みんな!タンクトップでホットパンツだよ!(染谷将太)
ギリシャ神話のヒュプノスは眠りの神である。
覚醒した意識と睡眠中の無意識の中間の領域が催眠状態だと考えると、ヒュプノスは眠りを誘う神であると言える。
ヒュプノスは夜の女神ニュクスの息子であり、兄に冷酷な死神タナトスを持っている。
しかし、永遠の眠りに誘うのはやはりヒュプノスなのである。
苦しみからの解放という意味ではヒュプノスは「死」の持っている優しさを示しているのだった。
そのような背景から催眠術師や、催眠能力者をヒュプノシストと呼ぶ場合があるわけである。
睡眠中の生物は無防備であるが・・・催眠中もまた精神が脆弱な状態にあるとされる。
意識/無意識の中間領域で言葉による暗示が有効となるのは精神的な防衛機能が弱まり、幻覚などが生じやすくなるためだという。
夢うつつの状態で自分が思考しているつもりがいつの間にか夢の中にいるといった経験があれば御理解いただけるだろう。
超能力者としてのヒュプノシストは精神に直接働きかけ、他人を制御できる能力を保有する。
もちろん洗脳の一種で・・・かなり危険な能力である。
で、『みんな!エスパーだよ!・第7回』(テレビ東京201306010012~)原作・若杉公徳、脚本・演出・園子温を見た。超自然現象によって愛知県立東三河の地にエスパーたちが続々と誕生していた。愛知県立東三河高校の男子生徒・鴨川嘉郎(染谷将太)も他人の心を読める超能力が発現する。正義の心を持つ嘉郎は・・・欲望のままに悪に染まる超能力者たちと戦う運命に翻弄されるのだった。・・・そうだったのか?
東京からの転校生・浅見紗英(真野恵里菜)が超能力研究家の教授(安田顕)の娘だと知った嘉郎はまたもや思い悩む。
(僕がエスパーだと知ったら・・・他人の心を読むなんて・・・盗聴マニアの延長だと思われるにきまっとるだに・・・)
超能力を使うことに消極的で臆病な気持ちになっている嘉郎は・・・神聖な処女である紗英の心を覗くことができずに懊悩するのである。
しかし、実際には処女ではなく、経験豊富な感じさえある紗英は何故か・・・セパレートの純白なランジェリーでおヘソ出しのお茶の間サービスをしながら嘉郎に電話してくるのだった。だらしなくこぼれる白いお腹もむっちりしてたわわな白い太もももたまりにたまらないのである。
「嘉郎くん・・・この間はせっかく助けてくれたのにひどいことを云ってごめんなさい」
「あ・・・うん」
「嘉郎くんも・・・エスパーなの?」
「いや・・・僕は・・・うん」
言葉を濁す嘉郎だった。
(よかった・・・浅見さんにきらわれとりゃあせんだに)
しかし・・・紗英の本心は・・・。
(こんなバカでも・・・お父さんの研究を知る手掛かりになるかも・・・)
紗英は父親に変な研究を中止させ、恋人の待つ東京に帰りたい一心なのだった。
紗英の心を読みさえすればその邪悪さに気がつくのだが・・・ストイックな性格が邪魔をしてぬかよろこびする嘉郎なのである。
しかし、束の間、憂鬱から解放された嘉郎はお気に入りの雑誌「週刊お色気ウエイトレスMAP」をその☆しおん風の店主の店で立ち読みするのだった。
ショートパンツにタンクトップ・・・西海岸風の香りのするウエイトレスは嘉郎の憧れだった。
その姿を遠方から監視する怪しい男(栗原類)・・・。
彼は「ついにその時がきた・・・」とつぶやく。
嘉郎に新たなる危機が迫っていた。
異変は喫茶「シーホース」で始った。女性客が寄り付かなくなってしまったのだ。
思い悩むマスター輝光(マキタスポーツ)に常連客のヤス(柄本時生)がささやく。
「気にせんでええだに。客が少ないのはマスターが童貞だからではなくて・・・新しくできた店がえらく人気なんだら」
「新しい店はともかく童貞は捨てたいだに」
しかし、マスターは敵情視察に向かう。
確かにニュー喫茶「オンコ園」は女性客であふれていた。
ウエストコーストの香りがする妖しいウエイトレス(今村美乃)の隙をついて裏口から侵入したマスターは調合された白濁液に淫靡な香りを嗅ぎつけるのだった。
それが・・・女性客を惑わす淫靡コーヒーの秘密らしかった。
たちまち、マスターのエロス念力が発動し震えだすオナニー補助用具のTENGAたち。
敏感なテレパスの美由紀(夏帆)はたちまち感応し、地に倒れ伏す。
「また・・・輝光がオナニーしとるだに・・・はあ・・・たまらんだら」
お茶の間サービスのために甘い吐息をもらして下半身を濡らす美由紀だった。
「やめり・・・やめりん・・・ああん」
その時、哀愁あふれる笛の音が響く。
「なんだら・・・勝手に身体が・・・」
ハーメルンの魔笛に誘われるように美由紀はふらふらと歩き出すのだった。
マスターはエスパーたちに集合をかける。しかし、娘に冷たくされた上に助手の秋山(神楽坂恵)が行方不明になっている教授は気乗り薄である。
「それは・・・新しい店に客を奪われた君の嫉妬による妄想じゃないのかね」
「そんなことないだに・・・あの店は怪しいにきまっとるだがや」
そこへテレポーターの洋介(深水元基)が着衣のまま徒歩でやってくる。
「秋山さんがエロイ恰好でジョギングしてます」
「なに・・・」
あわてて飛び出す教授だった。
ついに調査に乗り出す決意をした嘉郎。
しかし・・・お・・んこ園にはすでに紗英や美由紀も入店しており、淫靡コーヒーの虜になっているのだった。
「どうして・・・ここに・・・」
「すごく・・・気持ちのいいコーヒーなの・・・」
「そうだに」
邪悪なものの存在を感知する嘉郎だった。
そこへ・・・あの怪しい男が登場する。
「私はパーオ大帝・・・嘉郎くん・・・君と同じで・・・地球を救いたいと願っているものだ」
「怪しすぎる・・・」
「嘉郎くん・・・君は私の心を読もうとしているね・・・」
「あんたも超能力者なのか」
「いや・・・私は科学者だ。さあ・・・君も淫靡コーヒーを飲みたまえ」
「やめり・・・みんなももう遅いから帰り・・・」
しかし、紗英も美由紀も無反応だった。その顔には妖艶な不気味さが漂っている。
「う・・・う・・・うぎゃあ」
ついに恐怖にかられて退散する嘉郎。
街はすでにエッチなジョギングスタイルの淫靡ゾンビの群れであふれている。
乳首のあたりにボカシが入るのは販売ソフトで消える予兆なのか。
「なんてエロイだら・・・」
嘉郎は憧れのお色気レストラン状態となった故郷の街に頬を染める。
しかし、帰宅すると父(イジリー岡田)と母(筒井真理子)も淫靡ゾンビでエロいことになっているのだ。
「いかんだがや・・・」
あわてて教授の家を訪ねた嘉郎は頬を上気させた教授と秋山さんに遭遇する。
「僕たちもそろそろ結ばれることになりそうなんだ」
あらぬことを口走る教授だった。
「あんたまでコーヒーを飲んでしまったんだに」
街では淫靡なゾンビの群れに襲われたバイオハザード的マスターがエロい女体に飲みこまれて絶頂を迎えていた。
仕方なく再びオ×コ園に戻る嘉郎。
そこではパーオ大帝が魔術的な機械を使い、人間をTENGA GIRLSに変身させているのだった。テンガールたちはパーオの虜となるのである。そしてハアハアと甘い吐息をもらしてうっとりなのだった。
そして紗英も美由紀もなんだかエロいことになっているのである。エスパー仲間もすでに全員が淫靡ゾンビ化しているのだった。もう画面一杯がサービス満載である。
「エロスこそが地球を救うのだ・・・さあ、嘉郎くん、君もこちらへ来たまえ・・・これが君の望んだ世界だろう・・・」
嘉郎はうるんだ目で見つめる紗英や美由紀に動揺する。
しかし・・・何かが違うと感じる嘉郎。
嘉郎の感じる愛とはもう少し清楚なものだったのだ。
「これは・・・愛じゃないだに・・・」
「そうか・・・さすがだな・・・嘉郎くん・・・君は見事だ・・・また会おう」
パーオ大帝が指を鳴らすとみんな正気に戻るのだった。恐るべきマインド・コントローラーらしい。
「なに・・・これ・・・」
「やだ・・・」
「なんじゃ・・・」
「うわ」
「きゃ・・・」
各所であがる恥じらいの叫びに・・・嘉郎は本当のエロスを感じるのだった。
こうして・・・危機は去った。嘉郎はまたもや紗英をそして愛する人々を救ったのである。
しかし・・・嘉郎が電話をかけても紗英は「バカが・・・」と蔑むばかりなのであった。
洗濯ものはたまっていくだけ
世界は滅亡へのカウントダウン
テレビは見たくない顔
うるさいな救急車
今回はエンディングテーマ「夜間飛行」を熱唱する石崎ひゅーい(本名)だった。
親はある程度痛くても子供は育つのだなあ。
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