花見で一杯(松下奈緒)、月見で一杯(戸田恵梨香)、そして雪見で一杯(中谷美紀)
花札の「こいこい」のローカルルールに「花見で一杯」と「月見で一杯」という手役はあるが「雪見で一杯」はない。
だからといって特に意味はありません。
なにしろ・・・谷間なのである。
一種の叙述トリックである「花の鎖/湊かなえ」はミステリというよりは頭の体操のような感じのドラマに仕上がっている。
母娘を演じる中谷美紀と戸田恵梨香(25)と中谷美紀(37)はギリギリアウトだと思う。
しかし、「ケイゾク」と「スペック」で「汚い女」として結ばれている二人である。
なんだか・・・凄く血縁を感じさせるのだった。
時系列をシャッフルさせ・・・誰が誰なのか分らなくさせる手法は認知症を発症している人には向かない。
家系的に認知症をいつ発症してもおかしくないキッドとしては・・・分るうちに見れてよかったと思うのだった。
まあ・・・すべては一瞬の喜びなのである。
で、『花の鎖』(フジテレビ20130917PM9~)原作・湊かなえ、脚本・篠崎絵里子、演出・中江功を見た。とある田舎町にある創業80年の老舗和菓子屋「梅花堂」は・・・一人の女の一生を見ていたのである。「梅花堂」の名物は「きんつば」だった。つばとは刀の鍔である。最初は鍔の形をしていたのにいつの間にか四角くなるのも菓子の生きる道なのだろう。
うちで・・・きんつばをよく買う美人は美雪さん(中谷美紀)と言いまして、人妻です。
旦那さんは和弥(筒井道隆)さんと言いまして男前です。
旦那さんは美雪さんの従兄の陽介さん(丸山智己)の小さな建築設計事務所で営業をしていますが・・・本当は設計士を目指しているのです。
陽介さんの奥さんの夏美さん(佐藤仁美)はかなりの性悪でして、ドラマ「R-17」(2001年テレビ朝日)で中谷美紀がスクールカウンセラーやってた時に少女たちを商品化するコギャルのボスをやっていた佐藤仁美なのである。以前も書いたが少女たちは栗山千明だの宮崎あおいだの木下あゆ美だの上野なつひだの水川あさみだのそうそうたる顔ぶれである。ちなみに後で登場する水橋研二は少女暴行魔で宮崎あおいに刺されています。
で、流産したばかりの美雪さんは妊娠中の夏美さんに嫌味を言われて、うっかり和弥さんが内緒で設計していた図面を誇示してしまいます。
これが仇となるのですな。
さて・・・郷土の生んだ有名な画家に香西路夫という人がいまして・・・その人の作品をコレクションした美術館が建設されることになり・・・設計士の夢を追いかけて美雪さんの旦那さんは密かに設計コンペに出品しようとします。
しかし、それを陽介さんに盗まれてしまうのですな。
美雪さんは怒って陽介さんに怒鳴りこむのですが・・・旦那さんは穏便に事をすます。
美雪さんは憤りが収まらず・・・旦那さんとも喧嘩をしています。
ところが・・・その直後、建設予定地を旦那さんと陽介さん・・・そして事務員の森山さん(阿部力→篠田三郎)で視察に行き、現地を撮影中の旦那さんは転落死してしまうのです。
その葬儀の席で・・・死んだ旦那さんの悪口を言う陽介さんと夏美さん。
「無理して事故死するなんて会社にとっていい迷惑だ・・・」
「まったくよねえ」
「ふざけないでよ・・・あなたに設計を盗まれて自殺したかもしれないのに」と錯乱する美雪さん。
「いい加減にしないと名誉棄損で訴えるぞ」ととりあわない陽介さん。
泣き寝入りした・・・美雪さんは・・・ふと気が付く。
内緒にしていた設計が・・・なぜ漏れたのか・・・。
夫が設計していることを・・・漏らしたのは・・・自分ではないか。
だとすると・・・夫を自殺に追い込んだのは・・・自分じゃないか・・・。
美雪さんは画家・香西路夫の名画「未明の月」の風景が見える雪野原で後追い自殺を図ります。
しかし・・・未遂に終わってしまうのです・・・病院で目覚めた美雪さんは自分が妊娠していることを知らされます。
こうして・・・夫の忘れ形見とともに美雪さんは生きる覚悟をしたのです。
月日は流れ、美雪さんの娘は大学生になっていました。絵の上手な紗月さん(戸田恵梨香)です。
紗月さんは登山部にも所属しています。登山部には浩一さん(松坂桃李)という先輩がいて・・・二人は相思相愛の仲になります。
これに激しく嫉妬する紗月さんの女友達が希美子さん(佐津川愛美→比企理恵)です。
「梅ちゃん先生」で堀北真希と結ばれた松坂桃李を知り戻す気満々で嫌な女全開です。
まあ、「ギャルサー」でもサキとシズカは親友設定だったな。
「第4回スカウトキャラバングランプリ」の美少女・比企理恵も47歳か・・・。
登山部の先輩の一人、倉田遥さん(野村麻純)が急性骨髄性白血病を発症し、ドナー捜しのための血液検査を受けた紗月さんと浩一さんはドナーにはなれなかったけれど・・・お互いがドナーになれることを知ります。
浩一さんは陽介さんと夏美さんの息子だったのです。
つまり、浩一さんの父親と紗月さんの母親は従兄妹同士なので・・・二人は六親等(またいとこ)の親戚だったのでした。
なぜ・・・そのことを知らなかったのか・・。
そこで・・・希美子さんは「浩一さんの父親は紗月さんの父親の仇らしい」という町の噂を告げるのです。
紗月さんは・・・母親を問いつめ・・・両家の因縁を知るのでした。
結局、遥さんのドナーは見つからず・・・絵心のある紗月さんに香西路夫の画集を形見として残すのです。
ちなみに「11人もいる!」の鈴木ソアラです。ダイナミックパパと真田二子は「あまちゃん」に転生しているのに・・・。
そして、紗月さんは登山部の顧問の前田さん(水橋研二)に山小屋で純潔を奪われ、希美子さんは首尾よく浩一さんと結婚するのでした。
しかし・・・浩一さんが急性骨髄性白血病を発症します。
なんか・・・山に悪い魔物が住んでいる土地柄なのか・・・。
陽介さんは美雪さんに頭をさげ・・・紗月さんが浩一さんのドナーになってくれるように懇願するのです。
美雪さんは怨みをこらえてそれを許し、紗月さんは浩一さんの命の恩人となりました。
つい最近、「Woman」で見た展開です。
やがて・・・前田さんと結婚した紗月さんは・・・梨花さん(新井美羽→松下奈緒)を出産します。
幸せな日々は一瞬でした。前田さん夫婦は事故で死亡したのです。
それ以来・・・美雪さんと孫の梨花さんはひっそりと生きて来たのでした。
有名な建築家となった浩一さんはKと名乗り、命の恩人の母と娘を陰ながら見守って来たのです。
しかし・・・その浩一さんも若くして世を去りました。
美雪さんは癌を発症してしまいます。
梨花さんは祖母の手術費用のために・・・Kを頼ろうとして・・・禁断の扉を開けるのでした。
そして・・・祖父の死の真相を知ることになるのです。
その真相について・・・老舗和菓子屋が語るのは憚れる気もするので・・・私は口を閉ざすことにします。
いやはや・・・美人もなかなか大変ですなあ。
それにしても孫になって・・・急にでっかくなっちゃった感じは否めないよね。
そして、もしも、キッドが梨花だったら逆上してあの老人たちを血の海に沈めていたかもしれないと戦慄したのでございます。
関連するキッドのブログ→夜行観覧車
→高校入試
| 固定リンク
コメント