幽かな彼女(杏)と霊感教師(香取慎吾)と鴨、京都へ行く。(松下奈緒)
さて・・・ガッキーが来る予定の火曜日なのだが・・・東映ドラマとも言うべき、時代錯誤な「鴨、京都へ行く」はさておき、「幽かな彼女」は普通に面白いのだった。
こ、困るよね。
なんていうか・・・脚本家はSMAPのメンバーの使い方を心得ている感じだな。
原作が仇だった「37際で医者になった僕」は別として、「任侠ヘルパー」(2009年)、「PRICELESS〜あるわけねぇだろ、んなもん!〜」(2012年)、そしてこことオリジナルではハズレなしである。
ヒーロー、些少キズあり・・・という基本設定が上手いのかもしれない。
火曜日は明けて深夜に「どホラー」がTBSである。魔都・京都から、幽霊先生、そして真夜中の恐怖と・・・段々とこわくなっていくというのはなんだか楽しいのである。
・・・というわけで・・・火曜日はペンディングだ。
とにかく、(日)八重の桜、(月)ガリレオ、(土)あまちゃんが決まっている以上、残り四枠は熾烈な争いなんだな。
・・・っていうか、今季も谷間はなしですかーーーっ。
で、『鴨、京都へ行く。〜老舗旅館の女将日記〜・第1回』(フジテレビ20130409PM9~)脚本・森ハヤシ、演出・永山耕三を見た。いろいろな意味で残念な感じである。まず、京都の老舗旅館が残念な感じだし、財務省のキャリア官僚が残念な感じである。ついに・・・初回では官僚を退職するところまでは描かれないのだが・・・この展開で京都オール・ロケならば二束の草鞋を履き続けるのは無理なのである。だから、来週は退職すると思うが・・・それならそこまでは今回、きっちり描くべきだろう。それとも・・・このスタッフはこのふたつの職業が両立すると本気で考えているのかな。
伝統を守って老舗旅館を守ってきた女将(市毛良枝)が急死、京都が肌に合わずに東京大学を経て財務省の官僚となった上羽鴨(松下奈緒)は女友達にそそのかされて週末だけのオーナーとして三億円の借金がある実家の旅館のリニューアルを敢行するのだった。
老舗旅館の経営権を狙う外資系企業のコンサルタント・衣川周平(椎名桔平)は「鴨がネギを背負ってきた」と目を輝かすのであった。衣川の狙いは旅館を経営破綻に追い込み、安く買いたたくことなのだ。
衣川に煽てられ、非情に軽い気持ちで経営合理化に乗り出す鴨は・・・「お金では買えない伝統」をあっさり「破壊」してしまう。
まあ・・・いくら急死したとしても本当に鴨の母親が優秀な経営者なら・・・こういうことにはならないのである。
第一、娘はきっちり型にはめられるのが普通どす。
なにしろ・・・伝統を継続するというのは一朝一夕では不可能だからです。
まあ・・・東京の人間にとっては・・・単なる地方都市の一つに過ぎない京都に住む人々がそういう自覚を持っていないのが面白いところで・・・いわば鴨はその代表として、古都を粉砕していく過程はなかなかに楽しいのである。
しかし、結局、従業員一同が総員退職して・・・逆襲されてしまう。
まあ・・・沈みゆく船とは言え・・・そんなことは生活経済的にあり得ないわけですがね。
ご都合主義の極みだよな。
となると後は・・・女将の会の鈴風(若村麻由美)だの、仲居頭の鞠子(かたせ梨乃 )だの、仲居の紗江(堀内敬子)だの、小娘の優梨愛(岡本あずさ)だの、慇懃無礼で上から目線の怖いお姉さんたちが、主人公を追い込みまくり、主人公はずーっと涙目で過ごすことになるわけである。
京都出身で、そういう感じの好きな一部愛好家にはたまらない展開かもしれません。
まあ・・・全国的にはどうでもいいわな。
関連するキッドのブログ→エンドレス・ナイト
で、『幽かな彼女・第1回』(フジテレビ201304092210~)脚本・古家和尚、演出・白木啓一郎を見た。一応、「鴨」はコメディーと銘打っているわけだが、ほとんど笑うところがないのに対し、こちらはファンタジーだが笑いどころ満載である。まあ、「ゴーストバスターズ」が好きかどうかという好みの問題は当然あります。
死後の世界が少なくとも、主人公の主観ではあるとしか思えないのに、自分の正気も一応疑っているクールな展開だ。
小原南中学校3年2組担任の神山暁先生(香取慎吾)は所謂一つの霊感体質で、幽霊が見えまくりで困っちゃうタイプなのである。しかし、それは単に自分の頭がとうかなっちゃってるだけだと疑う心も維持しているのである。その上で、浮遊霊やら、地縛霊とかがうようよとしている世界で生きているためにそれなりに対処方法も心得ているのだった。
懐には常に数珠を忍ばせ、お清めのために大量の塩をストックしているのだった。
小原南中学に赴任するために引っ越したマンション「メゾン羽生」の304号室には・・・元・教師の幽霊が地縛霊として棲みついていて・・・アカネ(杏)と名乗る。人懐っこい彼女はやたらと神山暁先生にかまってもらいたがるのである。
そういう人恋しい幽霊がうざい神山暁先生は塩盛りでアカネを責め立てるのだった。
「どうだ・・・どんな感じだ」
「あ、あつい・・・あついんです」
「おとなしくしていろ」
「あ・・・ゆ、ゆるして・・・」
「ふっふふふ」
・・・それじゃ、変態だろう。
しかし・・・自分の死因も忘れてしまったアカネだが・・・熱血教師としての思いだけは強く、生徒に対して消極的な神山暁先生を叱咤激励したりもする。
実は、神山暁先生もかっては熱血教師だったのだが・・・生徒のいじめ問題に介入して問題をエスカレートさせてしまい、いじめられていた生徒からなじられて・・・意気消沈してしまった過去があるのだった。
そして、なぜかその部屋に地縛され、部屋から一歩も出られないアカネに同情の気持ちを抱いたりするのである。
しかし、アカネには浮遊霊の友人の吉岡さん(佐藤二朗)がいて、町の噂話には精通していたりもするのだった。
小原南中学校には副担任の河合千穂(前田敦子)もいて、時々、観察眼の鋭いところを見せ、それなりのキャリアを感じさせたりもする。
もちろん、タテブーにしか見えなくなってしまった大原操緒先生(濱田マリ)もいるのだった。
だが、なんといってもいかにも遣り手な感じの元弁護士という霧澤和泉副校長(真矢みき)は「学校は責任はとれませんが、不正は正します」と言った感じで・・・合理主義を貫き・・・実は人情家である神山暁先生とは対立する気満々なのである。いつもほろ酔い気分という設定なのか・・・いや、単なる厚塗りなんじゃないか・・・若づくりしすぎてるっていう役柄なんだと考えます。
そして・・・3年2組にはちょっとクールな京塚りさ(山本舞香)、少女信長・野本香織(荒川ちか)、不気味なものが見える森野小夜(森迫永依)など時代劇もこなせるジュニアあがりの皆さんをはじめとしたおなじみさんが多数そろっています。
となりの3年1組には本間綾乃(黒崎レイナ)もいます。シャブリ様、ありがとうございます。
で、今回の主役生徒は相田拓途(神宮寺勇太)で、まあ、帝国的な展開です。
仲良しだった祖父の死以来・・・淋しさを埋めるために・・・不良高校生と交際を始めた相田拓途・・・神山暁先生としては関わり合いは避けたかったのですが・・・噂を聞いてなんとか部屋を出て相田拓途を指導したいという、アカネの無駄な努力に感じ入り、ついに重い腰を上げるのです。
吉岡さんは浮遊霊として・・・かなりの霊力を持ち・・・漂泊する霊群を利用して、たちまち相田拓途の居所を突き止めたり、相田拓途のおじいさんの幽霊の声色を使ったりして、神山暁先生を強力にバックアップするのでした。
ちなみに吉岡さんの彼女のメグミ(上間美緒)は本当は「黒の女教師」で事故死した葵なんじゃ・・・。この世界では記憶とか曖昧みたいだし・・・。
「神社の賽銭なんか盗んだら・・・バチがあたるぞ、ただの幽霊と違って神霊は執念深いのが多いからな」
「・・・」
「おじいさんが死んでさびしいのはわかるが・・・先生はちゃんとお前のこと見てるからな・・・言いたいことがあったら言えばいいさ・・・」
「・・・」
言葉はなかったけれど先生と生徒の心には少し通路ができたようです。
こうして・・・霊能教師・神山暁先生と幽霊のアカネとの甘い同棲生活がスタートしたのです。
・・・そこかよっ。
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コメント
以前は好きだったけれど最近は…キャストにあまり魅力を感じず 初回限りのつもりで見た幽やかなが 思ったよりずっと面白くって(^^)やっぱり役者を生かすも殺すも脚本 演出なんだなぁ なんて感じました
出演者全員 得意な役で出演しているように感じられ見ていて気持ちがよかったです
ラブストーリー的にちょっといい感じだったので二人のシーンがもっと増えると嬉しい気がしますが学園ものだから無理でしょうか
塩とかの使いかたも面白いし さりげない台詞が深くって 結構好きなドラマになるかもです(^O^)/
投稿: chiru | 2013年4月10日 (水) 08時40分
ふふふ・・・怪物たちの後遺症ですな。
まあ、慎吾ちゃんは「お子様向け」のキャラをやらしたら天下一でございますから・・・。
悩める中学教師というのはうってつけなのかもしれません。
脚本家は①天才 ②自分を追い込める努力家 ③凡庸
と三つのカテゴリに分類できます。
「幽」の脚本家は①と②の中間あたりにいて
どちらになるのかな~と興味深く見守っています。
「鴨」は明らかに凡庸なのですな。
もしも、老舗旅館の女将として母親が一流ならば
鴨はあのようには育たない。
母親が二流ならば、旅館は一流ではない。
この矛盾をどうするかと・・・
なぜ自分を追い込まないのか・・・と思うわけです。
追い込んでいないので話が浅く・・・
薄っぺらさが鼻につくのでございますよ~。
その点、「幽」の脚本家は
登場人物のキャラクターがかなり深く設定されていることが窺がわれます。
それぞれのクラスに美少女で反抗的な生徒を準備していますが
となりのクラスでモンペアが登場し、
担任・副担任の対応の仕方を見せて
副校長の攻撃的だが・・・実は物凄い保守的な感じを
匂わせたりするところなんて・・・
なかなかのテクニックなのでございます。
それから「塩」を幽霊が「熱がる」というアイディアにのせて
アカネのかわいさ・・・もアピールというリーズナブルな展開。
ひとつの手から様々な面白みを醸し出すところが
なかなかに天才を感じさせるのでございまする。
二朗、慎吾、杏の件ではかなりニヤニヤいたしました。
まあ・・・火曜枠としては強力な番組出現なのでございます。
ヒーッ
投稿: キッド | 2013年4月10日 (水) 14時23分
まいど!
え~~っと、未来穂香は!?
番宣では先頭で目立ってたしw
まあ~鈴木先生組が多い。(個人的な印象で目立ってるだけかなぁ)
っていうか1999年組に、もっといるでしょって言いたい (‘ jjj ’)/ じぇじぇじぇ!
※生徒目当てのドラマ視聴決定な私
投稿: シャブリ | 2013年4月10日 (水) 19時39分
その他の3年2組女子生年順
~なんちゃって枠~
水沢 真由美 - 加藤里保菜(e-Street) 1995年
佐藤 優香 -森川真衣 1996年
岡本 香奈 - 未来穂香1997年3月「鈴木先生」中村加奈「黒の女教師」須藤夏美
老谷 美香 - 中村ゆりか1997年3月
~マジ中三枠~
矢沢 舞 - 飯豊まりえ1998年1月ニコラ
下川 千夏 - 関紫優1998年3月ピチレモン
~ホントは中二枠~
柚木 明日香 - 広瀬すず1998年ミスセブンティーン
倉田 円花 - 平祐奈1998年おはガール
向井 樹里 - 近藤玲奈1999年1月ラブベリー 「世にも奇妙な物語 2012年 秋~ヘイトウイルス」サエキ ヨウコ
~ホントは中一枠~
田嶋 萌 - 田辺桃子1999年「天地人」千姫「ハガネの女 season2」坂本京子 「28 1/2 妄想の巨人」金田正太郎(幻影)
東川 奈々子 - 浅川梨奈(GEM)1999年
葉山 風 - 柴田杏花1999年「怨み屋本舗 REBOOT」星影静香「ハガネの女」琴平れもん
藤田 ともみ - 上白石萌歌2000年2月東宝「シンデレラ」
キッドの贔屓で言えば、記事内三人に続くのは柴田杏花でしょうかね。美少女度でいえば中村ゆりかかな・・・。しかし、未来穂香とならんでなんちゃってだからな・・・。
今回は子役あがり、アーチスト、モデルからニューフェイスまでいろいろと取り揃えましたな。
1999年組もいますが中三設定ですからなーーーっ。
妹枠に期待します。
生徒的にはキッドもレビューしたい気持ちでいっばいですぞ。
しかしーーーっ。谷間がーーーっ。

(‘ jjjj ’)/ じぇじぇじぇじぇ!
投稿: キッド | 2013年4月11日 (木) 03時00分