激流~女子中学生失踪事件(刈谷友衣子)
2002年、当時の小泉純一郎総理大臣が訪朝し、金正日総書記が日本人の拉致を一部認める。
2004年、小泉総理の訪朝により、一部の被害者が帰国する。
日本政府が認定した拉致被害者の多くが「死亡した」と北朝鮮は回答し、その中には1977年、拉致された当時、中学生だった横田めぐみさんも含まれていた。
「横田めぐみさん」死亡の証拠は一切なく、日本政府は現在もこれを事実と認定していない。
ドラマの原作小説「激流」は2003年から雑誌に連載され、2005年に単行本として刊行された。
当然、現実の影響下に「中学生失踪」というフィクションの発想が置かれていると考えるのが普通である。
そういう意味では・・・微妙な出来であることは間違いない。
もちろん・・・原作中での事件は北朝鮮による拉致とは特に関係はないと妄想できる。
で、『ドラマ10 激流〜私を憶えていますか?〜・第1~2回』(NHK総合20130625PM10~)原作・柴田よしき、脚本・吉田紀子、演出・佐々木章光を見た。原作では墨田区の中学校だったがドラマではどこぞの田舎の中学校となっている通り、かなりの設定変更があるが例によって妄想はドラマに沿っています。原作の時系列は20年前が1980年代になるわけだが、ドラマでは1990年代になっており、様々な違和感を齎すことは言うまでもない。
20年前の修学旅行で・・・京都を訪れたとある中学校の生徒たち。
班別の自由行動で路線バスに乗った圭子(森高愛→田中麗奈)、サバこと鯖島(宮近海斗→山本耕史)、貴子(広瀬すず→国仲涼子)、耕司(六車勇登→桐谷健太)、美弥(南乃彩希→ともさかりえ)、長門悠樹(石橋樹)、小野寺冬葉(刈谷友衣子)の七人。
しかし、いつの間にか冬葉はバスから降車し、それきり、行方不明になってしまっていた。
当時は大問題となり、残された六人のいじめなども疑われ、担任教師の旭村(武田真治)は転任、冬葉の両親は離婚し、小野寺家には母親の裕子(田中美佐子)が冬葉の部屋を当時のままに残してひっそりと暮らしている。
中学卒業後、六人はバラバラになり、それぞれの人生を歩んでいた。
このうちの五人の現在の姿が描かれるのだが・・・これがかなり・・・特殊な感じになっている。まあ、ある意味、個性ありすぎるのである。田舎の中学の一つの班に才能集まり過ぎなのだな。
圭子は大手出版社の編集者になっており・・・同業の夫(山口馬木也)は女流作家の愛人となって離婚調停中である。
美弥は一世を風靡したミュージシャンで小説家でもあり、麻薬取締法違反の前科一犯で若い愛人と自堕落な生活を送っている。
貴子は娘(小林星蘭)を有名私立小学校に通わせるために主婦売春組織で高級コールガールとなっている。
ちなみに行方不明の冬葉はフルートの名手で美少女設定である。
まあ・・・かなり・・・なんじゃこりゃ・・・感はありますな。
サバはその後、東大に進み、銀行員となり、妻子持ちとなったが・・・年下の女・桑野留美との性的関係によって破綻し、離婚して、左遷されているダメ人間である。
サバとは鉄道おタクとして親友だった耕司は警視庁の捜査一課の刑事となっている。
どんな田舎の中学校なんだよ。
ちなみに・・・悠樹は卒業後、消息不明らしい。
残り五人もほとんど・・・交流はなかったのだが・・・20年後のある日・・・圭子とサバが下りの新幹線の車中で偶然、隣り合わせた時・・・「私を覚えていますか・・・冬葉」という謎めいたメールが送られてくるのだった。
同様のメールが美弥と貴子にも送られてきて・・・五人は一同に会することになる。
一方で耕司は・・・「代沢三丁目主婦殺人事件」の捜査中であり、実は重要参考人の一人で被害者の不倫相手である榎一之(金子昇)は失踪中。榎と美弥に事件がらみで交友があったことから・・・密かに美弥をマーク中なのである。
そして・・・榎は消息不明の悠樹とも交流があったらしい。
同じ班の四人の女子が・・・一人失踪、一人麻薬常習犯、一人売春婦である。
そして・・・圭子もまた何者かの陰謀によって仕事上の失策をし・・・左遷に追い込まれるのだった。
まあ・・・ミステリアスな出来事・・・多すぎなのである。
今の処・・・まともなのは・・・刑事の耕司だけだが・・・耕司もまた・・・美弥を横恋慕しつつ・・・犯罪関係者と目して接近中なのである。
なんだろう・・・この・・・表面的には高いポジションにいる人間をおとしめまくる流れは・・・。
美弥の弟に高橋一生まで配置して・・・もうなにがなにやら感ハンパないのだった。
はたして・・・冬葉が生存しているのかどうかも不明なまま・・・美弥の元には「なぜ捜してくれないの・・・冬葉」という第ニのメールが送られてくるのである。
佐津川愛美に押し倒される山本耕史。
カンニング竹山に囲われる国仲涼子。
曇りガラス越しだが竹山・国仲のフルヌードである。一同爆笑の衝撃ポイントでした。
そして、狂ったようにアルルの女の伴奏曲をピアノで引きまくる謎の女(賀来千香子)・・・。
大村彩子が出ているのだが・・・入来香苗役って・・・圭子の職場仲間か・・・。
圭子の夫の指図で珠洲京谷(高畑淳子)の原稿・・・細工したのか。
もう少しアップをくれよ。
圭子も文芸を愛しているとはとても思えないキャラクターなんだよなあ。
とにかく・・・時間が止まったままの女子中学生・冬葉と・・・ろくでもない大人になった圭子たちとがどのように交錯して行くのかが勝負となるわけだが・・・イメージ映像の冬葉が・・・なんだか90年代の美少女AVのオープニングに見えてしょうがないのはキッドだけですか?
生徒役の一つの重要な作品として2010年の映画「告白」と2011年のドラマ「鈴木先生」がある。
「告白」には今をときめく能年玲奈と橋本愛が。そして三吉彩花が。
「鈴木先生」には土屋太鳳、未来穂香、松岡茉優、小野花梨が。
刈谷友衣子はどちらにも絡んでいます。
次回は圭子がサバに猛アタック・・・なんだろう・・・何かを微妙に思い出す・・・「悪魔のKISS」かな。
関連するキッドのブログ→さよならコーチ
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コメント
じいやさま、こんにちは!
本当に社会的にも(犯罪的にも?)水準以上の五人でした。
これが高校の同級生だったら、そういう高校ってなことで
納得ですけどね。
それにしてもさすがじいやさまだわ。
「拉致」の場合も候補に入りますね・・。
もし、冒頭のような結果に向かっていくとしたら
政治的にも大きな事件になってしまうような気がします。
このドラマでまとめきれるのでしょうか。
とりあえず、国仲さんに同情したり
山本さんのあまり似合わない女性問題など困惑しながら見ています。
ピアノの先生がアルルの女を弾くのも冬葉と重なり
ちょっと謎をかけてますよね。
>刈谷友衣子はどちらにも絡んでいます
かわいいです!
告白も鈴木先生もどちらも見てましたがタオちゃんだけが
記憶にあります。
だけど顔がはっきりしません。
その点、刈谷さんはアップが多いのでお得ですね。
上昇気流に乗るといいですね。
なんとなくシェーキーズの食べ放題に憧れが募り、
フルーツピザが食べたいの。
じいやちゃま、赤ワインとご一緒にどうぞ♪
投稿: エリ | 2013年7月 3日 (水) 18時34分
なるほど、お忍びで40周年の店舗視察でございますな・・・。
かしこまりました。
それ、皆の者、店舗貸切、警備献策、お嬢様専用スタッフ配置。
メニューをそれなりにグレードアップ~。
けして、お嬢様に悟られぬように完全シークレット体制に移行~。
バイキング形式なので常にお嬢様のとりたいものをとれるようにフレッシュアップをおこたるな~。
原作者はかなりのジャンルを渡り歩いてますが
基本的にはミステリ分野。
それなりにミステリなのですが・・・
ちよっとサービス過剰なんですな。
それがありえない中学を出現させてしまっているのですが・・・まあ、気持ちはわかりますので~。
まったくありえないと思いますがもしも「拉致」がらみだったら茫然としますな。
冒険にも程がありますからなあ。
基本的には「メール」の送り主と
20年前の失踪事件
そして現在のそれぞれの暮らしが
どのようにリンクするのか・・・
という話でございますよねえ。
謎が多過ぎて
何が謎なんだか・・・判らないと言う
そういうドラマ・・・。
全部がリンクしているとなると・・・
ありえない中学と同様・・・
ありえない世界と化すのですな。
とりあえず・・・
基本は・・・虚栄の都に
なじめない人が
いろいろと物申すドラマのような気がします。
登場する男は基本、ろくでなしだし
女たちもまた・・・ちょっと狂っている感じですからな。
脚本がそれに拍車をかけているのは間違いありませんぞ。
まあ・・・夏のキワモノとしては
かなりの水準に達するのでは・・・と邪推いたしまする。
うらぶれたアパートで押し倒される山本様にはじいめは一同爆笑を禁じ得ませんでした。
少し、演出が安っぽいのが気になりますが
まあ・・・話の展開次第でございましょうねえ。
失踪少女とピアノ女の関係が一つのポイントなのでしょうな。
まあ・・・基本はふしだらな女たちの罪と罰が中心に描かれるような気がしてなりませんぞ~。
この枠、完全にそんな感じですからな~
投稿: キッド | 2013年7月 4日 (木) 00時41分