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2013年3月 8日 (金)

別れても好きな人(瑛太)

別れても好きな人(尾野真千子)じゃないのかよ。別れても好きな人(真木よう子)でも別れても好きな人(綾野剛)でも成立するところがミソなんだな。別れても好きな人(窪田正孝)もまぜてやれよ。

「結局、ふられた方がひきずる確率高いよなあ」

「まあ、もっといい人が現れればそうでもないけどね」

「いやいや、ごめんね、去年の人とまたくらべている・・・ってこともあるぞ」

「歌謡曲から離れなさいよ」

「毎日、毎日、聞いてたからな」

「結局、思い出の数だけ忘れられないのよねえ」

「攻撃しているようで援護しているってかっこいいよな」

「言いたいことを言えない人だらけだから」

「そして、いろいろと生々しい」

「別れた人は遠きにありて思ふもの」

「そして悲しくうたふもの」

「幻滅することの方が多いから帰らない方がいいってこと」

で、『最高の離婚・第9回』(フジテレビ20130307PM10~)脚本・坂元裕二、演出・宮脇亮を見た。手は握った濱崎さん(瑛太)と紺野さん(真木よう子)だった。その頃、星野さん(尾野真千子)と上原さん(綾野剛)は濃厚なキスを交わしていたのだった。しかし、そのキスは酔った勢いで交わしたキスであり、星野さんにいたっては記憶がないのである。星野さんに残ったのは二日酔いの頭痛とカツオダシが沁みる肝臓だったのだった。一方、またしても据え膳に手を出さない濱崎さん。やれる時にやっとかないとやれない法則発動中なのだった。明日、首都圏直下型が来たらどうするつもりなのだ。

濱崎さんの心情は・・・ずっとずっと好きだった人に再会してたまたま離婚したんだし、もう一度、愛を育んで紺野さんとやり直したいのだが、それにはきちんと段取りを踏みたいと考えているのである。

紺野さんの心情は・・・上原さんによって傷付いた心を濱崎さんにとりあえず癒してもらいたかったのだが、大人になってみれば別れた男にも美点があったのに気がついて、新しい恋を始めるなら濱崎さんでもいいのではないか、というか、もう五分五分で恋に向かって歩き出しているのだった。五分五分なのにか・・・。

星野さんは・・・玉砕戦法で・・・愛してもらえない人に愛してもらおうとしたわけだが、本当に玉砕してしまい、死んでも死にきれないのである。

上原さんは心の底から紺野さんとやり直したいと思うのだが、集中力にかけるし、求められればつい応じてしまう自分をもてあましているのだった。インドに行かなければと思うほどに追い詰められていたのである。インドに行けば人生観変わる人もいるが・・・上原さん、ある意味、インド内蔵型だからな。

新たなステップを踏み出そうとする濱崎さんは「憧れのダイヤモンド・リング」に向かって助走体制に入るのだが、口内炎が立ちはだかるのである。しかし、新たなる歯科衛生士は「歯科は話をする場所ではありませんよ」とつれないのだった。

競馬場で逢いましょう

いいですよ

・・・ということで大井競馬場にでかける濱崎さんと紺野さん。生れてから一度も勝ち馬投票券を現金に換えたことのない奇跡のエピソードを披露する。動物園では単独行動を主張するが競馬場では別行動でなくてもいいらしい。

紺野さんははずれた勝ち馬投票券をサイフに残しているところがまだまだ乙女なのである。

コンタクトレンズと代官山ヘアサロンスタイルで変身した濱崎さんをひやかす「金魚CAFE」一同。

星野さんは「異性を意識して変身した上原さん」にショックを感じるのだった。

濱崎さんも星野さんを「上原ガールズ」、上原さんを「紺野さんに死ねばいいと思われている男」と敵意をむき出しにしてみせる。

しかし、淳之介(窪田正孝)から「泥酔の醜態」を指摘された星野さんは・・・上原さんとの濃厚キスを思い出し、自己嫌悪の虜となるのだった。

上原さんも元の亭主の濱崎さんに謝罪する気持を芽生えさせる。

一方で・・・濱崎さんも上原さんになんとなく後ろめたい気持ちを抱えるのだった。

お互いの秘事を打ち明けた結果、上原さんが人殺しの目になったことを意識する濱崎さんだった。

ワインを飲みながら、鍋を食べることを計画する濱崎さんと紺野さんは前向き。

結婚していた男と結婚しようとした女を忘れられない星野さんと上原さんは後ろ向きなのである。

上原さんとのキスについて紺野さんに謝罪する星野さんは馬券を発見してさらにショックを感じる。

「私が別れてもあの人が好きだって・・・判ってくれてると思ってた」という星野さん。

「え・・・そうだったの」と思う紺野さんである。

星野さんは紺野さんは見て見ぬフリをするタイプだし、自分よりも直観力に優れていると断定していたわけであるが・・・紺野さんは見て見ぬフリはできないし、論理的なタイプなのである。

星野さんは敗北感に襲われてスリッパで逃走するのだった。

仕方なくブーツを持って追いかける紺野さんだった。

そこへ・・・やってくる濱崎さんと上原さん。

日本でも指折りの気まずい橋の上である。

ブーツを履いた星野さんは・・・濱崎さんが追いかけてくるのを期待するが・・・呼び止めたのは上原さんだった。

紺野さんの家でまたもや集結する四人組だった。

まとめ役は・・・上原さんなのでまとまるものもまとまらない気配である。

そこへ割り込む「女装した河合さん逮捕、退職送別会のLINE」である。

ポニョン

「四人とも言いたいことがあると思うんですよね」という上原さん。

しかし、濱崎さんと紺野さんは・・・「ないよね」「そうだね」と仲睦まじい感じを醸し出す。

たちまち、嫉妬によって燃えあがり炎上する星野さんだった。

やっぱり忘れられない

変わらぬ優しい言葉で

私をつつんでしまう

だめよ弱いから

別れても 好きな人

ついに四つん這いになって敗北宣言をする星野さんだった。

ポニョン ポニョン

そのために傾きかける濱崎さんの動物飼育係的保護欲モード。

紺野さんの女としてのプライドが燃えあがるのだった。

「自分で離婚しておいてなぜ泣きごとなんですか」

「いや・・・それは僕が悪かったんだ」

「濱崎さんに感謝やねぎらいの言葉をかけてあげたんですか、濱崎さんは浮気しましたか、濱崎さんは婚姻届を出しませんでしたか、愛情をうまく表現できないのは濱崎さんの性格でしょう。夫婦なのにそんなこともわからないんですか。自分で捨てておいて清掃車を追いかけるなんて恥ずかしくないんですか」

「・・・」

「なんて・・・理屈ならべたって女は聞く耳もたないんですよね」

ポニョン ポニョン ポニョン

「こんなつもりじゃなかったんです。紺野さんは好きだけど・・・紺野さんが幸せならそれでよかったんです。ちょっと寂しいかもしれないけど、そしたら・・・四人でキャンプに行ったりしたかもしれないじゃないですか。レンタカー借りてバーベキューとかしたかもしれなかったじゃないですか。小仏トンネルで渋滞にはまったりして、子供がワイワイ騒いで、うんざりして鳥になりたいと思ったりして・・・そんなこんなでなんだか楽しかったり・・・そんなキャンプに行けなくて・・・ごめんなさい」とある意味、星野さんの傷口に塩をすりこむ濱崎さんだった。

ポニョン ポニョン ポニョン ポニョン

「・・・鍋でも食べましょう」と鍋を取り出す上原さん。

「そういう場合かよ」という全員の重い空気を断ち切るのだった。

「いつわりの結婚よりも離婚の方がマシですよ・・・灯里(紺野さん)・・・ありがとう・・・今度は幸せな結婚をしてください」

正論である。インドだけにセイロンなのか。

星野さんの命綱は仲間だった上原さんによって切断されてしまったのだった。

遥かな地表に向かって滑落する星野さん。

もう、鍋をつつくしかないのである。

「寝る子は育つよね・・・もやしのようにほっとけば立ち直るよね」

紺野さんを残して三人。

上原さんと別れて二人。

それでも「やはりやりなおしたい」と言えない星野さん。

橋の袂で右と左に別れて行くしかないのである。

しかし、紺野さんは容赦なくとどめの一撃を送る。

今度、映画を見ませんか。

このメールでニヤニヤしてしまう人は正直な人だと思います。

このメールで逡巡する人は真面目な人だと思います。

六時半でいいですか。

了解です。

濱崎亜以子さん(八千草薫)は猫の画像を送って星野さんをサルベージしようとしますが、濱崎さんはさばさばとした態度です。

星野さんが濱崎さんを思うように濱崎さんは紺野さんを思っているのです。

上原さんのようにはなれないのです。

ホームレス寸前の状態でベンチに残骸化する星野さん。

魂の故郷であるインドへ向かう上原さん。

しかし・・・濱崎さんの前には母なる大自然がたちはだかるのです。

なぜか、待ち合わせに遅れてくる紺野さん。

そして・・・動揺をかくせない紺野さん。

その背後には妊娠検査薬が・・・。

辛うじて壁面にへばりつく星野さんの背後でもつれたロープが揺れているのです。

別れても好きな人

別れても好きな人

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