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2013年6月29日 (土)

やめりー!(夏帆)みんな!エスパーなんだよ!(染谷将太)見たいか?(真野恵里菜)

悪魔ヨハネの黙示録 第16章

ドラゴンの口、サタンの口、アンチ・キリストの口から海のものでもなく陸のものでもない邪悪な霊が吐き出される。

大いなる災いの標しを示し、邪悪な霊たちは世界の支配者たちに最終戦争を示唆する。

すべては明らかにされる。

心の秘密は盗まれる。

鎧を身にまとうことは無意味となる。

邪悪な霊たちはハルマゲドン(メギドの丘)に支配者たちを集合させる。

第七の使者が黄金の器を空に投げた。

聖なる場所から「成就せり」と厳かな声が轟いた。

未曽有の地震が雷光と雷鳴とともに発生し、阿鼻叫喚が生じた。

・・・そして、世界は三つの破片となり、山も海も消えうせた。すべては終焉の時を迎えたのである。

神を呪う人は一人もなく、そしてまた神もなかった。

で、『みんな!エスパーだよ!・第11回』(テレビ東京201306290012~)原作・若杉公徳、脚本・園子温、演出・そのしおんを見た。繰り返される最終戦争は今度こそ、最後にするからと言いながら止めることのできない人類の病巣である。神と悪魔はそれを冷徹に見守り続けて来た。最終戦争とはすべての終焉を迎えるまでのさざ波のようなものだからである。

愛知県立東三河の地で覚醒した愛知県立東三河高校の女子生徒・美由紀(夏帆)は恋するテレパシスト仲間の鴨川嘉郎(染谷将太)のために邪悪な恋仇・紗英(真野恵里菜)に最終決戦を挑むのだった。

喫茶「シーホース」で嘉郎の親友のヤス(柄本時生)と雑談をしていた紗英の前に仁王立ちする美由紀だった。

「今日はあんたに言いたいことがあるだに・・・」

「なによ・・・」

「お前、いつまでこの街にいる気だ・・・とっとと東京に帰り・・・」

「私だってこんなところにいたくないわよ・・・」

「へえ・・・今日は素直だな・・・いつものように可愛い子ぶらないのか」

「あなたに・・・私の何がわかるのよ・・・」

「わかるだら・・・アタシはこれでもエスパーだに」

「バカみたい・・・」

「テツヤ・・・テツヤ・・・いつもその男のことを考えとるだら」

「なんですって・・・ふざけないで・・・」

「東京に残してきた彼氏か・・・」

「やめてよ」

その時、無人の椅子が音を立てて激しく動いた。

「・・・お前も・・・エスパーなのかや」

「何言ってんの・・・」

美由紀を押しのけて店を飛び出す紗英。

茫然とソファに腰を下ろす美由紀。

ヤスは呆気にとられてつぶやく。

「何だ・・・何の話してるだら」

その頃・・・自暴自棄状態となった紗英の父親・浅見教授は高校生の嘉郎を連れて一部お茶の間のお世話をする女優たち満載のキャバレーで飲んだくれるのだった。

何故かキャバ嬢にモテモテの教授であった。

「ねえ、教授~、また超能力見せて~」

「嘉郎くんは他人の心が読める超能力者だ・・・」

「すご~い」

「読んで・・・私の心を読んで~」

「嘉郎くん・・・読んであげたまえ」

「い、いいんですか・・・」

【教授って素敵~】

「教授が素敵だと思ってますね」

【教授に抱かれたい~】

「教授に抱かれたいと思ってますね」

「すご~い」

「なんでわかるの~」

「すごいんだよ・・・超能力はすごいんだ」

酒に溺れ、自堕落に振る舞う教授に危機感を覚える嘉郎だった。

「秋山さん・・・助けてください」

教授の助手・秋山(神楽坂恵)は教授を立ち直らせるために最後の手段を準備していた。

なぜなら、予知能力者である秋山には自分がそうすることが分かっていたからである。

「シーホース」のマスター輝光(マキタスポーツ)は自室に戻ると自慰補助具であるTENGAの山の中に下着姿の紗英を発見し、驚愕する。

「紗英ちゃん・・・こんなところで・・・何してるんだに」

「この水筒の山に囲まれているとなんだか・・・安心するの」

「す、水筒って・・・」

マスターの念力によって常に念動力愛撫を受けているうちに紗英の精神の一部はTENGAに同化してしまったのかもしれなかった。

「マスター、こっちにおいで・・・私をギュギュッと抱きしめり・・・」

「何を言うとるんだに」

「だって・・・水筒もかわいいし、このクッションもいい感じなんだもん」

紗英はマスターの自慰用人形を抱きしめるのだった。

「紗英ちゃん・・・およし・・・」

「マスター・・・私を抱きしめりん・・・」

紗英の股間にTENGAを挟みこむ悩殺ポーズにマスターは恐怖を感じたのだった。

「うわああああああ」

童貞のマスターにとっては刺激が強すぎて対処が不可能だったのである。

「ふふふ・・・馬鹿みたい」

ほくそ笑む紗英だった。

そこへ突然、兵児帯を締めた大男(竹内力)が現れた。

「あなたは・・・誰?」

「おいどんは西郷隆盛でごわす」

「えっ」

「おはんはエスパーをバカにしとる」

「・・・」

「おいどんがおはんにエスパーの力を教えちゃるのでごわす」

「やめて」

西郷の手が星屑状の発光体が飛散し、紗英は身動きできなくなってしまう。

「やめて・・・」

西郷は紗英の鼻にかぶりついた。

シーホースで雑談中の嘉郎の同級生たちの処へ・・・マスターが駆け込む。

「紗英ちゃんが・・・部屋におるだに・・・」

しかし・・・紗英はすでに消え失せていた。

(みんな・・・どうしてしまったんだ・・・)

嘉郎は苦悶する。

仲間たちはみんなバラバラになってしまった。

榎本洋介(深水元基)はテレポーテーションを否定し、ランニングハイにとりつかれている。

矢部直也(柾木玲弥)はひたすら女生徒の内臓を透視し続ける。

サイコメトラー・石崎英雄(鈴之助) は真面目に引越し屋さんのアルバイト勤務をするのだった・・・いや、悪いことではないがな。

そして・・・何故か、美由紀は不貞腐れているのだった・・・それは嘉郎のせいだがな。

そんな・・・嘉郎たちを・・・謎の催眠術師・ミツル(栗原類)は西郷隆盛とともに監視する。

その傘下に・・・紗英も加わってしまったようだ。

「すべての終りはワンから始る・・・」

謎めいた言葉を呟くミツルだった。

路上の脳科学者・茂木健一郎は「脳ある鷹は脳を隠す」と応じるのだった。

新聞のTopに載んなくなったってあの場所じゃ

尊い笑顔も涙も生きている今もずっと

50基の核発電所 年に5000回揺れる列島

ここで生きてゆく僕らのBlowin' in the wind

秋山助手の最終手段はテレビ局での超能力者の存在の暴露だった。

教授は部屋に引き籠り、ベッドに横たわる愛娘に再起を誓うのだった。

テレビ東京系で放送されたささやかな番組はテレビ三河では一週間遅れのオンエアだった。

「東三河の地が世界を守る超能力者と世界を滅ぼす超能力者の最終決戦の場所・・・すなわちハルマゲドンに選ばれたのだ」

超能力を公開した嘉郎は不安に慄くのだった。

三人の悪の使者は脳を使って吠える。

「ワン、ワン、ワン」

「シーホース」では美由紀が窓から外を眺め、UFO(未確認飛行物体)を目撃する。

「見たか・・・」

「何を・・・」

「あれだに・・・」

「石巻山には宇宙人の基地があるという云い伝えがあるだに」とあくまで雑談をするヤス。

「ここは日本のへそだから」

「へその下にはジャングルがあるだに」とマスター。

「その下には洞窟があるだら」とヤス。

「もうすぐなんだ・・・」とエロ話に熱中する生温い空気の中、秘密を抱えきれなくなる嘉郎。

「何が・・・」

「もう、すべてを話すよ・・・」

「やめり」と美由紀。

「やめりん」とマスター。

「みんな、エスパーなんだよ・・・」

「嘉郎・・・どうしただら」

「ああ・・・黙っていてごめん・・・とにかくテレビ三河をみて・・・」

オンエアされた番組は東三河で強烈な反響を巻き起こした。

嘉郎の両親は息子がテレビに出演したことに驚愕した。

「どんな能力があるんですか」

「テレパシーです」

「私の心も読めるんですか・・・」

「いいんですか」

「はい」

「教授がいい男だと・・・」

「わあ・・・すごい・・・エスパーだわ・・・エスパーです」

エスパー仲間たちは教授と嘉郎を詰問するのだった・・・。

「なんで・・・嘉郎だけ」

みんな、テレビに出演したかったらしい。

「安心したまえ・・・あの番組はかなりの反響があり・・・多くの番組から出演依頼が舞い込んでいる」

目を輝かせるエスパーたちだった。

ヤスは嘉郎を詰る。

「どうして・・・何にも言ってくれなかったら」

・・・親友の言葉は信じなくともテレビの言うことは信じる田舎の人の話である。

突然、エスパー・ブームが到来した。

教授は一等地のビルの一室に超能力開発センターを開発する。

人々はセンターに押し寄せるのだった。

美由紀までもがちょっと有頂天になってESPカードを掲げるのだった。

そして・・・ミツルは囁いた。

「ついに・・・時はきた」

センターを取材するローカル局のアナウンサー。

集合したエスパーたち。

そこへ・・・紗英が現れる。

「今まで黙っていましたが・・・豊橋駅前のUSAというパチンコ屋には宇宙人のUFOが置かれているのです」

「あのスペースシャトルが・・・」

「あれはダミーです・・・あのスペースシャトルこそがハルマゲドンのキーとなるのです・・・ところで・・・パンチラ見たいか?」

「ええっ・・・」

どよめく聴衆と・・・図星をつかれた一部お茶の間の人々・・・。

「パンチラ・・・見たいか?」

ごめん僕はこの夜空を飛べることなんかできない

今すぐ君を抱きしめたいけど終電は過ぎた

コンビニで生温いコーヒーと適当な雑誌二冊

眠れない天井を彷徨っている

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