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2013年4月22日 (月)

御九穴より御出血、まことにもっておそれいり候でごぜえやす(綾瀬はるか)

睦仁親王(明治天皇)の母は孝明天皇の典侍の中山慶子である。

睦仁親王は孝明天皇の女御の九条夙子(英照皇太后)の養子となり、皇太子の立場にあった。

以後も中山慶子は孝明天皇の側に仕えている。

慶応二年十二月(1867年1月)、孝明天皇は天然痘を発症し、重態となる。

中山慶子の父・中山忠能は娘と絶えず音信を交わし、日記「正心誠意」に孝明天皇の病状を詳しく記述している。

孝明天皇は一度、「葛湯一碗、唐きび団子三つ、お粥半碗と大根おろし」などを食するまでに回復するが、容態は急変し、「昨夜より御大便度々御通し、御容体御宜しからず、御えづき強く御召し上がり物御食されず」状態となり、ついには「御九穴より御出血」して、「25日戌刻」崩御なされたのだった。

小康状態の後の病状急変に、その死の直後から、毒殺説、刺殺説など様々な憶測がながれた。

しかし、真相は未だに定かではない。

で、『八重の桜・第16回』(NHK総合20130421PM8~)作・山本むつみ、演出・清水拓哉を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は銃後を守る妻の鏡・山本家の嫁にして山本覚馬の一粒種・みねの母・うら様の描き下ろしイラスト大公開でお得でございます。そこにきたかーーーっでございましたね。山本家の女としては山本八重に続いて二人目。なんとなく、「ドラゴン桜」とか「華麗なる一族」を彷彿としましたぞ~。いよいよ来週は1867年に突入し・・・もう明治の足音が聞こえてまいりました~・・・しかし、あくまでマイペースでお願いします。

Yaeden016 慶応二年(1866年)七月、十四代将軍家茂薨去。幕府は将軍不在のまま、対長州内戦を継続することになり、たちまち、窮地に追い込まれる。軍事革新に成功した長州は各方面で幕府軍を撃破し、周辺諸藩は長州側に寝返ってしまう。八月に徳川宗家を継承した一橋慶喜は戦況不利と見て老中・板倉勝静らの将軍職継承を固辞し続ける。敗戦の将となることを嫌ったのである。慶喜は軍艦奉行に再登用した米国帰りの勝海舟を特使として長州に派遣、英国帰りの井上聞多(馨)らと談判した勝は九月に和議を成立させる。しかし、長州藩は小倉藩への攻撃のみは続行する。この停戦協定違反を幕府側は傍観した。一方、財政逼迫にあえぐ会津藩では領内に一揆の気配が濃厚となり、一刻も早い京都守護職の任務完了が求められていた。将軍空位を受けて前幕府政事総裁職にあった福井藩前藩主・松平春嶽は再び薩摩藩と連携し雄藩連合による参預会議の復活を模索する。しかし、この機をとらえて慶喜は朝廷から将軍宣下を受けると十二月五日、第15代徳川将軍位を受諾する。慶喜はフランス行使・レオン・ロッシュと密約を交わし、多額の経済援助を引きだすことに成功していた。慶喜はその資金を基に幕政の刷新を目論んでいたのである。さらに関白二条家と、有栖川宮家の姻戚関係を持つ慶喜は将軍兼任関白という意表をついた公武合体の最終形態を視野に入れていたのである。しかし、将軍就任後の十二月二十五日に孝明天皇の崩御という非常事態が発生し、時代の混乱は一気に武力倒幕へと加速していくのであった。その後の成り行きを観察すると慶喜は抜群の政治力を持っていたが武力ゼロの武将であったと言える。

会津藩の江戸藩邸は火が消えたようになっている。本来は会津藩における中央(幕府)への出張所的機能を持つ江戸藩邸は京都守護職の拝命により、人材不足になっていた。そんな折、国許からは領内不穏の知らせがあり、藩主の留守を預かる留守居役たちはさらなる人材派遣を迫られたのである。江戸詰勘定役の中野平内の娘・中野竹子らまでが駆り出される始末であった。

密命を帯びた中野竹子は国許に戻り、隠し目付けの指揮をとることになっていた。

京都守護職拝命以来、重税を課せられた会津藩農民は逼迫し、追い詰められていた。

そのために各村で謀議が行われている形跡が報告され、情報収集の必要に迫られていた。本来の目付けたちは皆、京都に振り向けられており、領内は手薄になっていたのである。

中野竹子は領内のくのいちたちを結集し、任務に当たることになっていた。

その最中、城下で大火が発生したのである。

会津若松城の奥の間では留守を預かる照姫が顔を曇らせている。

「竹子・・・よく参った・・・しかし、少し間に合わなんだな」

「この度の火災はやはり放火でございますか・・・まさか・・・百姓どもがそのような大それたことを・・・」

「八重・・・申せ・・・」

「ご領内に不審なものどもが流入している気配がごぜえますだ」

「なんと・・・まさか・・・」

「上方よりの隠密と思われまする」

「そのようなことが・・・」

「長州では幕府方が大敗北を喫していると伺いやす・・・もはや、その前触れがご領内に入り込んでおるのでごんす」

「それでは・・・」

「狩らねばなりますまい」

竹子は予想以上の深刻な事態に蒼ざめた。

京都における会津藩はさらに深刻な事態に直面していた。

山本覚馬は京都に配置したすべての忍びを召集している。

「なんと・・・帝が・・・御不快である・・・と」

山本覚馬は最前列で平服していたが、思わずつぶやいていた。

目の前の黒頭巾の忍びの発した言葉があまりにも重大な事実だったからである。

「余が直々に確かめたことだ・・・」

「・・・」

「御所警護に四鬼と呼ばれるしのびがあることはそなたも聞き及んでおろう」

「は・・・」

「それらは毒も盛られてすべて果てておった・・・」

「なんと・・・」

「そんなことができるのは・・・天皇の忍びの長しかおらぬ・・・」

「まさか・・・」

「もはや・・・会津は風前の灯じゃ・・・死に物狂いでかからねばならぬ・・・」

「・・・」

「今宵・・・全力を挙げて岩倉を討つ・・・余も忍んでまいる」

「おそれおおいことでございます」

「皆の者、余に命をあずけよ」

黒頭巾の松平容保は忍びたちに告げた・・・。

師走のおし迫る岩倉村には雪がちらついていた。

結界をやぶるために暗闘が繰り返され、ほとんどの会津忍びが野辺に骸をさらしている。

くのいち朝日の嬌声だけが、道しるべであった。

岩倉屋敷の奥の間で友山は朝日を抱いていたのだった。

たどり着いたのは・・・角馬と斉藤一そして・・・黒頭巾の容保のみである。

合図が交わされ、必殺の三方陣を作った三人の忍びは血の匂いを消すために温存した忍び刀を抜き放った。

無言のまま、寝屋に殺到する。

「ひ」と朝日が苦悶の声を上げる。

朝日は友山と交合したまま、友山とともに串刺しとなっていた。

「会津卍固め・・・」と言葉を残し、朝日は絶命する。

「すまぬ・・・」と黒頭巾の容保はくのいちの屍を見下ろしてつぶやいた。

「参りましょう」と覚馬が即した。「殿が生きて戻らねばこの者の死が無駄になりまする」

「帰り道も恐ろしかろうな・・・」と容保が嘯いた時には三人の忍びは小屋を脱していた。

覚馬は温存していた拳銃を抜き放つ。闇の中に銃声がこだました。

静まり返った友山の寝所にこそりと音がする。

友山の亡骸は突然しぼみはじめる。まるで最初から中身がなかったように皮だけが乾いた音を立てて崩れて行くのである。

やがて、無惨なくのいち朝日の死体が乱暴におしのけられる。

「堀河忍法・・・空蝉」

寝具の下からはい出してきたのは友山だった。

「ほんまに・・・えげつないことしやはるわ・・・みちのくの蝦夷はんは・・・おお、かわいそうにのう・・・」

友山は血を流し縮んでいく女の秘所をまさぐった。

「あわれやの・・・まだここは温いのになあ・・・」

三人の会津忍びはついに結界を突破した。

しかし・・・勝負には最初から敗れていたのだった。

京都における会津忍びはほぼ殲滅され・・・岩倉友山は無傷だった。

そして・・・御所には岩倉が育てた新たなる四鬼が配置されていた。

彼らの任務は新しき帝をお守りすることにあった。

京の都人はまだ帝の崩御を知らされず・・・年の瀬を迎えようとしている。

関連するキッドのブログ→第15話のレビュー

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コメント

天皇は絶妙なタイミングで亡くなりましたね。毒殺されたとしたら岩倉さん辺りがやはり怪しいのかしら。
それにしても慶喜さんは本当にワルに描かれてますな。長州に兵を引かせたのは本当らしいけど実際ここまでワルだったのでしょうか。それとも会津から見たらこんな感じなのかしら。

投稿: 出雲 | 2013年4月22日 (月) 10時39分

cloud~~☀~~出雲様、いらっしゃいませ~~☀~~basketball

現在では病死が定説になっていますが
病理解剖がなされていないので
真相は闇の中なのですな。
まあ・・・損得勘定をする人が
ひがみそねみねたみもまじえて
あれやこれや言うのは毎度のことでございます。

岩倉はすぐに復権したわけではありませんが
ほとぼりの冷めた頃・・・
かなり出世していますから・・・
いろいろ言われてしまうのですね。

まあ、明治維新の黒幕の一人なのは間違いないわけですが。

慶喜は歴史上の人物ですから功罪を問われるのは
仕方のないことですが
現代の感覚で善悪を判じるのは
概ね間違いなのですよねえ。

今回のドラマではほぼ史実通りに描かれていて
その抜け目のなさはこういう感じだったと思われます。

しかし、佐川官兵衛にしろ斉藤一にしろ
今で言えば殺人犯なわけで
それが今で言えば警察官を
やっている時代の話でございます。

天皇崇拝愛国教であり、将軍継承者を出すことが悲願であり
なおかつ、先代からの藩主継承問題でゴタゴタしている
水戸家に生まれ、一橋家の養子となり、将軍位継承でもまれ、開国問題でもまれ、ついに将軍となった男が
些少、悪くても問題ないと思うのですが・・・。

しかし、戦が苦手だったのは間違いないようで
尚武の精神は全く欠けていたと思われます。

要するに趣味人なのですな。
雅なたしなみは大好きですし
カメラ、鉄道などの異国情緒も大好き。
しかし、戦争はまっぴらごめんの人なのでした。
だって死んだらこわいじゃないですか~的な。

これに対して将軍家に忠義をつくした容保は
たまったものじゃなかったと考えられます。
さらに容保に忠義を尽くした家臣もたまったものじゃなかったでしょう。
さらにさらに家臣の家族はたまったものじゃなかったし、領民にいたっては世直し一揆を爆発させるほどに
たまったものではなかったのでございます。

ま、すべては定めでございますな~。typhoon

投稿: キッド | 2013年4月22日 (月) 14時31分

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