最後の花火が消えた瞬間、閃く恋(香里奈)のSUMMER NUDE(山下智久)
彼女(戸田恵梨香)と一緒に歩いて行こうと決めた瞬間、元カノ(長澤まさみ)が帰って来ちゃって、もう一人の彼女は片思い炸裂!
まさに・・・もててもてて困っちゃう山Pなのである。
とりあえず、男子は全員、山Pになりきることが大切である。
妄想上は誰でも山Pになれるのだ~。
一方、女子は選択が難しい。
基本は登場する全員になりきることだが・・・かなりの妄想力が要求される。
ここはギャンブルで・・・誰かを一点買いするか・・・あるいはレースの展開によって馬を乗り換えるか・・・そういう自分にあった妄想が必要な方もいるだろう。
今週までは波奈江で・・・来週は一瞬、香澄で・・・後半、一挙に夏希というのが手堅い所だな。
しかし、あくまで波奈江で貫いて散るのも華・・・というやまとなでしこスタイルを貫くのも女の道かもしれない。
♪みさき ふるさと こいのまち 夏はいつでも五割増し 恋の年貢の納め時~でございます。
で、『SUMMER NUDE・第5回』(フジテレビ20130805PM9~)脚本・金子茂樹、演出・金井紘を見た。生まれてはじめて月9を見るような、夢見る頃の人々はさておき、夢見る頃は過ぎちゃったけどさ・・・と言う人はそれなりに感慨深い展開だったよなあ・・・。まずは波奈江(戸田恵梨香)のパパ・谷山和泉(渡辺哲)の登場である。「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)の安藤テツことキングのパパである。13年の時を経て・・・彼女のパパとして復活してきたのだった。「波奈江のおじさん」ならともかく、「彼女のパパ」としてはいろいろと恐ろしい感じがいいのだな。一方、波奈江と朝日(山下智久)だと・・・やはり「野ブタ。をプロデュース」(2005年)が思い出される。マドンナのまり子と・・・だっちゃが口癖のまり子の擬装彼氏の親友の彰・・・高校二年生だった二人が今や、先輩と後輩となり・・・交際寸前まで来たのである。「コード・ブルー」(2008年)ではライバルの域を出ることがなかったのにである。今回はいいところにまで来ているのだな。しかし・・・最後の最後で「ドラゴン桜」「プロポーズ大作戦」でお相手として実績を積み重ねている香澄(長澤まさみ)登場なのである。ああ・・・勝利の女神は逃げていくのか・・・。最近は疎遠だが・・・「野ブタ」「クロサギ」で恋のお相手としておなじみの堀北真希とならぶ強敵なんだなあ。一方で映画「あしたのジョー」で再会し、遡れば「カバチタレ!」(2001年)、「ロング・ラブレター~漂流教室~」(2002年)と昔馴染みの夏希(香里奈)が虎視眈々と機会を待っているのである。「カバチ」では結婚まで決めている二人なのだ~。ある意味、前世で約束している二人・・・長澤まさみと・・・香里奈に挟まれて・・・戸田恵梨香の修羅の道は続くのである・・・何の話なんだよ・・・。
しかし・・・ともかく・・・。夏の夜・・・。香澄のことは忘れると言った朝日に抱かれて蝶になった波奈江だった。しかし、チューはまだらしい。
にんまりニヤニヤだが・・・「それで彼の家に行くとか、自分ちに連れ込むとか、ホテルにしけこむとかしたわけ~?」と助っ人外国人的トモダチの夏希に問われて・・・少し、困惑する波奈江だった。高校以来・・・ずっと片思いで・・・基本的にヴァージンの波奈江にはハードル高すぎる話題なのであった。
しかし・・・彼女で同棲中だった香澄や・・・婚約者のいた夏希と違って・・・ヴァージンというのはそれなりに有効な武器なのである。だが・・・波奈江はまだその有効な使い方を知らないのである。もっとも・・・有効な使い方を知る頃にはたいていの女子はヴァージンではなくなっています。・・・やったやらないの話はそこまでだっ。
躊躇する波奈江にたたみこむ夏希。
「少しは・・・ヒカルくんを見習いなさいよ」
「ヒカル?」
「帰国子女のあの子と付き合い出したらしいよ」
「え」
自分に告白して玉砕したばかりなのに・・・展開早すぎるだろうと波奈江は思うのだった。
しかし、眼鏡をかけて文庫本を読む男ヒカル(窪田正孝)は・・・確かにモデル志望の帰国子女・あおい(山本美月)は親密な交際しているのだった。
カフェ&バー「港区」の店長・賢二(高橋克典)も驚きの展開だった。
「恋をするのなんか十秒あれば充分でしょ」
「・・・さすがは帰国子女」
「なんか・・・好きな彼女がいたみたいだけど相手のことなんかどうでもいいし」
「・・・さすがは帰国子女」
「カモン、ベイビーよ」
「・・・さすがは帰国子女」
店長の心の帰国子女のイメージって・・・。かなり、問題あるレベルだよね。
ヒカルは小南写真館に履歴書のための写真撮影にやって来た。
「就職するんだ」
「・・・」
「そんな仏頂面で面接受けたら落ちるよ」
「なんとかしてくださいよ」
「昨日、深夜の天魔さんがゆくで川口春奈がじぇじぇっと言ってた」
「幽霊を見てじぇじぇじぇ~って叫んでましたね」
「その後いっそんだからニヤニヤするよね」
「ニヤニヤしますよね~」
「・・・いい顔だ」
「ニヤニヤで就職試験の面接、合格しますかね」
「そりゃ・・・微妙だよな」
「波奈江のこと・・・なんとかしてくれるんでしょうね」
「・・・するよ・・・まだしてないけどね」
「じぇっ」
「・・・いい顔だ」
「ちょっと嫌な感じの驚きの表情で就職できますか」
「ちょっと無理かな」
「波奈江のこと・・・泣かせないでくださいよ」
「・・・いい顔だ」
「真剣さが伝わりましたか」
「うん・・・合格できるかもな」
「波奈江のことは・・・」
「するってばさ」
複雑な気持ちになるヒカルだった。
海の家「レストラン青山」では水着姿の女の子たちに混じって下品な親父がクダまいていた。
「地まわりの方ですか」
「誰がヤクザじゃ・・・」
「いや・・・やはり、笹川の繁蔵とか・・・飯岡の助五郎とかの流れで」
「誰が天保水滸伝じゃ・・・」
「なんなんですか・・・ショバ代請求ですか」
「あんた・・・この土地の人間じゃないな・・・勢津子はどうしたっ・・・」
「・・・」
「あんたの作った冷やし中華・・・イタリアンな感じがする」
「・・・」
「おしゃれすぎんだよっ」
「どうしたの・・・」と顔を出す朝日。
「ヤクザが来て、因縁つけて・・・ステテコ脱ごうとするのよ」
「あ・・・あれ・・・波奈江の・・・お父さんだ」
「じぇじぇっ」
流れで朝日と夏希は酔い潰れた和泉を「港区」に運び込むのだった。
波奈江のお迎え待ちである。
心に葛藤をかかえながら・・・朝日にからむ・・・夏希。
「波奈江にちゃんと交際申し込みなさいよ」
「今さらな感じがしてね・・・もうすぐ花火大会だし」
「花火大会関係ねえだろが」
「・・・いや・・・」と口を挟む賢二。「この街では花火大会に告白すると幸せになれるって伝説があってね」
「なんだ・・・それ・・・どんなエロゲだよ」
「せめて恋愛シミュレーシヲンでおねがいします」
「じゃ・・・花火の日にするんだな」
「しっ・・・」と和泉を伺う朝日だった。
突然・・・起きあがる和泉。
「おい・・・朝日・・・」
「はいっ」
「あの看板・・・本当に外していいのか」
「お願いします」
そこへ・・・和泉を迎えに来る波奈江。
「私のテリトリーに侵入すんな」と父親を叱りながら回収するのだった。
「・・・で、どうなのよ」と話を蒸し返す夏希。
「そっちこそ・・・そろそろ・・・新しい恋を捜してもいいんじゃないの」
「あたしは・・・まだ・・・あんたみたいに三年も引きずる気はないけどね」
「じぇじぇっ」
「とにかく・・・あんたにだけはいわれたくないね」
それは・・・同じ終った恋を引きずるタイプだからか・・・それとも・・・もう好きになっちゃってるからか。もちろん、月9である以上、後者です。
ストレートで50点狙えるほど確実だと思われ・・・。
読み捨てられたページのようにめくりとられて撤去される大看板の香澄だった。
「こんどのミスみさきコンテストの優勝者で・・・新しい看板を作ってくれ」と和泉は朝日に命ずるのだった。
看板を見上げる和泉。
その後ろ姿を見つめる肩を並べた朝日と波奈江。
その背後で通りかかった夏希は複雑な感情を抱くのだった。
おっと・・・ミスコンスルーで優勝者はあおいである。
しかし・・・さすがにあおいはそれなりに存在感を示すのだった。
まあ、そういう意図のキャスティングだからな。っていうか・・・あおいに慣れたな。お前。
輝く微笑みで朝日の被写体になる潮風ビールの女・あおいなのである。
これは・・・香澄を越えたのではないかっ。
掌返しすぎだろがっ。
朝日の仕事ぶりに軽く嫉妬する館長の小南(斉木しげる)だった。
「なんでだよ」
「いい男に見つめられて女は輝くからですよ」と忌憚のない意見を述べるアルバイトの麻美(中条あやみ)だった。
「ヒカルと付き合ってるんだって」とモデルに声をかける朝日。
「今さら、誘惑してもおそいですよ」
「いいね・・・その勝ち誇った感じ・・・お薦め~って感じ」
「そうでしょう・・・男が追いかけてもよし・・・女が追いかけてもよしの時代ですよ」
「草食男子は肉食女子が食わないと世の中まわらないかもね」
「なのね~由緒正しい食物連鎖なのね~」
「お・・・ペロニカ・・・とりいれたね」
「早いもん勝ちですよ」
「流行り出したら次に・・・か」
「そうなのね~、転石苔生さずなのね~」
「う~ん、ビールが美味しそうだっ」
「おい・・・朝日」とスポンサーの和泉が口を挟む。
「はい・・・」
「今年の家族写真・・・お前に頼むわ」
「え・・・」
「なんでだよっ」と唇をかみしめる館長だった。
波奈江の弟・駿(佐藤勝利)から事情を聴取する朝日。
「ああ・・・あれなんすよ・・・親父とおふくろ・・・喧嘩中なんす・・・なんか・・・親父がイルカみたっていって・・・おふくろがそんなのいるかっていって・・・信じないのか信じられるかで喧嘩になって・・・お互いに口もきかない状態に突入すっ・・・だから館長じゃなくて・・・朝日さんに頼んだんじゃないっすか・・・朝日さん、おふくろに気に入られてるし・・・」
「なんだ・・・いるかなんて・・・日本中どこにだっているじゃないか」
「そうですよね・・・沖縄から北海道までどこにだっているし、千葉県だって・・・いるか追い込み漁の許可出てるし、取れたら龍田揚げにして食べちゃいますよね」
「その話・・・シーシェパードとか動物愛護バカとかを刺激するんじゃないか」
「だから・・・あれっすかね・・・みさき市はイルカいない設定なんじゃないすか」
「なるほど」
娘の波奈江と夏希を相手に愚痴る和泉。
「俺は見たんだ・・・イルカを見た」
「錯覚ではなくて」
「みたんだよ・・・まったくよそもんはこれだから・・・」
「・・・」
「あ・・・今の夏希ちゃんのことじゃないよ」
「え」
「うちのママ・・・この街の出身者じゃないのよ・・・嫁いできて二十五年だってのに・・・未だによそ者あつかいなんだよね」
「なんじゃ・・・そりゃ」
朝日は問題を解決するためにイルカの存在を証明する写真を撮りに海にやって来たのだった。
「太平洋岸ならどこにだっているかはいるのにいないって設定だから撮るのは難しいけどいるかが迷い込んできたって設定ならいるかもしれない・・・」と思う朝日だった。
海岸で偶然、その姿を目撃する夏希。
「つまり・・・イルカの写真を撮って・・・奥さんを納得させようってわけ」
「そう・・・」
「でもさ・・・私はあの人、苦手だな・・・いるかなんていたっていなくたってどっちでもいいしさ」
「まあ・・・そうなんだけど・・・二十五年かかさずにとってる家族写真なんで・・・ある意味、今年で途切れさせるわけにはいかないわけ・・・依頼された方としては」
「そういうのって・・・止め時が難しいよね・・・もうなんていうか・・・惰性っていうか」
「ださいっていうか」
「それを言っちゃあ・・・おしまいだろう」
「だよね」
どちらかと言えば律義と惰性は相性がいいので・・・ひきずるタイプの二人は心が通じ合うのだった。
千葉県出身の脚本家だが・・・米田春夫(千葉雄大)と石狩清子(橋本奈々未)のコントには新潟県出身のコミック作家・小林まことの『1・2の三四郎』へのオマージュが窺がわれる。
ストーリーとは無縁のカップルがイチャイチャしているとそれを幼稚園児が輪になって観察しているといった息抜きの挿入である。
ミスコンのスルーに続いて盆踊り大会は「みさき音頭」の作詞家が脱税で逮捕の余波を受けて自粛という展開である。
「今年の盆踊り大会は夢となって消えました・・・清子さん」
「春夫さん・・・私の心から・・・どうしてもあなたが消えません」
「清子さん・・・」
「春夫さん・・・」
海岸で若い二人が盆踊りをする物語である。湘南が憎くて憎くて仕方ないのだな。
花火大会用の浴衣を選び終わった波奈江はヒカルと遭遇する。
「彼女ができたんだってね・・・おめでとう」
「・・・ありがとう」
「ま、びっくりしたけどね」
「だから・・・今年の花火大会はつきあえないからね」
「ああ」
「毎年、恒例の告白されなくて泣きました大会にさ」
「縁起でもない・・・今年は大丈夫」
「そうか・・・」
「うん」
唇をかみしめるヒカルだった。
波奈江は夏希に「谷山家の歴史」とも言うべき、恒例の家族写真25年分を見せるのだった。
「さすがに・・・二十五年は長いわ・・・」
「潮風ビールの名前ってママが朝子だからなんだ・・・」
「潮のとこ・・・」
「うん・・・風にのって水辺に朝子がやってきたって・・・」
「さんずいのとこが海か~・・・ロマンチック~って言えばいいの?」
「そういうことにしてよ~」
「朝鮮って書いて、フレッシュモーニングって感じ~」
「鮮やかって・・・魚と羊でもう一つ鮮やかさがないよね~」
「だよね~」
「新鮮って・・・字面的には臭みがあるよね~」
「そうだよね~」
・・・いい加減にしとけよ。
結局、夏希は・・・伝統の家族写真を撮ることに重みを感じている朝日を「いいなあ」と思っているようだ。
「来年は・・・この中にあいつがいるのかもねえ」
「えへへ」
夏希は歪んでいく自分を意識するのだった。
レストラン青山に来て冷やし中華を食べる和泉だった。
「ほら・・・東京だとかだとさ・・・喫茶店が突然、冷やしスパゲッティーとか始めちゃうだろう」
「まあ・・・あるかもしれませんけど」
「そういうのもいいなあ・・・って思う時があるんだよな」
「なんじゃ・・・そりゃ」
「人間、ないものねだりだもの」
「まあ、ちょっと恥ずかしい感じもしますけどね」
「恥ずかしいなんて・・・臆病者の言いわけだよ・・・人間、やりたくなったらやればいいのさ」
「はあ」
「海を見ろよ・・・恥じらいなんかどこにもないだろ」
「・・・」
「だからさ・・・人間は海を見たら素直になっちゃう生き物なんだよ」
「それは・・・セリフとしてかなり恥ずかしいわっ」
「やはり・・・みさき市にはイルカはいないという設定はどうにもならないかもなあ」
「本音ですかっ」
しかし・・・和泉に影響されて・・・ついついおにぎり作って海岸に出かけてしまう夏希だった。
いいよね・・・こっそりおにぎり作って逢いにいったって・・・波奈江を裏切ったことにならないよね。
いいえ、夏希さん、完全なる裏切り行為です。
しかし、お茶の間の声には耳を貸さないのが月9りヒロインの意地なのである。
「イルカいないみたいね」
「設定だからしょうがないかな」
「イルカって超音波で会話してるんだってね」
「・・・」
「なによ・・・」
「心でイルカに呼び掛けてみた」
「それ・・・超音波でなくてテレパシーだから」
「でも・・・テレパシーでも通じるかも・・・ちょっと俺になんか送ってみて・・・」
「え~」
「いいから・・・」
(好き)
「え・・・」
「え・・・」
「す・・・西瓜じゃなくてスイカだよ」
「朝あまかっ・・・見てから来たのかっ」
「あ・・・」と何かを発見する朝日。
それは・・・イルカを発見しようと・・・望遠レンズを向ける和泉の妻の朝子だった。
朝日は朝子の姿を撮影した。
「おばさんは・・・おじさんのために・・・イルカ捜してたんです・・・健気でしょう」
「朝子・・・」
たちまち仲直りする老いた夫婦だった。
馬鹿馬鹿しいと思いながら・・・夏希はこの街が・・・この街の人々が・・・そして朝日がどんどん好きになっていくのだった。
この街が大好きよ
のんびりしてるから
魚も安くて新鮮
夏希は波奈江から呼び出され・・・浴衣をプレゼントされるのだった。
「・・・ありがとう」
「御礼を言うのはこっちだよ・・・私ね・・・花火大会の前の日を・・・こんな幸せな気持ちで迎えられる・・・十年ぶりだからね・・・みんな、夏希のおかげだもん。私さ・・・トモダチって昔からずっといるものって思ってたけど・・・今は・・・夏希が一番のトモダチだよ・・・助っ人外国人の域をはるかに越えてるよ」
夏希の胸はチクチクと痛むのだった。
朝日は谷山家の家族写真を撮った後で・・・和泉にちょっとしたお願いをするのだった。
そして・・・花火大会の当日。
朝日に波奈江、ヒカルにあおい、そして、タカシ(勝地涼)と・・・夏希が連れだって浴衣姿で会場入りするのだった。
ここでは・・・「メッセージ・サービス」がなにがしかの寄付金によって可能となるシステムがあるらしい。
「続いては桐畑鮮魚店提供の朝やけこやけだ大漁だ大羽いわしの大漁だ浜は祭りのようだけど海の中では何万のイワシのとむらいするだろう波のように揺れて今宵真夏の海辺でからまるように女流詩人の哀歌の乱れ射ちでございます・・・」
やんややんやの見物客だった。夜空を彩る花火と熱気と火薬の匂い・・・。
「さすがは文学青年の親父だよな・・・」
俯くヒカルだった。
「続きまして・・・谷山酒造提供・・・。夏希さんな感謝をこめて贈る花火です。いつもおいしい料理をありがとう。この町にきてくれて本当にありがとう。夏の希望と書いて夏希さん・・・あなたはまさにこの町の夏に・・・そしてぼくたちに希望をあたえてくれました。あなたの幸せを心から祈っております・・・レストラン青山ファンクラブ一同より。ヤキソバおいしいですよねえ」
盛大に上がる花火を見上げる夏希。
その横でそっと囁くタカシ。
「今回は・・・さあ・・・朝日の仕切りなんだ・・・ボクだったらもっと・・・ぐっとくる言葉を捧げたのに・・・ごめんね・・・夏希ちゃん」
自爆するタカシだった。
ふりかえった夏希は精一杯の虚勢を張るのだった。
「ほら・・・今夜は特別な伝説の日でしょ・・・行った、行った、行ってみんなで幸せになっちゃいなさい」
ヒカルとあおいが消え・・・朝日と波奈江が消える。
「さあ・・・ぼくらも行こうか」とタカシがふりかえると・・・消えている夏希だった。
「そげなーーーーーーっ」
勢津子と賢二夫妻は・・・家で花火見物をしていた。
そこへ夏希がやってくる。
「あの・・・私・・・この町が好きになっちゃいました。この町の人たちはみんないい人で・・・どんどん好きになっちゃって・・・苦しいんです・・・だから・・・私・・・東京に帰ります」
「夏希ちゃん・・・」
泣きだした夏希を茫然と見つめる夫婦だった。
夜風に吹かれて金魚すくいで獲った金魚の袋が揺れている。
波奈江の胸は期待で高鳴り、お腹が痛くなる勢いである。
海岸はカップルであふれているのでいつしか二人は「香澄のいなくなったあの場所」へ来ていた。
5秒に一度だけ照らす
灯台のピンスポットライト
小さな肩
神様にもバレないよ 地球の裏側で
「波奈江・・・」
「はい」
「あのさ・・・」
「うん」
「おれと・・・しあ・・・・・・・わっ」
「え・・・」
幽霊のように姿を見せる香澄だった。
そして・・・金魚の袋はビシャリと弾ける。
金魚A「わーいっ・・・絶叫マシーンだね~」
金魚B「・・・」
その時、お茶の間では金魚愛好バカが受話器にそっと手を伸ばして・・・。
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ごっこガーデン。田舎の七夕直前縁日経由うなぎ御膳付き花火の夕べセット。エリ「きゃあああああああ、私たちこれからいいところ~で据え膳食わさぬ月9の嵐でス~。しかし、寸止め上等の愛の言霊、落花狼藉、衣装チェンジの用意万端なのですね~。じいや、衣装早変わりの時間の時間ですよーーーっ・・・でもね・・・でもね・・・波奈江じゃどうしてもダメなのかしら・・・はっ・・・一周回って再逆転の目も・・・」まこ「ち・・・香澄め~、日本には星の数ほど花火大会があるのに・・・なぜここへ・・・隅田川花火大会中止の余波てしゅか~、波奈江~、アタック遅すぎだジョー、押し倒すチャンスは何度もあったべ・・・とにかくモテル男はワルよの~・・・いや、そうでなくって金魚レスキュー隊緊急出動でしゅ~。一匹残らず回収・・・間に合わなかったらまこかま工場へ搬送~」くう「夏は盆踊りだっちゅうの・・・納涼なのに汗だらだらが・・・納得できねーーー香澄の登場は天魔さんなら気絶レベルっす」ikasama4「夏ですな・・・黙祷の季節ですねえ」シャブリ「あ~ ドコモCMの石原さとみちゃんのスマホは松坂桃李くんか。一瞬わからなかった」みのむし「ミス北鉄ほどにもなかったミスみさき海岸の所要時間・・・ふっ」mari「・・・香澄すごいタイミングの登場ですね・・・とりあえず・・・夏希がやはり最後に笑うのかな・・・と」
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コメント
キッドさん、こんにちは
毎回、いろいろとお話を膨らませつつのレビュー、
有難うございます!面白いです!
金子みすずや竜田揚げをさらりと入れてくる毒がたまりませんわ
「いるかいるか いないかいるか」ですね。
このポエムなご家庭で、お嬢様波奈江が育ったのね、と納得。
もう光でいいから、波奈江には幸せになってほしいです。
光の証明写真を撮るシーンは、良かったですよね。
真夏の海の家での牡蠣とか、イクラのおにぎりとか、
デンジャラスな香りで、ヒヤヒヤさせてくれるみさき市。
(それだけ新鮮ってことでしょうか)
三年に一回のミスコンとか、大人の事情爆発の盆踊りとか、
結構好きになってきたので、もう折り返しって淋しいですわ。
フェイスブックによると、次回は、まさかの東京編とか。びっくりです。
看板が無くなった途端に、幽霊と見間違うかのように現れる元カノとか、
都市伝説になりそうなお話なんですけど、
5話は、最後の金魚に全部持っていかれたような気が・・・
(公式スタッフブログにて、無事が確認されましたが)
それにしても、
友達以上、恋人未満の彼女の親の資金を使って、
別の人に告白するとか(単なる感謝ですか。そうですか)
ホント、天然魔性って恐ろしい・・・
先週は、世界で一番美味しいオムライスを有難うございました。ご馳走さまです
暦の上では秋ですが、残暑厳しき折ですので、
お台場焼きそばと、潮風ビールをどうぞです
投稿: mi-nuts | 2013年8月 9日 (金) 12時39分
今日は日本列島が大雨やら
人体体温化現象やらで
大騒ぎですな。
それでも世界屈指の平和国家は
いたれりつくせりで夏の暑さに対処するのでございます。
暑い夏、万歳でございます。
日本人よりイルカが好きな半魚人なんか
みんな日干しになっちまえなのですよ~。
差別主義者の心情ばかりは理解不能ですな。
・・・お前が言うかっ。
老母は「金子」とか「みつを」とか
大好きなんですが
老父はそういうのがとにかく大嫌いなので
不肖の息子は時々困り果てますぞ~。
光VS朝日の対決は輝かしい感じでしたな。
絶対、再戦ある流れですし・・・。
ふふふ・・・危険度一杯の夏の海の食材。
mi-nuts 様には
海女さんが素手で食べさせてくれる
獲れたて生牡蠣をサービスしますぞ。
カレンダー的にrのない季節の生牡蠣は
獲れたてフレッシュでも危険がいっぱいの
阿鼻叫喚グルメでございます~。
正露丸無料プレゼント中です。
フィクションのみさき市の
魅力炸裂の昨今ですな。
花火はとってもゴージャスでしたなあ。
ふふふ・・・そして・・・舞台は
東京へ・・・ですか。
まあ・・・お約束ですな。
お盆の季節は東京はある意味、「穴場」ですからねえ。
なんとなく・・・静かですもんねえ。
高速道路にあふれる人々をしり目に
夏の恋物語が展開するといいですな。
ふふふ・・・長澤まさみは都市伝説の女2が決定したそうですからねえ。
撮影後、金魚はスタッフが美味しくいただいたんですか・・・ちがうわっ。
金魚すくいの金魚も
育つものもあり・・・そうでもないものもあり
運がいいとか悪いとか
金魚をみてもそう思うのですな。
ペットがいると外出中もクーラー全開だったりしますからな~。
ふふふ・・・とにかく天然魔性の彼氏は
恐ろしいのです。
ある意味、スーパーナチュラルホラーなのでございます。
とにかく・・・恋の結末はさておき・・・
夏の終りはやってくる。
潮風ビールを時々潮騒ビールと書いてしまう今日この頃。
うまイカ、おいしイカ、どっちかですな~。
暑かったけど・・・楽しかったね・・夏。
そういう湘南みたいな秋が・・・千葉の海にも
訪れることを心から祈る今日この頃でございます。
投稿: キッド | 2013年8月 9日 (金) 15時49分
じいやSUMMERこんにちは~♪
大遅刻ゴメンなさい。
イルカの超音波をまねてもね~・・。
アタシなんてじいやと心によびかけるだけで
あらあら不思議
目の前には
おかゆに梅干しがありますわよね~!
ついでに白ワインもお願いって・・ふふふ
もちろん「ス」といったらH☆Cならおすしよね。
たまに「スーダラ節」でオヤジ風になったりしてもいいけど
ツーカーになるにはあの二人はまだ修行が足りないってことだわ。
そうそう、応援団としては
波奈江の浴衣姿の髪飾りがかわいかった~。
ごっこガーデンでちゃんと拾ってくれていて嬉しい♪
一周まわって再逆転、あるといいですね!
じいやには、定番の羅臼産たらこのおにぎりね!
mi-nuts さんと一緒に潮風ビールを注いであげちゃう☆
投稿: エリ | 2013年8月 9日 (金) 18時10分
ただいま、七輪でトウモロコシを焼いておりますぞ~。
お醤油はトウモロコシの皮で塗るのがポイントでこざいます。
こんがり香ばしい立秋のお味でございまする~。
イルカの超音波は基本的にはソナーでございますからな。
光の届かない深海まで潜水するイルカが
魚群や仲間を探知するための音響装置でございます。
ですから・・・同じ波長の音波で
愛の歌をかわすのでございます。
人間は夜の闇の中では
匂いで相手を嗅ぎわけそうですが
ドラキュラは超音波を発しますぞ~。
コウモリ族ですからな。
お嬢様の脳波は常時観測中でございますので
空腹の三十分前には
調理スタッフがスタンバイいたすシステムになっておりますぞ~。
お酒は二十歳になってからでございますぞ~。
スで返すしりとりは基本ですな。
スイカ→カラス→スリッパ→パルス→スルメ→メス→ストーブ→ブルース→スクール水着→ギャオス→す・・・すっばっかり~とお子様をギブアップさせる作戦ですな。
スーちゃんが出たら負けですぞ~。
波奈江の勝利エンドは遠くて険しい道ですが
それを最後まで残すのも
脚本家の腕の見せ所でございます。
フラグはたてても分岐は残す・・・これは
恋愛ゲームの基本ですからなあ。
今回はドラマの中では
浴衣の競演・・・皆さま、浴衣はもちろんのこと
アクセサリーやアイテムなどで
それぞれ趣向を凝らしていて楽しゅうございましたねえ。
青春の月9はそれなりに小道具にも気を使うのが
王道ですからな~。
真夏の夜の生ビールの如しですな~。
炭火が残ったので
ついでに焼き鳥も焼いちゃいますぞ~。
投稿: キッド | 2013年8月 9日 (金) 23時14分
月9にはドラマチックな展開を求める故に、サマーヌードの緩やかな展開が、心地よくもあり物足りなくもあり…。
渡辺哲のDNAから戸田恵梨香と佐藤勝利が生まれるなら、母ちゃんはよっぽどの美人さんなんだと言い聞かせておりました。
で、イルカの出現をマジで期待していた私。
朝Pがあっ!て見つけた時、感動する気満々で待ち受けてたら…( ̄□ ̄;)!!えっ?ないの?
急に写真出て来て「誰?このおばさん?状態!」…。
いやいいんですよ。イルカが用意出来ないなら。
でもでも、それなら波奈江の母ちゃんエピをもっと見せておいてから、カメラ構えてる姿を感動的に見せて欲しかったな。
朝Pが夢中で写真撮るシーンがないから余計にフラストレーション溜まる気がするー。
光と波奈江のエピソードの方がラブスト的に美味しいのではないか?等、香澄の現れ方が余りに唐突過ぎて、キターってならなかったじゃないか!
プロポーズ大作戦でもブザービートでも、キターってシーンが5話までにあったのに…。
キッド様の面白ブログを持ってしても、モヤモヤ、収まらなくてすみません。
投稿: なっち | 2013年8月10日 (土) 18時17分
ふふふ・・・それぞれがそれぞれに求める山P。
モンスターよりずっとマシ。
ブザビの方がもりあがった。
プロポーズ大作戦のウジウジの方がわかりやすい。
コードブルーなら文句なし。
エンプラってなんだっけ。
まあ・・・心乱れるのですな。
ファンとしてはとりあえず数字も欲しいし
何よりもスターとして輝いていてもらいたい。
しかし・・・まあ・・・
いろいろなキャラクターを演じていくのも
俳優としては必要ですからねえ。
今回は田舎の普通の美青年・・・。
ある意味、地元じゃ負け知らず・・・だった男。
しかし・・・流れものの女に心みだされて
そんなバナナと落ち込むこと三年。
そんなださい男なんですな。
しかし・・・波奈江やタカシやヒカルにとっては
この町で一番の男だし
慕っているし・・・敬ってもいる。
なかなかに難しい役で
山Pはそれを抑えた演技で
淡々と演じているわけです。
キッドはプロデューサーや脚本家には
いろいろと注文がありますが
この作品にゴーを出した山P陣営の気持ちも
分るんですな。
つまり・・・いろいろとやってみたいんです。
そして・・・基本的には
21世紀のこの世代の若者たちはきっと・・・
こんな感じなんですな。
高校生でもない。
完全な大人でもない。
青春の黄昏を感じる若者たち・・・。
そういう痛々しい感じを
のんびりと楽しむ・・・。
そういう方向性でどうでしょうか。
とにかく・・・今回は・・・
よそもんを嫁にして幸せになったカップルもいるという話。
で・・・とにかく・・・
話はふりだしにもどったわけです。
この脚本家はそういうのが基本ですからな。
ま・・・朝日は結局・・・香澄本人に
「もう・・・私たちは終ったの」って言われないと
恋の病が治らないんだと思いますぞ~。
そういう人って意外と多いかもですぞ~。
キッドは昨日のことも忘れがちなので
さっぱりですけどね~
投稿: キッド | 2013年8月10日 (土) 19時03分
キッドさま 猛暑お見舞い申し上げます
あちっ あちっ あちぃぃぃ~~
もう あまりの暑さに カキ氷アイスを食べたかったけれど買いにいく気力もなく家でバテていました
汗を異常にかきやすいここ数日ですね
どうぞ お身体ご自愛くださいませ
このドラマ じっくりみると役者さんが台詞のないシーンでさりげなく表情を作っていて景色も抜群で悪役も一人もでてこないし 気持ちの良い爽やかなドラマですね
丁寧につくっているんだなぁと肯定的に思おうとしているのに 幽霊でしょ?と勘違いしてしまうような香澄の強引な登場がちょっと残念でした
丁寧さと強引さと 女性よりロマンチックな男性のイメージするラブストーリーなんでしょうか?
ただ善良なみさき市の人たちとずっと一緒にいるのは 実はよそ者には居心地が悪い時があるというのは伝わってきたし夏希の好感度が回を追うごとにあがってきてるのは嬉しいです
そろそろ 朝日が自分の気持ちに気づき 夏希とお似合いになって胸が高まるようなロマンチックなシーンを見てみたいです
投稿: chiru | 2013年8月10日 (土) 20時12分
キッドさま。
今となっては朝Pには何の不満もないですよ。
熱くもなく暗くもない丁度いい感じの大人の男を演じていると思います。
光の履歴書の写真撮るシーンなんて、震えるほどカッコ良かったです(^0^)
光くんとのやり取りは静かに火花散ってる空気感が、凄く面白いし好きなシーンです。
窪田くんはいい役者さんですよね。
勝地くんと共に男の子のシーンはみんな好きです。
まぁドラマが期待通りに進んでも、予想を裏切っても、気持ちがスッキリするならば、言う事ありません。
キッドさまには度々フォローさせてしまって、本当に申し訳ありません。m(__)m
投稿: なっち | 2013年8月10日 (土) 20時53分
一歩、家を出ますとお風呂に入ったような気がいたします。
一日に何枚も下着を変えておりますぞ~。
八月は家人の誕生日が集中いたしまして
コメント遅れてすみませんでした。
ロケーションがいいですし
登場人物はすべて
標準以上でございますからねえ。
箸休めに渡辺哲の投入は
ホッといたしましたな。
まあ・・・香澄は
花火を見に来たので・・・
登場するのはここと・・・
想定内でしたな。
男女というより
あえて言えば
脚本家の女々しさが
爆発するドラマなのですな。
女々しくて女々しくて
痛いほどでございます。
夏希が居心地が悪いのは
みさき市の人々の善良さではなくて
友達の彼氏を
好きになっちゃったからですよね。
朝陽~夏希のラインは
着々と構築されているわけですが・・・
一体、波奈江にはどんな罪があるというのか・・・。
その処理の仕方が楽しみですな。
今の処・・・勝率は・・・
夏希50%
香澄20%
波奈江10%
その他20%
と予想しています。
まあ・・・夏希の本命はまちがいないですねえ。
投稿: キッド | 2013年8月12日 (月) 03時26分
いえいえ・・・どいたしまして。
投稿: キッド | 2013年8月12日 (月) 03時27分