天空のモールス信号系交信器起動中・・・スターマン応答せよ(有村架純)
電信器による発信で・・・トン(短点)・ツー(長点)の二種類の長さで特定の文字を示すのがモールス信号である。
トントントンツーツーツートントントンでSOSになる。
これを受信してサンダーバードは出動するのだ。
いわゆるひとつの救難信号である。
無線電話の場合は「メーデー、メーデー」ということになる。
今は、電信的な救難信号がかなり廃れていることは言うまでもない。
携帯電話で「助けて~」と言った方が早いからである。
いかにも「モールス信号」的装置で・・・あいうえお五十音対応表的に宇宙人と交信するという発想はもちろん荒唐無稽なのであるが・・・宇宙人の超文明的、超解読力によればあながち交信は不可能ではないと思われる。
とにかく・・・通信販売で購入した「商品」で一人部屋で美少女が宇宙人との交信を試みるというのはそれだけで超がばい感じで大爆笑なのであるが・・・さらに宇宙人がそれに反応しちゃうとなると超々がばい感じである。
で、『スターマン・この星の恋・第4回』(フジテレビ20130730PM10~)脚本・岡田惠和、演出・堤幸彦を見た。やはり・・・このドラマの中では最後に富士山が噴火しそうな気がしてならない。さて、脚本家的には・・・「泣くな、はらちゃん」からここである。「はらちゃん」は荒唐無稽を極めた傑作であるが、「ちゅらさん」や「おひさま」も書く作家なのでそこには落差が生じている。ある意味では「おひさま」「最後から二番目の恋」でたまりにたまった鬱屈が噴火したのが「はらちゃん」だったと言えるのではないか。そういう意味で「スターマン」は「はらちゃん」寄りでありながら・・・どこか「日常」への回帰みたいなニュアンスが漂っている。漫画から「彼氏」が飛び出してくるより、拾った異星人を「パパ」にしてしまうことの方が現実的だからである。そういう意味で物足りない感じもするが・・・「はらちゃん」ばかり書いているわけにもいかないもんな。バカだと思われちゃうかもしれないもんなあ。そんなことを妄想する今日この頃である。
そういうわけで妙に現実的に離婚による不倫関係の解消などが行われる今回なのだった。
失踪中の夫・光一(安田顕)が現れて戸惑う佐和子(広末涼子)だった。
星男(福士蒼汰)との関係は法律的には不倫になるし、恐ろしいことに光一に対して未練がないわけではないのである。
そうした佐和子の心理を見抜いたように佐和子にもたれかかってくるダメ男・光一だった。
すでに・・・子供たちに会ってきたという光一に対し・・・星男を「スナックスター」のママで親友の節(小池栄子)に預けると光一を連れて帰宅する佐和子だった。
超人的なパワーを発揮した星男の正体よりは・・・家庭の事情を優先させる人々だった。
林業関係者だったらしい富山(村松利史)たちも星男の就業を期待するばかりなのである。
残された星男に問いかける節。
「ねえ・・・どうする・・・なんだったら・・・私のところに・・・」
「俺は・・・佐和がいい・・・」
「そっかあ・・・じゃあ・・・いっといで・・・佐和を守ってあげな」
「はい」
高速移動する星男だった。
その頃・・・光一は「嫌な感じ」を子供たちの前で爆発させていた。
父親の記憶のある大(大西流星)や秀(黒田博之)の心は揺れまくるのだった。
なにより・・・光一に未練のある佐和子の心は揺れまくるのであった。
すべてを見抜く超能力者のような祖母の美代(吉行和子)は「子供をダシに使うのはおやめ・・・」と言いながら・・・子供たちを別室に誘導する。
帰宅した星男と新旧夫対決モードに・・・。
佐和子との性生活に言及する光一に佐和子は「前はただのダメ男だったのに・・・嫌なダメ男になった」と精一杯の抵抗をするのだった。
しかし・・・美代は「わざと嫌な感じを装っている」と看破するのだった。
「さすがだねえ・・・美代さん」と観念した光一は離婚届を取り出すのだった。
未練たっぷりの佐和子は動揺するが・・・星男の前なのでなんとか虚勢を維持するのだった。
光一は星男を連れ出す。
「佐和子たちのことをよろしくお願いします」と頼む光一。
外には・・・光一の新しい愛人であるいかにも外国人風な女が待っていたのだった。
「こわい女から逃げてもっとこわい女につかまっちゃった」
光一はそう言い残すと・・・女と夜の闇に消えていくのだった。
そして・・・その夜・・・佐和子は光一と肉体的に結ばれるのだった。
一夜明けて・・・子供たちを起こしに行く星男。
俊(五十嵐陽向)は実の父親に何の思い入れもないために「パパ」と言って星男に抱きつくのだった。離婚歴のある父親がお茶の間から泣きながら飛び出す展開だった。
まだわだかまりの残る大に「パパがいやなら・・・兄ちゃんでもいいぞ」と言う星男。
本当は星男が好きになりかけている大は嫌々を装いながら頷くのだった。
嵐の後の一家団欒に思わず泣き出す佐和子だった。
「幸せすぎて・・・こわいんだ」と言う佐和子。
「大丈夫だ」と安請け合いをする星男だった。
様子を見に来た節はうらやましくて泣きそうになるのだった。
帰り道に偶然出会った常連客の幸平(KENCHI)になびきそうになるが・・・間一髪、正気を取り戻す節である。
だれかいますか
だれかいますか
だれかいますか
だれかいますか
生きていますか
聞こえていますか
送ってみる
あてのない呼びかけを
自宅に引きこもった臼井祥子(有村架純)は怪しい通信販売で購入した宇宙交信器で・・・宇宙人たちに呼びかける。
(ム・カ・エ・ニ・キ・テ・ハ・ヤ・ク・ム・カ・エ・ニ・キ・テ・・・・)
何故か・・・誰かに呼びかけられているような気がする星男と重田信三(國村隼)なのだった。
スーパーマーケットやまとで眠たそうな祥子に下世話な関心を向ける佐和子。
なにしろ・・・自分の性生活が充実したので気楽なのである。
「どうしたの・・・眠れないくらいハッスルしちゃった・・・」
「宇宙人と交信してたんです」
絶句する一同の中で信三だけは重大な関心を寄せるのだった。
「宇宙人に・・・なんて・・・」と佐和子は聞いてみた。
「この退屈な町から・・・早く連れ出してって・・・頼んでるんです」
蒼白になる一応交際中の安藤くん(山田裕貴)だった。
「そんな機械・・・どこで手に入れた・・・」という信三。
「通販です・・・」と答える祥子だった。
昼休み・・・携帯で検索してみる信三。
続々とヒットする機種に・・・「こ、こんなに」と驚きを隠せない。
そんな信三を同性愛者と誤解している佐和子は声をかける。
「気持ちはわかりますが・・・彼はあげませんから」
「何を言ってるんだ・・・」
「彼はあなたとは・・・違いますから」
「そんなことはない・・・一緒だ」
「どうして・・・そんなことが分かるんですか」
「わかるさ・・・」
かみ合わない二人の会話だった。
その頃、安藤くんは祥子にすがっていた。
「俺・・・宇宙人にも興味持つようにするから・・・」
「そう・・・ありがとう・・・」
しかし・・・祥子の視線は高く遠い空に向けられている。
何か予感の 不思議な気分
きっときっと 異次元からの
モールス信号
おつかいにきた星男は佐和子の職場に顔を出す。
そこで発作に襲われる星男。
発作が治まるとと・・・心配する佐和子に「お前・・・誰だ・・・」と言い放つ。
別人のように粗暴になった星男は「ここはどこだ・・・お前ら誰だ」と叫ぶ。
生前のタツヤの記憶が一部修復されてしまった模様である。
ひょっとするとタツヤに憑依したのは宇宙生命体ではなく、超文明の有機体修復ナノマシーンなのかもしれない。
混乱した星男は再び発作を起こし気絶する。
倒れそうになる星男を超高速移動で支える信三だった。
唖然とする一同の中で・・・祥子だけが瞳をキラリと輝かせるのだった。
そろそろ・・・荒唐無稽の物語にふさわしい奇想天外な展開が欲しいものである。
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