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2013年9月14日 (土)

夏の夜の感染~悪霊病棟(夏帆)

恐怖とは変化する心身である。

身体と精神は連動することで複雑な変化の様相を示す。

恐怖を一面的にとらえてはならない。

恐怖の不利だけを見て有利を見ずにいると恐怖の本質を見逃すことになる。

明るい場所から暗い場所に、昼から夜に変化することは恐怖の質を高めるが、明るい場所だからこその恐怖、白昼ならではの恐怖もある。

おそろしいものを見せる時には光源が必要だが、見せないことで恐怖が増すこともある。

恐怖から目をそらすものには出るべき時に出さずに出ないところで出すという臨機応変さが求められ、目をつぶってしまったから余計に恐ろしい事に遭遇するという徹底追及の姿勢も要する。

目はつぶっても耳はふさげないことがある。手で耳をふさごうとすれば手がなくなっているという恐怖もある。

日常的なものからグロテスクなものへの移行には加減が求められる。

あまりにも特異であると恐怖を通り越してお笑いになってしまう場合がある。

「この世には人知の及ばないものがある」がスーパー・ナチュラル・ホラーの基本だがあまりにも人知を超えると意味不明になる。

「情け容赦がない」のも大切だが過ぎれば無感動になる。

「最後の武器は勇気や愛」もあってもいいが過ぎればお涙頂戴ものである。

「廃墟」は恐怖のある場所だがありがちである。

「幽霊」は勧善懲悪や偽善の温床になりがちである。

「断崖絶壁」で飛び下りるのはある意味、反則である。

常に変化する「恐怖」の本質を忘れてはいけない。

安堵こそが恐怖のスタートラインなのである。

で、『病棟~第8号室』(TBSテレビ201309130058~)脚本・鈴木謙一(他)、演出・鶴田法男を見た。脚本家は複数編成だが、鈴木謙一に限って言えば映画「仄暗い水の底から」(2001年)やドラマ「イロドリヒムラ・第7話・張り込み」(2012年)などで中村義洋監督とのコンビネーションでいい味出している感じの人である。もう少し、なんとかならなかったかと思うが要するに連続ドラマに不慣れなんだな。だから終盤はそれなりに面白くなるのかもしれない。いくら裏切られても期待するのが悪魔の本質というものである。そういう意味では連続ドラマの素人集団が作ってるんだなあ・・・これ。

今回、「貞子のようなもの」を出してきたまだが・・・その路線に走ったら「天魔さん」には絶対に勝てないと断言できる。

また、劇中で「祓い師」という言葉が使われているが、ノベルで「祓い師」と書かれれば通じるが・・・「はらいし」というセリフは成立しない。「原石」という人名、病院が舞台だけに「原医師」にも通じてしまう。

少なくとも・・・。

「払い師がいたのだ」

「はらいし・・・って」

「お祓いする人だよ。拝み屋とか、祈祷師とかその類だ・・・クリスチャンならエクソシストだよ」

「ああ・・・」

このぐらいの説明は要すると考える。

また・・・この場合の「払い師」は「霊能力者」のニュアンスがあるので・・・「霊的な力」についても言及があってしかるべきだろう。

聞き間違えたら「なぜここにFUJIWARAの原西孝幸がからんでくるんだ・・・?」と誤解を招きかねないのである。

・・・それはお前の耳が遠いからだろうがっ。

琉奈(夏帆)の「不思議な力」で急場をしのいだ研修医・朝陽。

ちなみに演じるのは大和田伸也と五大路子の息子で、大和田悠太の弟で、大和田獏と岡江久美子の甥で、大和田美帆の従弟である大和田健介(22)である。

そのお坊ちゃんな感じが病院の跡取り息子感だけは漂わせまくっていると言えよう。

「ごくせん」だとか「龍馬伝」など有名作品のチョイ役でキャリアを積んでココである。

夏帆の相手役として申し分ないのかどうかは・・・すごく微妙なんですけど。

一方の夏帆は「みんなエスパーだよ!」のおバカなヤンキー少女から一転、不気味ちゃんの眼鏡っ娘で芸域を広げているわけだが・・・もっと王道でいいんじゃないかとも思います。

朝陽は隈川病院旧病棟の秘密を探るべく、テレビ番組の三流ディレクター・斑目(鈴木一真とともに最上階の封印された部屋を探索する。

しかし、外観からそこにあるべき場所にはただ壁があるだけだった。

「扉なんて・・・ないじゃないか」

「でも・・・なんだか冷気を感じませんか」

「この壁だ・・・すごくひんやりしている」

「その壁に触れてはいけない」

振り返るとそこには朝陽の父親で隈川病院長の隈川圭太(春田純一)が立っていた。

「仕方ない・・・お前には話をしよう・・・しかし、部外者のあなたにはお引き取り願いたい」

斑目は不満を押し隠し、一時撤退を承諾するのだった。

朝陽の口を割らせるのは簡単だと考えたからである。

院長室の二人。

「この病院は明治時代(1868~1912)に宮守元吉(麿赤兒)が作ったのだ・・・それを弟子だった私の父が引き継いだのだ。父が生まれる前の明治時代に「ミツの祟り」と称される謎の伝染病が流行したらしい。お歯黒のように歯が黒くなり、上あごから黒い牙状突起が発生するという奇病だった。その感染源がキヌだった。今から五十年前、私が六歳の頃に・・・キヌの呪いが復活し・・・今のような怪奇現象が頻発した。その呪いを払うために祓い師がやってきた。祓い師は旧病棟の最上階にキヌを封印することに成功した。しかし・・・祓い師もまたキヌの呪いを受けてしまったのだ。霊力の強いものが呪いにかかるとその禍々しさは増幅されてしまうらい。そこで祓い師は感染の拡大を防ぐために・・・自ら命を絶ったのだ・・・まさに刺し違えだった・・・幼い私にとってそれは夢のような出来事だった」

「しかし・・・キヌは滅んではいなかったのですね」

「そうだ・・・尾神琉奈という霊力の強いナースの出現によって・・・キヌは封印を解くチャンスをつかんだようだ」

「・・・」

「だから・・・私は尾神くんにこの病院を去ってもらうことを懇願したのだ・・・尾神くんは同意してくれたよ・・・」

「なんですって・・・」

「お前が彼女に好意を持っているのは知っている・・・しかし、彼女のことは忘れるしかない。呪われた病院の後継者と霊力の強いナースの交際は相性的にいいとは言えないからだ」

「そんなあ・・・」

いつの間にか、琉奈(夏帆)の虜になっていた朝陽はあわてて、彼女の部屋を訪ねるのだった。

旅立ちの準備をしていた琉奈は血相を変えてやってきた朝陽に戸惑う。

「どうしたのですか・・・」

「いかないでくれ」

「しかし・・・私がいると・・・キヌが暴れるのです」

「でも・・・君がいなくなったら・・・僕がダメになっちゃうんだよ」

「先生・・・」

「朝陽って呼んでくれよお」

「あ・・・朝陽・・・」

辛抱たまらず・・・朝陽は琉奈の唇を貪りだすのだった。

どう考えても処女の琉奈だが・・・激しく応ずるのだった。

夏帆・・・そこは役作りとしてどうなんだ。

しかし・・・不意にキスを止める朝陽。

その後の展開から・・・朝陽の舌が琉奈の口腔内に何か異物を探り当てた可能性がある。

突然、態度を変えた朝陽は「ごめん・・・病院に戻らないと・・・」と言い残し、いろいろな意味で覚悟を決めかかった琉奈を置き去りにして去って行くのだった。

どうしていいのか途方に暮れた琉奈は父親を頼るのだった。

琉奈の母の残したお守りによってナース鈴木(川上ジュリア)に憑依したキヌは祓われたが・・・病院の怪異現象は収まる気配を見せなかった。

ナース間米(島崎亜美)は「階段の天井にジャージ来た男子が立ってます」と震え、ナース常磐(野口聖古)は「患者さんが黒人の幽霊に噛まれたと言ってます」と告げ、ナース佐々木(伊波麻央)は「病室でベッドやイスが勝手に動くんです」と叫ぶ。

主任ナース木藤(森脇英理子)の元へはナース鈴木から電話が入る。

「私・・・思い出しました・・・旧病棟の最上階の奥の部屋に黒い歯の怪物がいて・・・私、噛まれたんです・・・そして・・・尾神さんに助けてもらった時、私、尾神さんを噛んでしまった・・・」

「なによ・・・それ・・・噛まれたら感染するの・・・そんな狂犬病みたいな・・・」

怯えるナースたち。

「みんな・・・しっかりして・・・私たちの相手は死人じゃなくて・・・生きている患者さんなのよ・・・オバケがこわくてナースの仕事が務まると思って・・・」

一番こわがっているのは木藤主任なのである。

そこへ・・・初老の男性患者がやってくる。

「エレベーターで・・・女子高生(田中明)に噛まれた・・・ああ、驚いた・・・嘘じゃないよ・・・歯形がくっきり残ってる」

気絶しそうなのを必死にこらえる木藤主任だった。

琉奈は父親の辰夫(嶋田久作)と邂逅した。

「どうやら・・・その時が来たようだ」

「その時って・・・」

「母さんは・・・お前を普通の娘に育てろと私に頼んだのだが・・・血は争えないものだ」

「・・・」

「母さんは一流の祓い師だったのだ。そして・・・お前の幼い頃に・・・魔物との戦いに敗れて死んだんだよ」

「そんな・・・」

「お前のお守りは・・・母さんが丹精込めて作った祓い道具なのだ」

「うそ・・・」

「ちょうど・・・お父さんの右肩に貞子のような邪霊が憑依(とりつ)いている・・・お前なら見えるだろう・・・」

「見える・・・見えるよ、お父さん」

「さあ・・・そのお守りで祓ってくれ」

「・・・」

簡単に祓われる貞子のような邪霊。

「できた・・・できたよ・・・お父さん」

「お前も・・・今日から祓い師だ・・・お祓いナースとして生きていきなさい・・・一応、母さんの形見の祓い師衣装もあるしね」

「・・・」

「行け・・・お祓いナース琉奈・・・可及的速やかに悪霊を退治するのだ」

「帝都・・・物語みたい・・・」

「我を崇めよ・・・とは言わないよ・・・とにかく・・・衣装きてみなさい・・・父さん、結構楽しみなんだ」

急展開である。・・・っていうか、もはやなんか違うドラマになっちゃってますけれどーーーっ。

関連するキッドのブログ→第7話のレビュー

シナリオに沿ったレビューをお望みの方はコチラへ→くう様の悪霊病棟

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