神様の瞳に恋してる(長瀬智也)
マンガを越えたドラマなのである。
もうたまらないほど、好きになっちゃったのである。
所詮、レインボーかまぼこを選ぶ世界にはわかるまい。
そういう気持ちが痛いのである。
今は亡き渋谷ビデオスタジオの喫茶店ジュルビアンのエビピラフに再会したい気分である。
そして「泣くな、はらちゃん」から目が離せないのである。
で、『泣くな、はらちゃん・第3回』(日本テレビ20130202PM9~)脚本・岡田惠和、演出・狩山俊輔を見た。・・・面白れええええええっ・・・ていうかなんだこの気持ち。久しぶりにドラマを見てドキドキしちゃった。マンガとドラマを一度に楽しめるってアイディアでこれほどのものを見せられようとは・・・なんか、ぶっちぎりでトップな感じである。頂点を極めた感じである。もはや絶賛の言葉がありません。・・・どんだけ好きになっちゃったんだよ。
こちらの世界の人間にとって知的障害者か・・・ふざけているのか・・・二つに一つの「はらちゃん」(長瀬智也)的言動。それに戸惑う引っ込み思案の越前さん(麻生久美子)・・・。
「あなたはなんなんですか・・・」と問う越前さんは「はらちゃん」の正体を知りたいのである。それは興味があるから。それはちょっと好きになりかけているから。
しかし・・・「はらちゃん」の答えは「はらちゃんです」なのである。
もう、カッとなるしかないのである。
レインボーかまぼこを選んじゃう人の中にはそれがわからない人がいる可能性があるので言っておきたいのですな。
世界の五分の一が吹き飛ぶと、東アジア消滅するくらいなのだな。中国が新型爆弾の実験かなんかで蒸発して日本が奇跡的に巻き込まれなかったら・・・少しは寂しい気持ちになるかもしれないじゃないか。ああ・・・もう領海侵犯をしたりしてちょっかいかけるあの民族はいないのか・・・せいせいするけど、ちょっと懐かしい感じだよね。
そんな・・・「はらちゃん」が四人の登場人物を残してこちらにやってくる。
現実の世界では用心のために自家製「泣くな、はらちゃん」ノートと愛読するコミック「矢東薫子漫画全集」を携えて出勤する越前さんが・・・性悪な弟・ひろし(菅田将暉)によるひったくり犯に遭遇する。あわやというところで「はらちゃん」が二次元→三次元転移して越前さんのピンチを救うのである。
「はらちゃん」は当然のように越前さんにつきまとって「かまぼこコンクール」の説明会に出席するのだった。
ほぼ、矢東薫子本人であるらしいパートリーダー・矢口百合子(薬師丸ひろ子)の支援でふなまる水産玉田(光石研)の暗黙の了解を得、越前さんと職場に乗り込む「はらちゃん」・・・。
越前さんに好意を寄せる田中くん(丸山隆平)に片思いの悪魔さんこと紺野清美(忽那汐里)の敵愾心はメラメラと燃えあがるのだった。
かまぼこ量産対決に応じる越前さん。しかし、その闘志はたちまち燃え尽きる。
無暗にベストを尽くさないのが越前さんのポリシーだからである。
神様の神様であるらしい百合子は越前さんと語らう。
「越前さんの漫画ってさ・・・誰かに読んでもらいたくて描いてるんじゃなくて自分のために描いてるんでしょ?・・・そんな野心ないもんね越前さんには・・・別に それが悪いって言ってるわけじゃないよ・・・まぁ・・・ 褒めてもいないけど・・・矢東薫子のまねだよね・・・っていうか出て来るキャラは全部パクり」
「ずっとずっと友達でした。親友でした。恋人でした。いつもいつも読んでました。現実世界の人はあまり好きじゃないけど。私は・・・はらちゃんやマキヒロ、あっくん、笑いおじさんや ユキ姉がいたから生きて来れたんです」
「へえ~・・・」
「でもマンガが好きなわけじゃなくて・・・」
「だから・・・マンガ家にはならなかったと・・・」
「才能もないですし・・・」
「夢が叶ったって幸せとは限らないしね」
「・・・え」
「似てるよね・・・あの男の子とはらちゃん・・・」
「・・・」
「どうなるんだろうねえ・・・彼の片思いは・・・諦めるってことを知らないみたいだしねえ」
「はらちゃん」は田中くんが連れ出して亀やピラフな遭遇する。
そして越前さんに片思いしている田中くんに「越前さんに好きになってもらう方法」を問うのである。
「はらちゃん」をライバルとして認識できない田中くんは・・・。
「あなた好みの男になりたいというのは失敗する可能性が高い・・・けれど助けられると女の子は弱い」などと恋愛マニュアルの基本を教授するのだった。
早速、越前さんを助けることに全力を注ぐ「はらちゃん」・・・。
そんな「はらちゃん」を明らかに可愛いと思う越前さんだったが・・・困惑も高まるのだった。
「あなたは・・・誰なんですか・・・」
「はらちゃんです」
ああ、もどかしい。なぜか真相を見極めている百合子は「はらちゃん」と語らう。
「どうしたら・・・越前さんに好きになってもらえますか」
「越前さんに必要なのは恋じゃなくて・・・自分自身をもう少し好きになることかもね」
「そうなんですか」
「あの人・・・可愛いのに自己評価が異常に低いんだよね」
その時、越前さんの創作意欲・・・自己表現・・・鬱屈が臨界量に達し、ノートは開かれる。
消失する「はらちゃん」を受け入れるタダものではない百合子だった。
「恋なんて・・・ありえない・・・大体、私は私が嫌いなのに・・・私を好きだっていうことは私が嫌いなものを好きっていうことじゃない。価値観が違うってことじゃない。そういう人と恋なんてありえないじゃない。人のこと好きだなんで言う奴は・・・殺すしかないね」
片思いの「はらちゃん」を慰めるユキ姉(奥貫薫)だった。
外の世界を知っているユキ姉はおそらく、矢東薫子の女性的分身であり越前さんの女性的分身なのである。
現実世界の悪魔さんと内的宇宙の「はらちゃん」に唆されて、なんとなく「かまぼこコンテスト」出品作品に挑む越前さん。
そこへ「はらちゃん」再登場である。
越前さんの母・秀子(白石加代子)は「はらちゃん」が娘の知り合いだと知ると好意があふれるのだった。
「わさび風味のかまぼこって意外と盲点なんじゃないかな」
「かまぼこにわさびをお好みでつけたい人が断固拒否するんじゃないかな」
「あればあったでものぐさが食べると思うけどね」
「一応あるみたいだけど・・・やはりすごく人気にはならないみたいね」
「本気度が足りないだけじゃないのか」
「とにかく何か・・・好きなものと組み合わせるといいのよね」
「あなたの好きなものはなに?」
「越前さんです」
「それ以外でお願いします・・・」
「猫・・・犬・・・亀・・・クルマ・・・マンガ・・・ピラフ・・・かまぼこ」
「猫か・・・」
そして・・・寝食も忘れて「かわいい猫のイラストかまぼこ」に取り組む越前さん。
そして睡眠したことのない「はらちゃん」だった。
眠り方も分からないし・・・帰り方もわからないのである。
だが・・・越前さんのノートを開いた「はらちゃん」は世界の真実に気がつくのだった。
「かまぼこコンテスト」で「ホワイトスネークかまん」を作った悪魔さんは越前さんの「かわいいかまぼこ」に敗北感といい勝負をした感を感じる。
しかし、本当の勝者はどぐされパートの長沼さん(稲川実代子)だった。量産向きでもあり、大衆的でもある「レインボー」の勝利だったのである。
自分が生きていることを神様に感謝したい
あなたと同じ世界にいることが奇跡みたい
だからあなたをじっと見つめてしまう
あなたが消えてしまうのがこわいから
「はらちゃん」は自分が越前さんの描くマンガの登場人物だと知って・・・叫ぶのだった。
「ええーーーーっ」
「はらちゃん」はゼベット爺さんに恋をしたピノキオなのである。
そしてピノキオの願いはただ一つなのである。
関連するキッドのブログ→第2話のレビュー
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コメント
キッドさんのトップは今のところはらちゃんなんですね。
ベスト5くらいまでは決まっているのでしょうか?
私のトップは今のところとんびなのですが他は決めかねてます。
夜行観覧車は面白くなってきた反面原作はこの段階ですでに犯人分かってるらしいので尺がもつのかとか、ビブリアは良い話系のストーリーなので飽きて来ないか少し心配(^_^;) 夜行~は家族再生もテーマの一つみたいだからやらなくちゃだろうし、ビブリアは原作は知らないんですが剛力さんはしとやかな役にはあまり合わない気がします。
はらちゃんは先週はちょっといまひとつだったけど今週は持ち直した感じです。
このままなら2位に滑り込むかもです。
はらちゃんの恋実ると良いですけど所詮はらちゃんは漫画の世界の住人なので最後は切ない結末になりそう。
投稿: 出雲 | 2013年2月 3日 (日) 13時39分
~~☀~~出雲様、いらっしゃいませ~~☀~~
キッドのベスト3は
(1)はらちゃん
(2)最高の離婚
(3)ミチル
悪魔のベスト3は
(1)ミチル
(2)夜行観覧車
(3)最高の離婚
じいやのベスト3は
(1)八重の桜
(2)メイド・イン・ジャパン
(3)はらちゃん
「最高の離婚」と「はらちゃん」の
男性作家二人が甲乙つけがたい水準に達してますな。
代表的な多重人格三人でも割れるので
今季は豊作の予感でございます。
「とんび」は常盤貴子があまりにも
かわいらしく・・・その死後に夫と子供が
どうなろうと知ったこっちゃない感じがありますな。
夜行観覧車は人の心の裏表で
どこまでもドロドロもやもやし続けると思います。
ドラマ版の最後は慎司と彩花が結ばれるといいですな。
ビブリアはとりあげられる書籍が
バラエティーに富んでいて
そこそこ楽しめます。
一種の「読書のススメ」ですな。
はらちゃんの冒険は
きっとどこまでも続き
最後は越前さんと幸せに暮らすことになるでしょう。
子供が親の面倒見るみたいに・・・。
投稿: キッド | 2013年2月 3日 (日) 18時34分
キッドさん☆こんばんは(*^o^*)
越前さんの家で新作蒲鉾を二人で作るシーン☆
初めて人を好きになった時は こんなふうな感情を持ったような。。
朧げな記憶が蘇ってどこか懐かしく甘酸っぱい思いにとらわれました
2次元の住民もみんな大好きなのでラストがどうなるか気になりますがエンディングの漫画のように恐竜にやっつけられても 最後は越前さんに導かれ笑顔のはらちゃんが見れたら最高です
ツンデレ悪魔さんの恋の行方も気になります
来週はバレンタインチョコを渡すみたいですね
今から土曜日が待ち遠しいです
投稿: chiru | 2013年2月 3日 (日) 21時22分
シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファン
自家製蒲鉾は美味しそうでしたなあ。
手作りでかまぼこができるなんて
それだけでウキウキでございますよね。
そして・・・小学生か中学生のように
ピュアな心で通じ合う
はらちゃんとある意味、その生みの親の越前さん。
童心に帰った恋人同士のようでもあり
母と息子のバラードのようでもありますねえ。
そして、娘の恋人出現に
心が舞い上がる母一人。
なんともおだやかな空気ですね。
凶悪な弟や
普通に極悪なおばちゃん軍団も含めて
なんともいい人だらけの海辺の街ですねえ。
なにしろ・・・マンガの人が
出現している時点でなんでもありなので
最後はありえないほど幸せなハッピーエンドに
期待したいですな。
はらちゃんはレントゲン撮影すると
きっと骨もないのでしょうが・・・
最後は奇跡が起きて
人間になっちゃうんだと考えます。
そうでないと嫌ですぞ~
悪魔さんはもう一曲くらい新曲あってもいいですよねえ。
投稿: キッド | 2013年2月 4日 (月) 16時16分