空飛ぶ広報室と地雷を踏んだらさようならの私(新垣結衣)
地雷とは地上周辺に設置され、接近したものに反応して爆発する兵器である。
地雷を設置する費用と撤去する費用を攻撃と防御の経済的効果から考えた場合、設置した方が安価であることから、世界には地雷が蔓延している。
戦闘終了後の平時においても危険性が残ることから非人道的な兵器として認知されている。
戦時においては地雷は殺傷兵器として有効で多くの犠牲を生んでいる。
1973年にカンボジアの共産主義勢力・クメール・ルージュに拘束され処刑された報道写真家・一ノ瀬泰造の遺稿集「地雷を踏んだらサヨウナラ」(1978年)があるが、このタイトルは「ちょっとピンぼけ」で知られるハンガリー生れの写真家・ロバート・キャパが1954年に第一次インドシナ戦争の従軍取材中に地雷に触れて爆死したことを連想させる。
このような認識があれば「地雷を踏んじゃった」というたとえはかなり刺激的な言動であることは明白である。
使用の際には充分な注意が必要で「五輪招致運動中に競合国の批判をうっかり口にした都知事」のように危地に陥る覚悟が必要である。
地雷の脅威の関係者に「地雷を踏んじゃった」というたとえを用いる者は地雷を踏んじゃう場合があるのだ。
で、『日曜劇場 空飛ぶ広報室・第3回』(TBSテレビ20130428PM9~)原作・有川浩、脚本・野木亜紀子、演出・山室大輔を見た。ここまで視聴率的には14.0%↘13.5%↘11.6%とやや苦戦しているが・・・やはり、広報室が空を飛ばないのが問題なのだろう。これは原作の誇大広告的なタイトルに問題があるのであり、「飛ぶ教室/エーリッヒ・ケストナー」だって教室は飛んだりしないのである。「空飛ぶモンティーパイソン」とか「空飛ぶタイヤ」とか飛びもしないものに人はなぜ「空飛ぶ」を付けたがるのか理解しかねるのだった。「空飛ぶ円盤」に謝罪してもらいたい。・・・どこだよっ。
ドラマにおける空飛ぶ広報室とは防衛省航空幕僚監部総務部広報室のことである。
帝都テレビの情報番組「帝都イブニング」のディレクター・稲葉リカ(新垣結衣)は航空自衛隊の取材担当者となり、航空自衛隊の取材窓口である広報室の元・ブルーインパルス(航空自衛隊松島基地第4航空団第11飛行隊所属曲技飛行隊)のT-4(ドルフィン)の搭乗員でTACネーム・スカイだった空井大祐広報室所属2等空尉(綾野剛)と知り合って「空を飛ぶような思い」を抱くと言う物語である。
「軍人さんに恋をした私」の話をストレートに描けないのもいつまでも憲法を改正しない弊害だと考える・・・そこかよっ。
ともかく・・・「国民を守る組織である航空自衛隊」を「人殺し集団」であるという無知蒙昧な認識で取材したことを反省したリカはスカイに招待されて広報室の懇親会に参加するのだった。
「私・・・皆さんのことを誤解して・・・失礼なことをたくさん申し上げてしまい・・・ごめんなさいでした」
「まあまあ、そう固くならないで・・・イナピョン」とあくまで物腰柔らかい広報室長の鷺坂正司1等空佐(柴田恭兵)はリカを温かく迎える。
一癖も二癖もある広報室のメンバーはそれぞれの個性に応じてリカを歓迎する。
酒の席で話題は自然とメンバーの恋愛談議になり、リカを始めとした独身メンバーに「男女交際のススメ」をする鷺坂。
本人は自覚していないが・・・すっかり、スカイを「男」として意識しているリカは「航空自衛官って男としてどうかな」と問われ「そんな、スカイさんと私は交際していません」などと怪しい言動を口走るのだった。
もちろん、スカイ以外はいろいろと察してニヤニヤするのである。
「仕事が恋人です」と地雷原を回避するリカなのである。
どちらにしろ男女比が10:1で、世間の誤解もあり、自衛隊員の恋愛事情はそれなりに厳しいのだった。
ディレクターとして企画を捜していたリカは「自衛隊の恋愛」をテーマに取材を行うことを決意する。
試みに愛妻家である鷺坂や、失恋続きの片山1等空尉(要潤)にインタビューした素材を上司であるチーフディレクターの阿久津(生瀬勝久)に披露するリカ。
しかし、阿久津は・・・。
「つまらん・・・お前が何を伝えたいのか・・・さっぱりわからん」とにべもない。
にべもないって・・・判らない人多いんじゃないかな・・・じゃ、取り付く島もないで・・・尖閣諸島的にどうかな・・・じゃ、愛想がないで・・・まあ、無難かな。世知辛い世の中だよねえ。そうだよねえ。
阿久津が無愛想に言うからには教育的指導であると甘口ナポリタン事件で学んだリカは頭を悩ます。
取材中に鷺坂が「自衛官の結婚式」へ出席することを知ったリカは企画の目玉として撮影許可を申し込むのだった。
結婚するのは峰永圭介2等空尉(阿部丈二)で結婚相手は民間人の滝川安奈(川村ゆきえ)だった。川村ゆきえ・・・まほろ駅前番外地第3話のキャバクラ嬢に続いて見かけたぞ。美人で演技力もあるのだからもう少し売れるべきだよな。
新郎はTACネーム・ナッシュであり、スカイと同期のパイロットであった。
挫折したパイロットであるスカイとナッシュの間に微妙な空気の流れるのを感じたリカは・・・またしてもスカイの傷口に塩を塗りこんでしまったかと・・・不安を感じる。
そこで、リカの同期であり、潜在的なスカイのライバルである帝都テレビのアナウンサー・藤枝敏生(桐山漣)に愚痴ってみた。
「私・・・また地雷を踏んじゃったかも・・・」
「じ、自衛隊関係者に・・・そのたとえは・・・ま、不味いんじゃ・・・」
「・・・あ」
リカ、かわいいよリカなのだった。
しかし、リカの杞憂をよそに・・・再会したスカイとナッシュは熱い抱擁を交わすのだった。
合体しかねない勢いだった。
かって・・・負傷したスカイを「必ず戻ってこい」と励ましたナッシュ。
しかし、戻ってくることは不可能だったスカイ。
心のすれ違いによって生じていたお互いの気まずさは一瞬で氷解したのである。
「戦闘機は・・・着陸時に一番、敵に狙われやすいので減速を最小限にして着陸します」
ナッシュの操縦ぶりを熱く解説するスカイに・・・リカは胸キュンなのである。
ナッシュと安奈の結婚式当日。
スカイの元・上官である村瀬2等空佐(池内博之)から愛妻家・鷺坂の妻・雪子(霧島れいか)が15年前に他界していることを聞かされ、驚くリカだった。
ちなみに・・・このドラマにおける現在は2010年である。
朝のドラマ「あまちゃん」と同様にこのドラマもまた2011年のあの日に向かって行くドラマなのだ。
式の途中で・・・スカイとリカは新婦の両親が式場にいないことに気がつく。
不審に感じた二人が様子を見に行くと・・・新婦の父親の滝川紘一(佐野史郎)と母親の理恵子(原日出子)は夫婦喧嘩の真っ最中だった。
かねてから・・・自衛官に娘を嫁がせることに反対だった紘一の不満が再燃したのだった。
「もう知りません」と式場に戻る理恵子。
一人残された紘一にスカイは歩みよる。
「どうなされましたか・・・」
「娘を毎日、人殺しの訓練している男になんか・・・誰が好き好んで嫁にやるか」と暴言を吐く紘一だった。
「しかし・・・彼が敵を殺さなければあなたやあなたの娘さんが敵に殺されるかもしれないのです」と親友のために正論を述べるスカイ。
「そうです・・・命がけのお仕事です」と援護射撃をするリカ。
「そんなことはわかってる・・・命がけの仕事をしている男に娘を嫁がせるのが嫌なんだよ」
娘を思う父親の心情に絶句する若い二人だった。
しかし、大人気なさを恥じて紘一は式場に戻る。
そこで・・・詐欺師鷺坂に続いてスピーチの鷺坂の異名を持つ鷺坂が祝辞を述べるのだった。
「・・・夫婦ですから・・・夫婦喧嘩をすることもあるでしょう・・・しかし、夫はいつ何がおこるかわからない職業に従事しています・・・後悔しないように朝は笑顔で送り出してもらいたいと・・・自衛隊の披露宴のスピーチでは定番でそのように申します。しかし・・・私は思うのです。どんな職業だって同じことが言えるのではないかと・・・。そして、送り出す方だけではなく、送り出される方も笑顔で応えてもらいたい・・・そう願ってやみません・・・どうか末長くお幸せに・・・」
感動に包まれる会場。一番号泣したのはカメラマンの坂手はじめ(渋川清彦)だった。
こうして、スカイとリカの仲も少し接近したのである。
再び、広報室の懇親会に参加したリカ。
柚木典子3等空佐(水野美紀)と絡むうちにいつしか、酩酊してしまうのだった。
「わ、わたしは・・・スカイさんにあやまりたい・・・スカイさんに・・・ひどいことを言いました・・・スカイさん・・・ごめんなひゃい・・・」
柚木3佐をスカイと思いこんで抱きつくリカに唖然とする・・・広報室のメンバーだった。
全員が・・・リカのスカイへの恋情を疑わぬ中・・・もちろん、スカイだけは全く気がつかないのはお約束の展開である。
バカだ・・・航空バカなのだ。
関連するキッドのブログ→第2話のレビュー
ごっこガーデン・記念写真展示室。まこ「でました~、稲ぴょんのツンレレ(ろれつが回っていません)大作戦~。もはや、ガッキーは酔ったら爆笑女優と言っても良いのでは~。お酒は二十歳になってからなのでまこは飲んだことはありましぇんが~。飲んだらタリラリラ~ンになるのでしゅかね~。スカイはナッシュと合体しそうだし、リカは典子と合体しそう・・・そういう怪しいドラマだったの?ん?ん?」くう「怪我の功名でスカイに親友の結婚式に出席できたことを感謝されるリカちゃん。地雷を踏んでも不発だったら命拾いだよね~。・・・おっと。それにしても・・・大河ドラマで泣かされ、これで癒される綾野剛ファン万歳の日曜日だよねえ」ikasama4「やはり、恭平ちゃんのドラマですな」「エリ「コードブルー3はまだでスーか?」シャブリ「おおおお!! 鷺坂室長の妻・雪子は 霧島れいかさんじゃーーーーっ!!・・・えええええ!! 霧島れいかさんがーーーーっ もういないぃ・・・・・」mari「リカは自分が八つ当たりしていたことを反省・・・柔らかくなってきたので見やすくなりましたね・・・そして、少しずつ立ち直る空井・・・二人はどうなるのかな?」
| 固定リンク
コメント
きゃ~コードブルー3の噂があるんですか?
なんて素敵なPセンパイ!
やっぱり寡黙な藍沢が一番良かったですわ~。
もちろん、飲んだら飛ぶなですけど、
空飛ぶ広報室と言ったらドクターヘリの広報を一手に
引き受けたPセンパイを忘れずにいてくれて
じいやちゃま、ありがとうなのでスーっ!!
今週の「空飛ぶ」も良かったです。
でもね、諸事情により
ほとんどストーリーがわからず脱落気味・・。
今週は最後のシーン、
ガッキーが酔いながら
相手を空井と間違えてるところが
かわいくてかわいくて~♪
もうガッキーを見るために見てるようなもの。
じいやちゃま、お屋敷の展示ルームに
こいのぼりと兜のご準備をよろしく~♪
ちなみに、柏餅はまこちゃまの手作りですから~。
アンナちゃんと美味しいお茶を淹れに行きますね~。
投稿: エリ | 2013年5月 3日 (金) 13時18分
悪酔いガッキー・・・これじゃお酒のCMとれましぇん!
じいや、ヘベレケってどうゆう意味?
にべもないって・・・あった、あった!じいや、ここに
ニベアあったよ~!まこ☆ミキがヌリヌリしたげるYO!
航空バカのスカイにアホの子なアキ、いずれもちょっと
抜けてるけど、コスチュームで3割り増しなのデス!
んで、どっちも百合展開・BL展開を匂わしたり、
ぎゃぼー!なのです。
まこ☆ミキ、ごっこ遊びと言えども柚木しぇんぱいに
しなだれがかれて、いやっほ~~~♪
投稿: まこ | 2013年5月 3日 (金) 14時56分
いえいえ、お嬢様、あくまで希望的観測ですぞ~。
「IWGP」(2000年)
「カバチ」(2001年)
「漂流教室」(2002年)
「ランチ」(〃)
「SU」(2003年)
「嵐のように」(2004年)
「ドラ桜」(2005年)
「野ブタ」(〃)
「クロサギ」(2006年)
「P大作戦」(2007年)
「コードブルー」(2008年)
「ブザビ」(2009年)
「コードブルー2」(2010年)
「エンプラ」(2012年)
「M」(〃)
・・・と来ていますからな。そろそろじゃないかなあと。
ネックは山Pとガッキー、戸田恵梨香のスケのジュールですかなあ。
三人そろって売れっ子ですからな。
まあ、もう一人の「彼」は空いていると思いますがね。
なんだったらヒロインは一人にしぼりこんでもいい。
もう、フェローじゃなくてみんな一人前ですからな。
ともかく、酔いどれガッキーに開眼したのは
「ドクターヘリ」シリーズですからねえ。
今回は男っぽさ丸出しの水野美紀様相手に
重厚なからみでしたな。
ヘビー級の百合展開でした~っ。
ガチッと音がしそうなスカイ=ナッシュの抱擁もあって
なかなか乙でございました。
コールデンウイークもフィナーレの子供の日。
姫こいのぼりレインボースタイルと
姫武者人形をお飾りいたしておりまする~。
子供の日は武道館で
「H☆Cセーラープリンセス・アクション・ショー」が
ございますので、どうかお怪我など
なさらぬようにお気をつけなされませ~。
ランチには特製ブタちまきトリちまき豆ちまきをご用意します。
お屋敷で菖蒲湯をご用意してお帰りをお待ちしておりますぞ~。
投稿: キッド | 2013年5月 3日 (金) 15時27分
鰾膠(にべ)とはサメなどの魚の浮き袋で作るニカワのことで粘着力があるものでございます。
ここから、そっけない態度のことを「にべもない」と申すのですな~。
お愛想やお世辞は人と人をつなぐ大事な要素ですから
「にべ」に例えるのでございますよ~。
なになに・・・まこ様は褒められることはあっても
お世辞を言われたことはないですと・・・。
さすがはまこ様でございます~。
(じいやバカそこそこ発動中)
ヘベレケ・ガッキーはもはやお約束の展開ですな~。
「らんま1/2」で九能先輩の妹・九能小太刀が通う女子高は聖ヘベレケ女学院でした。
豆知識ですぞ~。
お嬢様は大人になってもヘベレケになってはなりません。
スカイとリカはお似合いの航空バカとアホの子ですな。
しかし、鷺坂独身判明で・・・
三角関係勃発ですな・・・それはないですか。
そうですか。
まこ様~、柚木役のmari様を
そんなにベロベロしたら
mari様がベトベトになっちゃいますぞ~。
投稿: キッド | 2013年5月 3日 (金) 15時51分