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2013年7月22日 (月)

撃つべし!撃つべし!撃つべし!撃つべし!撃つべし!撃つべし!撃つべし!でごぜえやす(綾瀬はるか)

山本覚馬が妹の川崎八重に送ったスペンサー銃は七連発のレバーアクションライフルである。

カートリッジ式の弾倉であるために・・・予備弾倉を所持すれば、さらに連発が可能だった。

優れた射撃能力を持つものが射手となれば近距離射撃戦で恐ろしい威力を発揮したはずである。

一人で七人の敵を数秒で倒すことも可能だからである。

もちろん・・・平和な日本では単なる乱射殺人のイメージを喚起するだけかもしれない。

しかし・・・そういうことも恐れず描写するのが芸術表現というものだろう。

西郷隆盛はこの年の書簡の中で前年の鳥羽伏見の戦争について触れ、「弟の信吾(西郷従道)は敵陣深く進み、耳の下あたりから首にかけて射ぬかれましたが大した傷ではなく、次の戦にはまた出ると言っており、大山弥助(隆盛の父の弟の子・大山巌)は耳を撃たれましたが休むことなく連戦しています。この二人には負傷しないようなら追い返すと申しつけておりました。二人とも充分に戦って負傷したので誠に悦ばしい事だと思います」と認めている。

そういう男たちが咎められることもなく褒めそやされて生きていた時代なのである。

で、『八重の桜・第29回』(NHK総合20130721PM7~)作・山本むつみ、演出・末永創を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は会津戦争を勝利に導いた東山道先鋒総督府参謀の板垣退助、砲術家として野砲を改造して弥助砲を完成し新政府軍の勝利に貢献した大山弥助、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び敗軍の将となり明治二年六月には側室が待望の長男出産をする松平容保、そして男装して会津鶴ヶ城を死守した川崎八重(落城篇)の四大イラスト描き下ろしで感涙でございます。引き続き明治維新後もあくまでマイペースでお願い申しあげます。

Yaeden029 明治元年(1868年)九月十七日、新政府軍は越後口、藤原(日光)口から到着した援軍を加え、鶴ヶ城包囲を完成すると総攻撃を開始した。東西から砲撃する新政府軍の前に兵糧・弾薬の尽きた会津藩士は成す術もなく沈黙した。狂乱した一部藩士は散発的に突出し、一ノ堰の戦闘で八重の父・山本権八は討ち死に。佐川官兵衛は城外で徹底抗戦を叫ぶが前藩主・松平容保は降伏・開城の意志を固める。会津藩士ではない旧幕府残党は城外山中に潜み抵抗を続けるが、その中には元新撰組隊士・斉藤一こと一瀬伝八の姿もあったと言われる。主君の密命を帯びた秋月悌次郎は新政府軍の陣営に降参の意志を伝える。九月二十二日に開城となる。その日の大町口郭門の戦闘で日向ユキの父日向左衛門は自刃する。その夜、八重は城壁に「明日よりはいづこの誰か眺むらんなれし大城に残す月影」と落書きする。自城に落書きするなどもはや自暴自棄の心情であろう。二十三日、松平容保は敵陣に出頭し、会津征討総督参謀の長州藩士・山縣狂介(有朋)と大総督府軍監の薩摩藩士・中村半次郎(桐野利秋)に面会して降伏文書に調印をする。半次郎はこの日男泣きをして降伏した会津藩士を手厚く遇したという。謹慎した松平容保は後に宝刀を贈り占領軍の温情に対する謝意を示したと言う。二十四日、藩士たちは猪苗代城跡の謹慎所に移る。この中に川崎尚之助も含まれていた。八重たち女子供は校外の村々に分散し賊軍の家族として避難所生活を始めるのだった。二十六日、会津藩の降伏を受けて列藩同盟最後の一藩となった庄内藩も恭順の意を示す。庄内藩は戦わずして負けたのである。そのために庄内藩は戦場にならなかった。

松平容保による焦土化作戦により・・・会津城下は焼け野原となっていた。

開城に先立ち、城内では書類の焼却や武器の処理が行われた。

しかし、新政府軍が武装の納入を求めたために・・・廃棄処分は見送られた。

八重の率いるくのいち部隊は鉄砲や弾薬などを地下通路を通じて城下の地下倉庫に移送していた。

森の石松は皮肉を交えて言う。

「へへへ・・・運び込んだものをまた運びだすんじゃ・・・世話ないねえ」

「・・・」

八重は無言で機嫌の悪さを示していた。

「清水の親分様には・・・感謝の意を申し伝えてくださりませ」

八重に代わって佐久が旅の食糧として石松に握り飯を渡しながら言う。

戦死した権八は婿であり、山本忍びの血脈は佐久を通じて八重たちに伝わっているのである。

「これから・・・御一家はどうなさるのでごさんしょう」

「さあ・・・幕府も敗れ・・・会津も敗れ・・・この先どうなるかなんて・・・このご時勢じゃ誰にもわからねえんじゃ・・・でがしょう」

「へ・・・そりゃ・・・そうですねえ」

「道中、お気をつけていかれなんしょ」

「へい・・・皆さんもどうか・・・ご無事で・・・」

石松は去って行った。

小田山付近の避難所に身を落ちつけた山本家の女たちは冬に備えねばならなかった。

八重は隠匿した鉄砲を改良して何丁かの猟銃を仕上げている。

そして・・・若い娘たちを仕込むために山に入るのだった。

その中には山川家の幼い娘・咲もいた。

「本当の深山に入るのはまだ無理だが・・・裏山にならあんたらでも行ける・・・そこで食い物を手に入れなければこの冬は越せねえと思え」

娘たちは神妙に八重の話に耳を傾けていた。

「山には木の実もあれば野草や芋、木の子もある・・・それらの見分けが肝心だ」

咲は言う。

「ウサギやタヌキを撃つのだか」

「それはまだだ・・・罠を仕掛けて捕まえる方法さ・・・教えるべ」

娘たちはクスクス笑う。

八重も・・・幼少の頃、山に入って・・・父と熊を撃った。

その日々はもう帰らないのだった。

新しい時代がやってこようとしている。

(はたして・・・それはくのいちが生きられる時代なのか・・・)

八重は生まれてはじめて不安を感じたのだった。

関連するキッドのブログ→第28話のレビュー

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コメント

スペンサー銃は初日で全部撃ち尽くして
以降はゲベール銃とかが使われていたとか
大河ドラマストーリー本で掲載されてましたが
八重の凄さを見せるためにはそんなのお構いなし

ま、ドラマですから

という理由でここまで出来るのでしょうな


「敵兵発見!射殺!」

とためらいなく相手の心の臓を撃ち抜く八重

恐るべしですなぁ


丹下段平も真っ青でございますな


まぁどんな精神論を並べても
食がなければ人としての理性は保てない

冬がきても
その冬を越せるだけの食料がなかった

といったところでしょうな


まぁこの辺は太平の世が長すぎて
戦う事に集中するあまり

食料ならびに補給路の確保とか
弾薬の確保とか

キチンと対応できる方もいなかった
ということでしょうな

こういうときはふと蕭何さんが浮かんでくるんですがね ̄∇ ̄


ともあれこれで合戦は終わりました

此処から先はどうなってしまうのか

次回からは第二部といったところでしょうかね

どんな洋装の八重が楽しみでごぜぇます ̄∇ ̄

投稿: ikasama4 | 2013年7月24日 (水) 01時30分

pencil✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥pencil

八重の存在そのものが
どこかファンタスティックなので
作り手もちょっと調子に乗るのでしょうな。

いつもなら・・・正史としてのドラマに対して
くのいち妄想をくりひろげるばかりなのですが
今回は・・・
本編が明らかにくのいち化しているので
やや困惑しておりますぞ~。

幕末の鉄砲忍びに関しては
またぎとは
無縁ではありません。
狩猟は基本的にゲリラ戦の要素を
含んでいますからねえ。
剣術の合理的指導とは別に
獣性を身につけなければならないわけです。

なにしろ、射撃にはみねうちがありませんからねえ。

そもそも・・・仏教徒である
武士たちは・・・
殺生戒で縛られている。
殺人はおろか屠殺も極楽往生を
妨げるものとして忌避する時代です。

歩兵として従軍することは
地獄行きを意味するわけです。

富国強兵と
廃仏毀釈がセットになっていることは
単なる神道国家建設だけではなく
兵隊にどのように
人を殺させるかという
思考があったのではないかと推察します。

一部の人々がクリスチャンになっていくのも
これと無縁ではない。

殺人も悔い改めれば許される・・・
そういう流れがありますからな。

補給の確保においては
新政府軍の方が一枚も二枚も上手でしたな。
何よりも基本的には
現地調達が容易だったことがあります。

幕府の崩壊は・・・年貢をおさめる対象が
なくなったことを示すのであり
維新における年貢の免除という餌がありました。
同時に新政府に協力を示すために
各藩も商人たちも先を争って
資材を提供せざるを得ない状況だったわけです。

そして何よりも長州も薩摩も土佐も・・・海運力という必殺技を持っていたわけです。
とにかく・・・会津には勝つ要素が全くなかったと
言わざるを得ないのですな。

劉邦がいなければ蕭何もいない・・・ということでしょうねえ。

なにしろ・・・有能な武士を次々と失い
最後は・・・保身の上手いものだけが残ったわけです。
その人たちが
戦後、やっきになって
会津戦争を美談化していくのですから爆笑なのですな。

さてさて・・・いよいよ・・・
富国強兵の時代・・・文明開化の時代です。
ざんぎり頭の人たちが
どんな歴史を描いていくのか・・・
実に楽しみです。
そして・・・ドラマ版のあくまで美しい八重の
ファッションも楽しみでございます。
どうか・・・マイペースでお願いいたしまする。

投稿: キッド | 2013年7月24日 (水) 03時57分

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