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2013年4月23日 (火)

ガリレオとオカルトちゃん(吉高由里子)と水神使いの少女(川口春奈)

悪夢ちゃんで始り、はらちゃん、あまちゃんと来たちゃんをつければ概ねかわいいシリーズ。

ついにオカルト刑事・オカルトちゃん登場である。

みんな、目ざといな。

業界ではちゃん付けでお友達の鉄則があるわけだが、キッドはキッドと呼び捨てか、キッドさんだった・・・。

そんなに可愛くなかったですかーーーっ。

・・・そこかよっ。可愛がってもらいたかったのかよっ。

ちなみにガッキー(空飛ぶ広報室)、吉高(ガリレオ)と二夜連続、タカビーちゃんが続くわけだが・・・二夜連続で泣きを入れ、可愛い子ちゃんに変身である。

もう少し、高飛車を継続してほしかったですなーーーっ。

趣味の問題だろう・・・「みんエス」があるだろう・・・。

「みんなサディストだよ」みたいな言い方やめなさい。

ともかく、吉高かわいいよ、吉高で川口かわいいよ、川口の展開にひれ伏すしかないのである。

で、『ガリレオ(第2シーズン)・第2回』(フジテレビ20130422PM9~)原作・東野圭吾、脚本・福田靖、演出・西坂瑞城を見た。冒頭に三角形が登場し、それがチョココロネ(イタリア語で角笛を意味するコルネ型の菓子パン)にオーバーラップする。前回に通じて三角形にこだわった演出である。今回はガリレオこと湯川学帝都大学理工学部物理学科准教授(福山雅治)と警視庁貝塚北警察署のオカルトちゃんこと岸谷美砂警部補(吉高由里子)に加えてゲスト女子高校生・真瀬加奈子(川口春奈)がトライアングルを形成していることは言うまでもない。

さらに言えば、クライム・ストーリーは被害者と加害者そしてその他の第三者で常に三角関係が生じているということも言える。

第三者には、警察のような捜査関係者も含まれれば、テレビや新聞などの報道関係者や、被害者家族や・・・加害者家族も含まれる。

今回は・・・第三者としてはもっともありふれた立場の者を隠匿しながらストーリーが展開していく。

それは「犯人しか知り得ない事実を知るもの」としてミスリードを誘うわけである。

もちろん・・・それが誰であるかはすぐに判明するのだが・・・加害者や被害者の家族と違い微妙な関係であることが捜査を混乱させるのである。

中学時代からの女友達と中学時代によく利用した門パンこと門松パン店を訪れた真瀬加奈子は中学時代の先輩から交際を申し込まれる。

「どうするの・・・」と問われた加奈子は水晶のペンダントを取り出すのだった。

「水神(みずがみ)様に聞いてみる・・・」と答える加奈子。

「水神様、水神様・・・彼と付き合ってもいいか・・・お伺いしてもいいですか・・・」

手から垂らされた水晶は揺れ出すのだった。揺れるのは肯定の標しなのだった。

「水神様、水神様・・・彼と付き合ってもいいですか・・・」

水晶は揺れない。それは否定の標しだった。

加奈子は先輩の申し込みをお断りしたのだった。

それからまもなく・・・加奈子が子供の頃に可愛がってもらった近所の老婦人が死亡する。

被害者宅から隠し財産の金の延べ棒がなくなっていたために強盗殺人事件の可能性ありと見立てる捜査陣。捜査に当たっていた岸谷警部補は犯行現場を通りかかった加奈子の態度に不審なものを感じ・・・張り込みを開始する。

夜更けに家を出た加奈子を尾行した岸谷警部補は・・・加奈子が被害者の飼い犬クリの死骸を発見したところを目撃する。

「なぜ・・・ここに犬の死骸があることを・・・知ったの」

「水神様が・・・導いてくれたのです」

捜査報告書にありのままを書いた岸谷警部補は・・・同僚の太田川稔刑事(澤部佑)から「オカルトちゃん」と揶揄される。

太田川の階級は不明だが、巡査部長以下であることが予想され、階級社会である以上、敬語を使うのは太田川の方であるが・・・太田川の言動は年下のキャリアに対する反発がこめられていると思われる。

「重大な事実の発見と水神様のお告げの因果関係を証明してくれる学者」を求めて母校である帝都大学を彷徨った岸谷は二度と逢わないと誓った湯川准教授の講義教室に迷い込んでしまう。最前列が女子大生で埋まると噂された湯川の講義は前シリーズよりパワーアップして、受講生が全員、女子大生になっている。

「君は二度と・・・僕とは逢わないと誓ったんじゃないのか」

教室内での問題発言に・・・学生たちから注目の視線を浴びる岸谷だった。

岸谷から事件の概要を聞かされたガリレオは加奈子の行動を「ダウジングの一種」であると推測する。

オカルトちゃんはオカルトちゃんのくせに「ダウジング」という言葉を知らなかった。ダウジング探偵を見習うべきだな。ジャンル違いすぎるだろう。

ダウジングは「地下に眠る特異物を特定する神秘的な技術」である。

世界各地で地下水脈や、地下鉱脈などを地上から探知する技法として発達してきたが、ベトナム戦争での米軍の地雷探知に用いられたという噂まであるのに科学的に実証されたことのない人類にとって未知の技術なのである。

「それは・・・インチキなんじゃ・・・」

口をはさんだのはガリレオの万年助手・栗林宏美(渡辺けい)だった。

ガリレオ本人はメトロノームを使った共振現象の実験に夢中だったのである。

バラバラにスタートしたメトロノームの振り子がやがてお互いに作用しあい、ひきこまれ一つのリズムを刻む神秘的な現象に遠野みさき(逢沢りな)などの湯川ゼミの学生達は歓声をあげ、実は不思議なことに感じやすいオカルトちゃんも言い知れぬ興奮を感じるのだった。

「とにかく・・・水晶のお告げで愛犬クリちゃんの死骸が見つかったことは事実なんです」

「クリちゃん・・・俺の学生時代のあだ名だ・・・」

オカルトちゃんからクリちゃんへ・・・バトンは渡されたのである。渡されるかっ。

実はオカルト現象に対しては科学者としての探究心が燃えあがるのがガリレオである。

オカルトちゃんが加奈子から借り受けた水晶のペンダントを示されるや否や、夜の現場検証に向かうのである。この時点ですでにオカルトちゃんは主導権をガリレオに奪われており、かなり濃厚な肉体的接触があったと思われる。

途中ではオカルトちゃんがガリレオの腕をとってせがむシーンもあるが・・・そこでオカルトちゃんが浮かべる表情は「ちょっとはしたなかったかな」という自制の気持ちと恥じらいなのである。

早速、周辺の電圧などを測定したガリレオはクリちゃんの亡きがらの捨てられていたゴミ箱の中に首をつっこむ熱心さで観察する。

「高圧電線の類もないし、その夜は無風、地下水道や道路標識などにも関連性は認められない」

「消去法ですね・・・で、何か判りましたか」

「ハハハハ、さっぱりわからない、ハハハハ、実に面白い、ハハハハ」

ガリレオの哄笑サービス終了である。

現場の状況から、犯人は被害者と顔なじみで、一度室内で被害者を殺害、クリちゃんを毒殺した後で、犯行現場に戻り、室内を物色の後、犬の死体を持ち去ったと推定された。

犬の歯からは人の血液が検出され・・・犬の遺棄はそれを隠すためではないかと思われる。

そのために・・・犬を発見した加奈子に嫌疑がかかるが、加奈子のDNAは一致しなかった・・・と推測される。

ここで新たなる東京都監察医務院監察医アイザック(安原マリック勇人)が登場し、前シリーズの監察医城ノ内桜子(真矢みき)が登場せずに「幽かな彼女」で彼女が化粧濃い目の副校長先生をやっていることがなんとなく確認できるのである。何を確認してんだよ。

アイザックは単純に加奈子が犯人と関係していることを推察するのだった。

もちろん・・・ガリレオは単純な可能性に気がつくのである。

彼女が第三者である可能性である。つまり犯行の目撃者である。

そして・・・被害者と顔見知りの加害者であった場合。被害者が目撃者の顔見知りである以上、加害者も目撃者の顔見知りである可能性は高まる。

目撃者が加害者を庇うのはミステリの王道なのである。

その仮説を立証するために・・・ガリレオは実験を決意する。

ガリレオから宇宙開発機構の実験施設に呼び出されたオカルト刑事と加奈子。

「これはなんですか」

「物体の振動速度を非接触で測定できる装置だ。振り子の三次元振動速度を光学的アプローチで解析するためにレンタルしている」

「・・・」

これはレーザードップラー振動速度計である。物体の振動は、常に一方向とは限らず、3次元的に複雑な動きをしているため、これを高精度で計測・解析するために光型レーザードップラー振動計を三台組み合わせ、対象物体の振動速度、振動方向を同時に三次元測定する装置なのだ。

「・・・とにかく・・・何かが測定できるんですね」

そして・・・ガリレオは加奈子に問う。

「君は犬の死骸をみつけてもいいかどうか・・・水神様に訊ねたのか」

「・・・はい」

「それならば・・・犯人の名前を訊ねてもいいかどうか・・・伺ってみたまえ・・・」

水神はイエスと反応する。

そこで・・・こっくりさんなどのオートマテイスム的占いや交霊術に使用されるウイ・ジャ・ボード(文字盤)で犯人名の特定が開始される。

しかし、加奈子はそれをすることに心理的な抵抗があるようだった。

ガリレオは加奈子を相手にしてもじんましんが発症しないことから「君は大人だ・・・そして犯罪者を特定することはけしてまちがいではないはずだ」と励ますのだった。

「か」の文字の上で水晶は揺れる。

そして・・・ついにガリレオは水晶が振動する原因を測定によってとらえるのだった。

「仮説は実証された」と観測を終えるガリレオ。

「えー・・・そんな途中じゃないですか」

「後は・・・警察の仕事だ・・・犯人は彼女が教えてくれるだろう」

加奈子は水神様のお告げによって門松パン屋の主人の名を示すのだった。

オカルトちゃんが門松を訪問すると動揺した門松は逃亡を図る。

門松の足には犬の噛み傷があり、門松のDNAはクリの歯に残った血液と一致し、門松の家からは金が発見される。そして・・・借金苦のための犯行を門松は自供するのだった。

加奈子は塾の帰り路でクリを遺棄する門松の姿を目撃したのだった。

親しい人を殺害したのが親しい人だった。

少女的な感傷と・・・慎重な性格によって・・・加奈子は目撃証言をすることに踏み切れなかったのだった。

「でも・・・ダウジングについての証明ができていません」

オカルトちゃんはガリレオに食い下がる。

「このままじゃ・・・報告書が書けません」

オカルトちゃんはおねだりの姿勢でガリレオに食い下がるのだった。

「つまり・・・彼女は自問自答していたのだ。彼女は最初から犬が死んでいたと証言しているのがその証拠だ。彼女は行動を起こすべきか否やをもう一人の自分と相談する・・・交際を求めた男性を拒絶したのは・・・彼女の潜在的な意識が彼の欠点を見抜いていたに過ぎない。そういう時、彼女は悩み抜いた後で痙攣するんだよ」

「痙攣・・・」

「筋肉運動は自覚的にコントロールできる随意運動と不随意運動に分別される。しかし、しゃっくりのように不覚筋動が起こる場合がある。ダウジングなども一種の筋肉疲労の結果の弛緩によるものだと解釈できるのだ。彼女の筋肉は正しい決断をした場合・・・不覚筋動を起こしていると推察できる。私は実験によってそれを測定したのだ。確かに彼女には不覚筋動が認められた。それは彼女にとって無意識の行動なのだ。だが・・・水神様に依存している彼女にはそれが自然で論理的な解決手段として機能することになる。決意して彼女は身震いする。そして、痙攣の振動は水晶に伝播し・・・ペンダントが揺れることになる」

「それについて・・・もう少しくわしく・・・」

「君もしっているはずだ・・・オーガズムと同じだよ・・・絶頂に達した時の秘部の急速な収縮運動・・・あれも不覚筋動なのだ」

「ああ・・・」

もちろん・・・二人がその後でそれを実験してみたことは言うまでもないだろう。

累積的な性的緊張からの突然の解放による深い歓喜をともなう心身のわななきを・・・。

加奈子は一人、水神様に問う。

「刑事たちはあれで信用したでしょうか」

水神は振動を開始した。

真実と虚偽そして神秘のおりなすトライアングル。

関連するキッドのブログ→第1話のレビュー

シナリオに沿ったレビューをお求めの方はコチラへ→くう様のガリレオ

ホワイトボードにピンクのマジックの数式に挑む天使→テンメイ様のガリレオの数式的アプローチ

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