スターマンは待機中~この星の恋を探査しちゃうのかもなのだ(広末涼子)
時々、この星のテレビ局の編成局員はみんなバカなんじゃないかと思う時がある。
(火)がシングル・マザーの話で・・・。
(水)もシングル・マザーの話だったりする時だ。
まあ・・・フジテレビと日本テレビで・・・局が違うので・・・たまたまかもしれないなあ・・・と思うしかないのである。
しかし・・・逆に考えると・・・(火)と(水)でシングル・マザーの共演って・・・これはこれで面白いなあと思うのだった。
とにかく・・・初回を見る限り・・・二人のシングル・マザーは真逆のベクトルを持っている。
同じ・・・日本のシングル・マザーとは思えないほど異質なのだ。
(火)のシングル・マザーはスタッフが豪華である。「泣くな、はらちゃん」の脚本家と「SPEC」の演出家なのだな。
そして、限りなくファンタジーな展開なのである。
まあ・・・とにかく・・・2013年の夏はシングル・マザーの夏らしい。
で、『スターマン・この星の恋・第1回』(フジテレビ20130709PM10~)脚本・岡田惠和、演出。堤幸彦を見た。ちなみに2013年の冬ドラマには「シェアハウスの恋人」というドラマがあって・・・宇宙人と地球人が恋をする話である。脚本が男女合作という変則であったこともあり・・・非常に微妙な出来だったわけだが・・・今回は少なくとも・・・そういう種類の微妙さは解消されている。なにより・・・宇宙からやってきた何かが・・・地球の男の身体・・・しかも自殺体を使用していることは最初から明示されているのである。早い話がペムラーを追いかけて来たウルトラマンが事故死させてしまったハヤタ隊員に憑依するのと同じ展開である。この「最初」の部分を曖昧にしておくと・・・もったいぶった展開になるに決まっているんだもん。隠したままの謎が実にたいしたことないとその幻滅感は半端ないんです。
富士山の見える河口湖畔に一人の男(福士蒼汰)がやってくる。
彼は着信している携帯電話を無造作にゴミ箱に捨ててしまう。
全身から荒廃した雰囲気を漂わせ・・・彼は水辺に浮かぶボートで薬物による自殺を図るのだった。
その時・・・河口湖上空では2013年2月15日のロシア連邦チェリャビンスク付近に落下した隕石の空中爆発のような光景が目撃される。
帰宅途中の・・・宇野佐和子(広末涼子)は「ロシア・・・」と呟いた後であわてて「いい男と出会いますように」と流れ星に願いをかけるのだった。
同時刻・・・佐和子と同じスーパーマーケットで働く・・・安藤くん(山田裕貴)と臼井祥子(有村架純)のカップルも巨大な火球の落下に目を奪われる。
そして・・・惣菜売り場で40年働いている重田信三(國村隼)も目撃者となるが・・・彼だけは驚きの中に奇妙な確信を滲ませるのだった。どうやら・・・彼は・・・何かを知っている男らしいのである。
そして・・・光の矢は・・・彼の遺体に向かって一直線に落ちていったのだった。
佐和子はシングル・マザーである。
三人の子供たちの父親はどこかへ・・・逃げたらしい。
小学五年生の大(大西流星)は「男は顔じゃない」というのが口癖の長男。
小学三年生の秀(黒田博之)は大に子分扱いされている不遇な次男である。
保育園に通う三男の俊(五十嵐陽向)は可愛い盛りである。二人の兄とは違い・・・父親の顔を覚えていないのがまた不憫なのであった。
佐和子は幼くして両親を失くして祖母の柏原美代(吉行和子)に育てられた女だったが・・・底抜けの楽天家で・・・夫に捨てられてもたくましく三人の子を育てている。
近所のスナック「スター」のママのセツこと須多節(小池栄子)とは幼馴染の親友で・・・二人の合言葉は「顔の良い男と巡り合いたい」なのだった。
火の玉が川口湖畔に落下した翌日・・・佐和子は危うく人身事故を起こしそうになる。
気を失った男のハンサムぶりに魅かれ・・・思わず自宅に持ち帰る佐和子。
祖母の美代に想いを寄せる町医者の溝上先生(モト冬樹)が往診にやってきて、男が身体的には異常がないが・・・どうやら記憶喪失らしいと適当な診断を下すのだった。
「記憶は戻らないんですか・・・」
「戻る場合もあるし・・・戻らない場合もある」
事態を把握した佐和子はあろうことか・・・「じゃあ・・・この子たちの父親っていうことにしちゃおうか」と決意するのだった。
長男の大は難しい年頃なので・・・「本物の父親はいるじゃないか」と反抗するのだが・・・「だってここにいないじゃない・・・」と断定する佐和子。
「私はいい考えだと思うね」と・・・佐和子を育て上げた肝っ玉婆ちゃんである美代も賛同。
「溝上先生なら・・・私の言いなりになってくれるよ」と嘯く。
駆けつけた親友のセツも賛成し・・・「とにかくしっかりと裏口をあわせないとね」と言い出す。
大は「口裏でしょう」と恐ろしい女たちに無駄な抵抗を試みるのだった。
しかし・・・佐和子に「お父さんが欲しいの欲しくないの」と睨まれると「欲しい」と答えるしかない無力な大だった。
こうして・・・記憶喪失の男は・・・三人の子供の母親である佐和子に一目ぼれして血のつながらない子供たちの父親となったが・・・運悪く、記憶障害になってしまった・・・(美代の作り話)・・・存在にでっちあげられたのだった。
名物鴨居下通過頭上注意あって・・・。
男が星を眺めていることに気がついた佐和子は・・・さっそく彼を「星男」と命名する。
その夜から・・・早速、三男の俊は星男の布団にもぐりこみ・・・父親の味を堪能する。
自分が誰かを思いだせない星男だが・・・日本語は不自由なく話すことができ・・・徐々に佐和子や美代、そして子供たちと打ち解けていく。
美代は・・・佐和子に囁く。
「星男くんは・・・自殺しようとしてたんじゃないかしら・・・」
「なんで・・・」
「だって・・・身元を示すものを何一つ持ってないって・・・そういうことじゃないの」
「すごい・・・おばあちゃん・・・名探偵みたい」
「日真名氏飛び出す(昭和30年代の素人探偵ものドラマ)なのよ」
「自殺か・・・もったいないなあ」
少しアホな・・・佐和子だった。
やがて・・・俊と入浴を共にするようになる星男。
佐和子は彼のために男ものの衣料を買いだす。
それを目撃したスーパーの主任・前川浩介(石井正則)によって冷やかされたりする。
「あなたは・・・私にぞっこんだったのよ・・・」と言われ・・・そうなのかもしれないと思い始める星男。
流れるのは「スターマン/ジギー・スターダスト(David Bowie)」のメロディー。
世界は暗闇の中
時間も曖昧になり
さよならを呟こうとすると
メッセージが届いたのさ
スターマンが待っている
空の上でみんなに会いたがってるって
とにかく誰かに電話しなくちゃいけないって
君の番号を呼びだしたのさ
長男の大だけは・・・納得がいかず・・・「もしも悪い奴だったら・・・どうするつもりなんだ」と心でつぶやくのだった。
そんなある日・・・子供たちの野球の試合を応援に出かけた佐和子と星男。
ちょっと目を話した隙にグラウンドに飛び出した俊。
ライナー性の打球が俊に襲いかかる。
あわや、大惨事と誰もが思った瞬間・・・星男は人間離れした跳躍力とスピードで俊を危機から救うのだった。
思わず・・・感謝する一同。
弟のピンチを救われて・・・大も口を閉ざすしかなかったのだ・・・。
こうして・・・正体不明の何者かと佐和子の奇妙な夫婦生活が始ったのだった。
その頃・・・なんとなく・・・あらゆるものにあきたらなくなった臼井祥子は・・・好奇心にかられて・・・河口湖畔にやってくる。
そこで・・・祥子が見たものは・・・控えめな演出にこらえきれずに最終回の予告篇までダイジェストでお届けする奇をてらいすぎる性癖だったのだ。
そのために・・・どうやら・・・生前の星男の恋人は木南晴夏だということが確認できたのだった。
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コメント
「スナックつながりだとか仮面ライダースナックだとか そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいトントン拍子に出世して、いまズブン国のズブン王…の片鱗を味わったぜ…」
投稿: 幻灯機 | 2013年7月16日 (火) 21時01分
ダブルダッチ部の高校生から仮面ライダーフォーゼとなり、あまちゃんの初恋の人となり・・・今、ここ。
20歳になったばかりの福士蒼汰は・・・このドラマの番組宣伝で漸くお茶の間に認知されるようになったということですな。
しかし、初回視聴率は10.5%で
世間の風というものの不思議さを
感じたかもしれません。
まあ、この題材で
視聴率がとれるほど世の中甘くないわけですな。
しかし・・・名作になることは
ある程度保証されているところが
また妙です。
はたして・・・どんなアクターになっていくのか・・・。
楽しみでございます。
投稿: キッド | 2013年7月17日 (水) 02時38分