みんな!エスパーだよ!・・・空を見上げて笑うしかないわ(夏帆)
神の御心のままに
天空を歓喜の太陽が遷移するように
同胞よ 己が望むままに
ヒーローの如く 悦楽の勝利に向かって突き進め
(フリードリヒ・フォン・シラー「よろこんで」)
で、『みんな!エスパーだよ!・第4回』(テレビ東京201305030012~)原作・若杉公徳、脚本・演出・鈴木太一を見た。「ラスト・シンデレラ」が欲求不満のレディーたちの見果てぬ夢なら、こちらは欲求爆発の青少年の永遠の夢である。どちらも悲しいが・・・美しさでは断然こちらの方が勝っている。まあ、そう思うのは一部お茶の間だけでしょうがーーーっ。
突如として人の心を読む力、精神感応力(テレパシー)を得た鴨川嘉郎(染谷将太)。
犯罪者の心理を読み、取調室でカツ丼を食べ、凶悪なテロリストを追及して、世界で最も愛されるヒーローとなる・・・という夢を抱きつつ・・・愛知県立東三河高校に通うのだが・・・実際はクラスに居場所がない冴えない高校生なのだ。
東京からの転校性・浅見紗英(真野恵里菜)をマドンナとして仰ぎ、その純潔を守る決意は固いのだが・・・浅見さんのパンチラを見ると下半身も固くなってしまう悲しきテレパスである。
しかも・・・当の浅見さんからは怒髪天を突く勃起姿を度々目撃されて(また勃起してる)(また私でオナニーするんだろうな)(このオナニー野郎)と思われているのだった。
今日もまた、浅見さんの太ももからのパンチラで未使用ながら巨大な陰茎を勃起させ、机を跳ね上げる嘉郎だった。
幼馴染でやはりテレパスとなった平野美由紀からは(また浅見をオカズにしてオナニーか)と蔑まれてしまうのだった。
思わず勃起隠しのエビ姿勢で教室を飛び出す嘉郎。
「なんで勝手に心を読むんだよ」
(オカズにしとるだら)
「オカズになんかしてないだに」
(あそこをふくらませてるくせに)
「勃起はしちょるけどオカズにはしてないだに」
(あんたに・・・浅見は無理)
「なんで」
(東京から転校してきたんだ・・・経験豊富に決まってる・・・やりまくっとるだわ)
「そ、そんな・・・」
幼馴染の上にテレパス同志なのでまさしく気心の知れた美由紀の意見に動揺を隠せない嘉郎だった。田舎者にとっては「東京」の一言はすべてを委縮させるパワーを秘めているのだ。
早速、トイレに籠り、携帯電話で検索した嘉郎は・・・怪しいリサーチで「東京の女子高生の性体験率が40%を超えていることを知り、便器に携帯を放り出すほど愕然とする。
「・・・40%っていったらお天気お姉さんが傘の用意を忘れずに・・・っていう」
全裸になって傘をさした嘉郎は心の世界の中心で叫ぶのだった。
≪浅見さん・・・浅見さんは・・・処女だよね・・・処女じゃないと世界を救う意味ないもんね≫
全世界の悲しい男子がイエスと叫ぶのだった。
そして、もう童貞じゃない人々は笑いが止まらないのである。
ベーシストのシド・ヴィシャスが恋人ナンシー刺殺の容疑をかけられたまま、麻薬の大量摂取で死亡したことで伝説となったセックス・ピストルズは汚い言葉愛好家のアイドルであることは言うまでもない。
そして、若者というものはそういう夢で酔い痴れて踊り狂うのが基本なのだ。
ペニ・・・じゃなくて・・・ヴェニスに死すなのである。
一方、謎の教授(安田顕)はついにエスパーとのコンタクトに成功する。
矢部(征木玲弥)は透視能力(クリアボヤンス)の持ち主だった。
教授は助手の秋山多香子(神楽坂恵)の水鉄砲スケブラ試験体により、矢部の能力向上を画策するのだった。
一方でバス停でバスを待っていても通りすがりの田舎男に(あの女、ヤリマンだに)と性的侮辱を受け続ける自分の能力に鬱屈を感じる美由紀。
(こんな能力・・・消えてほしい)と願うのだった。
知りたくないことを知るのは地獄なのである。
ベンチに寝転んで見上げた青い空。
(世界か・・・)ふと嘉郎を思い出す美由紀だった。
そこへ、クラスメイトのユウコ(伊藤沙莉)やレナ(村田唯)とともに神聖な浅見さんがやってくる。
思わず、浅見さんの心にチューニングしてしまう美由紀。
話題はユウコがサカナクションのコンサートに男友達と行くというたわいのないものである。
「サカナクションを聴くとセックスしたくならない?」というユウコに適当に相槌を打つ浅見さんだが。
~~~<なにが、サカナクションだよ>~~~<トンソクみたいな顔して>~~~<このトンソクションが>~~~
渦巻く浅見さんの心の悪態が美由紀の心に響き渡るのだった。
ドス黒い浅見さんの正体を知って唖然とする美由紀である。
その頃、全裸のテレポーター・榎本洋介(深水元基)はマスキングを施し、「人類股間計画」なる浅見さんへのストーキングを敢行するのだった。
帰宅途中、誰かと携帯で会話する浅見さんの目の前に全裸の男が股間丸出しで出現したと思ったら消失。
浅見さんの携帯電話をアヌスに挿入した過去を持つ洋介は「僕のアナルに囁いてくれてありがとう」という感謝の気持ちを残していく。ただの変態野郎である。
唖然とする浅見さんだった。
喫茶「シーホース」では例によってAVを嘉郎に貸す親友のヤス(柄本時生)の姿があった。
今回のお薦めは「山川青空」である。しかし、それとは別に処女喪失のAVについて語りだすヤス。
たちまち、参加するマスターでテレキネシストの永野輝光(マキタスポーツ)だった。
「その処女、乳首は何色だった・・・?」
「黒でしたけど」
「あかん・・・それは偽物だがに・・・処女の乳首はピンクだがや」
「くそ・・・だまされた」
悔しがるヤスだった。処女どころか素人童貞である輝光だが・・・完全なる童貞であるヤスや嘉郎にとっては神とも言える存在だったのだ・・・。
(浅見さんは処女だからピンク)と即座に心に言い聞かせる嘉郎だった。
そこへ・・・美由紀がやってくる。
なんだかんだと幼馴染の嘉郎に対して保護欲がある美由紀は、浅見さんに嘉郎が傷つけられるのが心配なのだった。
「おまえ・・・浅見のことが本当に好きなのか」
(大好きだに)
「大好きなのか」
「あ、心を読んだらずるい・・・僕は美由紀ちゃんの心をなるべく読まんようにしているのに」
「しかし、あの女はお前の手にはおえんで・・・」
「なんでなんで・・・」と美由紀に詰め寄る嘉郎。
((だって浅見はドス黒いで))
≪どす黒い≫
「あ・・・しまった」思わずストレートに念じてしまった美由紀は、嘉郎が悟ってショックを受けたのを悟ったのであった。
《どす》≪黒い≫≪≪黒≫≫≪黒い≫《どす》
嘉郎は自我崩壊の嵐に翻弄されて風に舞う木の葉のようにくるくる回転しながら店を飛び出していくのだった。
嘉郎の心身を案じる美由紀に輝光が質問する。
「女の子って手扱きは恥ずかしいものなの?」
鉄拳制裁を加えるヤンキーな美由紀だった。
《ど》《どす》《どす黒》《ドス黒い》《男》《ドス黒い》《関係》《男と関係》《乳首が》《ドス黒い》
街を彷徨う嘉郎。
《嘘だ嘘だ嘘だドス黒いなんて《嘘》嘘らあ、嘘らあ、ウソら、ウソら、ウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソら《嘘だに》ウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソら《《嘘だに~》》ウソらウソらウソらウソらウソらウソらウソだに~~~》
《浅見さんは処女に決まってる》
テレパシストが人の心を疑うなんて・・・なんてストイックな話なんだ・・・。
しかし・・・このままではヒーローになってヒロインと結ばれてもヒロインの過去のあれやこれやが気になって幸せになれないと思い悩む嘉郎だった。
すべて・・・妄想のなせる業である。
翌日、学校でついに禁断の行為・・・マドンナ浅見さんの心にチューニングをあわせる嘉郎だった。
おりしも・・・話題は恋人の話である。
「付き合ってる人いるの?」
「そんなのいないよ」
《やった》天にも昇る気持ちの嘉郎。しかし・・・直後に飛び込んでくる浅見さんの心の声。
【【【私に彼氏がいないわけないだろうが】】】
《え・・・・【【【いないわけないだろうが】】】って・・・・いるってことかよ》
《彼氏=セックス・・・セックス終了・・・浅見さん終了・・・僕も終了・・・世界も終了》
《《《おわり》》》
世界は停止した。いや・・・世界の中で嘉郎が停止したのだった。
数万年、数億年の時を経て嘉郎を現世に呼び戻したのはいつの間にか帰宅した自分の部屋のつけっぱなしのテレビ番組グータンヌーボもどきだった。
『つきあうとすぐにセックスしたがる人いるけど・・・どうかなって思う』
彼氏=セックスではない。彼氏≠セックスだ。
嘉郎は希望の光に包まれた。
その希望の光は嘉郎を新たな同志の元へ導くのだった。
彼氏≠エッチでない以上、世界を救わねばならないのだ。
{ぼくにはみんなのすべてがみえる}
階段下の倉庫で孤独な昼食をとる透視能力者・矢部を発見する嘉郎。
矢部を演じるのはドラマ「高校入試」で兄の復讐のために仕掛け人となった受験生・田辺淳一を演じた柾木玲弥である。
新たな同志を得て自分を取り戻した嘉郎は浅見さんと恋人になる夢も再開するのだった。
「浅見さん・・・そろそろセックスしようか」
「えっ」
「でも・・・僕はセックスしたことがないんだ」
「そうなんだ」
「それどころか・・・浅見さんでオナニーしたこともないんだ」
「そうなの・・・私・・・誤解してた・・・ごめんなさい」
「いいんだよ・・・それに僕はともだちからAV借りてすごく勉強してるから期待していいよ」
「そうなの・・・楽しみ」
「ふふふ」
浮かれる嘉郎だった。妄想の赴くままにオナニーしそうな勢いである。
《いかん》
煩悩を忘れるために自転車で暴走する嘉郎。しかし・・・疑念が頭をもたげる。
《しかし本当に浅見さんは処女なのか》《処女に決まってる》《非処女》《処女》《非処女》《処女》《非処女》《処女》《非処女》《処女》《非処女》《処女》《非処女》《処女》・・・。
偶然、浅見さんと遭遇した。
「あ・・・処女・・・」
「え・・・」
「いや・・・僕は処女作を書いてます・・・浅見さんは書いてますか」
「書いてないけど・・・」
嘉郎ははじめて浅見さんと会話を交わしたのだった。
しかし・・・その時の浅見さんの心は【気持ち悪い】に尽きたのだった。
実際の浅見さんと会話をした嘉郎はさらに浅見さんの処女/非処女が切実な問題となったのだった。そう言う年頃なんだな。
ついに・・・美由紀に相談する嘉郎。
「浅見さんは処女なんじゃろうか」
「あの女は処女じゃないな」
「そんな・・・浅見さんは処女に決まっているろうが」
思わず美由紀の乳房につかみかかる嘉郎だった。
「なにすんだ」
「あ・・・おっぱい」
その時、天啓がひらめく嘉郎だった。
処女かどうかは乳首の色を見れば判る。
そして・・・今や・・・透視能力者が仲間にいるのである。
嘉郎と愉快な仲間たちは浅見さんの散歩コースの水辺にやってきた。
そして・・・矢部は・・・浅見さんの胸を見た。
嘉郎は矢部にピンクの旗と黒の旗を託していた。
振られたのは・・・ピンクの旗だった。
歓喜する男たち・・・。
その無邪気なふるまいに・・・美由紀は呆れながら微笑ましいものを感じるのだった。
見上げれば青い空・・・。
《そんなことで・・・世界が救えるかよ・・・アホか》
しかし・・・透視者・矢部が見たのは・・・ピンクの内臓だった。
矢部は見えすぎる男だったのだ。
だが・・・喜ぶ仲間たちを見て・・・矢部は温かいものが心に満ちるのを知った。
そして・・・浅見さんは恋人と破局して回想に浸るのだった。
出会いのあの日・・・はじめてのキス・・・そして、行為の後のベッドでの会話。
青春とは・・・美しい誤解で成立している時空間なのだった。
関連するキッドのブログ→第3話のレビュー
情報提供***幻灯機様
| 固定リンク
コメント
星条旗と手書き風CIA旗がはためく脱力感がこの番組ならでは…と思ってよく見たらその鷲の彫刻は豊橋市公会堂ではないですか(笑)。昔見に行ったことありますがたしかにアレは妙にアメリカっぽいです(笑)。そこが妄想アメリカなのに、次のシーンも同じく豊橋市の路面電車の中なので、もう某インド映画(名古屋駅から新幹線に乗って名古屋駅で降りているのがまるわかりなのに場面設定的には東京駅)と同じくらいに頭がクラクラしました(^_^;。
投稿: 幻灯機 | 2013年5月 4日 (土) 11時42分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
とにかく、映像がスタイリッシュでよろしいですなあ。
象さんの顔の市電がゆっくりとこちらへ向かってくるカットなんて郷愁でございます。
記事に画像を追加いたしましたぞ。
見上げた美由紀のパンツとか
ベンチに寝そべる美由紀とか
ロングショットで走る美由紀とか・・・。
菜の花畑の浅見さんとか。
交差点に佇む浅見さんとか。
岸辺で立ちすくむ浅見さんとか・・・。
すべてがナイス・ショットでございます。
ふふふ・・・『ボンベイtoナゴヤ』(1993年)ですかな・・・?
チープとアートは紙一重ですからな。
投稿: キッド | 2013年5月 4日 (土) 15時06分
とっさに題名が思い出せなかったのですがその通りでございます!>『ボンベイtoナゴヤ』
投稿: 幻灯機 | 2013年5月 5日 (日) 12時50分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
愛知県に限らず
地方ロケの番組の魅力は
風景の新鮮さにありますな。
そして・・・遠い昔の大学時代・・・
全国から集まった仲間たちのことを
ふと思い出したりする甘酸っぱさも。
特に東海地方の人々はなんだかみんな愛おしい気がします。
投稿: キッド | 2013年5月 5日 (日) 16時48分
はじめまして^o^
きっしーです!
美由紀ちゃん、エロいですよね〜(≧∇≦)横になってよしろうが見上げた時に、美由紀ちゃんが正面からパンチラしてるところ、「監督、わかってるぅ〜」と、思ってしまいました(笑)
今週、いよいよ最終回ですが、よしろうと美由紀ちゃんはくっつくのでしょうか?ww
投稿: きっしー | 2013年7月 3日 (水) 08時00分
∇パンチラガミタイカ∇~きっしー様、いらっしゃいませ~*(・∀・)ハイ!!*
ふふふ・・・男子のみでなく一部女子も熱中した
美由紀ちゃんと浅見さんのエロ合戦も
いよいよ・・・終焉を迎えるのですが・・・
ぐだぐだでおわって・・・「みんエス2」が
あるといいと思う今日この頃です。
よしろうも美由紀ちゃんも永遠にヴァージンのままでよろしいかと。
美由紀ちゃんは夏ドラマでは深夜ホラーに登場。
すっかり・・・そういう路線ですが
美少女には最もふさわしい流れだと考えます。
そして・・・大人の女優さんになっていくのですなあ。
とにかく・・・美少女時代のクライマックスを堪能したい気持ちでございまする。
投稿: キッド | 2013年7月 3日 (水) 14時16分