あまちゃん、十周目の土曜日(能年玲奈)
ここまで、様々な構成論的記述をしてきたわけだが、今回は毎週一回の1時間連続ドラマをベースに考えて行く。
民放のドラマはCM・予告篇を抜くとおよそ45分間になっている。
つまり、連続テレビ小説は一回15分なので三回で45分になるわけである。
ただし、タイトルや冒頭にダイジェストがつくので実際はやや短めである。
しかし、一週6本で民放ドラマ1時間分が二本と言うことで話を進めて行く。
これを半年続けるということは・・・一時間の民放ドラマを一年・・・つまり4クール続けるのと同じボリュームがあることになる。
現在の民放ドラマは1クール13話どころか・・・10話に満たない場合もあり・・・朝のテレビ小説の長編性を物語る。朝のテレビ小説は実質、大河ドラマと同じくらいのボリュームがあるのだ。
逆に言えば、NHK総合は一年で三本の長編ドラマを作っているということになる。
脚本家的に言えば、朝のテレビ小説と大河ドラマには執筆量的な互換性があるということになるのだった。
話を戻して・・・起承転結を4クール分で分割すると・・・6週と1/2週分(月~水)という分岐点が浮上する。
で、「起」の分岐点はすでに通過し・・・現在は「承」の途中で13週目を目指しているのである。
民放連続ドラマの感覚で言えばすでに「あまちゃん」を見終って、「続・あまちゃん」の中盤を折り返したところなのである。
今週の・・・この後、どうなっちゃうの的な感じはそこから生じている。
すっかりおなじみとなった北三陸市と登場人物たちなのだ・・・そういう慣れ親しんだ舞台や仲間を捨てて、さらなる飛躍を目指すヒロインにお茶の間は期待と戸惑いを同時に味わうだろう。
今週は「続・あまちゃん」の第6話と第7話なのだから。
当然、話は途中であり、まだまだ、終った感じはしないのである。
しかし、話の筋はかなり見えてきて固唾を飲んで見守る感じはある。来週はきっと手に汗握っちゃうのだな。
夢物語と現実は常に隣り合わせなのである。
「続・あまちゃん」のフィナーレは近い。そして、「転」となる14週目に向けてクライマックスは続いていくだろう。
そこから始る「あまちゃんの逆襲」も待ち遠しいわけだが・・・今はただ・・・ついにベールを脱ぐ、困った母親と抑圧された娘の激突の序章を・・・あますところなく味わいたいのだった。
で、『連続テレビ小説・あまちゃん・第10週』(NHK総合20130603AM8~)脚本・宮藤官九郎、演出・梶原登城を見た。2008年夏、母の故郷・岩手県北三陸市(フィクション)にやってきたアキ(能年玲奈)は心の不安定な母親・春子(小泉今日子)と海女である祖母の夏(宮本信子)の葛藤に翻弄されながら、海女になり、南部ダイバーになり、北三陸のアイドルにまで上り詰める。2009年の早春、失恋の痛手を乗り越えて17歳となったアキは親友の足立ユイ(橋本愛)と潮騒のメモリーズを結成するのだった。その最中、ミズタクこと蛇口さん・・・水口琢磨(松田龍平)が芸能プロダクションのスカウトマンではないかという疑惑が芽生える・・・。
月曜日 海女クラブの逆襲(宮本信子)
春子の帰還により、アホの子・アキを得た北三陸市は永い平穏の眠りから目覚め、新たな時代を迎えようとしていた・・・スター・ウォーズかっ。エピソード7の2015年公開楽しみだ。
アキの発案により、暴利を貪る北三陸鉄道と観光協会は「海女カフェ建設計画」の実行を迫られたのである。
その頃、ミス北鉄のユイは一日駅長の仕事に倦怠感を感じつつ、喫茶「リアス」で休憩をとっていた。店内にはもはや店主と化した春子と・・・蛇口さんがいた。
「なんなんですか・・・話しかけてきたり・・・こっそり写真をとったり・・・」
キレモード(強)のユイの剣幕に驚く春子と戸惑う蛇口さん。
「どうしたの・・・ユイちゃん・・・」
「なんでもないです」
蛇口さんが正体を明かさない理由の一つが「アキのガードの固い母親のためだ」と推測しているユイは・・・張本人の春子を前にしてうかつに蛇口さんを問いつめられないのだった。
ユイの超高速回転する「絶対アイドルになりたい脳」は様々な可能性を即時計算して危険信号を灯すのだった。
ユイの焦りがよくわからない人に説明しよう。
ユイは現在17歳。おそらく1991~1992年生まれである。前年の2008年の紅白歌合戦には大橋のぞみが出場最年少記録(9歳)で出場している。この年、デビューしたももいろクローバーZは13~14歳のメンバーで構成されている。同年代のAKB48の高橋みなみは小嶋陽菜、峯岸みなみとユニット「ノースリーブス」を結成しユニット・デビューを果たしている。「みんな!エスパーだよ!」のパンチラ・コンビの夏帆はすでに主演映画があり、真野恵里菜は「乙女の祈り」でメジャー・デビュー。「ガリレオ」の学生・逢沢りなは炎神戦隊ゴーオンジャーのゴーオンイエローだし、北乃きいは14歳でミスマガジン2005グランプリである。
すでに同世代はそれなりのポジションを掴んでいるのである。
松田聖子は高校一年でスカウトされ、小泉今日子は「私の16才」でデビュー、薬師丸ひろ子は16才で「快感」なのだった。安室奈美恵だって15才でデビューしているのである。
ミス北鉄なんてやってる場合じゃない・・・と感じるユイの焦燥感は半端ないのだった。
もはや・・・とりのこされているのである。
なにしろ実際の橋本愛(17歳)は2009年に13歳でミス・セブンティーンに選出されているのである。
そんなユイの前にスカウトマンが現れて・・・なんのオファーもないのだ・・・蛇の生殺しとはこのことなのだった。
観光協会での団体交渉を終えた海女クラブの面々が喫茶「リアス」に現れると・・・ユイはアキと会話も交わさず店を出る。
怪訝な顔を見合わせるアキと春子。
しかし・・・蛇口さんはユイをそっと追いかける。
「あの・・・誤解させたら・・・ごめんね・・・親戚にユイちゃんの大ファンがいて・・・写真はその子のために撮りました・・・」
蛇口さんの弁明を全く信じない顔でユイは自分のアドレスが書かれた名刺を蛇口さんに渡すのだった。
(いつでも・・・連絡してください)というサインである。
そういうユイの人生崖っぷち感も知らず、北三陸の人々は日常を生きるのだった。
観光協会や北鉄に日頃の不満をぶちまけた海女クラブの面々は気勢を上げる。
一方・・・北鉄の大吉(杉本哲太)や吉田(荒川良々)、観光協会の保(吹越満)や栗原(安藤玉恵)は海女クラブを婆軍団とこき下ろす。
リーダー夏ばっぱ、金にうるさい会計眼鏡婆かつ枝(木野花)、スーパマリオブラザーズの1-2面のBGMのようにんだんだうるさいダンプ婆弥生(渡辺えり)、あることないこといいふらすフェロモン婆美寿々(美保純)、何が云いたいのかよくわからない白婆花巻(伊勢志摩)・・・。
長女・花巻鈴は夜尿症で、次女・花巻琴は花粉症らしい。
云いたい放題で溜飲を下げた四人は・・・悪口大会に参加しなかったストーブさん(小池徹平)に注目する。
「じぇじぇ・・・」
こうして・・・海女カフェ計画の悪い大人たち窓口となるストーブさんだった。
一方・・・ユイが蛇口さんをスカウトマンかもしれないと思っていることを面々に報告するアキ。
「まさか・・・」と全くとりあわない一同だった。
漁協の建物を改装することで・・・現実性を帯びてきた海女カフェ計画。
「夢物語じゃなくて・・・現実的なのか・・・」
ユイとアキのおかげで街おこしが順調に進む中で・・・その気になる銭ゲバ軍団である。
一方・・・そういう邪な大人たちとは一線を引き、自分の夢に邁進するユイ。
もしかしたら・・・自分だけでは・・・駄目なのかもしれないと懊悩するのだった。
ピアノ・ヴァージョンの「潮騒のメモリー」が薄いB.G.M.として流れる潜水土木課の準備室。
カップと呼ばれる潜水用ヘルメットを磨くアキにユイが話しかける。
「お母さん・・・なんか云ってた?」
「・・・本当に蛇口さん、スカウトマンなんだべか」
「信じてないの・・・?」
「・・・」
「もし・・・私とアキちゃん二人一緒にデビューって話だったらどうする?」
「じぇ・・・そんな」
「それしか考えられないのよ・・・私、連絡先を渡したのになんの連絡もないし・・・きっとアキちゃんと一緒にってことだと思う」
「でも・・・おらは・・・そんなの無理だ」
「あの日・・・楽しくなかった?」
「あれは・・・いい思い出だったけんど・・・おらはユイちゃんとは違う。潜りたいから潜るし、歌いたいから歌う・・・それしかできないべ・・・それを仕事にはできない」
「海女をするのとどこが違うの・・・」
「全然違うべ・・・」
沈黙する二人。二人の脳裏には一日だけの潮騒のメモリーズが去来する。
潮騒のメモリー
17才は 寄せては 返す波のように 激しく
来てよ その火を 飛び越えて
砂に書いた アイ ミス ユー
その夜・・・アキは夢うつつのまま、夕食の席につく。
春子は「ハンバーグ食べないの・・・食べないならママにちょうだい」と様子を伺う。
「だめだ・・・おらんだ」と我に帰るアキ。
その唇をとがらせたまま半開きの口と小動物のような警戒心を露わにした瞳。
かわいいよ、アキかわいいよである。
そこへ・・・漁協長(でんでん)が吉報を持って飛び込んでくる。
「海女カフェに二千万円の融資が決まったど」
一方、ユイは琥珀掘りの洞窟へ・・・一人、蛇口さんを訪ねるのだった。
火曜日 六月のガラスの部屋のマリリン(小池徹平)
2009年六月・・・もうなんだかわからなくなっているストーブさんこと足立ヒロシだった。
「なんだか・・・月曜日には四月だったのに気がつくと火曜日には六月だったんです・・・僕の五月はどこに行ったんでしょうね・・・ヒロシです。ヒロシです。ヒロシです・・・」
ストーブさんは知らないが妹のユイは四月のある日・・・琥珀の洞窟で蛇口さんを問いつめたのだった。
「電話しちゃったの・・・聞いちゃったんですよね・・・スカウトマンなんですよね」
「さあ・・・なんのことだかわからない」
「デビューしたいんです」
「・・・もしも・・・スカウトマンがいたとしたら・・・きっと、ただのアイドルになりたいって言う痛い子とどこが違うのか・・・本人のやる気を見たがっていると思うよ」
あくまでシラを切りながら・・・蛇口さんはユイにアドバイスするのだった。
ユイは自分ができることをやらなければならないと考えた。
結局、それは地元アイドルとして自分を磨くことだった。
岩手こっちゃこいテレビのディレクターの池田一平(野間口徹)に売り込みをかけたユイは・・・ミニ・コーナー「ユイのお腹いっぱい」を得て、ミス北鉄としてリポーターの腕を磨くのだった。
岩手のローカルテレビに毎日、登場するユイに春子は危惧を感じる。
「なんだか・・・やつれてない?」
春子にはもう一つの危惧があった。
融資の決まった海女カフェだが・・・その決定は担当の銀行員(政岡泰志)の鶴の一声だったのだ。
「この企画・・・海女のアキちゃんが考えたんですか?」
お座敷列車にも乗ったというアキのファンの銀行員が・・・アキちゃんのいる海女カフェならば成功するだろうからと融資を決めたのである。
(おいおい・・・そんなのありなのかよ)
美味しい話には裏があることを・・・おそらく知り尽くした女・春子は・・・顔を曇らせるのだった。
第一・・・アキがそんなに重要人物になることは・・・なんとなく面白くない春子なのである。
春子の裏の顔がいらいらの種を巻き始めるのだった。
そんなある日、吉田が映画「潮騒のメモリー」のビデオを持ってくる。
水野晴夫が最初と最後に解説する本当にいいものらしい。
1986年の正月映画。
清純派の大女優でアイドルだった鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)のデビュー作。
主題歌「潮騒のメモリー/鈴鹿ひろ美」は60万枚の大ヒットを記録したと言う。
しかし・・・その頃、家出したまま消息不明だった春子は・・・何故か、ビデオを見ることを渋るのであった。
「春子の青春の謎(後篇)」の重要アイテムであることは間違いないのである。
在りし日の本田美奈子が「19086年のマリリン」をヘソ出しルックでヒットさせたこの年・・・春子に何があったのか・・・それはまだ語る時ではないらしい。
ユイが完全なる「作られた笑顔」で岩手のステーキ・ハウスを紹介し、安いステーキを食べまくっている頃・・・海女カフェの「大改造!劇的ビフォーアフター」はいろいろと問題を含みながら進行していた。
五人の婆の五種類の愚痴を毎日聞かされたストーブさんは身長が縮むほど疲れ果てていたのである。
「あの・・・おばちゃんたち・・・文句ばっか云って働かないんです・・・しかも・・・もはや海女として潜る気も失っちゃってるんです。誰も潜らない海女カフェなんて・・・海女カフェと言わんとです・・・それは単なる婆カフェじゃなかと・・・ヒロシです・・・ヒロシです・・・ヒロシです」
漸く危機感を覚えた大吉&保だった。
海女カフェが婆カフェになることを回避するために大吉&保は「海女募集告知」を伝家の宝刀「アキの動画」でアップするのだった。
たちまち・・・集まる海女候補たち。
ついに袖が浜の海女クラブは去年のアキに続いて六人の新人海女を獲得したのだった。
その中にはアキの高校の後輩の桜庭(山谷花純)や坪井(久野みずき)も含まれている。
なんとなくモヤモヤする春子。どんどんやつれて行く足立兄妹。
それでも時は流れて行くのだった。
完成間近の海女カフェに取材の下調べでやってきたユイ。
アキは喜んで・・・店内を案内する。
「見てけろ・・・」
「これは・・・何?」
店内にはミニ・ステージが用意されていた。
「みんなに頼んで作ってもらったんだ・・・イスを並べれば100人は座れるべ。ユイちゃんがデビューしたらここで歌ってけろ」
「アキちゃん・・・」
海女カフェに情熱を傾けつつ・・・ユイのことも考えていたアキ。
無表情なユイの顔に六月の太陽が光と影を交錯させるのだった。
求め過ぎてしまうユイはだからいつも悲しいのである。
果たして二人はゆっくりと一つになれるのだろうか。
それでも六月のそよ風はやさしく吹くのだった。
だれがLINDBERGの歌を歌えと言った・・・。
水曜日 あれから一年たちました(小泉今日子)
そして・・・海開きの日がやってきた。
アキが北三陸市にやってきてから・・・一年の月日が過ぎたのである。
16歳の夏と17歳の夏は驚くべき変化に満ちていた。
一年前、年中不機嫌な春子に連れられてやってきた海辺の街。
電車の中で居眠りしていたアキ。
アキは初めて祖母の夏ばっぱに会ってウニを食べた。
海女に憧れて海女になった。
そして、今では岩手県で一番有名な海女になっているのだ。
朝、五時半。アキは夏と挨拶する。
「おはよう・・・ママは」
「まだ、寝てるべ」
「だめだ・・・今日は早起きするって約束したんだから・・・」
アキは春子を叩き起こして袖が浜へと向かう。
そして、ついに完成した海女カフェを春子にお披露目するのだった。
春子は喜んだ。春子が嫌いだったくすんだ漁協は白く輝く夢の建物に変身している。
婆ではない海女見習いたちが春子を迎える。
明るい店内には珍しい魚や珍しくない魚が舞う水槽が置かれている。
そして巨大なモニターにはウニを獲る美寿々のライブ映像が映し出される。
「本当はアキちゃんが巨大水槽でウニを実演採取する予定だったんですが・・・そうなると総工費が2億4000万円になってしまうので・・・でもなんとかそのアイディアを残したくて・・・水中カメラで実況中継することにしたんです」
ストーブさんが解説するのだった。
「すごいよ・・・アキ・・・すごい」
「えへへ」
「私は・・・この街は嫌いだけど・・・ここは好き。ママの嫌いな場所を好きな場所に変えちゃうなんて・・・あんた・・・すごい」
「おら・・・なんだかむずがゆくなってきた」
「誉められなれてないもんね・・・すごい、すごい、アキはすごい~」
「うっひゃあああ」
娘を可愛がる瞬間を見逃さない春子だった。
アキは逃走した。
次々と訪れる来客たち。
ストーブさんの父(平泉成)と母(八木亜希子)も不出来だった息子の作った北三陸の新名所にご満悦なのだった。
モニター画面にはアキが登場していた。
一年前には一個しかウニが獲れなかったアキだったが・・・水中土木課での修練が実り、潜水技術が飛躍的に向上していた。
いつも種市先輩(福士蒼汰)の夢を見ているだけではなかったのだ。
アキはたくさんのウニを抱えて浮上する。
春子は感無量だった。
一瞬、いらいらが吹き飛んだほどである。
こうして・・・アキの北三陸市での二度目の夏は順調にスタートを切った。
ユイは学校を午前中だけで終えて、午後は突撃リポーターとなっていた。
学校を終えたアキは喫茶「リアス」に急ぐ・・・。
ユイが「海女婆のまめぶ汁」を生中継で紹介する番組を見るためである。
ここで地理をおさらいしておこう。
北三陸高校があるのは北三陸駅である。アキは自転車で駅から学校に通う。
北三陸駅には喫茶リアス/スナック梨明日があり、観光協会がある。
ホームへと続く階段を下りてアキが乗る北鉄は袖が浜駅へ向かう。
袖が浜までは自転車で帰ることも可能なのである。
袖が浜には天野家があり、そして海女カフェがあるのだ。
袖が浜の次の駅が畑野駅。山奥にユイの家がある。
朝、海女の仕事を終えてから袖が浜駅でアキは畑野駅から乗ってきたユイと合流し、北三陸駅で下車して学校へ。
ユイは午後は芸能活動のために早退し、テレビのスタッフと合流、レポーターの仕事をこなす。
授業を終えたアキは喫茶に顔を出してから袖が浜の海女カフェに出勤するのである。
物凄いスケジュールなのだった。
そんなアキを琥珀掘りの勉さん(塩見三省)が呼びとめる。
「最近・・・ユイちゃんに変わったところはないかい」
「いつも通りだけど・・・」
「これ・・・」
それは見覚えあるユイのストラップだった。
「坑道で見つけた・・・どうもユイちゃんが出入りしているみたいなんだ」
「じぇじぇっ・・・」
アキの脳裏には蛇口さんの顔が思い浮かぶ。
(世の中には君の知らない世界があるんだよ)
それはどんな世界なのか・・・胸騒ぎがとまらないアキだった。
シーズンに入り、夏ばっぱは疲労困憊していた。
「もう・・・まめぶ汁を温める気力も体力もねえ・・・」
一年前よりも老いた気配のある夏を気遣い、まめぶ汁をレンジでチンするアキ。
しかし・・・胸騒ぎは止まらない。
スカイドン襲来にあわてふためきスプーンを持って飛びだしたウルトラマンのハヤタ隊員のように・・・目を開いたまま爆睡した夏を飛び越えて・・・琥珀の坑道に向かうアキ。
琥珀の坑道もまた袖が浜近辺にあるらしい。
暗闇を照らすライトが点灯したままの夜の洞窟。
スプーンを握りしめたアキは・・・転んでスプーンを落とす。
チーン。
そこにはアキの知らない世界を覗いているのかもしれない・・・ユイが立っていた。
ここまでの(月)~(水)までが一つの話である。四月から七月へと北国の春を一瞬で通り過ぎながら琥珀の坑道で始り、琥珀の坑道で終っていることが分かる。
最初はユイと蛇口さんが二人だったが・・・最後はこれにアキが加わり三人となった。
話はそういう方向に流れているのだ。
木曜日 アキばっぱへの道(松田龍平)
当然ながら、(月)~(水)と(木)~(土)はそれぞれに序破急を構成している。
登場してからずっと正体を隠してきた蛇口さんが・・・ついに本性をむき出しにするのだった。
知らないことが一杯あるアキは素朴な疑問をぶつけるのだった。
「こんなところで・・・何してるんですか?」
「穴を掘ってます・・・」
「じぇっ?」
「この穴は海岸沿いに宮古まで通じているので・・・僕とユイは宮古から汽車に乗って東京へ行きます」
「じぇじぇっ?」
「冗談よ」
「冗談?・・・ふへへ」
愛想笑いを覚えたアキだった。
「うちの社長の荒巻が上野に劇場を作りまして・・・そこで新しいアイドルグループに歌ったりお芝居をさせたりしようとしています」
「本題に入っているから」
「本題?」
ここでついに蛇口さんをこの地に派遣したアイドルグループのプロデューサー・太巻こと荒巻太一(古田新太)が紹介される。
アイドルグループ・アメ横女学園のメンバー(吉田里琴)を背中に背負って構想を説明する太巻P。
「上野は東京の東の玄関、そして品川は東京の西の玄関です・・・ここに劇場を立て・・・全国各地の地元アイドルを集め、東西決戦をする。いわばアイドル甲子園ですね。いや、決戦しなくてもいいんですけどね。日本に人が一億二千万いますね。首都圏に二千万人います。残りは一億人。これがですね。日本の本質です。一億人の潜在力それが地元アイドルですね。これを上京物語させて、アイドル誕生物語る・・・違います。そうですGMT47ですね。47都道府県ですから・・・東京もですね。入ります。東京がですね、地元の人もいるわけです。そうです。ちがいます。ちがいません。GMT47はですね、アメ横女学園の妹的存在です」
「つまり、僕はさのためにここに来たスカウトマンなんです」
「勉さんの弟子ではないんですか?」
「バレなきゃそうでした・・・まあ、バレないと困るんですけどね・・・ずっと琥珀掘っていないとならないんで・・・」
「なんで・・・ウソをつくんですか・・・」
「君のお母さんの歌を聞いたから・・・あの歌は本物の匂いがした・・・アイドル歌手を目指していたんだってね」
「・・・」
母の歌を誉められた気がしてうれしくなるアキ。
「そういう人って厄介なんだよね。なまじちょっと芸能界のことを知っているから用心深くなるっていうか・・・」
母のことをけなされたような気がしてムッとするアキだった。
「だから・・・ここで琥珀掘りの弟子になって様子を見ることにしたんだ」
そこで・・・アキは心配していたことを思い出す。
「なにしてたんだ・・・こんな暗いところにユイちゃんを連れ込んで・・・」
アキの頭の中に知らない世界のあれやこれやが乱れ飛ぶのだった。
「相談に乗ってもらってたのよ・・・デビューするためには何が必要かって」
アキの中のあれやこれやが出口を求めて彷徨うのだった。
「お座敷列車の君たち潮騒のメモリーズの動画を送って・・・OKが出たんで、いよいよ交渉を開始しようとしてたんだ・・・」
「・・・」
「でも・・・君は忙しそうだし・・・やる気もないみたいだから・・・ユイだけを連れて行くことにしたよ」
「・・・」
何かを思って・・・アキを見つめるユイ。
アキの心では新しい何かが芽生えつつあった。
(ユイちゃんと一緒に東京でアイドルになる)
家に戻ると夏はまだ爆睡中だった。
アキは夏に上掛けをかけ、団扇で風を送りながら考える。
(知らない世界がある)
(何も考えないで飛びこめ)
(もったいないと思わないか)
(なんとかなるもんだ)
(可能性がある)
(死にたくないからな)
しかし・・・海女として海に潜るとアキは迷いを忘れる。
大好きな海に潜り、ウニをたくさん獲って、お客さんを喜ばせる。
楽しいことだらけで・・・とてもじゃないが・・・たとえユイと一緒にアイドルになるためでも・・・嫌な東京には行きたくないのである。
アキは難しいことが考えられないアホの子なのだから。
その頃、春子はスナック梨明日で大吉と二人きりになっていた。
大吉は春子を24年間待ち、さらに一年間待った男である。
今日も看板まで粘ったのだった。
「私、変わったと思うの・・・一年前とくらべたらね。前はただイライラしていたけど・・・今はイライラをぶつける相手に不自由しないし・・・それなりにスッキリした気持ちになることもある。どうなることかと思っていたアキはあんなに明るくなったし」
「アキちゃんはすごいもんな」
「そうね」・・・しかし、アキは娘には厳しいのだった。
「でも、あの子を変えてくれたのは夏さんかも・・・」
「夏ばっぱか」
「そう・・・なんだかんだ・・・あの人は凄いのよ」
娘が凄いより、母が凄いことにしたい春子だった。
春子の心は複雑に愛と憎しみが絡み合っているのである。
「とにかく・・・昔より・・・毎日が楽しいの・・・」
その夜、何があったかは不明だが・・・帰宅した春子は目を開けたまま爆睡するアキを発見するのだった。
「遺伝かよ・・・」
春子はアキばっぱのいる袖が浜の未来を予感するのだった。
起こされたアキは浴室に消えた春子の遺した「潮騒のメモリー」(保存版)を発見する。
小動物的好奇心をむき出しにしてさっそく鑑賞しようとするアキ。
しかし・・・そこでユイから電話が入る。
深夜の海女カフェへとアキを呼び出すユイだった。
金曜日 大好きな男を殴る夜(塩見三省)
序破急はリズムである。緩やかに始れば小刻みに小刻みに始れば緩やかに変わり最後は突然に終る。物語は確実にしっかりと転調して行く。
「大事な話があるの」とアキを海女カフェに呼び出したユイ。
「お母さんと喧嘩してしまった・・・」と事情を話す。
ここで・・・アキの母の春子がユイにどこか似ているように・・・元女子アナとは思えないアホの子の匂いを醸し出すユイの母のよしえだった。
「女学園・・・?」
「だからアメ横女学園の三期生募集のオーディションがあるの・・・」
「受かったらどうなるの・・・ここから通うの?」
「東京まで片道七時間だよ・・・引っ越すに決まってるでしょ」
「一家で・・・?」
「私だけよ」
「そこって・・・公立なの私立なの?」
「アメ女は学校じゃなくて・・・アイドルグループなの」
よしえ・・・。
「まったく疎いんだから・・・」とアキにぼやくユイ。
「大体・・・GMT47だってもう活動を始めてるのに・・・」
「とにかく・・・ユイちゃんはアメ女に入りたいんだな」
「アメ女でもGMTでもデビューできればどっちでもいいのよ・・・いい・・・私たちと同じ年の子がもうバリバリやってんのよ」
「・・・」
「だからと言って・・・親の了承を受けないりでは・・・事務所も受け入れるわけにはいかないんだよ」
いつの間にか蛇口さんが現れた。
「とにかく・・・ご両親が心配するから・・・アキちゃん、電話してあげてくれないか」
「うん」
「あせっちゃだめだよ・・・ユイ。高校を卒業してからだってまったく遅くないんだから」
思いつめたユキを見るとなんとかしてやりたい気持ちで一杯になるアキだった。
夏ばっぱのナレーションが宣言するアキにとってもユイにとっても「人生」最後の夏休みがやってくる。つまり・・・二人とも大学には行かないらしい。
「夏休みの心得・・・早寝早起きを心がけること・・・夜更かし夜遊びは厳禁・・・飲酒喫煙は絶対ダメ!・・・人生最後の夏休み有意義に!・・・アルバイトは事前に申告すること・・・企業見学については相談に応じる・・・進路相談も随時受け付けます・・・先生は毎日学校に・・・」
ありがたい訓示をする磯野心平先生(皆川猿時)の言葉を遮るアキ。
「今日は午後から秋田からの団体さん入ってるんだ。夏休みはいつもの倍忙しんだから・・・つまらない話をダラダラしないで手短にすましてけろ」
アキと海女見習い軍団に恫喝されて「以上です」と話を終えるいっそんだった。
客でにぎわう海女カフェ。アキも販売の合間を縫って潜ろうとする。
そんなアキを呼びとめるストーブだった。
「チッ・・・おら潜ろうと思ったのに」
「チッて・・・一応客なんですけど」
「お客さん何にしますか」
「この・・・海女スペシャルってのは・・・」
「まめぶとプリンだ」
「・・・コーヒーください」
「ちっ・・・コーヒーです」
「ちっ」と本家の花巻が締めるのだった。
「この間はありがとう・・・結局、あの後も家で揉めて・・・」
修羅場と化した足立家。
「もう一度云ってみなさい」
「お母さんみたいになりたくないって言ってんの・・・女子アナ二年目でこれからって時にお父さんと結婚してこんなだっさいポロシャツ着て残念なエプロンつけてシチュー出して・・・みたいな」
「ユイ・・・云っていいことと悪いことがあるぞ」
「顔はやめてよ・・・私アイドルなんだから」
「ヒロシ・・・お前が言っても説得力がない・・・ユイ、アイドルなろうがどうしようがお前の勝手でいい・・・でも母さんを泣かせるようなことを言うな」
シクシクと泣くよしえだった。
「けっ・・・タイガー&ドラゴンかよっ」と自室に籠るユイだった。
「・・・修羅場でねえか」
あのユイちゃんが・・・そんなことを家族に云うなんて・・・まして、母親を罵るなんて・・・想像もつかないアキだった。
「しかし・・・どうしたんだろう・・・ユイの奴・・・この頃急に焦りだして・・・」
それは・・・蛇口さんがいるからとは言えないアキだった。
蛇口さんの正体を知っているのはユイとアキだけだったのである。
ユイの気持ちを考えると・・・大好きな海に潜っていても気が晴れないアキだった。
しかし・・・どうやら・・・それだけではないことをお茶の間は薄々気がついています。
そんなある日・・・洗濯物を干していたアキは春子に叱られる。
「アキ、何度云ったらポケットになんか入れたまま洗濯に出さないでってことが分かるのよ」
「ごめん・・・なさい」
しかし・・・春子がアキのポケットから取り出したのはボロボロになった蛇口さんの名刺だった。
「なに・・・これ・・・」
「な、なんでもねえ」
あわてて名刺の残骸を取り戻しゴミ箱に捨てるアキ。
しかし、そんなことで海千山千の春子をごまかせるわけがないのである。
たちまち・・・蛇口さんの正体を見極める春子。
何が腹が立つって蛇口の正体を見抜けなかった自分に御立腹の春子だった。
スナック梨明日の緊急会議。
問い詰められた勉は絶句する。
「全く知らなかった・・・琥珀が心底好きな奴だと思ってた」
「本当にスカウトマンなのか」
「ハートフルって事務所の通称太巻って奴の手下よ」
何故か・・・一瞬、妙な間をとる春子。・・・実は知らない仲じゃないのか。
「じゃ・・・あたしもだまされたってわけ・・・かけおちして同棲して結婚しようとしてたのに・・・結婚式場の仮押さえもしたし・・・車もあげたのに・・・シャコタンだけど」
「アキちゃんが持ってるってことはユイも・・・」
「そんなあ・・・ミス北鉄をどうするつもりだ」
「ちくしょう」
「ちくしょう」
「琥珀も美寿々さんも磨かれそこなったな・・・」
「吉田っ」
ふと・・・春子は勉さんの不在に気がつく。
その頃・・・アキはユイと夜の海女カフェのステージに腰掛けていた。
「ユイちゃん・・・何泊するの」
「明日のオーディションに出るだけだから・・・一泊よ」
「それにしては・・・荷物多いな・・・」
「彼が・・・車で送ってくれるから」
「そういうことじゃなくて・・・」
「家には言ってきたから・・・家出じゃないでしょ・・・」
「ユイちゃん・・・もう帰って来ないつもりじゃないのか」
「・・・遅いな・・・」
その頃、蛇口さんは勉さんの鉄拳制裁を浴びていたのだった。
「破門だ・・・」
ひょっとしたらかなり間が悪い・・・蛇口さんなのかもしれない。
不安な夏の夜が更けて行く。
土曜日 十七でアイドルと呼ばれます(橋本愛)
大嫌いな岩手県を大好きだとトークするユイ。
そんなユイがアキのかけがえのない親友なのである。
ユイのために用意したステージでアキは本能的に別離の予感を感じるのだった。
「ユイちゃん・・・サインしてけろ・・・有名になったらなかなか書いてもらえないべ」
「サイン・・・」
「海女カフェさんへって書いてけろ・・・まめぶおいしかったも書いてけろ」
「まめぶ・・・食べてないけど」
「やらせ・・・だべ」
商才はあるアキだった。夏ばっぱの血である。
「こんな・・・自分勝手でやかましい女と友達になってくれて・・・ありがとう」
「それは・・・こっちだって・・・ネット上ではライバルだし・・・男とったし・・・アキちゃんじゃなかったら半殺しにされてたかも」
「あ・・・男とられた」
種市先輩ははがき一枚しかアキにくれなかったがユイとは毎日メールを交換していることを思い出したアキだった。
「でも・・・付き合うかどうか・・・微妙だけどね・・・一応恋愛禁止だし」
ユイの言葉を解説するふんどし部の幽霊・・・じゃなかった太巻。
「そりゃ・・・そうでしょ・・・特定の男に抱かれているアイドルのグッズを金出して買う極めつきの変態は限られてます。夢の恋人として不特定多数のファンと擬似恋愛してこそのアイドルでしょう。・・・ま、バレなきゃいいんですけどね」
全国の妄想恋愛主義者を一刀両断するドラマだった。
まあ、ずっと妄想していれば問題ないんですけどね。
「・・・っていうこと」
アキにはよくわからない話だった。アキにはハンパを許さないヤンキー母の血も流れていたからである。
「まあ・・・私もアイドルになれるかどうか・・・わからないけどね」
「そんなことはねえべ」
「私・・・昔から保母さんになりたいとかいう子を軽蔑してた。親にへつらってどうするってね」
「ユイちゃんは何になりたかったの」
「最初はね・・・女スパイ・・・それからゾンビ・ハンター、そしてトレジャー・ハンター、次には死ぬまで不死身のテロリスト・・・そして最後はアイドル・・・そうしたらようやくお母さんは笑ったわ」
「ユイちゃんはなれるよ・・・ユイちゃんは特別だもの。最初に会った時も輝いていたし・・・秋祭りでも輝いていた・・・あの光の中のユイちゃんが・・・本当のユイちゃんだべ」
「アキちゃんは・・・アキちゃんは・・・どうなの」
「おらは・・・」
答えにつまるアキだった。
アキによって北三陸市の人は幸せになった。北三陸市はアキを幸せにした。
ユイによってアキは幸せになった。しかし・・・ユイをアキは・・・。
梨明日に戻ってきた勉さんは蛇口さんが今夜、この街を出て行くことを告げる。
「あたしの車で?」
「ユイちゃんを連れて・・・?」
「それは駄目だ・・・たとえこの街を出て行くにしても・・・北鉄でないと・・・ミス北鉄なんだから・・・」ともはや方向性を見失う大吉。
ユイの電話が鳴る。出ようとしないユイ。
「まさか・・・ユイちゃん、だまって家を・・・」
今度はアキの電話が鳴る。
「でないで・・・」
「二人とも出ないと怪しまれるべ」
アキの野生の勘が冴えわたるのだった。
「ストーブさん・・・ユイちゃん・・・一緒じゃないよ・・・おら・・・家にいる・・・」
しかし・・・電話の相手は春子に代わるのだった。
「怒らないから正直にいいなさいよ・・・あんた、ミズタクになんかされたんじゃないでしょうね・・・声が小さいわよ。こーら、はっきり返事なさい、このくそったれが」
「ヴぁい・・・」
「ユイちゃんから電話があったらすぐに連絡するのよ。このボケカスっ、わかったわね?・・・へ・ん・じは?」
「うあい・・・」
「あんた今何してんのよ・・・さっさと寝なさいよ・・・このタコ」
「ううぁぃ・・・」
「大丈夫・・・アキちゃん」
はっとするアキだった。
「まずい・・・すぐに戻るからちょっと待ってて」
アキはダッシュで海女カフェから天野家に戻るのだった。
アキに流れる春子の血。
その頃、春子は家に電話をしていたのだった。
鳴り響く電話に飛びつくアキ。
寝ていた夏ばっぱも起き出す。
アキは夏ばっぱのような海女になる。
そしてアキは春子のなりたかったアイドルに・・・。
「なにしてたのよ」
「おら・・・もう眠い」
「じゃ、このどぐされ外道が・・・わざわざ電話をとらなくてもいいわよ・・・バ~カ、とっとと寝なさい」
スナック梨明日では春子の恐ろしい正体に呪縛されていた一同が気を取り戻した。
「そうだ・・・このままじゃ逃げられる」
「封鎖だ・・・国道45号線を封鎖して・・・コンビニ、ファミレス、ラブホテルに緊急配備だ」
天野家には足立夫妻が訪れていた。
「ウチのアキは来ていませんか」
「来ていません」
思わず正座して家電では打てないメールを打ちまくるアキ。
「オッテカカッタ・・・ハヤクニゲテ」
漸く海女カフェに蛇口さんが到着する。
「どうしたの・・・大丈夫」
口元の血を拭う蛇口さん。
「ちょっと・・・いろいろあってね・・・とにかく・・・行こうか」
突然、鳴り響くサイレンの音。
緊急連絡用のスピーカーからのアナウンス。
「国道45号線封鎖完了」
「なにこれ・・・」
「誰か来る・・・」
「海女カフェに人気があるぞ」
なだれ込んでくる関係者一同。
ステージに追い詰められた未成年略取の容疑者・蛇口さんと・・・誘拐されたヒロインだった。
「泥だらけの純情かよ・・・」
主人公のアキは・・・ただ・・・茫然と立ちすくむのだった。
そして・・・今週も長い日曜日がやってくるのだ。
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