名もなき毒の序章・誰か Somebody篇クライマックス直前なのです!(深田恭子)
・・・谷間なのです。
かなりの変則構成で展開する「杉村三郎シリーズ/宮部みゆき」のドラマ化である。
この「枠」は一種独特のだささを持っていて・・・多くの原作は殺されてださくなってしまうのだが・・・今回は「夜行観覧車」の演出家・塚原あゆ子・山本剛義や・・・金子文紀なども参加して・・・それなりに重厚な仕上がりになっている。
杉村三郎シリーズは大企業の経営者一族の娘婿となったが、野心はまるでないマイホーム・パパの素人探偵ものである。
で、第1話~5話までがシリーズ第1作の「誰か Somebody」を原作としている。
杉村三郎のプロフィールを描きながら・・・会長の私設運転手の事故死と残された遺児姉妹との杉村の交流を描いていくのである。
この姉妹を演じるのが・・・深田恭子と南沢奈央なのである。
さらに・・・三郎の職場にはアルバイトの岡本玲がいる。
ついでに三郎の病弱でお嬢様な妻が国仲涼子なのだ。
展開としては・・・三郎を三人の女たちが激しく誘惑する・・・でもおかしくないのだが・・・まったくそういうことはないのだった。
しかも・・・第5話が終わると・・・この三人は去って行ってしまうと思われる。
第6話からのシリーズ第二作は真矢みき・杉咲花・江口のりこというトリオにバンタッチなのである。
つまり、これだけは言いたいのだ・・・深田恭子・南沢奈央・岡本玲からの真矢みき・杉咲花・江口のりこは落差激しすぎるだろう・・・と。
で、『月曜ミステリーシアター・名もなき毒・第1~4話』(TBSテレビ20130708PM8~)原作・宮部みゆき、脚本・神山由美子、演出・塚原あゆ子(他)を見た。脚本家は「大奥〜誕生[有功・家光篇]」からここである。これには未亡人役で南沢奈央が出演している。南沢奈央といえば「栞と紙魚子の事件簿」で前田敦子とダブル主演していた頃から強烈な個性を発散していて最近では「高校入試」でも重要な脇役としていい味を出しているのであった。今回もちょっとエキセントリックな妹役である。そして・・・その姉を演じるのが深田恭子なのである。エキセントリックということでは一歩も引かないのだった。深田恭子といえば「彼女が死んじゃった。」といったシリアスな路線の他に、映画「ヤッターマン」のドロンジョ役のように超コミカルな役所があり・・・さらにクドカンで「未来講師めぐる」という一つの完成形にも到達している。今回はちょっとナーバスな姉役をサラリと演じていて乙なのであった。
まあ・・・なんていうか・・・ちょっとドロッとしたこの姉妹を見てるだけでも楽しいドラマと言えます。
杉村三郎(小泉孝太郎)は父・真一(野添義弘)、母・正子(木野花) から生まれた生粋の庶民だった。あおぞら書房児童書編集者として平凡な日常を送っていたのだが映画館で偶然、菜穂子(国仲涼子)と知りあい恋をして転機を迎える。菜穂子はウルトラスーパーデラックスお嬢様だったのである。
出世などの野心が全くない三郎は・・・今多コンツェルンのグループ広報室 社内報「あおぞら」編集部 に勤務することという菜穂子の父親で今多コンツェルン会長の今多嘉親(平幹二朗)の条件を受諾し、菜穂子を妻とする。
長女・桃子(矢崎由紗)にも恵まれ、幸福な家庭を築いたのである。
そんなある日・・・貧富の差の激しい結婚にいろいろと軋轢があった中・・・唯一、「おめでとうございます」とシンプルに祝福してくれた心の恩人で・・・会長の私設運転手だった梶田信夫が自転車でひき逃げされて死んでしまう。
三郎は会長の特命を受けて・・・残された二人の「父親についての本を出したい」という希望に沿うために相談に乗るのだった。
しかし・・・「本を出してひき逃げ犯人の良心に訴えたい」と積極的な妹の梨子(南沢奈央)に対して、結婚を間近に控えている姉の聡美(深田恭子)は何故か消極的である。
妹は美人で聡明な姉に嫉妬していて、姉は両親の貧窮時代を知らない妹を羨望していたのだった。
「私・・・小さい頃に・・・誘拐されたことがあるんです・・・父は何か犯罪に巻き込まれていたようでした・・・もしかしたら・・・父は殺されたのではないかと思うのです」という聡美の言葉を半信半疑で受け止める三郎だった。
しかし、勤務先の学生アルバイトである遥(岡本玲)の協力で情報を求めるビラを配っていた三郎自身が自転車にひかれるという事故が発生し・・・姉妹の父親の昔の勤務先であるトモノ玩具の社長・友野栄次郎(織本順吉)などから事情を聴取するうちに・・・野瀬祐子(伊藤かずえ)という謎の女が浮上してくるのである。
そして・・・何故か、聡美の婚約者・浜田利和(高橋光臣)の携帯電話の着信音は梨子とおそろいなのだった。
聡美、梨子、さらには遥と・・・三郎の周囲に美女がとりまき・・・行きつけの喫茶店・「睡蓮」のマスター・水田(本田博太郎)はニヤニヤするのだが・・・品行方正で小心者の三郎はまったく道を踏み外さないのである。
やがて・・・「ひき逃げ事件」から手をひけと梨子に脅迫電話がかかってくるのだった。
一方で・・・三郎はついに野瀬祐子から電話を受ける。
会長の愛した運転手の過去がいよいよ明らかになろうとしていた。
ちょいとお待ちよ 車屋さん
お前見込んで
たのみがござんす この手紙
内緒で渡して 内緒で返事が
内緒で来るように
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コメント
2回目のレビューを楽しみにしてたのですが無さそうなので押しかけました。
面白いです。金子監督もからんでたのですね。言われて見れば 那須さん、瀬戸口さんの名前もありました。なかなかなんだけどなぁ、人気はイマヒトツみたいですね。
1部の落ちた先が、姉妹ゲンカとは。
♪お前さっぱりお役に立たないお人柄~ ですね。
運転手さんのおめでとうを「心からの」と言ってるあたりから三郎を心配してました。マスターのおめでとうと一緒でしょ、含みがあるでしょ。「大変ですよ」と聞こえる私は すでに毒持ちでしょうか?
2部になって キッド様のテンションは下がったかもしれませんが、登場人物の毒は上がりましたねぇ。
ゲンダいずみ@江口のりこ、怖いィ~!
名刺をくださいと言ったときの真矢ミキにぞっとしました。
別の意味で 三郎の奥さんも怖いっ!
烏丸さんの変わりようにも!!(でも、やっぱかっこいいかも)
大杉連さん、でんでんさん、どういう立ち回りなの?
犯人さがしのドラマでないと思いますが、あまりに濃い毒にクラクラしてます。編集長やマスターが普通の人に見えてきました。
2部は捨てていたら、ほんとに長々ごめんなさい。アルバイト2人がキッド様を引きとめていることを期待してます。(・・・意外と犯人かも)
投稿: ファントムシャドウまたの名をQ | 2013年9月 4日 (水) 23時59分
かってはすべてのドラマに一言寸評を加えていたのですが
現在は一日一本縛りになっています。
まあ、趣向の問題でございます。
のめりこむほど再現性の高いものあり、
贔屓のキャスト目当てのものあり、
おちょくりたいものあり・・・
なるべくバランスをとるようにしています。
「名もなき毒」の場合、贔屓女優ベスト10に
入る深田恭子登場のために一言言及せずにはいられなかったのです。
ドラマ自体はこの枠の最高傑作と言ってもいいと思いますぞ。
今回は深夜のいくつかや、テレ朝の病気もの、事件ものと全くスルーのものがあります、
橋田ドラマなんて志田未来が出ているのにスルーなのです。
そういう意味では記事があるだけマシと言えるわけですな。
何様なんだよっ。
どなたかがおっしゃってましたが
「なるようになるさ」と「名もなき毒」は
枠チェンジすればいいのに・・・ってことですな。
まあ、ポーカーで言えば
深田恭子、南沢奈央、岡本玲の三枚をチェンジして
真矢みき・杉咲花・江口のりこが来たら
困惑するしかないのですな。
真矢みきと烏丸せつこの対決とかは
見ごたえありますが
わざわざ・・・記事にしなくてもねえ・・・
ということでございますよ。
基本的にドラマはすべて
チェックしていますので・・・
きっと楽しんでいると想像していただければ幸いです。
投稿: キッド | 2013年9月 5日 (木) 01時39分