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2013年6月16日 (日)

あまちゃん、十一列目の土曜日(小泉今日子)

これほどまでに心理戦としての深みのある朝ドラマがかってあっただろうか。いやない。

「ちりとてちん」・・・葛藤は確かにあったけれど・・・謎が少ない感じ。

こちらは・・・中盤まで来ているのに・・・なぜ、アキがあれほどアホな子に育ったのかがまだ秘められている。

そんなアキを育てた春子も家出前までは分かったが、家出後は謎。

そんな春子を育てた夏ばっぱが一番わかりやすいのだが・・・それでも娘と孫に亀裂が入った時の応じ方はまだ謎を含んでいる。

足立一家もかなり見えてきたが・・・ユイとユイの両親の関係はまだ謎が多い。

一方、町おこし組はかなりわかりやすいのだが・・・大吉と春子の進展具合は謎である。

アキとユイが育てた北三陸の活気は求心力を失ってしまうのかどうかも謎だ。

東京に出発するのが・・・潮騒のメモリーズなのか・・・アキとユイなのかも謎なのである。

そういう謎を残しながら・・・ついに激突する・・・アイドルになるらしいヒロインとアイドルになれなかったヒロインの母親なのだった。

まあ、古典芸能以外の芸の世界は・・・常にとんびがタカを生むことで成立しているんだな・・・これがっ。

圭子がヒカルを生んじゃうこともあるけどな。

で、『連続テレビ小説・あまちゃん・第11週』(NHK総合20130610AM8~)脚本・宮藤官九郎、演出・吉田照幸を見た。2009年の夏休み。母の故郷・岩手県北三陸市(フィクション)にやってきたアキ(能年玲奈)は心の不安定な母親・春子(小泉今日子)と海女である祖母の夏(宮本信子)の葛藤に翻弄されながら、海女になり、南部ダイバーになり、北三陸のアイドルにまで上り詰める。アキは高校生とは思えない抜群の企画力を発揮し始め、袖が浜漁協を海女カフェに改装。新人海女も募集され・・・観光海女に新しい道を示すのだった。何一つ取り柄のなかったアキが海女として成功し、地元アイドルとしてもそれなりに成功し、北三陸になくてはならない存在となっていくことを・・・母親として喜びつつ・・・なんだかイライラが止まらない春子だった。それは・・・アキの親友ユイ(橋本愛)の指摘通り、「女としての嫉妬」なのか・・・それとも「アイドルになれなかった自分への後悔」なのか・・・それとも単に娘可愛さの心配性なのか・・・それはまだ謎なのである。

月曜日 なのにあなたは東京都へ行くの(橋本愛)

かって・・・春子もまた家出をして東京へ行った。

次に春子の消息が知れるのは東京で黒川正宗(尾美としのり)のタクシーから降りて帰郷しようとするがしなかったこと。

家出から八年後にアキを出産。

それから十六年後にもやしが床に落ちる音が聞こえるような家庭を築いたということである。

そして・・・家出から二年後にヒットした映画「潮騒のメモリー」とその主題歌には特別な気持ちがあるらしいということ。

家出したのは・・・「東京のテレビ番組のオーディション」を受けるためだったのだが・・・その結果さえ・・・不明なのだ。

十週どころか一週も勝ち抜けなかったのか・・・。

ともかく・・・アイドルになりたくてなりたくて仕方なかったのはユイと同じ。

町おこしのアイドルとして地元に縛られていたのも同じ。

そして・・・オーディションを受けようとしていたのも同じなのである。

春子はユイに共感してもおかしくないのだが・・・反応は拒絶なのである。

もちろん・・・ユイを直接、否定するわけではないが・・・芸能界は完全否定なのだった。

そもそも・・・春子だって・・・東京行きを決意したのは・・・「オーディションの通知」が来たからなのだ。「呼ばれたから行く」のである。

ユイもまた・・・夢のために出来るだけのことをして・・・オーディションを受けようとしただけなのだ。

その夢を完全に否定したのは今の処、母親の足立よしえ(八木亜希子)のように見えるが実際は父親の足立功(平泉成)だろう。自分の目の届かない場所へけして娘を行かせたくないのである。春子への入れ込み方を考えてもイサオはかなり精神的に病んでいる可能性はあります・・・それはないな。

しかし・・・金のなる木であるユイを絶対に手放さない北三陸の黒い大人たちの代表として春子は叫んだのではないはずだ。

家出した東京で・・・自称大手芸能事務所「ハートフル」のスカウトマン水口琢磨(松田龍平)・・・のような誰かに「田舎者だからと馬鹿にされ・・・最初から騙すつもりで」近づかれたらしい・・・春子なのだった。

すべて・・・判った上で夏ばっぱは「田舎者をかばってくれてありがとう」と実の娘に皮肉を言うのである。・・・いや誉めたんだろう表面上は・・・。表面上はな。春子の夏ばっぱへの思いが複雑怪奇なように・・・夏ばっぱの春子への思いもそれなりにミステリーなのだよねえ。

しかし・・・ユイにとってはすべては不条理な話なのである。

「ずっとアイドルになろうと頑張ってきた。そのチャンスが来た。それを家族、周囲の人間が一丸となってつぶそうとする・・・なんなのよ、これは」なのである。

しかし・・・ただ一人アキだけは違っていた。

アキにとって・・・たった一人の友達のユイ。

そのユイのたったひとつの願いがかなえられないなんて・・・。

そんなことは駄目だと心の底から思ったのだった。

ユイちゃんの願いを叶えたい。

アキが思い立ったら・・・成否はともかく・・・行くところまで行くのである。

大人たちの残酷な仕打ちに打ちのめされて引き籠りベッドちゃんになったユイをアキは蛇口さんこと水口を連れて訪問する。

そして、東京に戻る蛇口さんに念を押すのだった。

「くれぐれもユイちゃんのこと頼んだぞ」

もはや・・・アキはただの高校生ではなかった。

フェロモン婆の美寿々(美保純)のようにあっさりと恋を終わらせる恋多き海女でもない。

琥珀掘りの勉さん(塩見三省)のように騙されたことさえいい思い出に変えようとする好々爺でもない。

自分の思い立ったことは全力で叶えるパワーを持った朝ドラマのヒロインみたいな女の子になったのである。

もちろん、そういう言及は古美門弁護士にまかせておけばいいわけだが、古美門弁護士はあれだけ言う以上、朝ドラマは見ているわけである。っていうか、脚本家がガッキーの時は俺にやらせろと営業しているのだな。・・・いい加減にしておけよ。

火曜日 ユイちゃんのためならエンヤコーラ(能年玲奈)

春子は基本的に他人のことはどうでもいい女である。

自分中心に世の中が回っているような気がすればそれでいいのだ。

夏ばっぱの経営する喫茶リアス&スナック梨明日の雇われママにおさまっているとなんとなく居心地がいいのである。

地方テレビの1コーナーに娘が出てきてコメントしたりしていてもその程度は許容範囲らしい。

「ユイちゃんが復帰したらまた応援してけろ」と友達思いの娘が言うのは微笑ましいのだ。

そして、ユイは春子にとってはあくまで赤の他人なのである。

「東京ぐらいいかせてあげればいいのに」と気ままに言う。

「それはないべ」と春子との鶴光的お注射はまだ済んでないらしい大吉(杉本哲太)は田舎に縛られ続けた正義で断固たる態度である。

「結局、北鉄のことしか考えてないんですね」と吉田(荒川良々)・・・。

「いや・・・春ちゃんのことも考えてる・・・」「やめてよお」と居酒屋トークを交わす大吉春子である。夫婦漫才かっ。

「今回は職場恋愛ですから自然消滅は難しいと思う」と栗原しおり(安藤玉恵)が登場。

「・・・」沈黙で応えるヒロシ(小池徹平)だった。夫婦漫才かっ。

一方・・・ユイちゃんを誘い続けるアキ。

「ご飯食べていかない」とユイの母親に誘われる。

どうやら・・・都会育ちらしい・・・よしえ。

ある意味・・・都落ちしてきた女だが・・・なにしろ・・・功と結婚した女なのである・・・裏があることは確実だが・・・ひょっとしたら最後まで明かされないかもしれない。

「誤解してるのよね・・・東京は夢の国じゃないのに・・・一度言って見ればわかると思う・・・私は帰って来た子供たちを美味しい食事を作って待っているだけで幸せなのよ」

なんていいお母さんなんだろう。このお母さんは娘のことをバカとかブスとかけしていわないだろう。世の中の母親には春子じゃない人もいる。この事実を知ることはアキにとって極めて重要なことであった。

二人の会話に釣りだされてついにユイが部屋を出る。

アキはユイの部屋に連れ込まれる。

「あれ・・・みんな嘘だからね・・・近所付き合いもしないし、テレビ見て手芸して・・・そんなんで幸せなわけがない」

基本的に・・・引き籠り主婦なんじゃないか・・・よしえは。

確かにアキしか食べさせる相手がいなかったり、ステージ衣装にかける情熱は半端なかったし・・・友達少ない春子と意気投合なのである。

ユイの直感はけして間違っていないのだった。

だが・・・普通の人というものはそういうものなのだ。

ユイはそれ以外の何かを求めて・・・求めすぎて・・・ちょっと病んでいるのだった。

壁に貼りまくられた・・・ライバルとなるアイドル候補たち・・・。

ずんだずんだあ

ある意味、ストーカー気質なんだな。

「邪魔されなきゃ・・・岩手代表は私たちだったのに・・・」

「私たち・・・」

ずんだずんだずんだああ

アキは躊躇する。ユイの願いはかなえたい。しかし・・・そこに自分が参加することにはためらいがある。

けれど・・・ユイのために何かしなければならない。

アキの思いは堂々巡りをする・・・何故かと言えば・・・アキとユイの間には春子が立ちふさがっているからである。

春子の主張はただ一つ・・・「ママとともだちとどっちが大切なの」なのである。

それだけは譲れないのである。

その底には・・・「憧れの東京生まれなのにこの子はなんなのよ」があるのだな・・・きっと。

しかし・・・鬱屈したユイはこのままではダメになってしまうと直感するアキだった。

そして・・・観光協会で悪い大人たちに相談してみるのである。

ママ抜きでこの大人たちと渡り合う・・・アキはもはやただものではない。

岩手こっちゃこいテレビの池田ディレクター(野間口徹)もすでにユイ頼みの一人となっている。

「早く、ユイちゃんに復帰してもらいたい・・・アキちゃんでもいい」

「でも」と反応するアキ。春子の血が騒ぎ出しているのだ。

「いや・・・潮騒のメモリーズが復活してもらうのがみんなの願いなんだよ」

「でも・・・ママが・・・」

アキを支配する春子。アキにとって春子は上位自我そのものである。アキはある意味、春子の憂鬱に完全に洗脳されているのだ。しかし・・・その洗脳は解け始めていた。

アキは考える。昔はおらが海女になるのもママは反対してた。

海女になるのは認めてくれた。

海女カフェもなんとか認めてくれた。

海女カフェ系なら・・・ガードが甘いんだな・・・。

ユイちゃんと言えば秋祭りのミス北鉄だべ。

海女と・・・祭り・・・。

海女フェスティバル・・・うん、これはいけるんでねえか。

「にぎやかなことはいいことだ」と夏ばっぱ。

「ユイちゃん来たらさらに儲かるな」と眼鏡会計婆(木野花)。

「んだんだ」と弥生(渡辺えり)・・・。

「海女ーソニックな・・・」とどうやら洋楽マニアらしい花巻珠子(伊勢志摩)・・・。

すでに正しい道を神のように選択するアキは花巻の意見を採択するのだった。

「うん・・・そりや・・・受けるな・・・海女フェスで海女ーソニック・・・いけるべ」

今・・・アキは偉大なる母親・神なる春子を乗り越えようとしていた。

水曜日 金曜ロードショー「潮騒のメモリー」(薬師丸ひろ子)

アキはついに春子のものまねをして母親を笑いの対象にするところまで自己革新を進行させていた。

常に白眼視されてきたアキなので春子は白目を剥くことで表現される。

「芸能界なんてチャラチャラしたの、ママは絶対許さないからね」

海女たちは一同爆笑である。特に美寿々はバカ受けなのだった。

やはり・・・最も年齢が近いライバルだったんだな。

そこへ・・・噂をすれば影という古典にのっとって春子が登場。

アキは困惑するが・・・夏ばっぱは孫と娘の間を取り持つのだった。

「アキを借りるぞ・・・」

「うん・・・いいよ」

筋は通したという夏だったが・・・春子には通じないと直感するアキだった。

しかし・・・こうなれば・・・目的達成のために・・・陰謀を行うしかないと決断するアキだった。

それよりも・・・ついに春子が映画「潮騒のメモリー」を見て・・・しかも飾りじゃない涙を流しているのを目撃したアキは・・・女優・鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の虜となってしまったのである。

ファイナル勉さんや・・・たどたどしい吉田の解説をふまえて・・・本物と出会ったアキは・・・ずっと昔のことが昨日のようで・・・つい昨日のことがずっと昔のように感じる時の流れを飛び越えたのである。

「はい、またお会いしましたね。今夜、お届けする映画は1986年に大ヒットした潮騒のメモリー・・・あの鈴鹿ひろ美さんのデビュー作なんですね。シベリア超特急なみにとんでも映画でありながら・・・見た者は必ず感動のあまり泣いてしまう・・・不思議な映画なんですね・・・いやあ、映画って本当にいいもんですね」

潮騒のメモリーは三島由紀夫の「潮騒」を彷彿とさせる物語である。しかし、奇想天外な展開と斬新な演出である意味、三島を越えたらしい。

舞台は・・・宮城県・松島。

美しい海女のひろみ(声・能年玲奈)は本土にもその美少女ぶりが聞こえるほどだった。

海女婆である母親(声・小泉今日子)はひろみを名家・豪田様に嫁がせようとと目論んでいた。

しかし・・・ひろみの心は三浦友和とか真田広之を思わせるハンサムだが貧乏な漁師・シンスケに奪われていたのである。

「そんな・・・チャラチャラした色恋沙汰、婆は許さんぞ」

「おら・・・シンスケさんが好きだ・・・シンスケさんのお嫁さんになるだ」

ひろみの恋の炎は燃えあがるのだった。

そんなある日・・・シンスケは原因不明の熱病に冒されてしまう。

「おら・・・もうだめだ・・・」

「シンスケさん・・・おらが助けるだ」

ひろみはシンスケを背負うと島を横断し、浜から小船で本土の病院目指して漕ぎ出す。

しかし、巨大なタイフーンが二人を襲う。

船は沈没し、暴風と荒波の中、波間を漂う二人。

だが、ひろみはシンスケを掴んだまま泳ぎに泳ぐのだった。

二人が打ち上げられたのは見知らぬ無人島だった。

おそらく・・・木更津キャッツアイもこの島に来ることになるのだろう。

ひろみとシンスケの蒼いサンゴ礁ライフが始ったのである。

やがて・・・二人の欲望が激しく燃えあがる夜がやってきた。

しかし・・・そこには泥棒蛇科の大蛇が立ちふさがったのだ。

「シンスケ・・・その蛇を飛び越えてこい」

シンスケがその蛇を飛び越えたのか・・・どうか・・・お約束の朝がやってくる。

すると・・・二人の情欲の炎が燃え過ぎたのか島は紅蓮の炎に包まれていた。

「来てよ・・・その火を飛び越えて・・・」

「無理だ・・・」と震えるシンスケ。

振り向けば・・・朝日・・・そして波しぶき・・・。

ひろみは・・・決意を秘めて・・・仁王立ちするのだった・・・。

「いやあ・・・どこが泣けるのか・・・まったくわかりませんが・・・理屈では分からない何かがある・・・そして・・・それを表現する女優さんがいる・・・それが優れた青春映画というものなのかもしれません。この映画でデビューし、大スターとなる鈴鹿ひろ美はそれを見事に証明したと言えるのではないでしょうか。いやあ、映画って本当にいいものですね、それではみなさん、またお会いしましょう・・・」

なぜ・・・泣くのか・・・不明だが・・・とにかく・・・アキもまた滂沱の涙を流すのだった。

そして・・・伝家の宝刀「かっけえ」が飛び出すのである。

海女~ソニックの陰謀は着々と進み・・・ついに・・・北鉄の看板を海女カフェに移設する段階となった。

そして・・・ユイが海女カフェにやってくる。

「ここで歌ってけろ・・・」

「でも・・・それはデビューしてからの約束じゃ・・・」

デビューしてから地方の舞台に立つのと・・・地方の舞台でデビューするのとは違うと感じるユイだった。それではお座敷列車と同じではないか・・・。

「あの時は・・・みんなのために歌った・・・今度は自分のために歌えばいい」と夏ばっぱ。

「ユイちゃんはアイドルだべ・・・みんなを喜ばせるのが仕事だべ・・・でも今のユイちゃんは職場放棄だべ」とアキ。

「・・・」

「やれよ・・・やらないなら・・・看板を一人で駅に戻せ」とヒロシ。

そのなんだか男らしい一言に・・・「かっけえ」を抜くアキだった。

三人の情熱が消えかかったユイの情熱に点火したのだった。

「わかった・・・やる」

お座敷列車限定ユニット・潮騒のメモリーズ再結成の瞬間だった。

それはユイのためにできることを・・・ママに逆らってもやると・・・アキが革命の狼煙をあげた瞬間でもあった。

木曜日 アイドルイドムをシンゲツで迎撃せよ!(原史奈)

誰が「鉄甲機ミカヅキ」(2000年)でザメに憑依された二宮ユキの話をしろと言った。

あの頃、ストーカーに狙われた可憐な少女を演じていた原史奈も32才である。

「5時だべ!わんこチャンネル」に福田萌(福田萌)、足立ユイ(橋本愛)、に続く三代目レポーターの原史奈(原史奈)登場である。「サラリーマンNEO」の流れだな。

2009年8月・・・海女のサマーフェスティバル・海女~ソニックの開催準備は順調に進んでいた。

春子にだけ極秘(シークレット)のライブ・ステージは監修・ヒロシ、演出・振付・ユイの足立兄妹がナイス・コンビネーションを披露して猛獣・弥生も飼育するのだった。

「はい、ワンツー、あわせて」

「弥生さん、さがって」

アキは春子のことは忘れてワクワクしてくるのだった。

しおりのレディー・ガガも、美寿々のレディー・蛾も、花巻の「Radio Ga Ga」のフレディー・マーキュリー(クイーン)も新人海女軍団のモー娘メドレーも、弥生のデザートのみ採用の美空ひばりもアキをウキウキさせるのだった。

ちなみにレディー・ガガは1986年生まれである。

「ついに今夜、岩手県民が待ち望んだ潮騒のメモリーズが復活です」

テレビから流れる原史奈のレポートに耳を疑った春子だった。

春子だけが知らされていない衝撃の事実。

アキがウキウキすれば・・・春子はモヤモヤする。

アキがワクワクすれば・・・春子はワナワナと震えるのだった。

「なんだ・・・そりゃあ・・・あたしは聞いてないぞ」

春子は自分だけが疎外されていたことに気がつくのである。

直接は描かれないが、理解を示すフリをしながら・・・娘を縛りつけておきたい足立功も「キャンプのカレーでいいじゃないか・・・全国区は大変だぞ」と唇をかみしめる。根っからの田舎者だからである。

そんな・・・都会でものすごく失敗した母親や、田舎でそこそこ成功した父親のいびつな思惑をぶっとばし・・・アキとユイの友情パワーは炸裂するのだった。

「なんだか・・・楽しくなってきたユイちゃんのおかげだべ」

「私も・・・アキちゃんのおかげで復活できたよ」

二人はお互いを必要とする存在だと心から思う。

すべてを見抜いているようにフレディーは楽屋に顔を出す。

「あっためておいたぜ・・・」

「ありがとう・・・フレディー」

今、ヒビキ(村杉蝉之介)ら熱狂的なファンが待ち望んだ・・・潮騒のメモリーズがステージの輝きの中に降臨する。

そして・・・はじけるアキとユイ。

来てよ その火を 飛び越えて

砂に書いた アイ ミス ユー

乱舞する海女ダンサーズ。

不思議の国の北リアス ユイのかわいさ じぇじぇじぇじぇじぇ!

春子は血相を変えて海女カフェに向かった。

ふざけんな・・・ふざけんな・・・ふざけんな・・・。

なんで・・・アタシじゃなくて・・・アキなのよ・・・。

なんで・・・アキばかり・・・チヤホヤされるのよ。

そんなの絶対に許せねえ。

春子の中には17才の春子がいる。

春子は永遠の17才を今も彷徨っている。

大盛況にホクホク顔の夏ばっぱは・・・。

始末に負えない娘の到着に慄くのだった。

友達少ない マーメイド

マーメード 好きよ 嫌いよ

絶頂のアキは春子を発見して蠟人形となってステージ上で凍りつく。

まめぶやませ アキもそこそこ じぇじぇじぇじぇじぇ!

今、アキと春子は宿命のライバルとして激突の時を迎えていたのである。

金曜日 私は泣いたことがない、でもそれは違うと感じてた(宮本信子)

春子の怒りは冷たい怒りである。

地方局の中継が終わるまでは待つ冷静さがある。

しかし・・・羽ばたこうとする我が子は絶対に許さない。

そして・・・我が子を狙う害虫どもは絶対に絶対に許さないのである。

そんな母をアキはずっと・・・なんか変だと感じてた。

しかし、イスが画鋲で針の山になっていてもイジメだとは思わないアキなのだ。

どれだけの言葉の暴力と体罰を母から与えられてもそれを虐待とは思わない。

しかし、アキは泣いてばかりいたのだ。

その日も・・・幸せを感じていたアキに・・・幸せを感じられない春子の鉄槌が下されるのだった。

静まり返る場内。

アキの芸能活動に反対する母親の存在はファンならば全員知っていることだが・・・。

幼い子供を持つ母親たちは子供をキチガイ女から遠ざけるのだった。

全員から非難というよりは避難の視線を浴びて・・・春子は自分だけが正常なのだと主張する。

「ママとの約束やぶったわね」

「・・・」

「ひっこめ・・・ばばあ」

「ばばあ・・・ってだれのことよ、私は17才よ」

我を忘れる春子だった。

「私も娘も故郷で暮らしていく決心がようやくついたんです」

「そりゃ・・・あんただけだろう・・・」

「アキちゃんはこっちに来てすぐ決心ついてたよな」

「そっとしておいてもらいたいんです」

「そう思ったら一人でパチンコしてろよ」

「進路のことだって、いろいろ相談したいんです」

会場にはユイちゃん派の磯野先生(皆川猿時)も来場してエールを送っていた。

「いや・・・天野は資格もとったし・・・就職先も決まっているし・・・問題ありません」

「とにかく・・・チャラチャラした娘になってほしくないんです」

「そりゃ・・・ママの考えだべ・・・おらにはおらの考えがある」

「なんだって・・・」

「何もいきなり殴ることねえべ・・・」

「アキの言うことが正しい・・・ここはアキの職場だべ・・・そこにいきなり乗り込んできて・・・くらわすのはよくないべ」と夏ばっぱ。

母親に正論を言われて絶句する春子だった。

春子の世界は半分崩壊した。

17才の春子は泣くのだった。

あの日、私にはなんにも言わなかったのに。

アキには言うのかよ。

私に向かって言うのかよ。

春子はアキを連れて・・・完全な敵地から逃亡するのだった。

天野家に集まる関係者一同。

春子はなんとか・・・自分の正しさを示そうとする。

しかし・・・一同は春子の理不尽な怒りをなだめるために集まっているのだ。

「聞かせてもらおうじゃないの・・・あんたの考えってやつを」

「・・・」

「おばさん・・・アキちゃんは・・・私のために・・・」とユイ。

「だあれがあ、おばさんだってええええ・・・あんたは黙ってよ・・・これは天野家の問題なんだから」

「おらは・・・おらはアイドルになりてえんだ」

「はあ・・・」

再び鉄拳制裁する春子だった。

だまれ。だまれ。だまれ。

お前なんかアイドルになれるもんか。

アタシがなれなかったアイドルに。

あんたがなれるワケないだろう。

「何、言ってんの・・・バーカ・・・みんなバカでしょう・・・この子」

しかし・・・誰も春子には同意しないのだった。

「歌って踊って潜ってウニとって客に食わせるアイドルだ」

「南部ダイバー色も欲しいな」と磯野先生。

ついに観光海女の極意の境地に達した孫娘に我が意を得たりの夏ばっぱ。

春子だけが・・・何一つ理解できないのだった。

17才の春子の時間は止まっているのだ。

「バカ・・・」

「バカって言う方がバカだ・・・バ~カ」

春子は衝撃を受けた。

娘にバカって言われた。娘にバカって言われた。ほとんど誰にも言われなかったのに。

娘にバカって言われた。

私の・・・私の・・・可愛いアキに・・・。

アキをユイが追いかける・・・。

「アキちゃん・・・」

「ユイちゃん・・・」

「なりましょう・・・一緒にアイドルに・・・」

しかし・・・アキにはまだ・・・アイドル=東京という発想はないのだった。

そこへ・・・すでにネットを通じて情報を得た蛇口さんからアキに電話が入る。

「今、太巻に替わるよ」

芸能プロデューサー・荒巻太一(古田新太)は語りかける。

「夏休みでしょう・・・東京に来なよ」

「じぇじぇじぇ・・・」

絶句するアキだった。

なにしろ・・・アキはアイドルになりたいと言った瞬間にスカウトされたのだから。

もはや・・・疑いようもなくアキは由緒正しい朝ドラマのヒロインなのだった。

土曜日 気絶するほど悩ましい育児(小泉今日子)

春子の中で・・・アキのママというキャラクターは失神中である。

なにしろ・・・最愛の・・・しかも完全に支配していたはずの娘にバ~カって言われてしまったのである。気絶するしかないのであった。

そのために三人の女の朝食に登場するのは17才の春子なのだ。

あ・・・言い遅れましたが春子はこの妄想の中では二重人格という設定です。

今、言うのかよっ。

「何よ・・・ふてくされて・・・ぶったことはあやまったでしょ」

「また・・・ぶったべ・・・」

「そりゃ・・・あんたがアイドルになりたいなんて・・・変なこと言うからでしょ。

猫背のブスのメスの猿のくせに・・・」

「ムキキキー」

「春子、朝からギスギスするな・・・アキも朝から泣くな」

夏ばっぱ・・・困り果てても動じない見事なキャラクターだなあ。

Am011 アキの頭の中は・・・春子に逆らった自分の言動のことで一杯だった。

そんなアキに業務連絡をするユイ。

「・・・なのよ・・・わかった」

「え・・・」

「どこから聞いてなかったの・・・?」

「最初から・・・」

ユイはアキと一緒に上京する計画を立案していたのだった。

他人の深層心理を見抜くエスパーであるユイにはアキの心の中はお見通しだった。

表面上はアキのママとの葛藤で悩んでいるフリをしているが・・・アイドルになるために・・・ユイと一緒に上京することはアキにとっても決定事項だったのだ。

後は・・・本音が浮かび上がるのを待つだけと読んだユイは一旦、アキを解き放つ。

ベッドちゃんことユイが去ると・・・アキの元にユイの兄で観光協会のスパイであるストーブさんことヒロシが現れる。

「アキちゃん・・・本当にアイドルになるの・・・」

「あれは・・・売り言葉に買い言葉みたいだったけど・・・でも・・・鈴鹿ひろ美みたいな女優になりてえと思ったことはホントだ」

「それで・・・東京に行くつもり・・・」

「ユイちゃんはその気みたいだけど・・・おらは東京は嫌いだ・・・でも、ユイちゃんを一人でほっとけねえし・・・どうしたもんか・・・東京にもいつかリベンジしないとなんねえことはなんねえし・・・あれ・・・おら、東京行きの方向で考えてるのか」

「・・・アキちゃんは・・・本当にすごいよ・・・」

「ストーブさんも・・・東京から逃げ帰ったオスの負け犬だもんな」

「オスの・・・」

早速、ドス黒い大人たちに報告するヒロシだった。

飼われたイヌになったらしい。

「すると・・・封鎖は解除できねえな」

「すぐ決行しそうか・・・」

「アキちゃんはまだ迷ってるみたいでした」

「じゃあ・・・とりあえず今日は大丈夫か・・・」

一年を経てついに完成しそうなジオラマを観光協会の会長・菅原保(吹越満)は感慨深く見つめる。

色あせた北三陸は・・・アキによって総天然色となって蘇ったのである。

そんなアキを絶対に手放せない大人たちだった。

しかし、脱出も二度目なら少しは上手に・・・と考えるユイはとりあえず現金持って即実行体制を整えていたのだった。

「今夜のバスで行くわよ・・・北三陸発・・・終電の後の90分が勝負・・・」

海女カフェでアキにチケットを渡すユイだった。

「このままか・・・」

「このままよ・・・」

「最後に・・・夏ばっぱの顔が見たい」

「じゃ・・・駅で待ってる」

アキは天野家に戻る。

気配に気がついて起きあがる夏。

「ごはんにすっぺ」

「おら・・・売れ残りのうに丼でいい」

「もう・・・飽きたべ」

「ううん・・・うに丼がいいの」

「お前は本当に手のかからない子だな・・・明日も団体さんが入って大忙しだ・・・みんなアキのおかげだ・・・ありがとうな」

アキは夏に背を向けてウニ丼を夢中で食べる。

「ばっぱ・・・うに丼もう一つ食べていいか」

夏は目を開いて熟睡していた・・・。

アキは・・・家を出た。

袖が浜駅から北鉄にのって・・・二個目のうに丼を泣きながら食べるのだった。

今、アキは凶暴な母も優しい祖母も捨ててアイドルへの道を歩き出していた。

子供たちは知らない母親が子供だったことを。

母親は忘れる・・・自分が娘だったことを。

関連するキッドのブログ→第10週のレビュー

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コメント

今週のはいらいとー(声・八奈見乗児)は、

「ユイと一緒でも…?」

でございました。実年齢年下の橋本愛が実年齢年上の能年玲奈の精神的上位に立ちつつなだめ/すかすシーンの二回目となる今回もそこはかとなく百合萌えを感じさせてグッドです(笑)。

もちろん金曜日・土曜日の怒濤のアレもすごかった。
そしていっそんの(脚本的)配置も、チラ見せから進路の話、そして「足場組むアイドル」までお見事(笑)。

投稿: 幻灯機 | 2013年6月16日 (日) 07時01分

movie✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪movie

アキとユイ・・・二人の友情物語。
これはすで「あまちゃん」の核心の部分でございますな。

それだけに・・・次週予告は
結構、揺さぶりをかけてきましたな。

もしかしたら・・・アイドルになるのは
アキだけなんじゃないのか・・・
ユイは結局・・・
親の呪縛から逃れられなかったり・・・
事務所で拾ってもらえなかったり・・・
そんな展開さえ・・・醸し出していましたからな。

ユイの引き籠りの姿勢が
実に・・・魅力的でしたな・・・
十代だからこそ・・・
セクシーなアンニュイ・・・。

二十歳越えると
ただのおばさんが寝っ転がってるだけになっちゃいますものね~。

まあ・・・なんとなく・・・
二人組の様々なユニットを感じさせる
潮騒のメモリーズだけに
捨て去るのは惜しいと誰もが思っているからこそ
あっさりと捨てる・・・。
クドカンには時々・・・そういう恐ろしさがありますからねえ。

来週・・・ユイ派は息を止めて
見守るしかないのですな~。typhoon

投稿: キッド | 2013年6月16日 (日) 19時24分

怒り狂う春子も思い詰めた表情のユイも相当恐いけど、アキはもっとずっと底知れない感じがします。スケールが違いますね。でも、呑気で気のいい男性陣に比べて、女性達は皆強いなあと思います。

ユイは東京に行けないのでしょうか。アキが一人で行ってしまったら、ユイはどうなっちゃうのか、なんだか今はユイのことが一番気がかりです。「ちりとてちん」のA子をちょっと思い出しました。

土曜日はアキと一緒に泣きました。これからもアキを見続けることはできるのですが、近所の子が成長して地元から出て行くのを見送る、おばちゃんのような気持ちでもあります。
東京編、もちろん楽しみではありますが、夏ばっぱ達になかなか会えなくなるのかなあ。海女さんず、特に夏ばっぱが大好きなので、できるだけおばちゃんパワーを発揮して、登場して欲しいです。宮本信子さんってこんなに綺麗な人だったんだなあと、ドラマを見るたび思っています。

投稿: ギボウシ | 2013年6月16日 (日) 22時40分

dollarオチツキレイセイシズカナヒト~ギボウシ様、いらっしゃいませ~ワクイエミダイスキ!tulip

東京に憧れて夢破れて故郷に帰った春子。
東京に恋焦がれ故郷を憎悪するユイ。

二人は現在過去未来を去来するキャラクター。
上京組のシンボルです。
日本の人口を一億二千万とすると
首都圏に暮らす二千万のうち
およそ一千五百万は・・・田舎の関係者です。

ストーブや花巻はこれに属します。

夏ばっぱは大吉、保たち出て行かない者たちの代表。
つまり、圧倒的多数の日本人・・・田舎者です。

このドラマのヒロインが
どれだけ特異点であるかは一目瞭然ですな。
このキャラに準ずるのは
出身地が明らかでないユイの母親ぐらいでございます。

都会へUターンしていくヒロイン。
それがアキなのです。

母の田舎で強化されたニセの田舎者。
東京での旅の恥はかきすて機能内蔵です。
東京こそが故郷という帰巣本能標準装備。
ある意味、無敵のキャラクターなのです。

東京で成功する田舎者はほんのひとにぎり。
多くの者は涙と汗の彼方に埋没していく。
成功した田舎者を誇る田舎者。
嫉む田舎者。
そうした・・・ドス黒さを笑いにつつむ
駅周辺の大人たち。
しかし・・・去るものを追わず来るものを拒まない
夏ばっぱだけが・・・美しい田舎者を体現しているのですな。

まさに・・・日本のお母さんなのですな。

そして・・・ユイの母親はそれを継ぐ者らしい。

来週は男の弱さをユイの父親が表現する気配・・・。

はたして・・・ユイはA子になってしまうのか。
クドカンの剛腕にせつない夢を託したい気持ちで一杯なのでございます・・・。virgo

投稿: キッド | 2013年6月17日 (月) 01時55分

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