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2013年3月27日 (水)

ドナー人間第1号(相葉雅紀)

谷間に突入である。

勝ちに行ったヨルダンで惨敗を喫したサッカー男子日本代表の試合。

だから・・・さっさと憲法改正をしないとな・・・といつもの感想が残るばかりだったな。

それにしても・・・遠藤はどうしてコロコロで勝負しないのだ。

そして、「このままじゃ・・・遠藤さんが責められる・・・」とチームはどうして必要以上に燃えないのだ。

本田と長友がいないとこうもスカスカな感じに・・・。

まさか・・・男装したなでしこが戦っていたんじゃないだろうな。

で、『ラストホープ(LAST HOPE)・最終回(全11回)』(フジテレビ20130326PM9~)脚本・浜田秀哉、演出・葉山裕記を見た。バランスって大切だよねえ・・・と思うドラマだったな。けしてけなすつもりはないが・・・主人公がカンペ読みまくっているような気がしたのはキッドだけなのだろうか。それが・・・最先端医療ドラマという特殊なカテゴリーの宿命なのかもしれない。

それはさておき、面白さの重要な要素にわかりやすさというものがある。

たとえば・・・原作付のドラマが多くの場合、原作を読んだ人に不評なのは・・・読者が原作をわかっているつもりになっていることに原因がある。小説やマンガにはかなりの部分で余白があり、いくらでも解釈が可能なのである。脚本家はその解釈の一つをドラマ化していてそれは間違っていないのだが・・・読者のそれぞれの解釈とは微妙に食い違うのである。読者はそれを「原作」をわかっていないドラマと感じるのである。

で、原作者が「私の言いたいことを見事にドラマ化してくれた」とでも言おうものなら・・・「えーっ」となるのである。挙句の果てには「原作者は原作を理解していない」と感じる読者も発生したりします。

で、オリジナルの場合はこういう心配はないのだが・・・「現実」という原作に準じた世界があってこれをどの程度。反映させるかが・・・厄介なところなのだな。

ラストホープには様々な奇病が登場するが・・・その病状の面白さを伝えることがあまり、上手くできていなかったように感じる。

「病気」を面白おかしく伝えるというのは心理的にはかなり抵抗があるのでここを突破しないと仕上がらない。

たとえば・・・このドラマでは核心的な治療方法は「臓器移植」である。

基本的に臓器移植は①生体移植(生きている人間の臓器を分離して移植)、②死体移植(死体から臓器を分離して生体に移植)の二種類で・・・死体移植はさらに(1)脳死移植、(2)心臓死移植の二種類になる。

これは常識だが・・・小学生の中には知らない人もいるかもしれないので、小学生に面白がってもらうためにはわかるように説明しなければならない。

そこからかっ・・・とつっこむこともできるが、それもそうだなと頷くこともできるのである。

さらに・・・臓器をもらう人(レシピエント)と臓器をあげる人(ドナー)の関係も説明する必要がある。当然、適合の問題も説明しないといけない。

で、そういうことが前提で・・・死体移植はまあ・・・そういうことがあってもいいかと考える人々が多数派であるというのが、このドラマの基本である。

つまり、「他人から臓器をもらってまで生きたいというのはなんだかあさましい」と考える人は対象外になるわけである。

いや、そういう人も見てもいいのだが・・・ドラマの中でそれを強く主張する登場人物がいると話が進まないのである。

さて・・・ここで重要なのは「シェア」の問題である。つまり、命は個人のものではなく、全体で共有されるべきものという考え方だ。

最も抵抗のないものは「輸血」であろう。血液は再生可能な生体の部分であり、それをあげたりもらったりすることはもはや日常になっている。

で、その延長線上に「生体移植」がある。

終盤の患者は両方の肺を交換する必要があり、二人の子供から片肺を提供してもらうのである。

親の延命のために・・・子供が寿命を削るわけである。

単純に考えて、両方の肺が揃っているのと片肺になるのとでは生存率は変わってくるのである。

子供が親に余命をプレゼントするわけだ。

それらはすべて提供者の意思にゆだねられるわけだが・・・「親に先立つ不孝」という通念からはかなり逸脱した医療行為と考える人も生じるはずである。

で・・・ドラマは「患者を助けることが最優先」の医師が主人公である以上、この抵抗を打破して「生体移植を完遂すること」が「成功」として語られるわけである。

それが・・・面白いかどうか・・・微妙なんだよな。

なぜ、そうなるかと言うと・・・チームのメンバーが皆・・・「究極の選択」を乗り越えた集団だから・・・なのだな。

都合が良すぎるのである。

もちろん・・・一人一人のエピソードにはそれなりの面白さがある。

研究医の古牧利明(小日向文世)は死んだ愛児のクローン人間制作を目指している。

救命医の橘歩美(多部未華子)は親がキメラ(例・ブタ人間)の研究に関与した疑いがあり、十字架を背負っている。

しかし、小出しなので判りにくい。

キャラクター造形に一番失敗しているのは・・・医師に母親を見殺しにされた萩原雪代(小池栄子)だろう。そのために患者に全力で立ち向かうという設定なのだが・・・そういう人は家庭を持つのも問題があり・・・ましてや、ギャンブルなんかしては駄目なのである。24時間医学のことを考えている必要があるからだ。勝ち馬予想している間にも最新医学を学ばなければならないほど医学は膨大な情報を抱えているからだ。

だから・・・雪代が競馬新聞を見ている時点でなんの説得力もないキャラになってしまうのである。

まあ・・・とにかく・・・もう少し、情報を絞り込むこと・・・。

それがこの脚本家の課題であると思う。

さて・・・主人公は移植医療に関して一種の免罪符を与えられていたというのがオチである。

卓巳(相葉雅紀)は死病に冒された兄のために、移植臓器提供者となれるように遺伝子操作を施されたデザイン・ベイビーだったのである。

つまり、生れついてのドナー人間であり、基本的に基本的人権が無視されたスペア部品としてこの世に出荷された存在なのだった。

実用化している一部海外では救世主兄弟と呼ばれる存在だ。

そして・・・ドナー人間卓巳は必要な部品を取り外された後で、養子に出され、人間として生きていたのである。

卓巳はいい子に育ったので特に問題はありませんが、ちょっとでも歪めば、関係者一同をぶっ殺す権利を生まれながらに持っていると言っても差支えないだろう。

まあ・・・そういう際どさを秘めながら・・・オブラートに包んでいるドラマなのである。

キッドとしては物足りない・・・という他はないのだった。

歩美と卓巳がお友達になったのは一種の奇跡であると思うしね。

本当はお互いの存在意義を懸けて殺し合う可能性があるくらいなんじゃないのかな。

そのくらいでないと延命業という危険なビジネスの面白さは描けないと考えます。

全医療関係者を敵に回しても平気な・・・・・・お前はな。

関連するキッドのブログ→第一話のレビュー

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