あまちゃん、ハートの2の土曜日(小泉今日子)とリーガル・ハイ・スペシャルの美しすぎる裁判官様(広末涼子)
最初にトランプについての俗説について久しぶりに言及したい。
トランプには四種類のスートと呼ばれる要素がある。いわゆる、スペード、ハート、クラブ、ダイヤである。
これは四季に対応しており、スペード(冬)、ハート(春)、クラブ(夏)、ダイヤ(秋)である。
スペードは基本的に冬の常緑樹あるいは針葉樹のシンボルであり、ハートは春の生命力の息吹、クラブは夏の青葉茂れる広葉樹、ダイヤは秋の果実であることは言うまでもない。
スートはA~Kまでの各13枚で構成されている。
13×4で52枚である。
これに一週間を示す7をかけると364枚になる。
ジョーカーを足して365枚。つまり一年の日数である。
さらにエキストラ・ジョーカーを加えれば366枚でこれは閏年に対応している。
つまり、52枚のカードは52週間を示しているのである。
だから・・・スペードのAは冬の第一週を暗示している。そしてジョーカーは大みそかのカードなのである。
占いという未来予知の技法によれば・・・トランプでも簡単に一年の間に起こりえる「何か」を予測する啓示を受けることが可能なのである。
たとえば・・・今年、「運命」の出会いをするとすれば・・・「いつか」を占う時にトランプから任意の一枚を抜き取ればいいのである。
それがハートの2だったら・・・春の第二週・・・つまり、一月一日を起点にした場合、第15週目の四月の上旬にその一週間がめぐってくるのである。
もちろん、予測が的中するかどうかは・・・本人の魔力の有無が関わってくることは言うまでもない。
もしも、はずれたら、少なくともその人に魔力が無いことは証明されるだろう。
さて、個人の運命とは別に世界の色彩というものもある。
ハートの2はダブルハートであり、色恋の出会いの季節を象徴していたりする。
春の第二週はそういう季節なのである。新学期が始り、世界は出会いに満ちているからだ。
まあ・・・あくまで悪魔の言うことなのであしからず。
で、『連続テレビ小説・あまちゃん・第2週』(NHK総合20130408AM8~)脚本・宮藤官九郎、演出・井上剛を見た。夏休みも近いある日、「祖母危篤」のしらせを受けた高校生のアキ(能年玲奈)は母親の春子(小泉)とともに岩手県の北三陸市(架空)にやってくる。しかし、祖母の夏(宮本信子)はピンピンしており、現役の海女としてアキを魅了するのだった。結婚生活に行き詰まりを感じていた母の春子は嫌っていた故郷にずるずると居座り、アキは母の故郷に東京では感じられなかった居心地の良さを感じるのだった。そして・・・夏休み限定の新人海女としての新生活を始めるのである。
月曜日 私、海女見習いになりました(能年玲奈)
もちろん、ずっと都会で暮らしてきたアキが海女の仕事をすぐにこなせるわけもなく、修行の日々が始るのである。しかし・・・アキにとっては何もかもが楽しいのである。浜辺の清掃もウキウキするし、ウニの殻の投棄もワクワクするのである。なにしろ・・・アホの子なのである。だが・・・学校の授業よりもお客さんに名物まめぶ汁を勧めたり、ウニ丼を車内販売したり、ウニの殻を剝いたりすることの方がリアルに感じる年頃なのである。
そして・・・夏とはいえ冷たい北の海で潜水の訓練することはアキの中で眠っていたチャレンジ精神を呼び覚ますのだった。
何よりも祖母とその仲間の海女たちと一緒にいることは刺激的なのだった。
生きている実感にひたって・・・食事中に眠り込んでしまうほどの充実した一日。
母の春子は我が子の異常な馴染み方にあきれるのだった。
母の母である夏はそんな春子の心の闇をノックする。
「おめえは・・・これからどうすんだ?」
「私・・・離婚することにしました・・・」
結婚したことも知らされていなかった母の母は離婚すると言われても言葉を失うばかりである。
「私・・・タクシー運転手と結婚したんだ・・・とってもいい人だったけど別れることにしました」
母の母の言葉を待つ母。実は春子は夏にいつも何かを期待しているのだった。
「気にすんな・・・北三陸では離婚とワカメは腐るほどある」
夏の言葉は春子をいつも戸惑わせる。期待した言葉ではないからなのだが・・・何を期待していたのかも判らないのが春子なのだった。春子はとにかく・・・「ここではないどこか」を求めて永遠に彷徨う迷子のような性格なのである。
「こっちで暮らすのなら・・・スナックで働けばいい。生活費くらい稼げっど」
そして、夏の言葉はいつも現実的なのだった。春子はそういう「現実」がいつだって苦手なのである。
「いやよ・・・変な目で見られるに決まってるし」
「どうせ、もう変な目で見られてるべ・・・それなら話のタネとして金を稼いだ方がマシさ」
なんか違うとは思いながら春子は夏に逆らうことはできないのだった。逆らうことができないから逃げ出したのである。
スナック「梨明日」の臨時雇いのママとなった春子に早速常連客がつく。
どうやら・・・春子に惚れているらしい大吉(杉本哲太)である。
しかし、大吉はノンアルコール体質なのだった。腹がジャボジャボになるまでウーロン茶ロックを飲むばかり。
「なんで・・・東京なんかへ行ったんだ」
「この街が嫌いだからよ」
「日の暮れの公園でギターを弾いてたら、なんだか忘れ物をしている気になった・・・幸せって奴を一緒に探してあげるって・・・あの日、ショッピングセンターの屋上で新沼謙治が歌ってた・・・あの頃のみんなは輝いていたっぺ」
そして大吉はカラオケで「嫁に来ないか」ではなく、「ゴーストバスターズ」を歌い出すのだった。
(懐かしいけど・・・明らかに選曲ミスだろう・・・しかも歌えてねえし)と心の中で突っ込む春子。
その頃、イボリーではなかったが、タクシー運転手だったことで明らかにパラレルワールドの住人らしい春子の夫・黒川正宗(尾美としのり)がついに北三陸市に姿を見せるのだった。いよっ、待ってました!・・・転校生っ。男女屋!と大向こうから声がかかるのである。
火曜日 俺は一匹モータリー(尾美としのり)
離婚届を投函した直後に春子は夫の正宗と再会する。
寝耳に水の離婚沙汰に正宗は戸惑いを隠せないのだった。
春子は不満があっても口に出せずに鬱屈し、爆発するタイプなのである。
それにしても・・・何をしでかしても春子の堂々たる存在感。どこまでいってもキョンキョンはキョンキョンなのだった。
春子の夫が個人タクシーの自家使用で乗り込んできたことはたちまち町の噂となる。
「じぇじぇじぇじぇ( ‘ jjjj ’ )」と血相を変える大吉。
しかし、所詮は他人事と北三陸駅の副駅長・吉田正義(荒川良々)は「じぇじぇ」としか驚かないのだった。
そして・・・「コレカンタン・・・ゴーストバスターズ!」とカラオケを適当に歌いこなすのである。
一方で・・・海女の古い写真を見たアキは上半身が裸のスタイルに驚く。
「新人は・・・みんな胸を出して潜るんだ・・・抵抗が少なくて深く潜れるから・・・」という漁協の組合長・長内六郎(でんでん)の説明を真に受けたアキは・・・露出に耐えるほど胸に自信がないために・・・海女になることを断念しかかるのである。
「おばあちゃん・・・私・・・海女やめる」
「なんだって・・・」
結局、組合長にかつがれていただけだったアキ。
しかし・・・それが祖母と祖父のなれそめ話につながって行くのだった。
客寄せのために上半身裸にされた海女たちに漁師たちは憤慨したのである。
「俺たちが漁に出ている間、拝めないものを客に拝ませるとは何事なのだ」なのだ。
若きの海女の夏は若き日の漁師の天野忠兵衛(蟹江敬三)の男っぷりの良さに惚れて二人は結ばれたらしい。
とにかく、乳は露出しない方向で進むらしくお茶の間の一部愛好家は落胆である。最初から期待すんなよっ。
アキの一瞬、揺らいだ決心も元通りになり、海女の修行は再開されるのだった。
そこへ・・・アキの父の正宗が乱入する。
正宗としては・・・春子とアキがいないなと思っていたら、春子とは離婚沙汰、高校生の娘は海女候補生になっており・・・憤懣やるかたないのである。
「こんなところでなにやってんだ」
「ごめんなさい・・・」
正宗の怒り爆発に怯えるアキ・・・そこへ割り込む夏だった。
「なんですか・・・」
「海女クラブの会長です・・・」
「関係ない人は黙っていてください」
「この子の祖母です」
「ええっ」
「春子の母です」
「えええっ」
「はじめまして・・・」
「えええええええええええええええええええええええ」
「一人娘とやる時は親の承諾得にゃならぬ」の古き掟によって封印される正宗の理由なき反抗だった。
「あの・・・私は・・・娘さんと結婚させてもらってまして」
「なんでも離婚するとか」
「いや・・・もう・・・私はまったくそんなつもりは」
しどろもどろになる正宗の背後でジャボーンと効果音が・・・。
荒海や アキが飛び込む 水の音・・・なのである。
「じぇ」・・・唖然とする一同だった。
水曜日 馴染めない人はいつだってどこだって馴染めないのです(小池徹平)
再び、海に飛び込んだアキを監視小屋から見守っていた足立洋(小池)だった。
どうやら・・・アキにちょっと興味を持ったらしい。
漁業に現れるとアキと言葉を交わすのだった。
「あの・・・」
「ユイちゃんのお兄ちゃん」
いつの間にか美少女・足立ユイ(橋本愛)の家族関係まで精通しているアキだった。
それほどまでに北三陸市はアキの体質に合っているらしい。
「この間は・・・溺れた時にサイレン鳴らしてもらったし・・・」
「今日は・・・スイスイ泳いでいたから・・・サイレン鳴らさなかったよ・・・」
アキの溌溂とした元気さが洋にはなんだか眩しいらしい・・・。
一方、夏の家では神妙に仏壇に手を合わせる正宗。
いきなり・・・結婚の挨拶もないままに・・・離婚についての協議に突入である。
春子の生死不明の父親がいないことはまだしも救いであった。
「なんでこんなとこまで来たのよ」
「だって・・・君が急にいなくなるから・・・」
「急じゃないでしょ・・・予感があったでしょ・・・」
「いや・・・なんとなく機嫌が悪そうだとは思ってたけど・・・まさか離婚とか・・・」
とにかく・・・正宗の何かが春子をイラッとさせたらしい。
しかし・・・おそらく、その苛立ちは春子だけが分かる特殊なものであることが想像できるのだった。春子はいつでももやもやしていてもやもやが何かを自分でもわからずにもやもやしているタイプなのである。そうだ・・・困った女なのである。しかし、キョンキョンだからかなり面倒くさい女でも許されるのだった。
とにかく・・・一方的に離婚への同意を求められる正宗。
しかし、事情を聞いた大吉は不覚にも敵に塩を送ってしまうのだった。
「離婚届けの判子は黒川姓でないとダメなんだ」
「なんでよ・・・離婚して天野に戻るんだから天野でいいでしょ」
「いや・・・離婚届けを出す時点はまだ黒川さんだから~」
春子・・・アホの子の母親ならでは・・・である。
そのためにもやもやしつつ、首の皮一枚つながる正宗だった。
なんとなく・・・スナックに移動した正宗は微妙な思いの大吉を相手にグラスを重ねる。
「僕は・・・家族を大切にするってことはいつも一緒にいることだって思ってました」
そこで海女の弥生(渡辺えり)が意見する。
「おらの父ちゃんは漁師で半年は家を空けんのよ・・・父ちゃんが帰ってくると母ちゃんは喜ぶけんど・・・一週間もするとうざくなんのよ・・・年柄年中顔つきあわせてたら・・・うんざりするってことだ」
「・・・でも・・・僕は・・・彼女と離婚しません」
そして・・・帰りたいのに帰れない若き日の春子(有村架純)との出会いを語る正宗。
「な、なにーーっ」と突然、激昂する大吉。しかし、実は正宗は空手の有段者であり、格闘技に精通しており、なんなく大吉を関節技で確保するのだった。
「タクシー強盗対策で護身術を習ってます」
「んごーーーーっ」と突然酔い潰れる大吉だった。
ウーロン茶とウーロン割りの置き違え事件だった。よくあることである。ねーよっ。
とにかく・・・母も、娘も、夫も・・・そして大吉も・・・春子の難解なもやもやに手を焼いていることは間違いないのだった。そういう困ったちゃんを堂々と演じきるキョンキョン、圧倒的じゃないかっ。
とにかく・・・琥珀掘りの小田勉(塩見三省)は大吉に含むところがあるようだった。なにしろ・・・大吉にはいつも琥珀話の腰を折られているからな。小田勉は明らかに置き違えを見切っていたぞ。
こうして・・・アキをめぐる家庭環境はほぼ明らかになったのだった。何を考えているのか判らない母親と何を考えているんだかわからない父親に挟まれて何を考えたらいいのかわからない子供になってしまっていたのであるねえ。
木曜日 さよなら、パパ(能年玲奈)
モヤモヤするママとモヤモヤするママに手を焼くパパのしがらみに縛られて鬱屈していたアキ。しかし、その日暮らしの海女である夏の手ほどきで「今を生きる喜び」を感じてしまったのである。その輝きは両親には眩しいものだった。
浜辺で生き生きと活動する娘を遠くから見守るパパとママだった。
「あんなに華やいでいるアキをはじめてみたよ」
「私も・・・ずっとこの街にいたら・・・あんなふうに天真爛漫でいられたのかな」
「それはどうかな」
「そうだよねえ・・・無理だよねえ・・・絶対・・・あんな風には生きられないんだよねえ」
「・・・」
「私のできないことを娘が平気でやれるって・・・なんだかうらやましいわあ」
「どうしてもモヤモヤしちゃうんだな」
「どうしてもモヤモヤしちゃうのよ」
正宗にとって・・・春子の面倒臭さは今に始ったことではないはずだ。
しかし、厄介な人ほど手放せないものなのである。
というか・・・正宗にとって春子はなくてはならない人なのだ。そして・・・春子にとってはそうでもないところが・・・モヤモヤするわけである。
とにかく・・・つかず離れずにいること・・・それが正宗の精一杯なのである。
春子は・・・究極の甘えん坊なのだった。
そして・・・スナックでは春子と洋の甘えん坊対決が繰り広げられるのだった。
「どうして出戻っちゃったわけ・・・」
「この街では駄目だったけど、東京に出たらなんとかなると思ってた。でもやはり、駄目だった・・・俺に合う場所って日本にはないかな・・・って思うんだ」
「わかるよ・・・その感じ。田舎で駄目な奴は都会でも駄目なんだよね。で、田舎でなんとかなってる奴は都会でもなんとかなるんだよねえ。私・・・思うんだ・・・結局、場所がどうとかじゃなくて・・・その人の問題なんだってね」
春子は自分のことを話しているだけなのだが、洋にとっても図星なのだった。
しかし、二人が意気投合することはないのである。
なにしろ・・・二人とも自分のことがとことん好きな甘えん坊同志なんですら~。
とにかく・・・そんな面倒くさい母親とそれをもてあます父親との間で亀甲縛りになっていたアキは・・・「ウニは銭だ」と断言する単純明快な祖母によって解放されてしまったのである。
一度、自由の味を知ったらそれを失うことはできないのだった。
結局、妻と娘を一時放置するしかないと覚悟した正宗は東京に戻ることになった。
そんな父親をなんとなく見送りに来るアキである。
「まだいたんだ・・・」
「・・・」
「パパがいなくて大丈夫か・・・」
「ママがいるから平気・・・」
「ママと何、話してんだ」
「パパのこととか・・・」
「俺のこと・・・」
「大体悪口・・・」
「・・・とにかく・・・元気でな・・・ママのこと頼んだぞ・・・」
「また来るの・・・?」
「・・・」
「じゃあ・・・パパが今度来る時までに潜れるようになってる・・・」
「うん・・・頑張れ」
(頼りないパパでごめん・・・ママにそれほど愛されていないパパでごめん)と娘に心の中で手を合わせる正宗だった。
せつない思いを胸に一人陸奥を南下する正宗。
アキは誓いの通りに潜水時間を伸ばす特訓に励むのであった。
そこに突然、未だに色香漂う熊谷美寿々(美保純)狙いらしいカメラ小僧・ヒビキ・イチロー(村杉蝉之介)が現れるのだった。
もちろん、夏をはじめとする海女にとっては風物詩にすぎない写真愛好家なのである。
いかし、過剰反応する春子は我が子を守るために痴漢警報を発令するのだった。
その騒ぎの中、潜水に夢中になったアキはあっという間に沖に流されてしまうのである。
「ねえ・・・何分だった・・・あれ・・・ここ・・・どこ?」
かわいいよ、アキかわいいよ・・・でも危ないよ、アキ危ないよである。
だが・・・天真爛漫なものにはツキが味方するのがこの世の定めなのである。
通りがかりの漁船に無事救助されるアキだった。
金曜日 東京から来た変な子と友達になっちゃった(橋本愛)
ついに海女潜水標準記録である1分をクリアしたアキ。本格的にウニの採取を開始するのであった。
ウニが獲れそうで獲れなかったりする潜水演技も見事にこなし・・・ついに海女ちゃんへの道を歩みだしたのだ。
しかし・・・時は流れて、いつしか夏休みも終盤である。アキの海女生活のタイムリミットは迫っているのだった。
そんなある日、アキの憧れの美少女・足立ユイを撮影するカメラ小僧ヒビキに遭遇する。
「ブス」と言われてもアキにはピンと来ないらしい。なにしろ、アキは浴衣姿のユイの可愛さに男目線でぞっこんなのである。
しかし、ヒビキの取り持つ縁でアキはユイと親しく会話ができるようになったのだ。
こうして・・・標準語が堪能な北三陸の美少女と、方言が堪能な都会のアホの子は仲良しになったのだった。
「アキちゃんちは東京のどこなの」
「世田谷」
「うそ~、シモキタ? サンチャ?」
「その辺」
「すご~い・・・下北沢って毎日、演劇とかロックとかやってるでしょ・・・秋葉原ってアイドルだらけなんでしょ・・・井の頭公園でボートに乗った恋人たちは絶対別れちゃうんでしょ・・・渋谷は読モだらけで、裏原はスターでいっぱいで、ブクロサイコーなんでしょ・・・ね、ね、そうなんでしょう」
「いやあ・・・あんまり行ったことないから~」
集落の境界線しか知らない人々は果てることを知らない東京の町連続体をイメージできないものである。成田に降り立った外人でさえ、上野駅や東京駅に着くまで延々と続く市街地にあきれ果てるのが普通なのである。
アキは東京人として地方人のユイに東京を語る言葉に不自由するのだった。
しかし、ユイは東京人に地方の良さを見せるツボを心得ているのだった。
北三陸祭りの準備風景に案内されたアキはたちまち祭りの虜になるのだった。
(この祭りが始る頃にはここにはいないのか・・・)
アキの心には一足早い秋風が吹きこむのである。
大好きなユイから東京への憧れを語られるアキは知性に目覚めつつあった。
(私の知らない東京をユイちゃんは知ってる・・・だけど・・・ユイちゃんは・・・北三陸の海のことを知らないのかもしれないな・・・私がどんなにか北三陸の海のことを好きか・・・知らないかもしれないな・・・)
母の故郷へやってきたアキ。そこで目を開いたアキは・・・大人への旅を始めたのである。
それは・・・なんと楽しく、実りある旅だっただろう・・・。
その旅がもうすぐ終わってしまう。
アキの心は淋しさを知ったのである。
土曜日 ごらん、地下の闇の中で琥珀が光っている、琥珀の声を聞いてごらん(塩見三省)
誰がラピュタの話をしろとっ。北三陸の地から離れがたく、北三陸のすべてを知っておきたくて・・・ついに琥珀掘りの地下採掘場まで見学したアキだった。
しかし、無情にも時は流れ、夏休みの最終日がやってくるのだった。
いや・・・とにかく・・・受験生だったら・・・夏全開で海女生活していたら・・・もう、志望校は無理だよね~。
・・・とはアキはこれっぽっちも思わない。
「おら、東京さ、帰りだぐねえ」の一心である。
そんなアキの心情をモヤモヤのプロである春子は見抜いているのである。
そして・・・できれば夏に・・・自分とアキ引き留めてもらいたいと思っている。
しかし、夏は徹底した自由放任主義者だった。
「去るものは追わず・・・来るものは拒まず」の精神は揺るがない。
実は・・・娘も孫も可愛くて可愛くて仕方ないことはさすがの宮本信子、全身全霊で表現するのだが・・・そういうセリフはないのである。
アキは来年またやってくると言うが・・・そういう口約束は信用しない海女たちであった。せっかくの新人海女が去っていく・・・それがただただ悔しいのだった。
夏は最初に出会った時のようにアキの口にとれたてのウニを運ぶ。
祖母と孫の魂のふれあいである。
洋は東京生活の時に貯めたカレーショップのサービス券を餞別に代えるのだった。
やがて、別れのホーム。
春子は夏をまねて見た。
「あんたが決めればいいんだよ」
「帰って・・・パパとママと三人で暮らす・・・」
「本当にそれでいいの・・・」
夏は見送りに来なかった。
大吉は裁量権の許す限り・・・発車時間を延長するが・・・春子にプロポーズするガッツを見せることはできなかった。
東京へ向かって走り出す北三陸鉄道・・・。
しかし、母と娘は乗車しませんでした・・・。
「おばあちゃん・・・ただいま・・・」
「・・・」
抱き合う祖母と孫だった。
しかし、もちろん、二人の娘であり母である春子のモヤモヤはけして晴れたりしないのである。困った人なのである。だが、もちろんそこがいい。
関連するキッドのブログ→第一週のレビュー
で、『土曜プレミアム特別企画・リーガル・ハイ・スペシャル』(フジテレビ20130413PM9~)脚本・古沢良太、演出・石川淳一を見た。これだけ期待させておいて、その期待に見事に応えるコンテンツがかってあっただろうか。物凄く過去に遡らないとない気がします。それほどまでに古美門研介(堺雅人)と黛真知子(新垣結衣)のタッグは魅力的なのだな・・・と思うばかりである。いじめという・・・絶対根絶できない人類のあるいは生命現象そのものの病巣に肉薄しながら最後は「お前の音痴は金輪際治らない」という一言で腹がよじれるほど笑わせてくれるのだから全面降伏である。絶対にいじめられていたと思われる古美門、完璧なまでにいじめられていたのにまったく気がつかない黛、そして・・・いじめられていたが法の完璧な守護者となった鉄仮面で女王様の裁判長・別府敏子(広末涼子)、変な髪形と偽りの微笑みの下にいじめられ体質を隠蔽する公立うさぎがおか中学校2年C組担任教師・藤井みなみ(榮倉奈々)、史上最強の新人弁護士・勅使河原勲(北大路欣也)、最後の最後までモンスター・ペアレントの正体を隠し続ける母親・小暮秀美(堀内敬子)・・・そして・・・加害者でもあり被害者でもある少年・和彦(末岡拓人)・・・ゲストたちも筆舌に尽くしがたい面白さである。だから・・・もう書きません。
「あなたを監置します」
「かんち?」
「カンチ?」
「監置か・・・初めて見るな」
「カーンチ」
「それはセックスしよう・・・だろ」
関連するキッドのブログ→リーガル・ハイ
シナリオに沿ったレビューをお望みの方はコチラへ→くう様のリーガル・ハイ
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コメント
じぇじぇじぇ あまちゃんが終ったらリーガル2が始まって♪今年が終ってしまいますよぉおお
早っ(o^-^o)
久しぶりに見たリーガルは超ハイテンションで あれっここまで古美門ってテンション高かったけ?とちょっとスピードについていくのが大変でしたけれど(笑)小ネタ満載で ところどころ大笑いしつつ、いつも通りオチもしっかりあって期待を裏切らない楽しさでした!鈴木先生や中の女子生徒もいるし、ガッキーのセーラー服姿、アタック姿 めちゃくちゃ可愛かったです~
o(*^▽^*)o
でも見直した時、裁判中の母親の表情を見ると 自分が騙されたような妙な感情を抱いてしまいます 何が真実かわからない 勧善懲悪もので終らないところが このドラマの魅力で女教師が最後 タクトを振らなかったのも らしい終り方で清清しかった
テーマがいじめということもあり、複雑な感情もわきますが 秋ドラマ決定が何より一番衝撃的で最高のラストでした!
投稿: chiru | 2013年4月14日 (日) 15時01分
ふふふ・・・「あまちゃん」→「リーガルハイ」の2013年でしたな・・・ってまだ春でございまするっ。
それにしても恐ろしい週末でございましたな。
のんびり朝寝を楽しんでいたら関東地方は
地震で起こされるし・・・。
新番組ラッシュが終わって
(土)は「あまちゃん」でしめる・・・季節が待ち遠しいのでございました。
リーガルハイの最強テンション中学生
カーベェこと河辺彩香(小野花梨)が
独特の存在感を放っていましたねえ。
黒幕なのかと思ったほどでございます。
うっかり八兵衛がうっかりしたり、
映画版の格さん(北大路欣也)で
夢の助さん格さんツーショットがあったり
ドロシーだったりゲーセンの腕相撲マシーンだったり
上履きに納豆だったり
愚か者~だったり・・・もう小ネタ満載過ぎで
笑い死にしそうでしたぞ。
豊洲のマンションの母子家庭とか
法廷での涙の後で狂言自殺の黒い担任女教師とか
ハムスターさおりはまた無念のだったとか
オトモダチ~のあのドクターは登場なしとか
服部さんも草のものも元気だったとか・・・
「いじめ問題」なんて「問題にしない姿勢」が
実にエレガントでございましたよね~。
とにかく・・・コミカド&がっきーがまた見れる・・・
それだけで暑い夏をのりきれそうな気がいたします。
それにしても・・・「リーガルハイ」を
楽しんだ後だと・・・
そこそこ面白かったドラマが
物足りなく感じる恐ろしさがありますなーーーっ。
投稿: キッド | 2013年4月14日 (日) 16時00分
「リーガルハイ2」、嬉しいです。待ってました!勿論、今回も堪能しました。レギュラー陣の変わらずの濃さ!それと、前半の榮倉奈々ちゃんの、なんとも薄っぺらいというか気持ち悪い笑顔が印象的でした。
「あまちゃん」、久しぶりに朝ドラを楽しみに見てます。前作は一回チラ見してやめたので、今回の出だしをうっかり見逃しましたが…。今までのお気に入りは、なんと言っても「ちりとてちん」なのですが、「あまちゃん」は負けてないかも。あきちゃんはとにかく可愛いし、キョンキョンの存在感がすごいです。それに、やはり面白いドラマって脇役のキャラクターが個性的で魅力的ですね。ただ、このあとに起こる震災を思うと、その中の何人かとお別れしないといけないのかと…、それが今からちょっと辛いです。
投稿: ギボウシ | 2013年4月15日 (月) 09時01分
将来にお楽しみが待っているというのは
幸福なことでございますからねえ。
ここまで一回もはずしたことがないコンテンツというのも凄いと感じます。
榮倉奈々ちゃんは底力を見せつけましたな。
ニコニコ笑顔からの涙の告白。
涙の懺悔からのヘラヘラ笑顔。
さすがのバカボン娘でございましたなーーーっ。
やはり、静かな狂気を演じられるものは
素晴らしい役者と言えるのでございます。
「ちりとてちん」と比較すると
ヒロインの爽やかさでは
「あまちゃん」の方が
軽やかですな。
B子もアホの子でしたが
ややジメジメした性格。
それにたいしてあまちゃんは
さっぱりしたアホの子という感じですねえ。
その分、和久井映見よりも
小泉今日子の方が湿度が高い感じですが
基本ヤンキーなので
どこか豪快なのですなーーーっ。
モデルとなった久慈市は
比較的避難が上手くいって
犠牲者が少なかったそうです。
意外と誰も亡くならなかったりして・・・。
それとも・・・誰かにフラグが立っているのか。
ドキドキハラハラしながら
不謹慎に見守っている今日この頃でございます。
投稿: キッド | 2013年4月15日 (月) 14時05分