三つの夢が統合される時、スターマン覚醒!(福士蒼汰)
ミスター・グッド・バーを求めて・・・女たちは旅をする。
そういう女は鳥なのである。バーがとまり木なのだからそういうことになるのだ。
鳥の生活は過酷である。
その過酷な生活の中で一瞬でも翼を休めたい・・・そのための憩いの場なのである。
だから・・・男は頑丈で無口でいいのだった。
鳥のような女と手頃な枝のような男はそれなりに上手く行くのだった。
しかし、鳥はいつしか飛び立っていくことは言うまでもない。
男と女の区別のつきにくい世界では・・・男が鳥で女がとまり木でもおかしくないのだった。
今や、女はとまり木になりたいのかもしれない。
そういう願望が「いかにも鳥の半沢直樹」の大人気に・・・と邪推する今日この頃である。
しかし・・・そういう意味では「スターマン」もまったく同じ話なのである。
だが・・・いくらイケメンでも正体不明ではとまり木としても落ち着かない・・・やはり、外ではどんだけ苦労しているかしらないが・・・一流銀行員として稼いでくる・・・しかも帰巣本能の強い鳥が理想なのだろう。
まあ・・・それは結局、青い鳥なんですがね。
で、『スターマン・この星の恋・第5回』(フジテレビ20130806PM10~)脚本・岡田惠和、演出・鈴木浩介を見た。10.5%↘*9.6%↘*8.5%↘*8.2%・・・視聴率が見事に流れ星の如くである。若手期待の星のカード・福士蒼汰、有村架純の男女二枚を使って、一流脚本家と一流演出家を起用して・・・この数字である。本当に魔物だよなあ。ただ・・・物語と・・・雰囲気がなんとなくピンとこない・・・というお茶の間の気分は分かる。っていうか・・・SFだからか・・・そうなのか。直近の類似作品である「シェアハウスの恋人」が大島弓子の哲学的なファンタジーを連想させるなら・・・こちらは萩尾望都のSFアドベンチャーなのかと思っていたのだが・・・そうはならなかったのだった。
萩尾望都には火の玉宇宙人ものとして「海のアリア」(1989-91)がある。
少年少女たちの葛藤と・・・楽器生命体を捜しに来た異星人音楽家の執念が楽器生命体が憑依してしまった人間を中心に美しい物語を紡いでいくのである。
まあ、ある意味、かなりのニュアンスを感じさせるのだが・・・基本、三十女の夢物語なのでもう一つ・・・男女を問わずにうっとり・・・はさせないのだった。
そして・・・物語の最初にはかなり明確だったと思われた宇宙人の存在が・・・回を追うごとに曖昧になっていくのである。
一体、宇宙人は何しに来たんだよ。
それは・・・ともかく・・・自殺したタツヤの記憶が修復されたらしい星男(福士蒼汰)は記憶喪失中に上書きされた「星男としての記憶」を喪失し・・・自殺直後のボート上からスーパーマーケットやまとのお惣菜調理室に転移した感じになり、混乱するのだった。
佐和子(広沢涼子)はせっかくの「理想の王子様」が・・・粗暴な若者に変貌したことに落胆をかくせない。
しかし、直後にタツヤ的星男は意識を失い、どうやら・・・星男と同系統の憑依型宇宙人に40年前に憑依された重田信三(國村隼)によって宇野家まで送り届けられるのだった。
さっそく、近所の医者(モト冬樹)が往診に来るが・・・タツヤ的星男の容態はさっぱりわからないのだった。
「わからなくて・・・当然だ・・・彼は私の仲間だからだ」
仲間=男色愛好家と誤解している佐和は「違います」と勘違いコントを繰り広げる。
大人気ないとは思うが、いくらバカ設定とはいえ・・・超人として明らかに異常な星男の正体を知っているらしい重田に佐和が気がつかないのは・・・ちょっとね。
「大丈夫だ・・・彼はもうすぐ目覚める・・・本当の覚醒はまだ先だがな」
いかにも「本当の目覚め」ってなんだよと誰かに突っ込んでもらいたいところだが・・・大物で直観力に優れた美代(吉行和子)も沈黙を守るのだった。
やがて・・・目覚めた星男は・・・佐和子の期待に反してタツヤ的星男だった。
タツヤに説明を求められて・・・タツヤの恋人ミチルにしたように一から説明する佐和子。
「そんな・・・馬鹿な・・・」とますます混乱するタツヤ的星男だった。
しかし・・・美代から「あの男は・・・悪ぶった小物で・・・本当の悪じゃない」とアドバイスされた佐和子はタツヤ的星男の再教育に乗り出すのだった。
なにしろ・・・外見優先で中身は二の次の佐和子なのだった。
例によってスナックスターを巻きこんでいったりきたりの件があって・・・。
結局・・・タツヤ的星男を星男的タツヤにまで調整することに成功する佐和子だった。
実は・・・タツヤは・・・自殺後・・・夢として星男としての生活を体験していたのだった。
この後付け感・・・たまりませんな。
ついでに・・・高校野球の県大会の優勝経験者で・・・家庭の味を全く知らないというタツヤの人生・・・かなり・・・無理矢理感がございます。
逆境に耐えてそこまで精進した人間が札付きにはなかなかなりませんよねえ。
ともかく・・・ふたたび・・・星男は佐和子の手中に収まったのである。
一方で・・・宇宙人に誘拐されることを心の底から願う・・・おかしな女・臼井祥子(有村架純)は恋人もどきの安藤くん(山田裕貴)を拒絶して重傷を負わせた後で・・・ターゲットを重田に切り替えるのだった。
祥子の㊙ノートによれば「宇宙人は痛みを感じない」のである。
早速、休憩中の重田をモップで殴ってみようとする祥子。
もう・・・病院に行った方がいいレベルなのだ。
しかし、宇宙人的レーダーで危険を察知した重田は攻撃を回避すると同時に頭部180度回転の悪霊技を披露するのだった。
「ええっ」
「あ・・・これは・・・違うんだ」
「ひええ・・・」
逃げる祥子・・・追う重田。
パニックに陥った重田は・・・佐和子と安藤くんの面前で・・・祥子にセクハラというよりは暴行レベルの口封じのキスを強要するのだった。
「これは・・・あの・・・違うんだ」
通報だ。これは普通通報だよね。まあ・・・ちょっとね。
っていうか・・・重田は星男が自分を迎えに来た同胞と確信しているようだが・・・完全に同化すると・・・星男も首がグルグル回るタイプになるのかよっ・・・。
まあ・・・これはこれでいいとしか・・・言いようはないが・・・もう少しね・・・なんとかね・・・ならなかったのかと思う第五回なのだった。
だから・・・言っただろう・・・期待するとロクなことはないってさ。
鳥が逃げたわ
今日の明け方
一度も私に振り向かないで
どこかの町へ
だまってみてたわ
しょうがないもの
そうだよね・・・そうなんだよねえ。赤い鳥逃げたら捜しても無駄なんだもんね。
そして・・・星男とタツヤを統合する第三の人格・・・宇宙生命体の覚醒は近いらしい。
どうか・・・地球侵略の先兵でありますように・・・。宇宙戦争が始りますように。星に祈るキッドだった。・・・そんなわけあるかっ・・・ボケッ。
関連するキッドのブログ→第4話のレビュー
重田さんは変態と断定するあなたはコチラへ→まこ様のスターマン・この星の恋
シナリオに沿ったレビューをお望みの方はコチラへ→くう様のスターマン・この星の恋
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コメント
舞台を海辺に変更、惣菜工場をかまぼこ工場に変更、宇宙人を二次元人に変更…などしてもどうも人気に変化がなさそうとシミュレーション結果が出ております(私調べ)。となるとやはりヒロスエがヒロインというそのくたびれ感に問題があるのではないかと…。あと音楽とオープニング映像でしょうかねぇ…。『すいか』(大好き!)ならこれで良いと思うのですが、宇宙人ガーとかには合わない…。
ていうか木南様もっと出さないともう来週から観ないぞっていうか、カモカのおっちゃんに私もなりたい(笑)。
投稿: 幻灯機 | 2013年8月13日 (火) 16時35分
「最後から二番目の恋」→「泣くな、はらちゃん」
と傑作モードで来たのに
これは・・・。
まあ・・・「無理な恋愛」↗「銭ゲバ」↘「小公女セイラ」の例もあるし・・・。
ある意味・・・安定してないのが本来の姿か・・・。
ヒロスエについては・・・「リーガルハイ」的な
使い方がベストな年頃に突入なんでしょうな。
やはり・・・美少女感バッチリでやられると
さすがに引くものがありますしねえ。
「リップスティック」の時ならなあ・・・でございます。
それにつけても深キョンは・・・。
怪物ですなっ。
話についてはファンタジーに逃げる気満々だしな・・・。
一号と二号は同種なのかどうかもわからない。
一号が遭難で・・・二号救助に来て
二重遭難なのかどうかも分らない。
もう少し・・・筋立ててほしい。
みんな・・・超常現象、見ないフリしすぎだし・・・。
テレ東深夜より
話が薄くて平気という姿勢・・・止めてほしいですな~。
まあ・・・一号がバキューム・キスを
全員にしまくる・・・爆笑展開なら少し笑ってもいいと
感じる今日この頃でございます。
ヒロスエもスターママもおばあちゃんも木南もみんな吸われてしまえばいいのさ。
投稿: キッド | 2013年8月13日 (火) 18時20分