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2013年3月 4日 (月)

朕の存念貫徹の段、全くその方の忠誠、深く感悦と申されたのです(綾瀬はるか)

「堂上以下、暴論をつらね、不正の処置増長につき、痛心堪え難く、内命を下せしところ、速やかに領掌し、憂患をはらってくれ、朕の存念貫徹の段、全くその方の忠誠、深く感悦の余り、右一箱これを遣わすものなり」

朝廷の公卿たちが勝手にふるまい、天皇をないがしろにして、政治をみだしていることに心を痛めていたので、奸臣の一掃を命じたところ、ただちに行動し、不逞の輩を退治してくれて、天皇の心の憂さを晴らしてくれた会津公の忠誠の心に深く喜ばしさをかんじたので、ここにこれをつたえる・・・と八月十八日の政変に感激した孝明天皇は会津藩主兼京都守護職の松平容保を褒め称えた。

ご宸翰には御製が添えられていた。

「たやすからざる世にもののふの忠誠の心をよろこびてよめる 」

「やわらくも たけき心も 相生の まつの落葉の あらす栄えん」

「もののふと こころあはして いはほをも つらぬきてまし 世々の思ひて」

困難の多い世の中であるのに・・・武士の忠誠心というもののありがたさを感じ歌にした。

天皇家も武家も共に不滅である・・・相生の松のようにお互いが支え合い永遠に栄えたいものだ。

武士と心を一つにして、厳しい状況を打破することは、天皇家代々の方針である。

・・・公武合体を推進しつつ、天皇親政を夢見る孝明天皇の率直な気持ちがあふれている。

言わば、公家も将軍家も飛ばして、会津公こそ天皇の側近だと告げられたようなもので会津公の畏れ多さは尋常ではなかったと思われる。

で、『八重の桜・第9回』(NHK総合20130303PM8~)作・山本むつみ、演出・一木正恵を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はひな祭り大特集・ついにキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!女性陣で会津藩主・松平容保の義理の姉にして上総飯野藩主の娘、豊前中津藩主の元妻、美貌の姫君・松平熈姫様と主人公・山本八重の近所の娘にして熈姫様の御祐筆、後に斎藤一の妻となる高木時尾の二大描き下ろしでお得でございます。「篤姫」の滝山と「龍馬伝」の千葉佐那が再び幕末に降臨、万歳三唱でございます。

Yaeden009 過激な尊皇攘夷志士である久留米藩出身の真木和泉守の画策により文久三年(1863年)八月に孝明天皇が大和国春日大社に行幸することが計画された。攘夷の即時決行を目指す三条実美を盟主とする公家や長州を主とする攘夷派武士はこれを機に天皇親政による軍事クーデターを決行し、さらには倒幕実行を目論んだのである。朝廷は三条らの過激派と、孝明天皇の父・仁孝天皇の猶子であり、孝明天皇の後見役でもあった尊融法親王(中川宮)らの穏健派に二分されていた。三条らの計画に不穏なものを感じた尊融法親王は孝明天皇の意向を受けて薩摩藩・会津藩に行幸阻止の命を下す。孝明天皇の目指していたのは親政であって親征ではなかったのである。八月十五日、薩摩藩の高崎正風と会津藩の秋月悌次郎は中川宮と面談。十六日、中川宮が参内して天皇に奏上。十七日、天皇から密勅が下された。十八日未明、会津藩を中心とした薩摩藩、淀藩、徳島藩、岡山藩、鳥取藩、米沢藩などおよそ二千名の武士が御所とその周辺を制圧し、夜明けとともに開かれた朝議にて大和行幸の延期と長州藩主・毛利敬親ら行幸主導派の処罰を決議する。長州藩は御所警護の任を解かれ、三条実美ら七人の公卿とともに藩士千名が都を追放されるという事態となった。こうして、京都の大規模兵力は会津藩のみとなったのである。この日から会津藩主は名実ともに京都守護となったのであった。一説によればこの時の警備に参加したことにより浪士組に正式に新撰組の名が与えられたと言う。やがて、九月になると新撰組内部で尊皇攘夷色の濃い水戸派は一掃され・・・近藤勇を頂点とする新撰組が発足することになる。

岩倉村には前年に三条らに「佐幕派」として蔑まれ、朝廷を追われた村上源氏久我流の下級公卿である前左近衛権中将・岩倉具視がいた。現在は蟄居し、出家したため友山と法名を名乗っている。

しかし、実際は天皇の忍びの棟梁の一人であった。

その任務はもちろん天皇家の守護である。孝明天皇には嘉永五年(1852年)に典侍の中山慶子が生み、女御である九条夙子(後の英照皇太后)の養子となった睦仁親王がいる。その警護が岩倉友山の役割であった。同時に皇太子としての地位を睦仁親王が得るための画策も担うことになる。夙子の生んだ第一皇子が早世したために直系男子は睦仁親王がいるだけだが、皇位継承を狙うものは場合によってはその命を狙ってくるものなのである。

実際に暗殺者が出現し、岩倉友山は幼子を抱え、この岩倉山に避難したこともあった。

今は御所において健やかに養育されている睦仁親王を守護するのは岩倉の育てた四人の忍びたちであった。

岩倉村で友山が経営するのは賭博場である。

客には町民もいれば武士もいて、時には公卿さえもが噂を聞きつけ、訪れる。

大金を落す客には酒席や女も用意するのである。

いわば・・・岩倉友山は京の闇の帝王なのであった。女たちは時には祇園の芸妓を呼び寄せることもある。祇園の支配者の一人は友山の下忍であった。

その夜、やってきた新入りの芸妓に友山は目を留めた。

「ほほう・・・知らん顔やな・・・」

「朝日と申します」

「ふふふ・・・気に行った・・・今夜は客をとらんで・・・麿の元へ参るがよい・・・」

「旦那様の元へ・・・」

「そうや・・・まだまだ男を知らんやろ・・・面白いお伽噺でも聞かせたるわ・・・」

友山は寝処で朝日の初心い身体を堪能した。

「・・・ふふふ・・・まだまだやな」

「堪忍どすえ・・・」

「おまえ・・・どこぞのくのいちやろう・・・」

「くのいち・・・」

「隠さんでもええで・・・くのいちなんぞ・・・珍しくもない・・・」

「・・・」

「なら・・・あててみせよか・・・江戸なまりが残っておるしな・・・その上に幽かに陸奥の匂いがするわ・・・会津に朝日山があると聞く・・・名はそこからとったのやな・・・どや・・・」

朝日は闇の中で自分の顔色が変わっているのを意識した。

「ふふふ・・・都はだいぶ落ち着いたでおじゃろう」

「・・・はい」

朝日は声に緊張が出てしまっていることに気付く。

「祇園でな・・・薩摩藩士と会津藩士を密会させたのは・・・麿でおじゃるよ・・・」

「・・・」

「攘夷攘夷と騒ぐのはいいが・・・帝を矢面に立たせようなどとは不忠の極みというもの。小僧たちにお灸をすえてやったんや・・・」

「・・・」

「会津もようやく・・・忍びやらくのいちやらを放ったが・・・都での諜報合戦では児戯のようなもの、手とり足とりしてやらねばどないもならん・・・」

「・・・」

「長州にはだいぶ手を焼かされたが・・・これでしばらくは大人しくしとるやろ・・・どうや・・・なかなか面白い噺やろ・・・」

「おそれいりましてございます」

「ええのや・・・今、おそろしいのは江戸城におられるんや。薩摩の姫と宮様が嫁姑の睨みあいやで・・・想像するだけで震えるわ・・・まあ・・・都にもまだまだ物騒な輩が忍んでおるんやけどな・・・そんなわけで・・・お前のような初心なくのいちは・・・可愛がる他はようしまへん」

「・・・あ・・・」

「そんなわけで・・・時々は楽しませてもらうで・・・それ・・・ここはこうや」

「あふ・・・」

朝日はくのいちの技も忘れて快楽におぼれ始める・・・。

「ふふふ・・・可愛いで・・・ほんにうい子や・・・」

文久三年の暑い夏は終ろうとしていた。

関連するキッドのブログ→第8話のレビュー

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コメント

ばんはです
やはり3月3日ということで女性陣で
揃えてみました

まぁこれ以外女性陣は八重以外描いてないんですが; ̄∇ ̄ゞ

やはり人は必要とされてこそ
生き甲斐を感じるというもの

というのを痛感させる今回

頼母と佐川はさしずめ生きる屍でしょうか
そうして同じ傷を舐め合う訳ですな

八重の方はちょっと尚之助に好意を抱いてるけど
それが恋とまでは気づいてない感じですかね

そんな八重の状況とは違って
とっても殺伐な京都での会津の方々

この辺のコントラストがまたいいですなぁ

さて、次回までには斎藤を仕上げるかな; ̄∇ ̄ゞ

投稿: ikasama4 | 2013年3月 4日 (月) 22時53分

✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥

なかなかに乙なひな祭りでございましたね。

真夏の桃の節句というシュールな展開です。

ふふふ・・・八重、照姫、時尾のスリーカードですな。

三人官女は成立でございますよ。

誰かのために己がある喜びですな。

ゴルゴ13でさえ依頼者あってのスナイパーですからねえ。

佐川の忠義心は燃えれば燃えるほど不憫ですなあ。

頼母は一族郎党まとめて不憫でございます。

今回の西郷夫人は涙なくしては見られない
貞女ぶりでしたな。
夫が普段通りと言うから
普段通り・・・。
そして・・・。

身近に帯刀している人のいない現代人には
なかなかに「死をつねに覚悟しているひと」の気持ちは
理解しにくいかもでございます。

子供が暴発事故に巻き込まれるのは避けるけれど
同時に切腹の仕方も教えるわけですからねえ。

「やられるまえにやれ」の標準装備です。

八重も数えで19歳になってますから
当時としては適齢期を越えてしまっているわけで
どちらかといえば
「私なんか今更・・・」という気分なのかもしれません。

まあ、ドラマ的にはまさに・・・ホタルですな。

「私には貴女が(伴侶として)必要です」
「(仕事のキャリアを認めてくれて)ありがとなんしょ」

でしたよねえ。

京都はついに会津の支配する都となりましたねえ。
しかし、覚馬は「国の中に敵も味方もない」という全国区的発想が芽生えていますな。

一方で旧式でなんとかなったので改革は遅れるわけです。

ここは警察と軍隊の差違みたいなものがありますな。

戦場では治安の維持は無理なのでございます。

会津が京都で時間と金を浪費している間に
都落ちしたものたちは着々と装備の改変を
進めるわけでございます。

その時代遅れの象徴たる
剣が命の新撰組。
いよいよ、滅びの美学と・・・
耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶ生き残りの人生が
交錯していくのでしょうねえ・・・(´U_U`)ゞ


投稿: キッド | 2013年3月 4日 (月) 23時58分

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