終電バイバイ(濱田岳)からの最終特快(三浦貴大)
~の関係で言うと濱田岳と三浦貴大は映画「永遠の0」(2013年公開予定)の共演者である。大日本帝国の海軍航空隊の搭乗員を演じている。作品はもちろん特攻がらみのベストセラーの映画化である。
谷間なので特に深い意図はない。じゃ、いつもはあるのかよっ。
三浦は言うまでもなく百恵と友和の遺伝子を持つ27歳。
濱田は言わずとしれた子役あがりでモデル・小泉深雪の夫の24歳である。
二人は終電に乗り損ねたり、終電で終点まで行っちゃったりするのだった。
乗り損ねるのは足が短かったり、眠っちゃうのはサラブレッドだったりするからだろう。
で、『ドラマNEO・終電バイバイ・第1~最終回(全10話)』(TBSテレビ20130115AM0020~)脚本・平田研也(他)、演出・橋本光次郎(他)を見た。男(濱田学)が様々な駅で終電に乗り損ねるオムニバス・ドラマである。主人公は毎回、別人なので趣きが変わる。基本的には終電を大都市圏に特有のものと考えている傾向がある。都会ではタクシーや自家用車という交通手段もあるわけだが、経済的な問題を主とする事情から終電が去った後の空虚な解放感は都会ならではのものと言えるかもしれない。
今季は東日本大震災の後の帰宅難民たちの民族大移動の記憶から生まれたドラマ「最高の離婚」があったわけだが、「終電バイバイ」はそれとはあまり関係ない。「ある青年のスケッチ」というところである。キャストもスタッフもチェンジするので出来不出来(好みの問題もある)は結構あります。
ヒロインとの恋愛要素が濃いものもあり、第2話の「秋葉原」でテーブルトークRPG専門店の常連客・ミキ(入山法子)、第4話「鎌田」で地元アイドル・カマッチュのメンバーこずえ(小松彩夏)、第8話「下北沢」で小劇団 「飛ぶ鳥を落とすカンパニー」の女優・みずき(夏帆)、最終話「東京」で入社採用試験仲間の翔子(谷村美月)など、時には強力なゲストが登場する。まあ・・・あくまでキッドにとってです。
で、濱田岳はうらぶれたサラリーマンから修学旅行の高校生まで年齢不詳の俳優実力を発揮するのである。
その他の登場人物は小劇団の売れないキャストで埋められており、一部愛好家にはうれしいのかもしれない。
いつか、どかで見た話の連打だが・・・胸がときめく場合もあります。
第3話「南千住」では外人用宿泊所の風俗を描きつつ、フランス人の観光客・ソフィー(Noemie)と好きだった人の結婚式帰りで街を彷徨う会社員の正太の一夜の思い出が描かれるのだが・・・明日はフランスに帰るというソフィーのために正太がガイドを求められる名所というのが・・・南千住(小塚原)回向院である。深夜に観光する場所としては不適切すぎるのだった。
敷地内に首切り地蔵こと巨大な延命地蔵尊があり、幕末でおなじみ吉田松陰や、毒婦・高橋お伝、鼠小僧次郎吉などの墓がある。この地で処刑された罪人だからである。他にも安政の大獄。桜田門外の変、坂下門外の変などの関係者が多数永眠している。
かなりおタッキーなソフィーにとっては「憧れる~」場所なのであった。
まあ、全編を通じて・・・そんなところでときめいてしまう男の悲しさを演じる濱田岳が一番、心に沁みました。
「あれ・・・終電ないじゃん・・・どうすんだ、俺」は青春の1ページである。
関連するキッドのブログ→ドラゴン桜の中尾明慶
で、『最終特快』(NHK総合20130321PM8~)脚本・本河純子、演出・川野秀昭を見た。NHKや放送作家協会が催す第36回創作テレビドラマ大賞を受賞した脚本のドラマ化である。まあ、どうってことのない無難な仕上がりで選ばれやすい作品と言えるだろう。妻(中村ゆり)との離婚調停を明日に控えた食品メーカーのサラリーマン・南和彦(三浦貴大)が東京駅から最終の特別快速に乗って眠り込み、目覚めた時には終点の田舎の名も知らぬ駅だった・・・という幕開けである。
いわば・・・終電にバイバイもできない状態なのである。
和彦は・・・海外資本の証券会社をリストラされた後で失意の日々を送っていたのだった。
接待の席でカードを使おうとして使えず、現金を使い果たし、駅前からタクシーに乗り込んだものの運転手(戸次重幸)と支払いをめぐってトラブルとなり、見知らぬ路上に放置されてしまうのだった。
悪夢のような境遇である。
ようやくたどり着いた深夜営業のファミリーレストランでは不良少年にからまれ・・・妻との思い出のある腕時計まで奪われてしまう。
「なんじゃこりゃ・・・」と倒れ込むところへ・・・魔法少女のコスプレをした木村春菜(佐津川愛美)が軽自動車で通りかかる。
春菜は東京のコスプレ祭りに参加する途上だと言う。
東京まで送って行くという春菜。しかし、やぶれかぶれになった和彦は不良たちのたむろするコンビニに案内を乞う。
しかし、やはり逆襲されてしまう和彦。そこへ・・・実はボクサーだったタクシーの運転手がかけつけ、不良たちを退治してしまうのだった。
「これ・・・忘れ物・・・」
和彦が車内に投げ捨てた離婚調停についての書類だった。
「逃げてばかりじゃ・・・勝てないぜ」
運転手は去っていくのだった。
再び・・・春菜と和彦はドライブを再開するが・・・ガス欠である。
そこへ・・・春菜の夫(遠藤憲一)がトラックでやってくる。
二人は夫婦喧嘩の途中なのであった。
和彦は春菜の夫に間男の嫌疑をかけられてしまう。
しかし、修羅場を奇跡的に回避する和彦だった。
二人の喧嘩の原因は・・・工務店を経営する夫が多額の負債を抱えているのに・・・春菜にそのことを打ち明けてくれないというものだった。
「自分がみじめ過ぎると・・・それを誰かに話すことなんて・・・できないんだよ」と自分の境遇を重ね合わせてつぶやく和彦。
感じ合う和彦と春菜の夫だった。
しかし、春菜は「誰かじゃないよ・・・夫婦だよ」と応じる。
夫婦の縁を取り持った和彦は最寄りの駅まで送ってもらう。
そこは終点の駅だった。
駅員(柄本時生)は「もうすぐ始発です」と告げる。
和彦は妻と話をしようと・・・決意する。離婚調停に至ったのは夫婦の会話不足だったからである。
今日も・・・世界のどこかで犬も食わない不毛な戦いが続いているのだった。
「うわああああ、寝過ごした~。ここどこだああああ」は青春の1ページである。
関連するキッドのブログ→ゴーイングマイホームの佐津川愛美
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コメント
「終電バイバイ」はレビューしませんでしたが(もう、むりっ)今期心ときめく
ドラマの1本でございました~( 〃▽〃)
濱田岳の使い方をとてもよく解って下さってる脚本だ~!と思いましたわ。
濱田岳は何とかボートなんぞに乗せてはならないのです。
命がかかったワケの解らないゲームで真剣にオタオタしたりなんかしてはならんのです。
やっぱり濱田くんは終電に乗り遅れて缶けりしてるのが一番すてき。
ああ、ゆるいって素晴らしい!( 〃▽〃)
投稿: くう | 2013年3月31日 (日) 01時38分
❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀
ゆるゆると過ごす。深夜のひととき。
今季は「終電バイバイ」
「まほろ」
「コドモ」
と品数豊富でございましたねえ。
満足度はやはり「まほろ」ですが
とにかくロシアン・ルーレット最高・・・でしたが
ちょっとマジになる部分もあり
脱力感なら「終電」でしょうか。
あのよくわからないドラマは
本当に困ったもんでしたなああああっ。
パクレルものとパクレナイものの区別が
できないのがゆとりスタッフの弱点でございます。
怪しい性教育教室で
違う道に目覚めて行く濱田くん・・・。
真夜中にひたすら部屋を掃除する濱田くん・・・。
まさにゆるゆるな濱田くん・・・がいっぱいでございました。
さすがは偽ヨシヒコを安心してまかせられる逸材ですな。
じいめが・・・ただ一つ申し上げたいのは・・・。
睡眠不足は美容の敵ですぞ~!
・・・ということでございまする。
投稿: キッド | 2013年3月31日 (日) 01時55分