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2013年9月22日 (日)

あまちゃん、二十五組目の土曜日(能年玲奈)

まあ、いろいろな意見もあるだろうが・・・何十年も毎日のようにドラマを見てきて・・・ドラマが好きで好きでたまらない人間にとって・・・「あまちゃん」は何十年に一度あるかどうかわからない傑作に間違いないと思う。

「人間」が描かれ、「人生」が描かれ、「人情」が描かれた未曽有のドラマといってもさしつかえないだろう。

1000年に一度の地震の後で・・・まだ癒えぬ傷跡を抱えている人も多いだろうし、1000年後も続く汚染の中で不安を抱える人も少なくないはずである。

そういう心の憂さをこのドラマは・・・少なくともキッドにとっては見事に晴らしている。

残り一週間、無事に見終わるまでは死ねない。世界も滅亡しないでほしいと願うのである。

もちろん、次の瞬間には一万年に一度の地震が襲来するかもしれないが・・・それはそれで面白いのである。

今週は「橋本愛の週」と言ってもさしつかないが・・・この期に及んでは主人公に敬意を表したい。

すごいドラマはすごい脚本家抜きでは成立しないが・・・すごいヒロイン抜きでも成立しない。

最終週の予告編を見る限り・・・そこには「幸せになれるテレビ」が確実に展開されていると思う。

それを予感させるドラマなんて・・・滅多に見られるものではないのである。

来週の今頃、キッドはきっと思っている。ああ・・・良い夢だった・・・現実に無事に帰還できるかどうかは別としても。

ドラマは「北三陸篇」「東京編」「復興編」の三部作の様相を呈している。およそ、三、二、一のリズムで仕切られた序破急の展開である。

はりめぐらせた伏線が怒涛のように回収され、急流となって流れ込む毎日が最終回の連続である。

そして・・・その急流を・・・突き抜けた可愛さで泳ぐヒロイン。

君よ、君こそが・・・まさに三途の川のマーメイドなのです。

で、『連続テレビ小説・あまちゃん・第25週』(NHK総合20130916AM8~)脚本・宮藤官九郎、演出・西村武五郎を見た。2011年3月11日、東日本大震災後の世界へと変転した日本。被災地のユイ(橋本愛)からの「「帰ってきてよ」という救助要請に応えて東京から北三陸に戻るアキ(能年玲奈)・・・。2011年、アキの十代最後の夏は・・・嫌っていた故郷の壊滅を目撃し、心を閉ざしたユイのレスキューに捧げられる。しかし、根こそぎ津波で攫われた北三陸の傷跡は深い。ユイと出会った北鉄も流され、ユイと歌った海女カフェも流されていた。そして・・・袖が浜の海からはウニも姿を消していたのである。だが「復興祈願の海女のミサンガ」を掲げ「北鉄と海女カフェ」の復興を目標に掲げたアキは全土を覆う心の闇の迷宮からの脱出を目指す。アキの苦難を知り、東京からは恋人の種市(福士蒼汰)が駆けつけ南部ダイバーの魂を蘇らせる。希望の兆しを感じるアキの前に・・・また一人、力強い味方が舞い降りるのだった。ストーブ(小池徹平)、種市、水口(松田龍平)というアキに忠誠を捧げる三銃士の揃い踏みなのだ。

月曜日 海はいつになく涙いろで哀しみたたえているのです(橋本愛)

2011年8月。袖が浜、天野家の囲炉裏端に水口が帰って来た。

故郷に帰ったようにくつろぐ水口の前に「海女のミサンガ」を届けにきたユイ。

「どうしているの・・・?」

「どうしても・・・あきらめきれなかったんだ・・・キミとアキちゃんの潮騒のメモリーズが・・・」

「私は・・・やりません」

逆上したユイは神聖な漁師の網で編まれた「海女のミサンガ」を水口に投げつけて脱兎のごとく逃げ出すのだった。

「この野郎・・・漁師の魂を・・・」と思わず・・・もう一人の我が孫を叱る夏ばっぱ(宮本信子)声もすべての現実から逃避中のユイには届かない。

アキと水口はユイを追いかけて夜の北三陸を走るのだった。

恋人もいないのに薔薇の花束抱いて

これからいったいどこへ行くの

風はいつになく意地悪そうに

つらい質問するのです

とりあえず・・・スナック「梨明日」で帰還の挨拶をする水口。

大吉(杉本哲太)、吉田(荒川良々)の北鉄コンビ、保(吹越満)とストーブの観光協会コンビは生温かくミズタクこと水口を歓迎する。

「それにしても・・・仕事を辞めて・・・北三陸に来るなんて・・・思い切りましたね」

「いえ・・・社長の配慮で・・・北三陸支店長に就任しました」

「支店長・・・」

「あ・・・支社長でした・・・」

「倍返しって言い出すのかと思いましたよ」

「まあ・・・給料は歩合制で・・・事務所はこの店ということで・・・アキちゃんとユイちゃんの仕事のない時は勉さんのお世話になろうと思ってます」

「勉さんが・・・裏切り者のあんたを許すかどうか・・・」とドスをきかせてみる吉田くんだった。

「はい・・・でも琥珀がボクを呼んでいるんです」

「私も呼んでたわ」と早くもスナック恋愛モードで水口に迫るカウンターの美寿々(美保純)・・・バングラデシュ人の恋人カマール(アベディン)はどうした・・・まさか・・・波に・・・。

「ところで・・・春子さんが再婚するって本当か・・・?」と大吉。

「ええ・・・たぶん・・・きっと」

「そうか・・・マサが幸せになるならそれでいい・・・俺もこの際・・・新しい恋を捜すべ」

そこへ・・・タイミング良く安部ちゃん(片桐はいり)がやってくるのだった。

見つめ合う大吉と安部ちゃん。

「いやいやいやいや」と合いの手を入れる一同だった。

アキとユイは夜の北鉄車庫を散策していた。

ほぼ休業状態の北鉄の多くの車両が眠りについている。

「ねえ・・・ここに来たことある・・・?」とユイが問う。

「お座敷列車の時に・・・種市先輩と・・・」

「ああ・・・潮騒ごっこをしてたき火をアキちゃんが飛び越えようとした時ね」

「えへへ・・・」

「でも・・・映画では逆だったんでしょ」

「相手は前髪スネ男だったけどな」

「凄いよね・・・人気のアーティストと共演なんて・・・アキちゃん、夢を叶えてるよ」

微笑むユイ。

「・・・」

「アキちゃんと友達でよかった・・・」

「・・・」

「これからも仲良くしてね・・・」

アキはユイの「重さ」にたじろいだ。微笑んでいるが・・・心から笑っているわけではない。そういうプレッシャーがひしひしと感じられるのである。

消されたネズミのマークが目印のお座敷列車を発見して話題を変えるアキ。

「お座敷列車・・・懐かしいな・・・おら、やっぱり北鉄はめんごいと思う。ユイちゃんと初めて会ったのも北鉄だったし・・・それから二人でウニを売りまくったり・・・」

「駅で喧嘩したよね」

「ああ・・・おらがのんびりしてるんで・・・ユイちゃんに叱られた時な・・・」

「あん時は・・・どなりつけちゃってごめんね・・・結局、私にとっての青春の1ページになっちゃったけど・・・」

ユイはアキに重すぎるプレッシャーをかけつつ、お座敷列車の奥に眠る奇跡の車両に誘導する。

「これ・・・私がトンネルの中で立ち往生した時に乗ってた車両・・・」

最高の重圧襲来である。

「こわくて・・・しばらく乗れなくなっちゃった・・・今はもう平気だけどね・・・」

ユイはその日の自分をアキに見せつけるように奇跡の車両に乗り込んでいく。

全国から寄せられた千羽鶴が飾られた薄暗い車両。

アキはおそるおそる・・・怖い車内に入って行く。

リアスでは・・・限りなくウーロン茶に近いウーロンハイを飲みながら大吉は水口にあの日のことを語っていた。

「あの時・・・ユイちゃんは・・・心を失くしちまったような目をしてた・・・絶望ってものを絵にかいたようだった。だから・・・ユイちゃんを・・・晴れ舞台に引き戻すのは簡単なことじゃねえぞ・・・」

「・・・」

「あの・・・ヌメっとした爬虫類顔のテレビ局のディレクターが口説いてもダメだったもんな」と吉田。

「それでも・・・やるってんなら・・・観光協会は全面協力を惜しまないよ」と保。

「兄としても・・・できるだけ・・・説得してみます」とストーブ。

「その一部始終をヌメ~っと撮影させてもらいたいですねえ」

いつの間にか水口の席にはカメラを回しつつ「岩手こっちゃこいテレビ」のディレクター池田(野間口徹)がヌメヌメ~っと着席しているのだった。

暗闇の車両では・・・ユイが心を揺らして饒舌になっていた。

「ねえ・・・地震の話より・・・芸能界の話を聞かせてよ・・・スナックの話題になるような下衆いやつ・・・アキちゃん、芸能界のこと、ちっとも話してくれないんだもん」

「ごめんな・・・聞きたくねえかと思って」

「じ・・・地震の前はね・・・ア、アキちゃんがテレビに出ると消してた」

嘘である。少なくとも「おめでた弁護士」や「見つけてこわそう」を見つめていたユイなのだ。何故そんな嘘をつくのかユイにも分らない。しかし、おそらくユイは自分の本心が怖いのだろう。

「し、潮騒のメモリーも一回も聴いていないし、え、映画も一回も見ていない」

これも嘘だろう。ユイは映画の場面さえ知っていたのだ。GMTなんて興味がないといいながら歌詞を暗記していたユイなのである。

「ごめんね・・・口惜しかったし・・・アキちゃんに嫉妬している自分も嫌いだった・・・周囲の人は私に気を遣ってたかも・・・でも・・・今はもう口惜しくないし・・・みんなも私に気を遣わないし・・・口惜しいとか嫉妬とか・・・そういう感情って元気がある証拠なのかもね・・・」

そして・・・微笑むユイ。口調は話の内容とは別に奇妙に明るいのだった。

ユイの中で・・・激しい葛藤が繰り広げられていのを感じるアキ。

その重圧がのしかかり身動きが出来ない。

そんなアキの手を取るユイ。

「ごめんね・・・もう帰ろう」

ユイに引きずられてようやく歩き出すアキだった。

奇跡の列車には・・・ユイを呪詛する怨霊が籠っているようだった。

スナック「梨明日」ではカラオケの潮騒のメロディーが流れていた。

歌の途中で口ごもる吉田くん。

「なつかしいなあ・・・今でも夢に見るよ・・・あの賑わい」

「・・・」

「もう・・・あんな日々は二度とないんでしょうねえ」

「・・・何もかもが懐か・・・」と言いかけてアルコールに負け、ナーバス・ブレイク・ダウンする大吉。

そこへ乱入したアキは吉田くんのマイクを取り上げるのだった。

「懐かしんでる場合でねえべっ。あんなもんじゃねえ。今のおらとユイちゃんが本気だしたらあんなもんじゃねえよ・・・こんばんは、海女のアキでがす。おらのユイちゃんはあんなもんじゃねえんだよ。コノヤロー、おらのユイちゃんは昔はもっと自己中心的で腹黒だったべ・・・震災からこっち何を言っても作り笑いでよ、コノヤロー、頷くばかりで何も返ってこねえ。なんか、そういうことわざあるべ・・・バカヤローおめえ、暖簾に・・・暖簾に・・・押し鮨みてえなっ」

そこで大吉を介抱していた安部ちゃんがすっくと立ち上がり・・・。

「腕押し・・・暖簾に腕押しだよ・・・アキちゃん」

言葉の間違いを指摘された時のかわいいむずがり顔を披露しながら・・・マイク・パフォーマンスを仕上げにかかるアキだった・・・。

「やるよお・・・おらあ・・・お座敷列車、ユイちゃんがやらなくても安部ちゃんと二人でもやるよお」

「いやいやいやいやいけと即座に合いの手入れる一同。

「否定するのが早すぎるべ」と不満を漏らす安部ちゃんだった。

「コノヤロー。バカヤロー。試合を見に来てくれたお客さんにとっては懐かしい思い出かもしなねえが・・・おらにとっては大事なスタートラインだ・・・海女カフェ復活に向けての大事なチャンスだ・・・真剣にやってもらわないと困るんだあっ」

その時、記憶が蘇るアキ。

お座敷列車直前・・・恋の話にのぼせあがるアキにユイは叫んだ。

「アキちゃんにとっては思い出作りかもしれないけど、私にとっては大切なスタートラインなの。真剣にやってよ」

ユイちゃん・・・ユイちゃん・・・おらのユイちゃん。

アキはあの日のユイちゃんが痛切に恋しいのだった。

一方・・・小田こはく工房を尋ねた水口。

夜道を勉さん(塩見三省)はラジカセで「地元に帰ろう/GMT5」を聞きながらやってくる。

「あの・・・勉さん・・・俺・・・恥ずかしながら帰ってきました・・・」

「うるせえ・・・口動かさないで手を動かせ・・・お前の道具は小屋の中だ」

「・・・」

小屋の中に・・・「水口用」と書かれた札と採掘道具一式。

思わず、眼鏡が曇る水口だった。

「ついてこい・・・」

「はい・・・」

琥珀道師弟の復活だった。

空はいつになく 青く澄んで

思わず泣きたく なるのです

そんなある日・・・。

猫のかつえに・・・いや・・・夏ばっぱにかかる一本の電話。

「はい・・・もうすこし・・・ゆっくり・・・しゃべってけろ・・・デージといわれてもなんのことやら」

「で~じ」に反応するアキだった。

「キャンちゃん?」

「ア~キ~・・・夏ばっぱあの家、忘れたさ~、海女カフェも滅茶苦茶さ~」

「海女カフェにいるのけ?」

「あ・・・天野、おれおれ・・・宮古でチャリティー・イベントがあってさ・・・みんなが天野の実家が近所だっていうからさ」

「あ・・・ちっちゃい方の河島さん・・・」

ハートフルには大きい方の河島(マギー)はいない。

「なまってる方」連発で傷ついたアキが密かに考えていた復讐のフレーズなのである。

大きい方が水口、小さい方が河島の意味である。

可愛い方のユイ、訛ってる方のアキに対応していることは言うまでもない。

なにしろ「いくらおらでも傷ついた」のである。

執念深いのはもちろん・・・春子の遺伝子のなせる技なのだ。

アキからの緊急連絡を受ける吉田くん。

「GHQが来るそうです」

「何・・・連合国軍最高司令官総司令部General Headquarters, the Supreme Commander for the Allied Powers(=日本占領軍)がっ」と大吉。

「GMT・・・」と喫茶リアスのユイ。

まもなく・・・到着するサングラスのマッカーサー司令官ではなくて・・・GMT5リーダーの入間しおり(松岡茉優)・・・。

現役アイドル=有名な芸能人の登場に北三陸市の市民は血液が沸騰するのだった。

もちろん・・・ユイも例外ではない。

火曜日 ほらほらもうすぐこの弓があなたにあなたに命中よ(松岡茉優)

たとえば月曜日は・・・天野家で始り、ユイと水口は「あれ・・・髪の毛どうした」以来の一年半ぶりの再会を果たす。アキはユイと北鉄車庫へ。水口はスナック梨明日へと向かう。水口は北三陸の主要人物たち。北鉄と観光協会、海女の美寿々と再会を果たして勉さんの工房へ。その後、アキはユイへの鬱憤をスナック梨明日で晴らす。そして翌日、喜屋武エレン(蔵下穂波)が海女カフェに現れる・・・という流れである。

この中で・・・ユイが水口との再会で心が揺さぶられ・・・アキに対して被り続けた微笑みの仮面が綻びはじめていく過程が丹念に描かれているのである。一方で・・・ユイを揺さぶった水口は深追いせずに琥珀の恩師である勉の元へと急ぐ。そして、アキはユイに対する苛立ちをついに爆発させる。しかし、それを直接ぶつけることのできない自分に限界を感じるのである。そして・・・最後に最終兵器である現役アイドルの登場なのである。

この計算されつくしたシナリオ・・・そして計算を感じさせないよどみない演出。

この一点だけでも充分に見ごたえがあるのだなあ。

そして・・・今回は・・・「東京での密談」以外は・・・喫茶「リアス」とスナック「梨明日」の昼と夜だけで・・・震災後のアキのユイに対するアプローチがついに決着するのである。

さらにはアキの単独上京以来の流れの終着点でもある。そして、それは二人のアイドル物語の途中駅でもあるのだ。上りの東海道新幹線なら新横浜である。終点・東京は目前なのだな。

地元系アイドル「GMT5」が北三陸にやって来た。

認知のドーパミンの大量放出によって脳内快感による多幸感に興奮が収まらない北三陸市の人々。

アキにとってそれは・・・東京で初めて鈴鹿ひろ美に会った時のことを思い出させる。

田舎の人々にとって「テレビに出ている人」は「神」に等しいのである。

ユイもまた衝撃を感じていた。アキがテレビに出て再び戻って来た時にも衝撃はあったのだが・・・それよりも「現役アイドル」を「生」で見た衝撃ははるかに大きかったのである。ユイは自己防衛のための仮面を必死に手で押さえている状態である。そうでなければ熱狂してしまうのだ。

「さすがは・・・現役アイドルだな・・・」

アキは東京の同志たちの人気ぶりを我がことのように感じるのだった。

アキの知人であるという特権で・・・喫茶「リアス」でGMT5とお近づきになる北鉄コンビと観光協会コンビ。さらに・・・いっそん(皆川猿時)である。

おもてなしの気持ちでアキが「ウニ丼食ってけろ」と言うのを制して、「自己紹介の芸」をおねだりするのだった。

河島が制するのを小野寺ちゃん(優希美青)が「アキちゃんの地元だからよかんべ」とサービス精神を発揮する。

やんやと盛り上がるKSR(北三陸)5だった。

ずんだ推しのいっそんが「ずんだずんだ」と盛り上がれば、真奈ちゃん(大野いと)推しのストーブは「福岡」に対して「佐賀だろう」とつっこむ。大吉さんも調子に乗ってキャンちゃんの「ゴ~ヤ~」に「チャンプルー」と応じる始末である。

「何か? ベロニカ」で決めるGMT5だった。

「天野、紹介してくれよ・・・訛ってない方・・・」

「ああ、ユイちゃんか・・・」

アキがユイを紹介するとユイの緊張は限界に達するのだった。

一目でわかるユイの抜群のアイドル性に茫然とする河島とGMT5・・・。

「私・・・買い物があるんで・・・」

耐えきれず店外に逃走するユイだった。

「がばいね~」と真奈ちゃん。

「アイドルとしての素質の差が歴然としているのは否めないね~」とベロニカ(斎藤アリーナ)・・・。

「でも、ちょっと影があるよね」と強烈なライバル意識がもたげるリーダー。

「ちょっと、人見知りしてるんだ・・・話してみると意外と面白くて、そのギャップがいいんだぞ」と親友を庇いつつ分析する油断のならないアキだった。

「あの子がいたらセンターだべな」と小野寺ちゃん。

アイドルたちの的確なユイに対する評価が自分のことのようにうれしいアキだった。

そこへ・・・新たに弥生(渡辺えり)とあつし(菅原大吉)のブティック今野夫妻がやってくる。

「残念だったな・・・今、自己紹介終ったとこだ」

「そかんあ・・・もう一回やってけろ」

遠慮を知らない田舎者なのである。

さらに花巻鈴(小島一華)と琴(吉村美輝)の姉妹を連れて来た眼鏡会計婆かつ枝(木野花)・・・。

「子供たちのために・・・もう一回やってけろ」

あくまであつかましい田舎者なのだ。

アキも加わって「GMT6」となり盛り上がる一同。

アキが向こう側に行ってしまい気絶しそうになるユイ。

「あの・・・そろそろ追加注文いいですか・・・一応喫茶&スナックなので・・・」

「・・・」

リーダーはなんとなく・・・ユイとの火花を飛ばし始めるのだった。

そこへ・・・種市が登場。

GMT5のボルテージが上昇。

「種市、元気、どうしてるの~」

「今日は瓦礫撤去だ」

「なんだ・・・種市・・・知り合いなのか・・・」と嫉妬するいっそんである。

「違うよ~、アキとのことだよ~、つきあってるんでしょ~」

種市の前に立ちはだかるユイ。アキと種市をからかっていいのは・・・親友の自分だけなのだという最後の砦なのだった。

「ご注文、お願いします」

「じゃあ・・・コーラ5」と余裕を見せるリーダーだった。

「チッ」とついに舌打ちするユイに異常を感じるリーダー。

しかし、初対面ではあるけれど・・・GMT5は・・・アキを通じて・・・ユイの「事情」をそれとなく知っているので・・・そこには「友達の友達」に寄せる「気持ち」が介在しているのである。

なぜ・・・アキがここにいるのかを・・・リーダーは特に察しているのだった。

だが・・・そうとは知らないユイはあくまでスナックの従業員として振る舞うのだった。

「あの・・・カラオケあるんすけど・・・歌います?」

「いや・・・それは」と一応釘をさす河島。

しかし、GMT5は・・・アキと一緒に歌うことを望むのだった。

彼女たちは地元系アイドルの名に誇りを持っているのだ。

地元の人々にサービスしてナンボなのである。

夢を作って

ガラスの箱にしまっておくよな

いつでも内気な女の子じゃありません

おしゃれで陽気で茶目気で

いつでも誰かに恋してる

そして、GMT6の歌声はユイのハートを撃ち抜くのだった。

つまり、冷凍食品のユイは電子レンジでチンされてしまったのである。

移動日でのプライベートな時間を過ごしたGMT5は嵐のように去って行く。

「あの・・・可愛い方の子にもよろしくね」とリーダー。

「ユイちゃんか・・・」

「うん、いつでも勝負を受けて立つわよ・・・アイドルとしてね」

「・・・ありがとな」

アキは仲間たちの友情に胸が熱くなるのだった。

GMT5が東北チャリティー・ツアーをしているように・・・東京ではチャリティーソングの企画を巡って・・・鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の所属事務所社長・天野春子(小泉今日子)と鈴鹿ひろ美の実の夫・太巻(古田新太)が意見を交換しているのだった。

「総勢八十人によるチャリティーソングなんだ。『さくら/森山直太郎』をみんなで歌うという・・・」

「歌わせる気・・・」

「チャリティーだから・・・オファーを断りにくい・・・」

「だからって・・・」

「まあ・・・さくら・・・さくらの一行なんですけどね」

「一行だって・・・ぶちこわすわよ・・・歌そのものを」

「まあ・・・そうなんですけどね・・・前が森久美子で後がセリーヌ・ディオンだし」

「ものすごく・・・音痴が際立つじゃないの・・・」

「だから・・・こっそり断ります」

「よかった・・・」

「でもね・・・彼女・・・最近、歌うことにこだわってるんですよ」

「・・・」

「あの音痴様々、以来ね」

「えーっ、私のせい?」

「口の堅いボイストレーナー紹介しろって・・・うるさくて」

「・・・」

鈴鹿ひろ美の「チャリティーソング参加」が闇に葬られた頃、スナック「梨明日」では宴の後片づけが始っている。

皿を猛烈な勢いで洗うユイ。

周囲を囲むのは夏ばっぱとストーブとアキだった。

そこへ・・・琥珀の勉さんと水口がやってくる。

「えーっ・・・GMT5来てたの・・・」と残念がる勉さん。

「河島さんも来てたんだ」と水口。

「河島さん・・・ユイちゃんにボーッとなってたぞ」とアキ。

「さすがは・・・ユイちゃん」と水口は誘いかける。

「別に・・・っていうかさ・・・あの子たち、あのレベルでテレビとかさ、笑える。あの小野寺って子も・・・思ってたよりも普通っていうか、何か若いだけっていうか、若いから可愛いっていうか、来年どうすんのって感じだし、リーダー性格悪そうだし、真奈ちゃんは所詮、がばいだけだし、沖縄の子はキャラ系だし、ベロニカは狙いすぎてて、トリンドルもローラもいるし枠的につらいっしょ・・・ずば抜けてかわいい子、いないでしょ・・・ずばぬけて歌が上手い子もいないし、踊りは上手いっていうより下手だし、アイドルとしては限りなくCに近いB級・・・地元に帰ろう・・・って、お前らが田舎に帰れよって感じだし・・・」

「あのな・・・ユイちゃん・・・一応、みんなおらの友達なんだども」

「友達い? あ、ああ~そうだよね。ごめん、ごめん。でもさ・・・トモダチだからっていきなり押しかけてきて大騒ぎして、素人レベルの歌聞かされたって、興味のない人間には・・・この上なく迷惑だし、リーダー性格悪いの丸出しだしさ・・・アキちゃんが・・・GMTに残ってれば余裕でセンターとれちゃうし・・・」

走り出したら止まらない上にフルスロットルのユイにアキは何かを感じて水口を見る。

眉を動かして同感の意を伝える水口。

夏ばっぱもまた・・・潮時を感じてアキに無言で合図を送る。

ストーブでさえも・・・ユイから立ち上る解凍の湯気に気が付くのだった。

誰もが・・・喜びの予感を感じているのだった。

アキはカウンターに入ってユイとの距離をつめる。

「じゃあ・・・ユイちゃんだったら・・・?」

「・・・私・・・私はいいよ・・・もうそういうのは・・・で、でもさ・・・あんなんでアイドルとかいってチャホヤされるなら・・・潮騒のメモリーズの方が何倍も可能性あると思うけどね」

「じゃあ・・・やろうよお」

「え・・・やんないけど・・・やんないよ・・・お店もあるしさ・・・やんないけど・・・でもさ」

「なんだよっ・・・さっきから・・・でもさ、でもさって・・・やりてえの?・・・やりたくねえの?」

「やりたいよっ」

「・・・」

「やんないよ・・・やりたいよ・・・でもやんないよ」

「やりなよ」と水口。

「やんない」

「やればええのに」と夏ばっぱ。

「やんないよっ」

「やれよっ」とヒロシ。

「やるよっ」

「やったあああああああっ」と勉さん。

「・・・・・・・・・」

笑顔に包まれたユイは唇を結ぶ。

そしてカウンターの引き出しから何やらノートを取り出すのだった。

「え・・・え・・・何・・・潮騒のメモリーズ現象って・・・」

「再結成からお座敷列車までのストーリーをまとめたの・・・読んどいて・・・」

恐ろしいことにその冒頭には・・・。

潮騒のメモリーズ現象~第二章

☆潮騒のメモリーズ再結成!!

2011年8月17日

アキちゃんの強い呼びかけにより

潮騒のメモリーズ再結成決定!

お兄ちゃん、勉さんも大喜び☆

・・・と記されているのだった。

すべては・・・ユイの計画通りだったのである。ユイ・・・恐ろしい子。

「ユイちゃん・・・」

「ごめん・・・私ずっとずっとずっと嘘ついてた。全然あきらめきれてないし・・・ふっきれてないし、あきらめようとかふっきろうとか・・・わらってごまかしたり・・・ものわかりいいふりしたり・・・なげやりになったり・・・なげだしたり・・・滅茶苦茶したり・・・無理したり・・・でも・・・GMTの歌聴いてたら・・・なんだかイライラしちやった・・・自分自身に腹が立って・・・何だよ・・・同い年なのに・・・何やってんの私って・・・ビールケース運んでミサンガ編んでどうすんだって・・・アイドルになりたいのっ・・・アイドルにならないでどうすんだってえ・・・・いつも面倒くさくて・・・本当にごめんね」

ユイは・・・すべてを告白して・・・さらけだした。

アキは天にものぼる気持ちがする。

「お帰り」

「・・・」

「面倒くさいユイちゃん、お帰り」

手を差し出すアキ。

ユイは唇をかみしめて不敵に笑う。

「ただいまっ」

アキとユイは握手を交わした。

トンネルを抜けると腹黒くて自己中心的でうっとりするほどかわいいユイが立っていたのである。

そして・・・「現象」的には2011年秋祭りで・・・ユイは焼きそばの売上最高記録を樹立するらしい・・・。まあ・・・きっとそこはスルーなんだろうなあ。

水曜日 今日もひとりたたずめば肩をポンと叩かれて涙拭けって優しい声(小池徹平)

さあ・・・加速です。

2011年8月から2012年2月に時は流れます。

ここは現象的妄想で補完します。

9月上旬に秋祭りがあり、ここでユイちゃんがミス北鉄に再選されます。毎年、行われていれば2008年、2009年、2010年に続いて四年連続のミス北鉄。

アキは復興祈願・焼きそばで売上新記録を樹立。

9月下旬に本気取りがあり、海女のアキちゃん、海女のユイちゃんのW海女ちゃんで数少ないウニ争奪戦。おそらくアキ・ユイ対決は出来レースの引き分けで・・・うにオークションでは万札が乱れ飛びます。

9月~11月にユイの誕生日があり、ユイが二十歳になる前に「潮騒のメモリーズ」再結成イベントが公民館で開かれ、岩手こっちゃこいテレビが生中継。

潮騒のメモリーズが岩手県内の復興の様子を伝える「がんばっぺ岩手」のレギュラー番組が岩手こっちゃこいテレビに編成される。

11月、アキの誕生日に「潮騒のバースデーメモリーズ・パーティー」が開催され、地酒復興イベントが開催。ユイが泥酔。

12月、「潮騒のメモリーズのクリスマス」でアキサンタ、ユイサンタが被災地の子供たちにクリスマスプレゼント。

2012年1月、「潮騒のメモリーズ復興祈願おせちセット」が全国向けに発売される。うに入りまめぶ汁付きでそこそこ人気となる。

汗にまみれた胸がとても眩しかったのよ

また逢う日もあるだろうと白い歯みせ笑ってた

そして・・・2012年2月・・・。

足立功(平泉成)が北三陸市長選に立候補。

司会は愛妻よしえ(八木亜希子)・・・そして強力なサポーターとして「潮騒のメモリーズ」が選挙をバックアップするのだった。

県議としての実績、復興へのビジョン、そして観光海女であり、地元系アイドルでもある潮騒のメモリーズに加えて・・・必殺術を繰り出す足立先生。

「なんでもかんでも・・・自粛すればいいってもなじゃないんですよ」

「んだんだんだーっ」と音頭をとるアキなのだった。

「震災から間もなく1年です。なぜ、復興はおくれているのか。本当に必要な人に・・・本当に必要なものが届いているのか。そうでないとすれば、それは政治の責任です」

「んだんだんだ」

「畑野村は根こそぎもっていかれました。それから、一年、国や県が何をしてくれましたか。海女カフェは波に消えました。北鉄は未だに一区間運転です。何もかもが遅すぎるのです」

「んだんだんだ」

「北鉄も、北の海女も、北三陸の誇りです。重要な観光資源です。これをとりもどさなければ地元に銭は落ちません」

「んだんだんだ」

「いまこそ・・・北三陸市民は自ら立たなければなりません。立てよ、北三陸」

「んだんだんだ」

「どうか・・・皆さん・・・来るべき市長選挙には足立功をよろしくお願いします」

ついに土下座する足立先生。人々はその神々しい姿にひれ伏すのだった。

「ジーク、アダチ」

土下座の帝王・足立功当選確実である。

こうして、よしえは市長夫人に、ストーブは市長の息子に、ユイは市長の娘にジョブ・チェンジするのだった。

祝賀会で・・・ユイは案じる。

「市長の娘で地元系アイドルって・・・無駄にセレブ感が醸し出ちゃわないかな」

「元々、それほど親しみやすいキャラでねえから大丈夫だ」と断定するアキ。

「・・・だよね~」

成人した二人はそれなりに初々しいドス黒さを漂わせるのだった。

スナック「梨明日」店外では・・・市長の息子が「お勉強スポット」でビールを飲んでいた。

それに気が付くアキ。

「どうした・・・ストーブさん・・・一人たそがれて・・・」

「いや・・・ちょっと風なあたろうって思っただけで」

「気をつけてください。ストーブさんは自分が思ってる三倍の負のオーラ醸しだしてますから・・・その顔でホームに佇んだら、みんな人身事故を予感するべ」

「気をつけるよ・・・それより、アキちゃん、今回はありがとう」

「いやいや・・・礼なんかいらねえぞ・・・おら、一票入れただけだ」

「親父もだけど・・・ユイのこと・・・」

「それこそ・・・礼には及ばねえ・・・親友だもの・・・それにおらの最終目標は海女カフェの復活だ・・・なんてったって海女カフェはユイちゃんが歌って踊るためのステージだぞ。肝心のユイちゃんが歌って踊る気になんねえんじゃ・・・海女カフェ建ててもしゃあねえもんな」

「そうか・・・ってあれ・・・アキちゃん、選挙権あったっけ」

「おら、二十歳だぞ・・・選挙権は国民の義務だ」

「・・・け、権利だけどね・・・そうか・・・アキちゃんがここに来た時って・・・いくつだったけ」

「高校二年の夏だから・・・16歳だ」

2008年の夏。ストーブが正真正銘のストーブだった頃・・・。アキはまだ16・・・歳だった。

2009年の秋、東京に旅立ったアキは17歳。

2010年の夏、デビューに失敗したアキは18歳。

2011年の春、歌手デビューしたアキは19歳。

そして・・・2012年の早春・・・アキはもう20歳なのである。

大人になったアキは「風にあたりたい」というストーブのために駅舎の窓を開ける・・・。

五月まで雪が残る北三陸の冷たい夜風が二人の火照った顔を冷ますのだった。

アキの揺れる髪をうっとりと眺めるストーブ。

「え・・・アキちゃん・・・ビール飲んでるの」

「カタチだけだ・・・」

手酌のアキにビールを注ごうとするストーブ。

「いやいやいや・・・」

「まあまあまあ・・・」

「へへへ・・・おらたち・・・おっさんみてえだな」

「・・・」

「ストーブさん、おら変わったかな」

「全然、変わらないよ」

「そうか・・・」

「いや、でも・・・それって凄いことなんじゃないかな・・・東京の子が田舎に来て、海女になって・・・また東京に行って、今度はアイドルになって、映画に主演して・・・また田舎に帰ってきて・・・それで・・・変わらないんだもの。大したもんだ。普通なら・・・いい気になって派手にになったり、男できたりして」

「男はできたど」

「・・・うぐ・・・で、でも・・・基本、アキちゃんはアキちゃんだもの・・・何にも変わらねえ」

「そうか・・・いがった・・・」

「いがった?」

「うん・・・芸能界さいると・・・っていうか東京にいんとさ・・・成長しねえ奴は怠け者扱いだ。でも、成長すんのがそんなに大切かって・・・おら思うんだ。人間だもの、ほっといても成長するべ・・・背が伸びたり太ったり」

「・・・」

「おっぱいでっかくなったりな」

「・・・」

「それでも変われねえ・・・変わりたくねえことだってあると思うんだ・・・あまちゃんだって言われるかもしんねえけど・・・それでいいべ。おら、プロちゃんにはなれねえし・・・なりたくねえと思うんだ」

「・・・」

「どうした・・・ずっと黙っちまって・・・」

「いや・・・男ができたってとこから気を失ってた」

「やんだあ・・・ストーブさんは変わんねえな」

アキはストーブの背中をバシッと叩くのだった。

あまちゃんは・・・海女ちゃんで・・・甘えん坊ちゃんなだけではなく・・・プロフェッショナルに対するアマチュアだったのである。

セリフによる解題来ました。

しかし・・・けしてプロとして完成しないことは・・・ショー・ビジネスの鉄則でもある。

熟成と腐敗は紙一重だからである。

アキの変転する目標設定こそが・・・転石苔苔生さずのセオリーなのである。

苔生すことを「美」とする人々とは相容れぬ一線がそこにあるのだ。

しかし、それは同じ世界をただ別の視点で見ているだけだという考え方もあります。

アキがストーブに引導を渡している頃・・・東京でも「譲れないもの」同志が激突しているのだった。

スリーJプロダクションのテーブルに広げられた一枚のポスター。

「鈴鹿ひろ美チャリティー・リサイタルin東北・・・心を込めて笑顔を届けたい」

「・・・ってなんですか・・・これは」

「勝手に決めてごめんなさい・・・でも私」

「決めるのは社長の私です・・・あなたは所属タレントなんですからっ」

「所属タレント・・・私一人しかいないけどね~」

鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)に同意を求められて思わず微笑む太巻。

春子に睨まれると「すいません」と謝罪するのだった。

「私・・・やっと見つけたんです。私に出来ること・・・私がやらなきゃいけないこと・・・今まで女優として演じることで東北の皆さんに元気になってもらいたいなあって思ってきたけど・・・もっと直接励ましたい・・・生身の鈴鹿ひろ美の声を届けるべきだって」

「あの・・・リサイタルってことは歌われることですよね」

「歌以外に・・・表現方法ありますか」

「ありますよ・・・朗読とか・・・ポエトリーリーディングとか・・・あと、詩吟とか」

「ある・・・と思います」

お笑い芸人ネタで場を和ませようと懸命の太巻である。

「むしろ・・・語って聞かせる方が・・・被災地の皆さんは喜ぶんじゃないですかね。なんてったって歌はその・・・二十五年のブランクがあるわけだし・・・」

「私が音痴だから・・・」

言葉を選んでいた春子は言葉を失うのだった。それを言ったらおしまいだからである。

説明しよう。「歌が下手」と「音痴」とは全く次元が違うのである。

歌が下手な人は上手に歌えないだけで・・・自分が上手く歌えていない自覚がある。

しかし・・・「音痴」の人にはそもそも「歌の上手い下手という概念」が分らないのだ。

嗅覚のない人に「良い匂い」と「悪臭」の区別は理解できないし、味覚のない人に「美味しい」も「まずい」もへったくれもないのである。

その部屋にいるのは春子と正宗(尾美としのり)、そして太巻。

ある意味・・・鈴鹿の「音痴」で結ばれた四人だった。

彼らがそこにいるのは偶然ではなくもはや運命と言えるのだ。

二十五年前・・・鈴鹿の「衝撃の歌唱」を耳にした三人は・・・その呪縛から逃れることはできないのだった。

「チャリティーソングへの参加・・・無断で断ったでしょう・・・私、傷つきました」と鈴鹿。

「・・・すみません」と謝罪が苦手な春子が謝罪。

「いや・・・僕はね・・・提案したんだ・・・最悪、春子さんが代わりに歌って・・・」

春子と鈴鹿の凶悪な視線がダブルで太巻を射ぬく。

「どうもすみません」

故・林家三平師匠になるしかない太巻だった。

「社長を責めてるけじゃないの・・・ただ・・・あなたは・・・影武者だったことを告白して・・・それなりにすっきりしたかもしれないけど・・・私はまだ・・・過中にいるんです・・・だって歌手・鈴鹿ひろ美は・・・否定されたままなんですもの。このままでは済まされないんです。私は戦いたいんです・・・自分の移ろいやすい音程と・・・。私には・・・なぜ・・・それほどまでに自分の歌が受け入れられないのか・・・わかりません。だから・・・チャレンジしたいんです。そして下手でも・・・不完全でも・・・自分の声で歌って笑顔を届けたい・・・ずっと納得がいかなかった・・・だから・・・去年の夏からひそかに口の堅いボイストレーナーについてレッスンしてきたんです・・・二度と、音痴って言われたくないからっ」

「いや・・・」

「え・・・」

「・・・」

「ここで・・・その成果を披露したいと思うんです」

「え・・・歌うの」と青ざめる太巻はすでにその成果をある程度知っているらしい。

「いや・・・心の準備が」と逃げ腰になる正宗。

「あの・・・アカペラで・・・ですか」とうろたえる春子。

しかし・・・鈴鹿は有無を言わせず立ち上がると歌い出すのだった。

聴き手となった三人は一瞬で二十五年の時の流れを遡上した。

そして・・・完全なる静寂が支配する・・・オフィス。

「・・・ダメか・・・」とみんなの反応に気が付く鈴鹿。

「いや・・・ダメじゃないよ、音程は移ろいやすかったけど・・・それが味になってるっていうか・・・ね、正宗くん・・・」と妻をこよなく愛する夫。

「いや・・・僕は素人ですから・・・」とアルカイック・スマイルに逃避する正宗。

「ほら・・・正宗くんが笑った・・・笑顔を届けたよ・・・もう、これは誰にも真似できないことだよっ・・・ていうかフォローになってねえ」とダウンする太巻。

「あの・・・いつから・・・レッスンしてたっていいましたっけ・・・」言わずもがなのことを確認する春子。

「去年の夏から・・・」と打ちのめされる鈴鹿。

「やめさせちまえっ・・・お金の無駄使いだもの」と吐き捨てる春子。

「・・・」

「私が・・・私がやります・・・私が鈴鹿さんの歌唱指導をします」

「え・・・」と鈴鹿。

「え・・・」と太巻。

「は、春子さん」と妻の身を案じる正宗。

「いいの・・・」と鈴鹿。

「やりましょう・・・」と春子。

鈴鹿は思わず微笑むのだった。春子は笑顔で応じる。売られた喧嘩を買うのは・・・ヤンキーの宿命なのである。

好きよ好きよ キャプテン

忘れないわきっと

生きることと恋を教えてくれたの

北三陸の大吉に・・・春子から電話が届く。

「え・・・鈴鹿ひろ美が・・・北三陸で・・・リサイタルを・・・」

傍で会話を漏れ聞いて耳を疑うアキ。

「リサイタルって・・・歌う気か?」

「いや・・・会場っていってもな・・・え・・・鈴鹿さんは海女カフェで歌いたいって・・・」

「じぇじぇじぇじぇじぇ・・・」

果たして・・・夢にまで見た「潮騒のメモリー/鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)」が実現するのかどうか・・・それは・・・どうやら来週のお楽しみらしい・・・。

木曜日 私の胸に今日もひらく情熱の花あなたを求めて(有村架純)

2012年3月。あの日から一年が経とうとしていた。

そんな折、自分自身の音痴からの復興を求めて独走する鈴鹿ひろ美のリサイタルのポスターが北鉄に届く。

何も知らない北三陸の皆さんは期待に胸を膨らませるが・・・天野春子とアキの母娘は不安でいっぱいになるのだった。

「春ちゃん、再婚おめでとう」と北三陸の大吉。

「ありがとう」と東京の春子。

「電話替わりました、海女カフェ担当のヒロシです」

「あ・・・お父さん、当選おめでとう」

「ありがとうございます・・・それでリサイタルはいつ頃になるんですか」

「鈴鹿さんは震災の日にって言ってるんだけど」

「それは・・・ちょっと・・・まだ再建の目途も立ってなくて」

「ええ・・・っていうか、こっちもまだ準備がね」

「準備っていうと・・・」

「あ・・・あの・・・アキに替わってください・・・」

「鈴鹿さん・・・歌うって、まさかママが落ち武者するのか」

「しーっ・・・だめよ・・・そのことは絶対秘密よ。っていうか、鈴鹿さんがアレなことも絶対秘密だかんね」

「わかったけど・・・じゃ、どうすんだ」

「だから・・・今、ママが鈴鹿さんを特訓してんの」

「そ・・・そりゃ・・・大変だな・・・」

「だから・・・海女カフェの目途が立ったら教えてちょうだい」

「わかった」

アキは思う。鈴鹿さんを教えるママも大変だが・・・あのママに教わる鈴鹿さんも大変だと。

東京・・・天野春子道場。

「きーてーよ」

「き・・・・」

「きーてーよ」

「きき・・・」

「きーてーよ」

「優しくしてください・・・誉められて伸びてきたんです」

「誉めるとこなんかまだ一個もないよ・・・一個もだよ」

北三陸・・・観光協会。

「すると・・・海女カフェを作ったら鈴鹿ひろ美がくるってことか」と保。

「それをつくれば・・・奴がくる・・・映画にありましたね」と吉田。

「フィールド・オブ・ドリームスだね」と栗原(安藤玉恵)・・・。

ぶっさんが来るのね・・・」と美礼先生。・・・おい、違うよっ。

「作るか」と大吉。

「ぶっさんのためにか」と喫茶「男の勲章」のマスター・・・おいっ。

「大輔ーっ」

「哲太ーっ」

「久しぶりだなあ」・・・おいおいおい。

「前、作った時はなんぼかかったっけ」と冷静になる保。

「二千万円だ・・・」と眼鏡会計婆。

「無理無理無理無・・・」と一同。

「ローンの未払い分は災害保険でなんとかなっけど・・・再建すっとなると・・・とてもとても」

「前みたいに立派じゃなくても・・・ステージと音響設備があれば・・・」とストーブ。

「それどころじゃねえよ・・・おらとこの住む家もまだねえんだぞ・・・」と組合長(でんでん)。

切実なのである。

「あきらめろ・・・海女カフェ担当・・・今は北鉄を宮古まで通すのが最優先だ・・・」と大吉。

「んだな・・・一に北鉄、二に市民ホールだ」と保。

「観光協会の利権がらみですか」と吉田。

「そんじゃ、ガールズバー」

「ガールズバーは必要ですか」と栗原ちゃん。

「こだわるよね~」と吉田。

東京・・・天野道場。

「てー」

「・・・」

「てー」

「・・・」

「素直な気持ちでてー」

「ひー」

袖が浜・・・漁協仮設プレハブ。

「・・・というわけなんです」とストーブは会議の結果をミサンガ制作中の海女たちに伝える。

「ふざけんな・・・こっちは・・・こんなふきっさらしみたいなとこで凌いでんだぞ」と激昂する美寿々。

「んだんだんだ」と弥生。

「じゃ・・・組合長を説得してください」

「それは・・・できねえ・・・かつ枝さんと喧嘩したくねえしな」

「かつ枝さんもようやく仮設住宅だもんな」

「北鉄はどうだ・・・」と夏ばっぱ。

「そうだ・・・北鉄が通らなきゃ海女カフェやっても客が来ねえもんな」

「・・・」返答に屈するストーブ。

アキは殺伐とした雰囲気に言葉が出ないのだった。

「ちょっと・・・みんな・・・手がとまってます。口動かさないで仕事してくださいよ・・・ミサンガ一本で100円・・・これだって立派な復興資金ですから」と兄を庇うユイだった。

「は~い」ユイの迫力に気圧されて作業に戻る従順な海女たち。

しかし・・・さすがの夏ばっぱも気力がわかない様子である。

息抜きに一人、埠頭に出るアキ。

「がんばろう東北」の復興支援の旗も打ち捨てられ汚れている。

一年が経過して遅々として進まぬ復興に人々は疲れていた。

アキはその旗を海水で洗ってみる。

赤いコートを来たアキは海辺に咲く赤い花。

いつしかアキの足は廃墟と化した海女カフェに向かっていた。

Am025恋は気ままな 青い風よ

そっと知らぬ間に 心をくすぐる

昼なお暗き瓦礫に埋もれた海女カフェ。

誰かの気配を感じたアキは暗闇に目を凝らす。

そこにいるのは・・・アキにだけ見える若き日の春子(有村架純)の幻影である。

「なして・・・なして・・・ここに・・・」

幻影の春子はもの珍しそうに海女カフェの残骸を眺める。

そして・・・瓦礫の中から・・・「潮騒のメモリー/天野アキ」のCDジャケットを拾いだすのだった・・・。

「これ・・・」

微笑む幻影の春子。

あの日・・・ママは・・・とアキは思い出す。

2009年の海女カフェ・・・。

潮騒のメモリーズを内緒で復活させてママにぶたれちまったあの日。

でも・・・本当のママはきっと・・・。

それからの歳月がアキの中を通りすぎていった。

満足したように消える幻影。

あきらめはしねえ・・・だけどとアキが唇をかみしめた時、背後で物音がする。

「そっち・・・もって」

「はい」

「あ・・・来てたんですか」

「遅れてすみません」

「誰・・・誰だ」

「天野・・・」

「先輩・・・」

そこには作業着に身を包む男たちの姿があった。水口・・・勉さん・・・種市・・・そしてストーブ。

「どうして・・・」

「ユイに言われて思ったんだ・・・口ばっかじゃなくて手を動かそうって・・・」

「瓦礫の撤去作業にも金がかかる・・・でも自分たちでやれば・・・タダだ」と種市。

「うん・・・そうだな・・・その通りだ」と頷くアキ。

「まあ・・・そう思うだけの余裕がようやくできたってことだ」と勉さん。

「あれからもう一年・・・ですものね」と水口。

「おらも手伝う」

「気をつけて・・・」

「軍手さ、使え」

誰かが動けば・・・後に続くものは現れるのである。

海女カフェの瓦礫撤去は急速に進む。

ガラクタは取り除かれ、使える備品は寄り分けられる。

そして・・・ついに「潮騒のメモリーズの看板」が掘り起こされ修復されたのだった。

綺麗な水槽も・・・泳ぐ魚も・・・巨大なモニターも・・・おしゃれなテーブルも・・・エスプレッソマシーンも・・・オーディオ装置も・・・なにもかもなくなってしまったけれど・・・そこに・・・新しいスペースが蘇っていた。

すべてを一度にやり直すことはできない。

ただ・・・最初の一歩を踏み出すことは出来るのだった。

人々の顔に笑顔が戻る。

アキはそれがうれしかった。

東京・・・天野道場。

「・・・」

「・・・」

春子は「音痴」が「不治の病」だと思い知らされていた。

しかし・・・鈴鹿は希望を失わないのである。

もう一度言おう・・・「音痴」は「音痴」を知らないのだから。

北三陸・・・スナック「梨明日」

またしても希望の花が咲く。

「えー、市長の足立でございます・・・まずはご報告がございます。北三陸鉄道の復興計画が具体化されました。北三陸駅から畑野駅までの区間が・・・七月一日より運行再開となります」と足立先生。

「ついに・・・この日が来ました・・・」と大吉。「七月一日は海開きの日・・・そして1984年に春子ちゃんがこの街さ出ていった・・・北鉄開通のメモリアルデーです」

「大吉~」

「それから・・・北鉄は雨の日も風の日も・・・」

「がんばれ」

「震災に遭ったって五日で・・・」

「よくやった」

「赤字だ・・・時代はモータリゼーションだと言われても・・・客が五、六人しか乗っていなくても・・・線路の左右が瓦礫だらけだったとしても・・・」

「泣くな」と弥生。

「北鉄さ・・・走ってることが・・・う」

「泣け~」と美寿々。

「希望だから・・・俺は泣かねえ」

「うえ~ん」と泣き出す弥生。

「うえ~ん」と弥生と抱擁する大吉。

拍手喝采である。

そこにあるのは哀しみの果ての喜びの涙。

アキも笑いながらもらい泣きするのだった。

アキの元に鈴鹿からの電話が入る。

「七月一日に開通するんですってね」

「んだ」

「じゃあ・・・その日に私のリサイタルを・・・」

アキはユイの現象ノートを見る。

そこには・・・7月1日(日)・・・お座敷列車大成功とあった。

ちなみに・・・8月は海女のユイ&アキお披露目。そして8月15日海女~ソニックZ開催と書いてあります。

「ええと・・・当日はバタバタするんで・・・お構い出来ねえと思います」

「じゃ・・・前日ね・・・前夜祭」

「土曜の夜の天使さ~」と大吉。

「でも・・・ママに聞いてみねえと・・・」と渋るアキ。

「大丈夫・・・春子さんには私から言っておくから・・・」

こうして・・・6月30日に海女カフェで「鈴鹿リサイタル」は決定事項になってしまった。

しかし・・・電話を切った鈴鹿ひろ美は夢見る乙女あるいはジャイアンの表情を浮かべるのだった。

あなたの愛を求めて 

今宵も

情熱の花 

胸を焦がす

ラララ・・・

金曜日 曲がり角曲がったならお金もちになれたならいいな(さかなクン)

2012年3月11日、春。七月一日の北鉄・北三陸~畑野間開通を目指し時が流れ始めていた。

そんなある日、アキは忠兵衛(蟹江敬三)の遺影が仏壇に飾られてないことに気が付く。

「夏ばっぱ・・・そういえばじっちゃん、どうしてんだ・・・地震あったのに帰ってきてないべ・・・写真ないから・・・もうすぐ帰ってくんのか・・・それとも・・・まさか・・・まさか・・・じっちゃん」

じっちゃんを忘れていたのに急に思い出してパニックに陥るアホかわいいアキ。

夏ばっぱはおもむろに仏壇からパソコンを取り出すのだった。

「うっせえなあ・・・」

「ぱしょこん?」

夏と忠兵衛はPC電話でつながっていたのだった。

地デジ対応テレビ、携帯電話に続いてメカに強い夏ばっぱシリーズ展開である。

「ポルトガルは今、夜中だぞ・・・」

「じっちゃん・・・なして・・・」

「Wi-Fi・・・」と嘯く夏だった。

そして・・・北鉄は試験運転を繰り返していた。

来るべき海開きに備えて従業員一同、フルスロットルなのである。

初夏となり・・・「潮騒のメモリーズZ」は北鉄の運行区間拡大と海女カフェの復活のメッセージを素晴らしいインターネットの世界を通じて全国に発信する。

しかし・・・肝心の海女カフェの再建はやや滞っていた。

企業からの協賛金や寄付金の総額と・・・再建にかかる費用が折り合いつかなかったのである。

「200万円くらい足りねえな」

「もう少し・・・きりつめないとな」

「しかし・・・鈴鹿さんが来た時にビールケースの上で歌わすわけにはいかなだろ」

「じゃ・・・水槽はあきらめるか」

「じゃ・・・魚代が浮くな」

「ドイツ製のシステムキッチンも贅沢じゃねえか」

「そんなら・・・エスプレッソマシーンも」

「あれ・・・花巻さんは」

「パートだろ」

「大分・・・切り詰められましたね」

「でも・・・これだと・・・リアスで歌うのと大差ねえぞ」

「・・・」

その頃、喫茶「リアス」では弥生が潮騒のメモリーを熱唱していた。

仕方なくタンバリンで師匠に付き合うユイだった。

アンニュイなユイファンのためのサービスである。

そして・・・捕獲される魚ちゃんでも、サカナクションでも、さかな先輩でも、お魚野郎でも、まして人面魚でもないさかなクン(さかなクン)・・・。

「こら・・・駅長なんてことを・・・」と大吉を叱るアホかわいいアキだった。

「でも・・・どうしてここに」

「アキちゃん、どうしてるかなって素晴らしいインターネットの世界で検索したらここにたどり着きました」

「じぇじぇじぇ」

「ぎょぎょぎょ」

「で・・・わざわざ、なんの用だ」

「海女カフェに・・・水槽とさかなクンコレクションを寄付しようと思いまして・・・」

「じぇじぇじぇ」

「ぎょぎょぎょ」

こうして・・・六月のある日・・・さかなクンはプレゼントを持って海女カフェに再び訪れる。

手作り感あふれる「海女カフェZ」はさかなクンコレクションによって華を添えられたのだった。

地元の子供たちがお絵かきして白い壁をデコレーションする。

勉さんが・・・ユイが・・・ストーブが・・・種市が・・・子供たちに混じってペンキまみれになっている。

「ユイちゃん・・・何書いてんだ」

「雲だけど・・・白い壁に白い雲だと・・・単なる二度塗りじゃんって」

「ユイちゃん・・・ここはボケなくていいぞ」

とにかく幸せで幸せでアホかわいいアキだった。

「さかなクンありがとう」

「どういたしまして」

「元通りってわけにはいかねえけど・・・逆回転大成功だべ」

「ぎょぎょぎょ」

「じぇじぇじぇ」

「アキ、何してんだ」と現れる海女装束の夏と美寿々。

「あ・・・忘れてた」

「早くしろ・・・」

その日は・・・海底の様子を探るために初潜りが予定されていたのだった。

去年はまったく消えてしまったウニがどのくらい復活しているか・・・緊張の高まる一瞬である。

水温はまだ・・・潜水には適しているとはいえない17℃だった。

「うわあ・・・ひゃっこい」

おなじみのボロボロのダイバースーツのアキは水温にアホかわいく驚くのだった。

「充分、身体を馴らしてから潜れ・・・」と指導する夏ばっぱ。

先行する美寿々先輩。

アキも潜った。

固唾を飲んで見守る夏ばっぱ。

美寿々が浮かび・・・驚きの表情を浮かべる。

続いて浮上したアキ。

「どうだ・・・アキ・・・ウニいたか?」

「大変だ・・・夏ばっぱ・・・ウニがいっぱいで・・・岩肌が見えねえくらいだ」

どよめく・・・ギャラリーたち。

「なんぼでも獲れるぞ」

アキは夏ばっぱにウニを投げた。

初めて二人が会ったあの日みたいに・・・。

アキは再び海中に消える。

夏は海の恵みを拝むようにウニを手に乗せる。

海の中でアキは稚ウニを可愛がる。

そして・・・アホかわいい人魚になるのだった。

海は機嫌を直して・・・蘇っていた。

袖が浜の磯が・・・喜びに包まれている頃・・・。

北三陸駅には・・・男と女が到着していた。

喫茶リアスは吉田が一人で留守番だった。

「あ・・・忠兵衛さん・・・帰って来たんですか・・・」

「おう・・・」

もう一人は濃い目のサングラスをかけた黒いドレスの女だった。

「ご注文は何にします・・・」

「ウニ丼くれ」

「あ・・・私も・・・」

「残念・・・最後の一つなんで・・・じゃんけん大会で決めてください」

「えー・・・」

「最初はグー、じゃんけんポン」

「ようし・・・勝ったぞ・・・」

「ずるい・・・今の後出しよ」

思わずサングラスを取る女。

「す・・・鈴鹿・・・しろみ・・・」

「誰が・・・白身魚だって・・・」

吉田はウニ丼を鈴鹿ひろ美にさし出すのだった。

「なにすんだ・・・わらしっ」

「カ・イ・カ・ン・・・」

夏ばっぱのうに丼に溺れる鈴鹿だった。

相当 

幸せ 

感じた

土曜日 ここかと思えばまたまたあちら浮気なひとね(薬師丸ひろ子)

2012年6月18日・・・鈴鹿ひろ美、北三陸駅に現る。

ウニの試験漁を終えたアキに吉田からの一報が飛び込む。

うに丼を食べそこなった忠兵衛は冷酒をあてがわれていた。

鈴鹿ひろ美は御満悦である。

喫茶リアスに大吉と種市と保がやってくる・・・。

「じぇじぇじぇっ・・・」

「駅長さん、種市くん、お久しぶり・・・こちらは・・・」

「か、観光協会のた、保です」

「天野さんは・・・」

「アキちゃんは今、こっちに向かってます」

「なんだ・・・おめえ・・・アキの知り合いか・・・」

「ええ・・・昔、付き人やってもらってたんで・・・」

「あ・・・おめでた弁護士・・・おめえ・・・女優かっ」

「だから・・・さっきからそう言ってます」

「夏さんだって知ってますし・・・なにしろ、夏さんと橋幸夫を引きあわせたのは私なんですから」

「あ・・・鈴鹿さん・・・」

「そ、それは・・・」

「この人、夏さんの御亭主です」

「じぇじぇじぇ」

笑いに包まれる天野家。

一人、忠兵衛が拗ねている。

「笑いごとじゃねえ」

剣幕におびえる鈴鹿だった。

「亭主のいねえ間に浮気するなんてとんでもねえ・・・家さ出てけ」

「おらがこの家出たら・・・この家、空き家になっちまうぞ」

「あっはっは・・・こりゃ、忠兵衛さん一本とられたな」と組合長。

「皆さん・・・お元気そうで・・・何よりです」

「ははは・・・この辺も何人か死んでしまい・・・こちらの家も流されたりしましたが・・・生き残ったもんはせめて笑って生きて行こうと覚悟を決めてます」

夏の言葉に顔色を失う鈴鹿。

「しかし、忠兵衛さん・・・もっと早く帰ってくればよかったのに」とかつ枝(人間)・・・。

「いや・・・無線で連絡とってたから」と亭主を立てる夏ばっぱ。

「馬鹿くせえ・・・津波で陸のもんが難儀してるところにおらが帰ってどうする。せっかく海にいたんだ・・・海で銭稼いで、稼いだ銭で陸のもんを助けるのが海の男ってもんだべ」

「かっけええええええ」と笑顔を輝かせる鈴鹿だった。

美人女優の賞賛の声にたちまち機嫌を直す忠兵衛だった。

そこへ・・・ユイちゃんがやってくる。

「おらの相棒のユイちゃんだ」

「いやいやいや・・・・あたしなんか・・・もう」

しかし・・・次の瞬間、鈴鹿ひろ美を独占するユイだった。

「ですよね。おめでた弁護士シリーズも第五話までが最高でひかる一平から柳沢慎吾にパートナーチェンジしたあたりから・・・ちょっと話がよれてきたっていうか、出産人数も現実離れしすぎっていうか・・・」

「そうそうそうそうなのよーっ」

「・・・というわけで今、ユイちゃんと鈴鹿さんが熱く語り合ってるぞ」

「なんで・・・鈴鹿さんが袖が浜にいるのよ」と電話の向こうの春子。

「ええっ」と電話の向こうで驚く正宗。

「なんでも・・・前ノリして気分を作るんだと」

「前ノリって・・・早すぎでしょ・・・」

「とにかく・・・そういうわけで鈴鹿さんは北三陸に来ているのでした。天野家から天野アキがお届けしましたーっ」

「って・・・アキ・・・酔ってるの・・・あ・・・切れた」

「春子さん・・・」

「飛べないトリがまた一人・・・北へ逃げてったのよ・・・」

その夜・・・秘密の部屋で目を開けたままアキが熟睡していると・・・。

「天野さん・・・加湿器ないかしら・・・天野さん」と鈴鹿が二階に上がってきて・・・秘密の部屋へ転がりこむのだった・・・。

そこは・・・1984年で時が止まった世界であった。

「なに・・・これ・・・な、懐かしい・・・あ・・・ひかる一平」

「鈴鹿さん・・・起きてたのか」

「ここ・・・なによ」

「ママが高三まで住んでた部屋だ」

「春子さんが・・・」

「おらも高三の夏までここで住んでたぞ」

「そうなの・・・」

「ママはここで・・・オーディションの履歴書書いて送ってたりしたんだって」

蘇る・・・春子の青春。

「趣味は音楽鑑賞とテレビを見ることです。好きなアイドルは松田聖子ちゃんです。あなたの色に染めてください・・・うふふ・・・これ・・・合格だわ・・・合格ーーー」

ベッドで感極まるヤング春子。

「でも・・・そうやって夢を追いかけて・・夢を叶えられるのは・・・鈴鹿さんみたいな一握りのスターだけなんだべ」

鈴鹿は・・・砂に埋もれ、色あせた「潮騒のメモリー/天野アキ」のジャケットをそっと撫でる。

そこには・・・なにか・・・鈴鹿の求めるものがあったらしい。

「ねえ・・・天野さん・・・今日から・・・この部屋で寝ていいかしら」

「でも・・・狭いぞ・・・ホテルに部屋とった方がいいんでねえか」

「いいえ・・・この部屋でいいの・・・いえ・・・この部屋がいいのよ」

そして・・・翌朝・・・加湿器は持参しなかったがジューサーは持参した鈴鹿ひろ美恒例の鈴鹿ひろ美スペシャルのドリンクタイムがやってくるのだった。

おそろいの寝ぐせで勢ぞろいする天野トリオである。

「鈴鹿さん・・・私、67年間朝はごはんと決めて・・・」

「ほい」

「うえ・・・やっぱり飲まなきゃなんねえか」

「ほい」

「あんた・・・魔女か・・・」

「ほい」

「うわああああああああああ」

「おりゃあああああああああ」

「しえええええええええええ」

海女カフェを視察に訪れた鈴鹿ひろ美・・・。

「ねえ・・・勉さん・・・今日は・・・水口さんは・・・」

「ああ・・・さっきまで水槽のところに・・・うわ・・・鈴鹿・・・ひろ美」

水槽の向こうで水口は絶句していた。

「なんで・・・挨拶なしなのよ」

「す、すいません」

「なんだ・・・水口さんも・・・ばっくれなのか」と親近感を感じる種市。

「なんか・・・面倒くさくて・・・でも・・・メールはしました・・・」

水口、こだわりのゆとり設定である。

種市、水口とばっくれているわけだが・・・もちろん・・・鈴鹿本人もばっくれなのである。

とにかく・・・三つそろえるのが基本なのだった。

つまり・・・曲がりなりにも帰郷に際して挨拶回りをしたアキは「神」なのだった。

しかし、ステージに立った鈴鹿は「売上は地域復興に役立ててください」と宣言するのだった。

夜ふけになったら あなたの部屋へ 

しのんで行くよセクシー あなたはセクシー

私はいちころでダウンよ

もうあなたに あなたにおぼれる

喫茶「リアス」で・・・鈴鹿ひろ美を囲む男たちと安部ちゃん。

「そうかあ・・・春子さんも人気者だったのね」

貸出自由の保と春子の交換日記を読む鈴鹿。

「安部ちゃんも同級生なんです」

「いやだあ・・・学園のアイドルと比べたら・・・おらなんて給食のスパゲティーミートソースに間違って入った輪ゴムみたいなのものだ」

安部ちゃん、渾身の自虐ネタに爆笑する鈴鹿だった。

「まあ・・・天野家の女は三代続けて北三陸のアイドルです」と大吉。

「そうなんだ・・・」

「夏さんは海女クラブの初代会長だし、春ちゃんは北三陸一のスケ番だし、アキちゃんはなんてったって鈴鹿さんと共演までしたし・・・」

「そうかあ・・・代々のアイドルの家系だったんだ・・・」

「では・・・北三陸名物・駅長のゴーストバスターズでも聞いてください」

「いやいやいや・・・鈴鹿さんのカラオケも聞きたいなあ」とおねだりをする吉田だった。

「あら・・・そう・・・いいですよ」とまんざらでもない感じでマイクの前に立つ鈴鹿。

流れ出す・・・「潮騒のメモリー」のイントロ。

突然、脱兎のごとく飛び出すアキだった。

「あぶねーっ」

「あら・・・」

「だめっ」とアキに叱られてうなだれる鈴鹿。

アキは水口を叱咤する。

「だめでねえか・・・支社長・・・ちゃんと仕事してけろ・・・」

「あ・・・」と事態にようやく気が付く水口。北三陸ボケである。

三人以外は事情が分らず唖然とするのだった。

もちろん・・・鈴鹿ひろ美が歌うにせよ・・・歌わないにせよ・・・それは最終週のお楽しみに決まっているのである。

そして・・・北三陸には太巻までもがやってくるのだった。

「ああ・・・正宗くん・・・今、北三陸駅に着いたところ・・・スナック梨明日と喫茶リアスがあるんだけど・・・どっち・・・中でつながってる・・・意味分んない・・・」

そこで太巻は看板を「よいしょっ」と持ち上げる美少女を目撃する。

看板を店内に運び込むユイだった。

「ああ・・・今、ちょっとボーっとした・・・うん・・・一回、外に出るね」

太巻がスナック側の入り口に向かった頃、ユイがドアを開けて周囲を窺う。

ユイが太巻を見逃すことはあり得ないのである。

「今、確かに・・・太巻が・・・」

すべては最終週につづくのだった。

そして・・・始った予告編で・・・すでに涙が止まらなかった人は多いはずだ。

やはり・・・さよならだけが・・・人生なのか。

関連するキッドのブログ→第24週のレビュー

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コメント

千秋楽を前にして、最早書くことがらが無いというか、わざわざ今書きたいことは…

ユイちゃんはまともにGMT入りしていたらそのコンセプトと全然合わなかっただろうなぁということですね。
「埼玉~!」と叫ぶリーダーのようには「北三陸~!」とは叫べない。単に脱出したくてしたくて仕方なかったのだから。

でも今は違う。北三陸の良いところも悪いところもすべて飲み込んで真の「北鉄のユイちゃん」になれた。
2時間ドラマにも精通した(笑)ちょっと痛いコだったユイちゃんがアキと出会ったから潮騒のメモリーズがあった。一種そのアキがいたからこそグレて、アキがいたからこそまた帰ってこきた。いまさら書くことじゃないけど…すごいよなぁ、「ユイの北三陸ストーリー」…。

しかしさかなクンのコレクション寄贈話が2年前の実話が元になっていて、そのご縁を作るために早くから「見つけて壊そう」をやっているわけで、「逆回転はできないんだよ!」とユイちゃんに言われて視聴者は涙し、「逆回転成功!」(さかなクンがその場にいてこそのセリフ) を言われてまた泣き笑いですね。
25年前の因縁が両者の手打ちだけでとどまらず前に進むこと(リサイタル)になっていくということももちろん含めて…
クドカンの持つ「超時空」脚本頭脳には感服します。

もう朝ドラ枠をこれで終えてもいいんじゃないか(笑)。
いやそういうわけにも行かないから「ごちそうさん」のドラマガイドをAmazonに発注しましたが(笑)。

投稿: 幻灯機 | 2013年9月22日 (日) 16時56分

movie✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪movie

ふふふ・・・リーダー入間しおりの
「性格が悪い」を連発するユイちゃん。

まさに幻灯機様向けサービスのようでしたな。

能年玲奈(20)1993年生れと違って
橋本愛(17)1996年生れと
松岡茉優(18)1995年生れは直近のライバルですからねえ。

ドラマの中ではみんな二十歳になっちゃいましたけど~。

「なぜ・・・大吉は春子のメールアドレスを知っているのか」・・・そんなことにこだわっているようでは
この複雑怪奇な物語は楽しめませんものねえ。

小太りの愛犬家とか・・・ハゼヘンとか・・・
ユイちゃんの恋人たちも・・・気になる人にも
困りますよね。

もう・・・そうじゃなくて・・・
ユイの果てしないせつなさ・・・
アキの果てしないアホかわいさ・・・
そして・・・春子の鈴鹿の夏の・・・
それぞれの青春物語の果てしないもつれあい・・・。

もう・・・それだけで充分なのでございます。

それぞれの人間性が・・・
人生の機知が・・・
人情の機微が・・・
もう・・・最高に描かれまくっているわけですから・・・。

超時空ストーリー「あまちゃん」
きっと・・・永遠に・・・妄想は続いて行くことでございましょう。

もう・・・当分、朝ドラマのレビューはしないという
キッドの偽らざる心情とともに・・・。typhoon

投稿: キッド | 2013年9月23日 (月) 00時39分

キッドさま
25週のレビュー
お疲れ様でした
残すところ あと1週となった25週のストーリーは
本当に見応えがあって楽しくって(*^o^*)
それでいて水曜日の鈴鹿さんの台詞にはかなり泣かされてしまいました
鈴鹿さん自体は大スターでしょうけれどクドカンって劣等感とか持った弱い人の味方というか
コメディーで隠しているけれど本当 優しくって暖かくってドラマを見ていると心の底から元気が沸いて来るというか
心地よい世界ですね
それだけでなくアキの東京編でのアホなマイペースぶりにも しっかり理由づけがあったり
逆回転のネタが ここに繋がってくるなんて もう天才ですsign01
賑やかで優しいアマちゃんの世界がずっと続いて欲しいけれどこのドラマのラストはやっぱり夏ばっぱとアキで決めて欲しい気がします☆
二人でウニをとる姿が見たいです

投稿: chiru | 2013年9月23日 (月) 01時02分

cherryblossomシンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃ いませ・・・大ファンheart04

励ましのお言葉ありがとうございます。
お彼岸シーズン突入なのに土曜日。
月曜日のアレがなくなっている分、気が楽ですが・・・
大河の記事は墓参りツアーの後になりそうな
今日この頃でございます。

まずは仮眠を取らねば・・・。

もはや・・・毎日が
最終回でフィナーレでクライマックスな「あまちゃん」
もう・・・最終週は
どうなってしまうのか想像もつきませんな。

一人っ子家族だった黒川家。

しかし・・・正宗と太巻は兄弟みたいだし
鈴鹿は姉妹みたいだし・・・
春子にとってよしえは姉妹みたいだし
なんだか・・・兄弟姉妹のような
友達の輪が広がって行きますな。

アキにいたっては・・・
ママが春子、安部ちゃん、鈴鹿さんと三人。

ばっぱが夏、かつ枝、弥生と三人。

パパが正宗、大吉、太巻と三人。

兄のような恋人たちが
種市、ストーブ、水口と三人。

じっちゃんが
忠兵衛、組合長、勉さんと三人。

姉妹が
上に花巻、美寿々、ユイ
下にキャン、小野寺ちゃん、真奈ちゃん・・・。

大家族です。

すんげえ大家族です。

キッドはこれこそが「あまちゃん」の核心だと
考えるのでございます。typhoon

投稿: キッド | 2013年9月23日 (月) 02時37分

お久しぶりです。おっしゃる通り!土曜日の予告編、見るたびに泣きました。
特に最後の、トンネルを抜けていこうとするアキとユイが綺麗で切なくて嬉しくて寂しくて、泣けました。

女の子同士の友情を描こうとすると、なんかべたべたして嘘くさい感じに見えちゃうことが多い気がするのですが、アキとユイは、ずっと見ていたい二人でした。
前回キッドさんが書いておられた海女カフェのシーン、名場面だと思いました。
こんな友達がいたら無敵だなあ、アキって凄いなあ。ユイは愛されているなあ。(ユイは最近一段と美少女になった気がします、アキは不変の可愛さですね。)

それにしても、最終週が「熱いよね」だとは。ここで甲斐さんなんだあ、なんて嬉しくなっちゃいました。
どんどん増えていくキャラクターの誰もが魅力的でした。
クドカンさんの尽きることない大きな愛情を感じました。

私の今までの一番の朝ドラは「ちりとてちん」だったのですが、超えちゃいました。
そこから感じたものは共通点も多かったのですが、アキの爽やかさ、愛らしさ、スケールの大きさ、笑いと涙の絶妙さ加減に半年を通して本当に楽しませてもらいました。
主人公はやりたい放題だし、母親はわがままだし、親友は腹黒いし、男達は女々しいし、でもそれが愛らしく、心地よかったです。

最終週、見るのが楽しみだけど、終わったらどんな気持ちになるのか、怖いです。

投稿: ギボウシ | 2013年9月23日 (月) 11時03分

dollarオチツキレイセイシズカナヒト~ギボウシ様、いらっしゃいませ~ワクイエミダイスキ!tulip

トンネルの中の二人の影法師は
ホタルのようでもあり
幽霊のようでもあり
仲直り坂道自転車かっとばしと
並ぶ名シーンの予感がしましたな。

女の子同士の友情というよりは
基本、「愛」でございますよねえ。

実年齢を越えて
アキにとってのユイは
姉であり、妹であり・・・そして恋人なんでしょうねえ。

そのぐらいの親友なんですな。

恋人のお兄さんだから
ストーブは恋愛対象になれないんですな。

ユイはまた17歳ですからねえ。
恐るべしっでございます。

もうずーっとずーっと「熱かった」ので
「熱いよね」と言われたら
お茶の間一同頷く他ないですよね~。

上方落語の世界を展開した乙女チックなちりとてちん。
尾野真千子ががしんたれを貫くカーネーション。
なんてったって水木しげるのゲゲゲの女房。
堀北真希があくまで堀北真希な梅ちゃん先生。

最近もそこそこの名作はありましたが・・・
もちろん・・・好みの問題もありますけれど
こんなにつきぬけた朝ドラマは
後にも先にもないと断言できますな。

すべてのキャラが愛おしい。
誰もがアキになれるわけではないけれど
アキのようなアホの子になりたいし
アホの子には少し優しくしてやりたい。

そんな気持ちになれたなら・・・明日はきっと明るい日になると思います。wave

投稿: キッド | 2013年9月23日 (月) 16時35分

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