをするのである。

で、『シェアハウスの恋人・第5回』(日本テレビ20130213PM10~)脚本・水橋文美江、山岡真介、演出・南雲聖一を見た。思った通り、いろいろと痛い展開になっているな。そもそもシェアハウスなんてものはラブ・ストーリーの舞台にはならないのである。だって男と女がすでに一緒に暮らしているんだから。やることやるに決まっているのである。それなのにあえてハードル高くすればぐだぐだになるに決まってる。もちろん・・・そういう変な人々がいたっていいわけだが・・・それならそれで・・・もう・・・想像もつかない変態の集まりにしないことにはどうにもならない。登場人物一同・・・変な動物を飼っていたり、西海岸の黒人とメールを交換したり、バスの窓からヒモ付フィギュアを投げ捨てたり、インチキな商品をセールスしたり、部屋に閉じこもってちょっと練習すると妙にダンスが達者になったりすると言う感じである。・・・誰が「バス男」の話をしろと言った。

キャスティング的には津山汐(水川あさみ)と川木辰平(大泉洋)が結ばれることが明らかなのである。

つまり、「ローマの休日」で言うとアーニャが汐で、ジョーが辰平なのである。

すでにかなり困難な感じがします。

じゃあ、櫻井雪哉(谷原章介)は誰なんだということになる。なんとカメラマンのアーヴィング(エディ・アルバート)なのだ。

もちろん、辰平は星の王子様なので・・・実はアン王女であるというひねり方もある。

そうなるとアーヴィングもアーニャが好きだったというひねりになっている。

この散漫な感じ・・・お分かりいただけるだろうか。

まあ、とにかく、性別的にアーニャは汐ということにしておく。

突然、カメラマンが新聞記者のジョンに愛の告白を始めているわけである。それで面白くなるわけがないだろう・・・。

だが、ひねりというのはそういうものなので・・・ひねり方によってはそこそこ話にはなっていく。もちろん・・・物凄く面白くはなりにくい。なにしろ・・・つかみどころがない。

全編にもやがかかっているような話になるわけである。

たとえば・・・前回は雪哉(谷原章介)の妻である櫻井真希(須藤理彩)がやってきた。

物事の本質というか、普通の人間の感性ならば・・・気になることはただ一つである。

「なんで・・・彼女は・・・彼のことをつまらない男と言ったのか」・・・ここである。

ところが・・・その点については汐も辰平も一切問いたださない。ただ、あわてふためくだけである。

挙句の果てに「誰かに好意を寄せられたら雪哉が自信を取り戻す」という結論に至るのである。

もう・・・意味不明だ。

そして・・・突然、汐が「玉砕覚悟で愛を告白する」と言い出すのである。

なぜなら、バレンタインデーだからである。

この後は・・・要するに雪哉が好きな汐が勇気を出して告白しようとして・・・そんなことしたって無駄だと知っている辰平がそれをなんとか回避しようとするドタバタが展開する。

その上で汐を愛するために地球に降下した異星人である辰平は二人の破局を避けるために「玉砕覚悟で愛を告白する」という着地なのだ。

何をしたいのか・・・まったくわからない。

で、「告白したことがないし、告白されたこともないが何人かとつきあったことがあるというよくわからない過去を持つ汐」が・・・告白されたショックでフリーズ状態になるわけである。

痛い・・・痛すぎる。

そんな主軸に対して、いかにもダメ人間である汐の弟の凪(中島裕翔)を何故か愛している錦野カオル(川口春奈)の暑苦しい話もたどたどしい。

まして・・・汐の職場の男たちのてんやわんやぶりは物凄い低温なのである。

こうした・・・ブリザードの吹きすさぶ中・・・淡々と場違いなお嬢様を演じる望月メグ(木南晴夏)だけが超絶的な存在感なのである。

「この話・・・面白いの・・・私はすごく面白いとは思えないな」という感じが思わずホッとするほどに伝わってくるのだった。

いやあ・・・窒息するところだったよ。メグ、かわいいよ、メグなのである。

普通の人間である宇宙人。

つまらないと言われて男を愛し始めた男。

そして・・・そんな男を・・・一方的に恋する女。

「ローマの休日」の残骸のようなこの物語をどのように収拾して行くのか。

谷間にしてもいいような失敗作だが・・・とにかく・・・本筋である汐と宇宙人の恋が始る次回。広大な宇宙空間を彷徨う難破船を見るような気分で楽しみたいと考えます。

関連するキッドのブログ→第4話のレビュー

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