不戰而屈人之兵、善之善者也でごぜえやす(綾瀬はるか)
「戦わずして勝つのが孫子の兵法」と西郷吉之助が言ったかどうかは別として・・・。
前六世紀に孫武が示したと云われる「孫子」を後漢・魏の曹操が解釈した「魏武注孫子」が所謂、「孫子・十三篇」であり、吉田松陰なども解説書を記している。
まあ、言わば教養ある武士の必読書である。
「是故百戰百勝、非善之善者也。不戰而屈人之兵、善之善者也」は「謀攻篇」からの引用である。
(百戦して百勝することが最善とは言えない。戦わずして敵を降伏させることが善の善なるものだ)と云うような軍事力の優位性による戦闘行為の抑止、あるいは恫喝外交の考え方である。
言わば、「核実験」とか「弾道ミサイル実験」をしてみせて、「援助しろよな」と言うのも孫子の兵法の応用と言えなくもない。
当然のことだが、相手が屈服してこその戦略と言える。
中華人民共産党帝国が我が国領海を冒すのも同様である。
悲しいが、相手と軍事力競争に応じるしか対抗手段はないのである。
孫子の兵法に従えば「敵を知り己を知れば百戦危うからず」でつまり「勝てない戦はしない」のであるから。
結局、我慢比べなのである。我慢できずに先に手を出したら負けであることは言うまでもない。
もちろん、「先手必勝」の教えもある。
だが、「先手必勝」はあくまで、最初の一撃で敵を壊滅できる場合のみに成立する。
総力戦の場合、真珠湾を奇襲した程度では駄目なのである。
で、『八重の桜・第13回』(NHK総合20130330PM8~)作・山本むつみ、演出・末永創を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はただ今、幕府内において海軍事を巡っての権力闘争中であり、名ばかりの海軍奉行・勝海舟と家録1600石で会津藩家老家の中でも大老級の名門・田中家の当主・田中土佐守玄清の二大描き下ろしイラスト一挙公開です。B作が来たので小堺も欲しいところですなーーーっ。いえいえ、けしておねだりではありませんぞ~。画伯におかれましては、あくまでマイペースでお願い申しあげます。
元治元年(1864年)七月の禁門の変で長州軍が敗北した頃、長州藩の国許でも難事が降りかかっていた。前年に攘夷決行のための下関事件があり、その報復として英国軍9隻、仏国軍3隻、蘭国軍4隻、米国軍1隻、全17隻からなる四カ国連合艦隊が八月に下関戦争を勃発させるのである。艦砲射撃による一斉攻撃で長州軍は壊滅的打撃を受ける。長州藩は四カ国に対して無条件降伏する。長州藩の攘夷論者は一掃され、保守的な俗論党が一時主導権を握ることになり、幕府に対して恭順の姿勢を示す。一方、幕府は長州征討の勅命を受け、前尾張藩主徳川慶勝を総督、越前藩主松平茂昭を副総督、薩摩藩士西郷隆盛を参謀に任じて長州征伐を計画する。最終的には36藩から15万の兵力を動員し、十一月に長州への進軍を開始する。これに対して長州は自ら敗北を宣言し、家老の切腹など征討軍の要求を受諾する。幕府は長州の取りつぶしを望んだが、征討軍は停戦を決め、十二月には総督による撤兵令が下された。前線の指揮官たちは兵力の損耗を恐れたのである。幕府軍の解散に乗じ、長州藩では高杉晋作が決起し、挙兵によって俗論党の打破を目指すことになる。そしてついに奇兵隊などが長州正規軍を打ち破り、長州藩は再び倒幕の狼煙をあげるのだった。
佐久間象山の死によって闇に潜んだ科学忍者隊は海軍奉行・勝海舟によって再編されつつあった。その隊長は言わずと知れた浪人・坂本龍馬である。勝海舟は龍馬に命じて東海道の電信線設備を開始していた。
すでに有線電信技術が開発されて20余年、ペリーが将軍家に電信機器を献上して十年が過ぎている。海舟象山共同開発による科学忍法・電気狼煙の術は実用化されていたのである。
影の出資者は言わずと知れた大奥総帥・篤姫である。
江戸・京都の通信は公儀隠密による早飛脚でも片道四日が限度であった。京都の情報が江戸に伝わり、反応が帰るまで八日間を要したのである。
すでに大奥忍びの加勢を得た海舟は江戸・浜松間を開通させ、科学忍者隊の下部組織である海援隊は京都尾張間を開通させている。
幕府長州軍が広島に陣を張っている頃、海援隊は東へ、大奥忍び軍は西へ、東海道五十三次の三十五番目の宿場町・御油宿に向かって疾走していたのだった。
やがて、坂本龍馬は大奥忍びの棟梁・瀧山配下の仲野と邂逅した。
もちろん、龍馬が仲野と一夜を共にしたことは間違いない。
「こちら、江戸」
「こちら、京都」
符牒による電信であるが解読してお届けする。
「勝か・・・篤姫じゃ」
「感度良好でございます」
「例の件・・・いかがなった」
「お指図の通りに、西郷参謀には長州征討に手心を加えるよう申し伝えました」
「それでよい・・・」
「しかし、幕府のためには・・・長州を取りつぶした方が良いのではありませんか」
「安房守・・・そちはアホウじゃの・・・ここで長州がつぶされたら次は薩摩じゃ・・・そうなれば仏蘭西国にたぶらかされている幕府閣僚によってこの国が売られてしまうわ」
「確かに・・・」
「良いか・・・護国などというものは一筋縄ではいかぬのじゃ・・・」
「肝に命じます」
「これから・・・たくさんの血が流され・・・凄惨な慟哭もあり・・・幕府も長州も薩摩もなくなって日本の夜明けが来るのじゃ・・・」
一瞬にして江戸と京都をつなぐ科学忍法の驚異よりも・・・勝海舟は篤姫の天心通の術に恐怖を感じるのだった。
関連するキッドのブログ→第12話のレビュー
篤姫→元治元年の頃
龍馬→元治元年の頃
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コメント
どうもです
実は先週から岩倉さんを描いてたとこなんです
ただ、今先程ステラを買ってきて
八重を描こうかどうか思案中です; ̄∇ ̄ゞ
なんかドラマとしては展開が相当早そうで
5~7月あたりに会津戦争がありそうな雰囲気がしてきました
今のうちに秋月も頑張るべきか
あれこれ考えると時間が過ぎて
その時間がもったいないやらで
ちと大変な今日この頃です; ̄∇ ̄ゞ
投稿: ikasama4 | 2013年4月 3日 (水) 23時57分
キャスティング的に岩倉はかなり重要人物として
登場する予感がございますよねえ。
しかし、単なるビッグ・ゲストかもしれないし・・・
予断を許しませんねえ。
殿が国許に戻ってからいよいよ
ヒロインと物語が一体化することになるので
会津戦争はこれでもかとばかりに
こってりと描かれるのかもしれませんな。
登場人物的には函館メンバーもそろっておりますし・・・。
明治篇は・・・夏を過ぎてからかしら・・・。
ともかく・・・生存年数と配役で
推察していくしかないのですよね~。
岩倉も秋月も楽しみです。
新・八重も楽しみだし、
うっちー☆よっちゃん☆広沢富次郎も楽しみです。
しかし、あくまでマイペースでお願い申しあげまする~
投稿: キッド | 2013年4月 4日 (木) 03時06分