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2013年8月28日 (水)

第三の宇宙人と万華鏡と黒い幽霊と流星とスターマン(福士蒼汰)

月軌道の外側の戦闘だった。

漂流中の外惑星連盟義勇軍所属レイ中尉の周囲にはすでに母船の残骸すらない。

バッテリーと酸素残量を比較してみると・・・酸素残量の方が五時間ほど先につきることが判明したたために救難信号と通信機はオンにしたままである。

船外活動中に浮遊機雷に接触した改装商船型戦闘艦は万華鏡のように宇宙に散って行った。

もちろん、宙域に航路はなく、救助の可能性は限りなくゼロに近かった。

窒息死は苦しいという話だから最後は自決用のカプセルのお世話になればいい。

「レイ・・・そっちはどうだ」

「イワノフ・・・相変わらずだよ」

船体の反対側で作業中だったイワノフはレイとは逆方向に加速していた。

二人の距離は刻一刻と離れつつある。

「レイ・・・お前がうらやましいよ」

「イワノフ・・・」

イワノフは機雷の破片に直撃されて視力を失っていた。

「レイ・・・見えるかい・・・星空が・・・」

「ああ・・・見えるよ・・・太陽が・・・月が・・・銀河が・・・惑星が・・・」

「地球も見えるかい・・・」

「・・・見えるよ」

「そうか・・・レイ・・・お前は幸運な奴だよ・・・」

「イワノフ」

「・・・ザ・・・」

「イワノフ・・・」

イワノフは通信圏外に去って行った。

レイは星空を眺めた。他に見るものがなかったからだ。

確かにレイは幸せな男だった。イワノフより少しだけ。人間の幸せなんてそんなものなのだろう。

いつかはその眺めにうんざりするかもしれないが・・・それほどの時間はレイに残されていなかった。

で、『スターマン・この星の・第8回』(フジテレビ20130827PM1015~)脚本・岡田惠和、演出・堤幸彦を見た。小説「刺青の男/レイ・ブラッドベリ」(1951年)は連作短編集である。その中の一編に「万華鏡」がある。宇宙空間で事故にあった宇宙飛行士が地球に落ちて行く話である。印象的なエピローグの「サイポーグ009・地下帝国ヨミ編/石ノ森章太郎」(1965年)はおそらくその影響下にある。レイ・ブラッドベリ的な情緒と悪魔的感性にはかなりの隔たりがあるが・・・悪魔に少年時代があったとすればうっとりせずにはいられない展開が待っているのである。

この作品にはそういう「感傷的な部分」が満ちている。

人に優しくしたいと思わない人はいない・・・みたいな感じである。

まあ・・・ゾッとするわけである。

そういう世界で恋に恋するいい年したヒロインが乙女チックな言動を展開する。

まあ・・・ソゾーッとするわけである。

だが・・・そこがいい・・・と言う他ないのだった。

納豆に郷愁を感じるネバネバ星人(仮称)はプラズマ系ではなく、アメーバ系に軌道修正である。

刻んだネギを入れられるとかなり嫌な感じがするらしい。

安い整髪料をふりかけられた感じでもするのだろうか。

美代(吉行和子)の主治医である近所の医者(モト冬樹)は気分が優れなかった。

「医学的常識では考えられないこと」が起きたのである。

「でも」と美代は諭す。「医学だって万能じゃないでしょ」

「まあ・・・そうですけれどね」

星男/ネバネバ星人B(福士蒼汰)が「宇宙人」であることを受け入れた佐和子(広末涼子)は宇宙人の妻の先輩である重田/ネバネバ星人A(國村隼)の古女房(角替和枝)に教えを乞うのだった。

「肉体的には人間よりフレキシブルなのよ」

「首がグルグルですね」

「そうそう・・・まあ、慣れればどうってことないわ」

「ですね」

「それから反射神経や筋力は人間より発達してるみたい」

「ピョ~ンですよね」

「そうそう・・・でもね、年を取ると衰えるわよ」

「そうなんですか」

「それから・・・納豆が好きなの」

「ええっ・・・」

「つまり、関西系じゃないのよね」

「関西系じゃないんですね」

「そうそう・・・凄いヒーリング(治癒)能力があるけど・・・ほら、何しろ死体を復活させるくらいだから・・・でも使うとダメージ大きいみたいよ。私も病気治してもらったけど・・・向こうが瀕死になっちゃったから」

「瀕死ですか・・・」

「なんか・・・やたらと治癒したがるけど・・・止めないとだめよ・・・得るものがあれば必ず失うものがある・・・これは宇宙的な真理だから・・・」

「勉強になります」

一方でスナック「スター」では星男と重田がネバネバ星人の集いを開いていた。

しかし、超高速言語通信は見た目が同性愛者の密談みたいなので節(小池栄子)が教育的指導をする。

「あのさ・・・故郷のことは島で・・・乗り物は船で・・・アレ(宇宙)のことは海ってことで話しなさいよ」

「なるほど・・・」

「鳥ですか」

「鳥じゃなくて・・・島よ・・・小学生の漢字の書き取りミスかよっ」

「島からこっちにいつ来たんです」

「四十年になる・・・」

「そんなに・・・」

「ここにはどうして」

「島から海に出て・・・船が故障した」

「ほら・・・いい感じじゃない」

「同じです・・・島から海に出て・・・船が故障した」

「そうか」

「あなたは・・・島に帰りたいとは思わないのですか」

「この街はいいところだし・・・愛するものもいる・・・島には帰りたくない」

「・・・」

「君は・・・帰りたいのか」

「・・・わかりません」

「しかし・・・君にも愛する相手がいるだろう・・・」

「はい」

「だったら・・・中途半端な気持ちではダメだぞ」

「わかりました」

節は星男の中に「危ういもの」を見出すが・・・若い男なんてみんな「危ういもの」だとも思うのだった。

なんといっても・・・星男みたいな「拾いもの」が手に入るなら・・・文句は言えないという気がするのである。

だから・・・幽かな可能性を信じて、「宇宙交信器」をネット通販で購入する節なのです。

最近、時々、正蔵になっちゃうよね。

うっかりするとな。

納豆まぜて仲睦まじい重田夫妻。

居候の祥子(有村架純)は居心地が悪いのである。

(何かが間違っている気がする)のだった。

その疑惑は職場のスーパーマーケット「やまと」で爆発するのだった。

「私・・・わかったんです・・・」

「何が・・・」

祥子に追及されてうろたえる佐和子だった。

基本的にネコババしている佐和子は常に後ろめたいのだった。

「私を迎えにきたのは・・・重田さんじゃなくて星男さんだったんです」

「なんでよ」

「だって・・・年齢的に・・・年相応でしょう」

「どうして、そうなるのよ・・・大体、どうして、あなたはそんなに宇宙に行きたいの」

「さあ・・・とにかく・・・幼い頃からそうでしたから」

「変なの」

「変なのはそっちでしょう・・・宇宙に興味がないのに・・・宇宙人とつきあったりして」

「星男は宇宙人じゃありません」

「すりこみよ・・・たまたま、最初に佐和子さんにあって・・・人間を親だと思う鳥のひなみたいに」

「星男は鳥じゃありません」

しかし・・・図星なので・・・不安になる佐和子だった。

たまたま、拾ったものだからである。

(でも・・・それって運命ってことじゃない)と佐和子は乙女パワーを総動員して合理化に努めるのだった。

妖しい宇宙交信器が届き、さっそく起動する節。

すると・・・何故か・・・千客万来になる「スター」だった。

「宇宙人じゃなくて・・・客寄せマシーンだったのかよ」

しかし・・・祥子だけは微妙に違う反応をみせるのだった。

それは・・・星男や重田の反応と似ていたのだ。

スターにやってきた祥子に声をかける近所の医者。

「そういえば・・・君も一度死んだのに・・・蘇生した子だったな」

「それって・・・いつですか」

「かれこれ・・・十五年くらいか・・・すっかり忘れとった・・・考えてみれば・・・すでに経験済みだったんだな・・・」

祥子はピンときたのだった。

そして・・・自宅戻り、資料をチェックする。

十五年前にも「火球飛来事件」は起っていた。

(そうか・・・私が・・・宇宙人だったんだ)

祥子/ネバネバ星人Cは予想通り、記憶を再構築できなかった宇宙人なのである。

寄生した人体が幼すぎて宇宙人としての記憶を完全には保存できず・・・帰還の願望だけが残っていたのだった。

それにしても・・・三人の同種族らしい宇宙人たちはなぜ、ここに落ちてくるのだろう。

偶然にしては宇宙は広すぎるのである。

やはり・・・富士山麓には大いなる太古からの秘密が隠されているのだろうか。

危険を承知で佐和子の片頭痛を治癒する星男。

佐和子は後ろめたい気持ちと星男を失いたくない気持ちで切羽詰る。

「こわいの・・・あなたに愛されてなかったらどうしようとか・・・あなたがいなくなったらどうしようとか・・・余計なことばかり・・・ウジウジ考えちゃうの」

「考えすぎると・・・おかしくなっちゃうぞ」と誰かいってってくれ。

佐和子の乙女心の暴走に戸惑う星男。

両親の不和にいろいろと慣れている長男の大(大西流星)は子供ながら・・・母親のダメさと・・・幼さと・・・優しさが・・・心配になってくるのだった。

「女ってみんなそうなのかな・・・それとも母さんが特別バカなのかな・・・」

判断に迷う大なのです。

なんだかんだ・・・お前「梅ちゃん先生」も好きだったんだな。

まあ・・・話に起伏がなくてもなんか・・・まとまったような気分にさせるんだよな。

それが伝統文化のマジックだよな。

関連するキッドのブログ→第7話のレビュー

シナリオに沿ったレビューをお望みの方はコチラへ→くう様のスターマン・この星の恋

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