はじめてのチュウ型国産輸送機C-1やさしい気持ちがいっぱい(新垣結衣)
ここでアニソンかよっ・・・まあ、いいか・・・名曲だしな。
C-1は1945年以後、初の国産中型軍用輸送機であり、量産型は川崎製である。
1976年から運用が正式に開始され、四機が事故で喪失され、現在20数機が保有されている。
1983年、2000年の事故では乗員などあわせて19名が死亡。
耐用年数によってすでに退役が始っており、後継機はXC-2で2014年から数機ずつ更新される予定。
国産中型輸送機計画と米国ロッキード社からの輸入機C-130Hは絶えずある種の貿易摩擦を抱えている。
実際にC-1は能力的に国内任務が限界であり、国際協力などにおいては主力はC-130Hとなっているのが実情なのである。
C-1は巡航速度マッハ0.65、航続距離2400km、最大積載量8t。
XC-2は巡航速度マッハ0.8、航続距離6500km、最大積載量30t。
一応、スペックは向上している。ただし、XC-2はあくまで実用試験中である。
国産品を愛好するべきだが・・・一筋縄ではいかない問題が横たわっているからである。
で、『日曜劇場 空飛ぶ広報室・第8回』(TBSテレビ20130602PM9~)原作・有川浩、脚本・野木亜紀子、演出・土井裕泰を見た。航空自衛隊の協力ぶりは至れりつくせりなのだな。それにしても前政権では実現不可能な番組だったのではないか。なにしろ・・・自衛隊を暴力装置などという認識で捕捉していた議員もいるアホの子集団だったからなあ。しかし、それに準じる社会人もまだ多数潜伏しているはずである。局内での風あたりとか嫌がらせがないのを願うばかりだが・・・次回は実録ネタなのかもねえ。
ストレートに言えば反戦主義者やアジア某国にシンパシーを感じる人々はまず国際関係論を教養としていないのが明白なのだな。弱肉強食の国益の対立があって国際関係が生じ、その均衡の上でのみ平和が成立するという現実を直視せずに気分や思いこみで報道されては困るのである。時々、そういうことをニュース・ショーで感じることのある局がこのドラマをオンエアしているっていうことが奇跡なのかもしれない。
なんといっても日本は最後の敗戦国である。第三次世界大戦があって戦勝国側に名を連ねるという奇跡が起これば別だが・・・それまでは立場の弱い敗戦国として生きて行かなければならない。そのために土下座ですむなら土下座をすればいいのである。しかし、譲れない一線というものはあるはずだ。
世界が犯罪者扱いにする人も英霊だと考えれば英霊なのだし、他国が領土権を主張しても自国の固有の領土は固有の領土なのである。
常に最悪の事態を想定し、許された範囲で最低限の防衛努力をしなければ・・・平和などというものは維持できない。
隣国には中学生を誘拐・監禁してしまう恐ろしい国家や、他国の領土を武装占領して恥じない潜在的敵国、他国の領海を侵犯することが正義だと主張する尊大な一党独裁国家などが存在していることをわが敗戦国民はけして忘却してはいけないのである。
・・・というような現状の中、国防意識が薄い若者に「自衛官募集」を呼び掛け過ぎて、お偉方にNGを食らった防衛省航空幕僚監部総務部広報室一同だった。
主犯は少しおっちょこちょいな片山和宣1等空尉(要潤)であるが・・・部下の暴走を抑止できなかった広報室長・鷺坂正司1等空佐(柴田恭兵)にも責任はあるのであった。
とにかく・・・渾身の一作がお蔵入りになったために「製作費」にあてる予算がなくなってしまったのだ。
「仕方ないから前年度のプロモーション・ビデオの使い回しで・・・」という意見も出るが、それでは国民の税金の無駄遣いの指摘は避けられないのだった。
そんな時、すっかりお友達になってしまった帝都テレビ情報局ディレクターの稲ピョンこと稲葉リカ(新垣結衣)のつぶやきが天啓となって閃くのだった。
「いつもカメラマンや音声さんが出動すると採算がとれないので長期取材の場合、雑感などは私が自分でカメラをまわします・・・今はそれが普通なんですよ・・・小型軽量カメラの性能が向上してますから・・・」
「それだ」
・・・ドキュメンタリータッチで低予算のプロモーション・ビデオ自主製作を開始する広報班なのだった。
そのターゲットとして選ばれたのが病死した父親が航空自衛官でC-1のパイロットであり、父の影響で空自の整備士となった入間基地第2輸送航空隊整備群検査隊2分隊整備員・アッキーエこと芳川秋恵空士長(南明奈)だった。
スカイこと空井大祐2等空尉(綾野剛)はパイロット時代の顔なじみであり、何回かデートした仲らしい、当然、リカはもやもやし・・・鷺坂室長はリカの顔色を伺いつつニヤニヤするのだった。
一方、リカも上司の阿久津チーフディレクター(生瀬勝久)から新番組「あしたキラリ」の取材を命じられ、アッキーエを主人公とした「父への想いを胸に~輸送機に乗せた夢/26歳・航空自衛隊整備員」という企画を立案する。
こうして・・・またもや・・・スカイとリカは一体となって広報作業/情報番組制作を行うのである。
もはや、交通費など諸経費がどこからどこまでが広報室持ちでどこからどこまでが番組予算なのか判然としない危険な関係と言えなくもないのである。
このあたり・・・鷺坂室長の手綱も甘いが、阿久津の手綱も緩いと言える。
しかし、二人の素晴らしい上司は部下の成長を生温かく見守る姿勢である。
やがて・・・アッキーエの取材を通じて「職業選択について」深く考えるスカイとリカ。
リカはついでにスカイが昔から「話の順番がメチャクチャだったこと・・・アッキーエとスカイが淡い恋愛関係にあったこと」なども知るのだった。
しかし、恋愛関係ではあまりドロドロとしない方針のドラマらしい。スカイ狙いだった情報番組「帝都イブニング」ADの佐藤珠輝(大川藍)なども「自分に興味のない男性には興味がない」と早々と脱落宣言である。仕事にも淡泊だが恋愛にも淡泊らしい。
唯一、ドロドロしてきそうなのは・・・昼メロあがりのマナカナのマナが演じる報道局記者・香塚ともみ(三倉茉奈)ぐらいである。リカをライバル視している上に藤枝アナウンサー(桐山漣)がらみでぬめっとした感触を醸し出すムードがあります。
「赤い糸の女」的な・・・。このドラマでも唯一の汚れ役を引き受けそうな気配が漂っていますな。
アッキーエもリカの恋のライバルにはならず・・・他界した父親と同じ業種を目指した娘同志のシンパシーを感じる方向だったのである。
「幼い頃に死んだので思い出も特にないのに私も・・・いつの間にか・・・父と同じ報道の仕事を選んでいたの・・・」
リカはスカイに打ち明ける。
「たった一つだけ・・・田んぼをみたことがないといったらドライプに連れ出してくれて・・・湖と山に囲まれた水田風景を見せてくれたことがあった・・・それが思い出といえば思い出・・・だけど・・・きっと父は何かを教えてくれようとしたのだと今では思っている」
「稲ピョンだけにイネを知らないのはいけないと思ったのかもね」
スカイはアホの子として精一杯話すのだった。
やがて・・・「父の意志を継いで自衛官になった娘」のプロモーションビデオのクライマックス・・・亡き父の墓参りのシーン。
すっかり空自マニアと化した坂手カメラマン(渋川清彦)は素人カメラマンとなった片山を懇切丁寧に指導する。
「ドキュメンタリーを撮影するときはカメラの画像だけでなく、全体を見渡すことも大切」などとアドバイス。
「パイロットも同じです・・・どこから敵が現れるかわからないので前方に集中するのは敵をロックオンした二秒間だけなんです」
「短いわね」とアッキーエ。
「長いですよ・・・マッハ(音速)の世界の二秒間は・・・」
夢をかなえて整備士になったアッキーエ。
パイロットになれなかったスカイ。
報道記者になれなかったリカ。
それぞれの立ち位置が微妙に交錯する一瞬。
そこへ偶然にも上空を通過するC-1が現れる。
「奇跡だ・・・」と呟くアッキーエの亡き父親と交友のあった鷺坂室長。
感動して泣き出す坂手カメラマンだった。
ついに完成したプロモーション・ビデオを試写する日。
スカイに同行を求められたリカはC-1に搭乗し、北海道に空輸されるのだった。
その機内でスカイはリカにパイロットに頼んでサービスをする。
「あの・・・山と湖に囲まれた水田って・・・きっと福島県の猪苗代湖だと思うんです。山は会津磐梯山・・・見せることはできないんですが・・・上空を通過するようにパイロットにお願いしました・・・稲ピョンだけに猪苗代湖です」
その時、機内アナウンスが入る。
「一分後にポイントを通過します」
厳かな静寂が過ぎ・・・リカは追憶の景色を見るのだった。
「視えた・・・時の涙を見たわ・・・」
到着したリカは高揚した気分で千歳基地の広報官から学生相手の説明会でのゲスト・スピーチを求められ応ずるのだった。
「私は・・・自衛官ではないので・・・自衛隊の仕事について語る資格があるとは思えません。しかし・・・自衛隊の仕事を取材する過程でいくつものことを学ぶことがてきました。何よりも出会いの大切さを学んだ気がします。夢を見ても必ずそれが叶うとは限りません。パイロットになりたかったけれどなれなかった人がいます。私も報道記者を目指していますが今は娯楽色の強い情報番組を作っています。サッカー少年のすべてがワールドカップの舞台に立つことはできません。しかし、夢がかなわなくてもそれで人生が終わるわけではないのです。その後も素晴らしい人生が待っていることを忘れないでください。そのためには一つ一つの出会いを大切にすることが肝心だと私は思います・・・私にはそれがあったのです」
説明会の学生がどう思ったかは別としてスカイには凄く伝わったらしい。
スカイはついに決心したのだった。
帰りの飛行機に向かう路上で・・・。
「稲ピョン・・・僕に二秒間だけ・・・時間をください・・・」
そしてリカの唇を奪うスカイ。
「・・・」
「二秒間は・・・地上だと短いな・・・」
少しずれた感想を述べるスカイの手をとって走り出すリカだった。
「乗り遅れちゃいますよ・・・」
こうして・・・リカとスカイの本格的な交際が始った。
広報室の・・・プロモーションビデオも・・・リカの新番組のためのドキュメント・ビデオも・・・成功の気配に満ちた。
しかし・・・なにやら不穏な空気が醸し出される。
坂手カメラマンは浮かぬ顔でリカに新聞記事を示す。
そこにリカが見たものは・・・。
① プロモーションビデオに偶然C-1が映っていたことが騒音問題市民の逆鱗にふれた
② リカとスカイの不適切な交際疑惑
③ 中国共産党工作員による鷺坂室長の情報漏洩問題
④ 終電でスカイが痴漢と間違われる
⑤ アッキーエの整備士制服が可愛い件
⑥ 柚木3等空佐(水野美紀)の恥ずかしいデートの全貌
正解は次回で・・・。
関連するキッドのブログ→第7話のレビュー
ごっこガーデン、C-1とアベック追いかけっこセット。まこ「はううーん、マッハならどこまでいくのかチュウ&手をつないで滑走路までダッシュはセットでプレイできるのデス。ぼぎゃあああんと興奮した後のダッシュは心臓に負担がかかるので持病のある人は注意が必要だじょ~。まこが整備したC-1はいつも部品が少し余るので飛行は禁止されてましゅ・・・・・」
くう「爽やかなストーリー展開、まさかの会津上空通過飛行、そして可愛い二人の可愛いキス・・・どこまでも気持ち良く蒼穹を上昇して行ったのに・・・最後の最後でノーヒントのもやもや~・・・まあ、予告で大体わかったけどさ・・・日曜日のドラマは・・・あざとい引きはいらないと思うんだよね・・・予告編で充分なのさ・・・なんてったって次の日は月曜日なんだから~」
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コメント
う~ん、う~ん、正解は・・・6番でお願いしましゅ!!!
何なら次回は柚槙スペシャルと題して、1時間みっちり
彼らの過去からのおさらい編をやってくれても
文句は出るまいなのデス!!!
そういえば、ここにきて急に有川作品が
次々と映像化されてる裏には、民主政権の際には
実現不可能だったせいもあるのかちらん?
ん?でも今の時点で公開されてるって事は
民主の時代にすでに準備はされてたわけで・・・
ふぅ・・・・・・むずかしい事考えてたら
頭が痛くなってきたヨ・・・
アベノミクスとか言われてもまこ☆ミキ的には
安倍さんより阿部サダヲの方が気になるべ。
サダヲちゃんも、夕べの食わず嫌いで子どもの頃は
プロ野球選手になりたかったけど俳優になりましたって
チビっ子達に夢を語ってたべ!
まこ☆ミキにはなりたい夢をすぐにかなえてくれる
魔法使いのようなじいやがいてくれるから
ほんとしゃ~わせだべ!
かわいがりしてやりてーべ!
感謝の気持ちで顔をレロレロ嘗め回したい気分だべ!
じいや、しゅごい!しゅごい!
ほぉ~ら、じいや全身がむずがゆくなってきたべ!
ぎゃはは~~~
投稿: まこ | 2013年6月 7日 (金) 11時42分
●no choco●まこ☆ミキ様、いらっしゃいませ●no choco●
さすがはお嬢様、
「空自の美女と野獣カップル」の密会に興味津々なのでございますな~。
答え合わせは来週までお待ちくだされ~。
こわい家庭教師が結果発表してくれるかもしれませんぞ~。
航空自衛隊の存在に感謝と賛辞を贈りつつ
お仕事の深みを描くとともに
恋愛モードは中学生レベルのこのドラマ。
終電☆バイバイの後で音速キスのスカイ・・・。
独自の感覚が油断できませんな~。
リカもアッキーエも
このスカイのエモーションに
振り回されている感じでございます。
そういう意味で美女と野獣カップルの恋愛モードの
方がまったりできるかもしれません。
それはさておき・・・
有川作品は基本はジュブナイルですが
描かれるのはやや大人の世界。
ありのままの現実を受け止めようとする姿勢が
好感が持てるのですな。
いつの世の中にも戦争はあるし
言論統制もある。
そういうものと向き合う大切さを忘れてはいけないということなんですな。
津波が来るからといって目をつぶってふるえているだけでは
流されてしまいますからな。
しっかり目を開き、とりあえず逃げ出すしかありません。
どこにもお金はないのに
節約すれば貧乏な人に
お小遣いをあげられる・・・
みたいなことを言われても
だまされた気分になるだけですからな。
働かざる者食うべからずの
アベノミクスの方が
ミもフタもなくて
まだマシということですねえ。
もっとも・・・庶民は
どっちでもたいして変わらないのでございますけどね。
バブルが崩壊しても臥薪嘗胆して
金メダルをとった女子サッカーチームがいますし
リーマンショックの後も
AKBは鬼稼ぎしているわけです。
そしてサダヲちゃんは奇跡のりんごを作り
菅野ちゃんは映画でも実生活でも結婚しています~。
まさに世界はいつだって
やったもん勝ちなのですな。
まあ、高校生にして
すでにかまぼこ界のクイーンとして
あこぎに稼いでいるお嬢様には
言うまでもありませんけれど~。
お嬢様方の幸福こそが
じいめの至福でございまする。
お嬢様におほめの言葉を頂くのは
無上の喜びでございますが
執事といたしましては
職務でございますので
いくらおほめ頂いても平気でございますぞ~。
さあ、いよいよ期末試験も近いので
御座います。
今回は恐ろしい悪魔の家庭教師ロイドも
スタンバイしていますので
あまりおさぼりになりますと
投入することになりますぞ・・・。
なになに・・・
「いいねえ~」を言われてみたいと。
さすがはまこ様、怖いもの知らずでございますな~。
投稿: キッドじいや | 2013年6月 7日 (金) 15時53分