勝たなければ意味がないリーガルハイ(堺雅人)海物語の向こうにもう一人いる(新垣結衣)
見える・・・私には見える青酸化合物を横流したツチヤ(中尾明慶)のパチンコ台の裏でストーブ(小池徹平)が「海物語」を打っている姿が・・・。
どんだけ「ドラゴン桜」が好きなんだよっ。
そして・・・どうしても「あまちゃん」なのか。
忘れようぜ・・・「リーガルハイ」が始ったんだから・・・。
それにしてもいきなり「一人殺して死刑ネタ」である。
さらに冒頭は元カレになんだかんだ流出されたアイドルの話なのである。
千葉大生殺害事件(2009年)で東京高裁では村瀬均裁判長が一審死刑判決を破棄し、無期懲役を言い渡して殺害された荻野友花里さんの母親に「司法への期待を裏切られた。1人殺害だから死刑を回避するとはよく言えたものだ」と言わしめた翌日である。
もちろん・・・このドラマは冤罪もリスクのうちで死刑絶対賛成派のキッドとは違い死刑に対しては灰色の態度を示すのだが・・・それどころか・・・殺人者の罪を帳消しにする勢いである。
しかし・・・主人公が検事ならば「無罪だろうとなんだろうと絶対に死刑台に送りこむ」タイプなので一同爆笑なのである。
とりあえず・・・「人を殺したら死刑」という感覚のない人間は人でなしだと考える。
だから・・・東京都三鷹市の自宅前で高三女子・・・不慮の死を遂げた若き女優・鈴木沙彩様(映画「冷たい部屋」ドラマ「浅見光彦シリーズ44 砂冥宮」など)のご冥福をお祈りします・・・を殺害した男には何が何でも死刑になってもらいたいと考える。
素晴らしいインターネットの世界では死者を辱める闇の供養が延々と行われているのだが・・・天罰が下ればいいと思うよ・・・それが悪魔の言うセリフか。
ま、すべては妄想ビームのなせる業なのだな。タイムリーすぎるのは一種のミラクルなんだな。
そういうわけで・・・とにかく・・・「リーガルハイ万歳」は三唱しておきたい。
で、『リーガルハイ(第二期)・第1回』(フジテレビ20131009PM10~)脚本・古沢良太、演出・石川淳一を見た。公式ホームページを見ると・・・安藤貴和(小雪)はレギュラーであることが分かる。だから・・・この裁判は長引くのである。つまり・・・一話完結の縦軸と・・・安藤貴和を被告とする「運輸会社社長殺人事件&社長令嬢殺人未遂事件」の横軸が交錯する構成が予感されるのである。「裁判で絶対負けない男」古美門研介(堺雅人)が二審とは言えいきなり敗訴の展開も・・・最高裁を残している以上・・・絶対逆転があるわけだ。キーポイントは・・・事件後意識不明の被害者の娘が握っていると思われる。とにかく・・・古美門が・・・貴和の高速回転三所攻めを堪能し昇天する日を楽しみに・・・秋ドラマは恙なく進行して行くのだった。
彼氏とやりまくりアイドル南風るんるん(小島藤子)を処女と信じていたファンによる損害賠償を求めた集団訴訟!
「♪ごはんつぶがついているよと顔を近づけ
どさくさにまぎれて君
くちびるを奪った~
全部妄想だけど~
・・・って彼氏いない歴22年を装って、ファンの心に忍び寄り、金を強奪しておきながら、その実、盗んだバイクで走り回るような年中ジャージの彼氏と国道沿いのモーテルでくんずほぐれつ48手にあのてこのての快楽三昧、くわえてはならないものをくわえ、にぎってはならないものをにぎる赤裸々な日々を画像・動画で素晴らしいインターネットの世界に晒されて純情可憐なファンの心を殺傷したその罪は万死に値すると言えます」
たたみかける古美門を制するパートナーの古美門法律事務所・黛真知子(新垣結衣)だった。
「先生・・・それは言い過ぎです」
そこで古美門がバトンタッチするのは黛ではなく・・・弁護士職務経験中の検察官・羽生晴樹(岡田将生)だった。
「昔・・・アラブを旅した時に・・・現地の人にこういう言葉を教わりました。
水は油ではない。しかし、水は燃えないが飲むことができる。そして、油は燃えるが飲むことはできない。
意味はよくわかりませんが・・・なんだか心に響く言葉でした。
私は思うのです。愛に溺れるあなたも本当のあなただし・・・アイドルのあなたも本当のあなただ・・・。あなたの愛はけして妄想じゃない。あなたの愛の妄想ビームは確かに私の心を撃ち抜きましたから・・・」
何を言っているのかよくわからない羽生だが南風るんるんのファンクラブ会員だったらしい・・・しかし、その微笑みは・・・邪なアイドルの真心を呼び覚ますのだった。
「全額賠償に応じます・・・」
天使に戻ったアイドルに原告のファンたちは歓喜に震えるのだ。
とにかく・・・またしても勝利した古美門は連勝記録を更新し、多額の成功報酬を手に入れるのだった。
おなじみのスーパー執事の服部(里見浩太朗)の準備した祝勝会で・・・すっかり・・・古美門法律事務所の一員として馴染む羽生。彼は「天性の人誑し」なのである。古美門は黛を追い出しても羽生を弁護士として事務所に迎えたい意向である。しかし、羽生は検察官に戻る事を告げる。
黛の胸には甘酸っぱいざわめきが宿り、古美門は別れがつらくて涙をこらえきれないのだった。
とにかく・・・羽生はどこか人間離れしているのだ。
しかし・・・検察に戻った羽生を待ちかまえるのは・・・周囲に冷気を発生させる冷凍人間・醍醐実(松平健)主任検事だった。もはや・・・ウルトラマンとか仮面ライダーの世界がそこまで来ているらしい。
そして・・・異常に幽かな声でしゃべる黒ずくめの女性検事・本田ジェーン(黒木華)・・・。暗黒の朝ドラマ「純と愛」の邪なホテル従業員・田辺千香である。
すでに・・・魔界と化した検事トリオの誕生である。
魔性の女・安藤貴和の弁護を引受ける!
運輸会社社長と、その娘の殺害、殺害未遂容疑で一審死刑を宣告された安藤貴和は控訴し、二審が進行中だった。
しかし、弁護人である三木長一郎(生瀬勝久)事務所所属のベテラン弁護士・磯貝邦光(古舘寛治)は無罪を勝ち取るのは不可能と考え、その任を古美門に譲るのだった。
ライバルの古美門に案件を渡すことに複雑な感情を抱く三木。
しかし、自分が担当しても敗訴は濃厚であり、まして無能の極みである部下の井手(矢野聖人)にはまかせられない。
秘書の沢地君江(小池栄子)は「古美門先生にも無罪は勝ち取れないのでは・・・」と言われ・・・それも一興と思いなおす三木は・・・担当検事の・・・余命三十五年で肺に穴があいている冷凍検事・醍醐に協力を申し出る。
しかし・・・アイスミルクティーを奨めながら・・・醍醐は三木を拒絶するのだった。
そこには暴れん坊将軍のような自信が見え隠れする・・・。
なぜなら・・・絶対的証拠として・・・殺害に使われた毒薬の壜からは被告人の指紋が・・・そして被告人の部屋からは・・・同成分の毒薬が発見されていたのである。
弁護士として魔性の女・・・安藤貴和に接見する古美門と黛。
貴和には2度の離婚歴があり、元夫たちの不審死から保険金目当ての疑惑も持たれている。しかし・・・そのことで「一人しか殺していないのに死刑は逆に不当だ」と考える黛は情状酌量による減刑を提案する。
しかし、安藤貴和は黛の提案を鼻で笑うのだった。
「絶対に負けない弁護士ってその程度なの?」
「無罪になりたかったら二億円だ・・・」と古美門。
「そんなお金ないわよ・・・」
「出所したら・・・また誰かに貢がせればいい・・・」
「じゃあ・・・あなたに貢いでもらうってのはどうかしら」
「なに・・・」
「私もずっと拘置所生活で・・・たまってるのよ・・・凄いことしてみたくない・・・」
「凄いの・・・?」
「凄いわよ」
「わかった・・・必ず無罪を勝ち取ってみせる・・・救いを求める人がいれば手を差し伸べずにはいられないからな」
「先生・・・」と口をとがらせる黛。
「なんだ・・・また文句があるのか・・・」
「いえ・・・」
依頼者が否認している以上・・・その主張に沿うのが弁護士。
黛も少し・・・成長したらしい。
こうして・・・鬼畜でビッチな殺人犯の無罪を勝ち取るために裁判に挑む二人なのだった。
物的証拠なんてないさ、指紋なんて捏造さ!
服部の美味しいディナーを食べながらどうしても言いたいことがある黛。
「命が惜しければ金を払えなんて・・・脅迫じゃないですか」
「人命は金儲けの道具だ・・・何が悪い」
「とにかく、今回は証拠が揃いすぎてます。無罪は無理ですから減刑の方向で行きましょう」
古美門はテーブルから北三陸産のうにを取りあげて叫ぶのだった。
「もういい加減このくだり飽きたぞっ。あまちゃんだってひと夏越えたらうにをとりはじめるんだ・・・いい加減覚えたまえ・・・私が無罪と言ったら無罪・・・疑問の余地はない」
羽生が在籍するのをいいことに敵情視察に乗り込む古美門と黛。
魔神の巣窟ではなかった検察庁では冷凍人間、震え女、人誑しの三妖怪が待ち構えている。
「ショッカーの本部かっ」
「クーラー効き過ぎですかっ」
「部屋の日当たりが悪いものですから」
「ミルクティーでも・・・いかがですか」
「ありがたい・・・ぶほっ」
「お口にあいませんでしたか」
「なぜ・・・カップにアイスミルクティーを・・・」
「今年は秋でも猛暑日が続く異常気象ですから・・・」
「この異常気象もあんたたちの仕業じゃないのかとさえ・・・思えてきました」
「で・・・ご用件は」
「死刑求刑の根拠について・・・もう一度、争点を整理したいと思いまして」
「被告人は結婚詐欺の常習犯とも考えられます。本件についても充分な証拠があり、犯人であることは避けられないのに・・・本人にはまったく反省の色がないのです。残念ながら極刑しかないものと結論しました」
「充分な証拠とおっしゃいましたが・・・物証は現場に都合よく残された毒薬の壜についた被告の指紋と・・・被告の自宅から押収された犯行に使われたものと同様の毒薬だけですよね」
「これ以上ない証拠だと思いますが・・・」
「確たる証拠だと」
「確たる証拠です」
「指紋など簡単に制作できる時代。刑事など簡単に買収できる時代に・・・確たるものなどあるでしょうか」
「これはお戯れを・・・。刑事組織を信頼しなければ司法制度は成り立ちませんよ・・・古美門先生」
「しかし・・・間違いというのは常に発生するものですからねえ・・・それにしてもこの部屋は寒すぎる」
「滅菌ですよ」
「はっ?」
「この世は有害な細菌で満ち溢れているのです。高温多湿は黴菌の思うつぼだ。人間たるもの常に低温を目指し、きたるべきバイオ・ハザードに備えるべきなのです。菌の繁殖を許さない氷点下の世界が私の理想です」
「人間が凍え死ぬわっ」
「見解の相違ですな・・・しかし・・・世界は除菌に向かって進んでいるのですぞ」
「そんな無菌社会で品性下劣な輩が気温なきインターネット上に陰湿に繁殖する・・・不気味だとは思いませんか」
「さあ・・・下々のことはわかりまねますな」
「急に将軍様かっ・・・」
零下の世界・東京高等検察庁を脱出した古美門と黛は闘志を燃やして暖をとるのだった。
暖かい鍋を用意して待つ服部だった。
古美門は最後の手段として草の者であるイケメン忍者・加賀蘭丸(田口淳之介)を呼び出すのだった。
早速、警備万全で不審者の侵入は不可能と噂される被告が居住していた高級マンションに侵入する蘭丸だった。忍者に忍びこめない建造物などこの世には存在しないのだ。
そして・・・再開される法廷での審理。
冷凍人間はたちまち、裁判所を冷気で包むのだった。
「部屋が寒いんじゃなくて・・・あいつが寒いんじゃないか」
「ラゴラスかっ・・・」
「ペギラとかバルゴンとかギガスとかのメジャーどころでたとえたまえっ」
「古っ」
「じゃ、マーゴドン」
「まだ・・・ウルトラマン80ですよ」
「ペギラとかギガスとかは新シリーズで再登場しているから子供だって知ってるんだよっ」
「一理あります」
「もう・・・開廷していいかな」と裁判長は言った。
「被告人の自宅から押収された毒物ですが・・・犯行の証拠を自宅に保管しておくのは不自然ではないのですか・・・第三者が持ち込んだ可能性があるのでは・・・」
「被告人の自宅は厳重なオートロックでありセキュリティーは万全ですので第三者の侵入は困難かと思われます」
そこで呼び出される証人たち。
彼らは被告と同じマンションの住人たちだった。
「ご自宅に見慣れない物があったら持ってきてほしいとお願いしたのですが持ってきてくださいましたか?」
「はい・・・これです」
それは・・・毒薬の入った小壜だった。
「それは何でしょう?」
「分かりません。本棚の中にありましたが覚えがない」
次々と見知らぬ小壜が部屋に置かれていたと証言する住人たち。
「いったい、どこの誰がこのようないたずらをしたんでしょう?・・・しかし、問題なのはそこではありません。当マンションのセキュリティーは決して厳重なものではなく何者かがこのようなものを簡単に持ち込むことができてしまうということです。第三者が毒薬を持ち込むことが不可能だなんて・・・幻想にすぎないのです」
どよめく傍聴人たち。
「しかし、犯行現場に残された毒物の容器からは・・・被告の指紋が発見されているのです。動かぬ証拠です」
「被告人に話を聞いたところ警察の取り調べの中で毒物を見せられ半ば強引に容器を持たされたそうです。この指紋は・・・そのときに付着した指紋かもしれません」
「取調においてそんな事実はありません」
「指紋の人さし指に線みたいなものがありますね」
「線・・・ああ、ちょっとした切り傷か何かでしょう」
「供述調書のここが汚れてます」
「はあ・・・コピー機のインクの汚れでしょう」
「原本を調べてもらったところ・・・血でした」
「血?」
「調書にサインをしようとして触れたとき紙の端で人さし指を切ってしまったそうです。あれは痛いですよね。もう死ぬんじゃないかと思いますよね」
「・・・」
古美門と黛はかわいいポーズでダンスを踊りながらもう一度拡大された指紋の写真を覗きこむのだった。
「あれあれあれあれれ~。この人さし指の傷は調書の端で切ったときにできたものだ。調書は取調室で書くわけですからそれ以降に付着した血液ということになります。つまり、この指紋はその後・・・取り調べで容器を強引に握らされたときに付着したものにほかならないということになります・・・つまり、警察による証拠の捏造の証拠です」
大きくどよめく傍聴人たち。
「ああ・・・なんということでしょう。このようなでっちあげによって被告人は一審において死刑判決を受けたのです~。だが、しかし、今、証明されたことは容器に彼女の指紋はなく、しかも彼女の自宅には誰もが毒物を簡単に持ち込むことができる・・・ということが明らかとなったのです。つまり、物証なんてありゃしないのです。ああ、それなのに、それなのに~・・・何をもって毒物が彼女の物だと言うのでしょうか。何をもって・・・彼女が殺人犯だと言うのでしょう。何をもって・・・彼女を世紀の悪女と言うんでしょう。何もない。何もありゃしないんです。警察も マスコミも日本中の誰もが彼女が犯人だと決め付けていました。初めから用意された結論に向けて証拠が積み上げられていたんです!・・・こんなに恐ろしいことが21世紀になってもこの国にはまだあるのでしょうか。まるで気に入らない奴を集団レイプする小学生と同じだ。彼女・・・安藤貴和が犯した罪が仮にあるとするならばそれはただ一つ。マスメディアの作りあげた憶測による幻想によってなぜか世間に嫌われたことです。この国では世間様に嫌われたら有罪なんです。クラスでいじめられる小学生のように教科書に落書きされちゃうんです。この国は法治国家でもなければ先進国でもない。魔女を火あぶりにして喜んでいる中世の暗黒時代の如き小学校そのものだ!よく考えてください。われわれは何度、恐ろしい冤罪の悲劇を生んできたのか。何度、同じ間違いを繰り返せば気が済むのか。冤罪の被害に遭い、人生を奪われた人に何度頭を下げれば罪の深さを理解できるのか。いつになったら悔い改めるのでしょうか。それは今です・・・今なら・・・恐ろしい罪を犯さないですむ。まだ・・・引き返せます!・・・以上」
冷凍人間の血圧が一度上昇し、法廷の温度は急激に上昇する。
「いかん・・・汚染が加速する・・・」
あわてふためき・・・検察官トリオは法廷から撤収するのだった。
ワカメちゃん、確率変動リーチをするが高速回転三所攻めに心を奪われ過ぎる極度の横分け!
例によって勝負を確信する古美門。
しかし・・・魔性の女の魅力は古美門の明晰な頭脳にも悪影響を及ぼすのだった。
魔性の女と接見した古美門はご褒美として約束された「高速回転三所攻め」に心を奪われ、少しだけ色ボケしてしまうのだった。よくあることである。
一方、さらに勝利を決定的にしようと黛は毒物の入手ルートを検証するのだった。
そして・・・聞きこみによって毒物を扱う工場の元従業員・ツチヤにたどり着くのだった。
言葉を濁して立ち去ろうとするツチヤを「海物語」の確変リーチで釣りあげる天才ギャンブラー・黛だった。
「あなた・・・東大に行ったんじゃ・・・」
「行ったよ・・・で、薬品会社に勤めて・・・女で失敗して・・・気がつけばブルカラーさ・・・なんくるないさ~」
「同級生のよしみで・・・教えてちょうだい・・・情報源は必ず守るから」
「売ったよ・・・ネットでさ・・・一回だけだよ」
「相手は・・・」
「安藤貴和だよ」
「え・・・」
被告に不利な証言を引き当ててしまう弁護士・黛だった。よくあることである。
いつもなら・・・悩む黛を放置して・・・証人そのものを隔離してしまう古美門だが・・・恐ろしい「高速回転三所攻め」の魔力が古美門にうっかりミスをさせてしまうのだ。隔離もしくは隠滅すべき証人を放置してしまうのである。
たちまち・・・逆転する形勢である。
検察側は検察側証人としてツチヤを召喚し・・・安藤貴和が毒物を購入したことを証言させるのである。
「あなたが・・・安藤貴和に売ったという証拠はあるのですか・・・」
「何度かメールで連絡したり・・・意気投合して国道沿いのモーテルにも一度行って・・・エッチな画像も・・・」
「あなたには石野まこと石野陽子の区別がつかないのでは」
「裏番組のダンダリンで松坂桃李の母親役が石野真子、赤い糸の女で三倉茉奈の母親役がいしのようこです」
「う・・・」
証人隔離をしなかったうかつさに動揺した古美門は黛にやつあたりして解雇するのだった。よくあることである。
植物になりそこねた彼、一人にはなれない彼女!
新たな証拠の登場にうろたえる被告。
「なんなのよ、あなたそれでも世界最強なの?・・・私を死刑にする気なの?」
しかし、被告人質問によって逆転を約束する古美門である。
言葉の魔術師に不可能はないのである。
「君はただ・・・私の質問にすべてにいいえと答えるだけでいい。それで君は自由の身となり、私は1億円と高速回転三所攻めを享受する・・・」
一方で、黛は羽生検事を訪ねるのだった。
「どうして・・・あの証人を・・・発見できたの」
「最初から・・・警察と検察は彼を握っていたのさ・・・つまり隠し玉だ・・・いざと言う時の切り札として泳がせていたのだ・・・」
「・・・」
「実は・・・僕は検事を退官して・・・弁護士事務所を始めるつもりだ・・・よかったら・・・ウチにこないか・・・」
「やめて・・・私は・・・古美門弁護士のパートナーなんだから・・・そんなことできない」
明らかに・・・羽生の自宅に招かれたと勘違いした黛だった。
そして・・・被告人質問当日。
「・・・元工場作業員、土屋秀典があなたに青酸化合物を売ったと証言していますがホントにそうなんですか?」
「はい・・・」
「そうですよね・・・違いますよね・・・え・・・はい?」
「はい・・・」
何故か・・・青酸化合物購入を認める魔性の女だった。
予想外の被告人の裏切りに古美門の戦略は根底から覆るのだった。
「き・・・休廷を願います」
「何故ですか・・・」と裁判長。
「体調が思わしくないのです・・・」
「私は肺に穴があいているのに裁判は投げ出さない」と室温を下げる冷凍検事。
「・・・」
「質問がないのなら・・・続いて検察官」
「安藤貴和さんあなたは徳永光一郎氏と交際。総額1億円以上の金品を貢がせた。いつしかあなたは徳永氏との結婚を夢見るようになった。しかし徳永氏はこれを拒否し一方的に交際を終わらせた。そのことに怒り絶望し復讐を計画。土屋秀典より毒物を入手。2011年6月30日 あなたは徳永家の勝手口より侵入し鍋に用意してあったスープに毒物を混入。間違いないですね」
「はい」
「殺害しようと思って犯行に及んだんですか?」
「そりゃあ・・・そうじゃない?」
「何だこれは・・・何なんだこれは・・・これじゃ・・・神様だって勝てないじゃん」
判決。
「主文本件・・・控訴を棄却する」
つまり・・・東京高裁も死刑判決を支持したのである。
弁護士・古美門の敗北であった。
ショッカー本部。
「君は・・・死刑制度廃止派だったな・・・羽生くん」
「はい」
「私も被告人を極刑に処することは大変遺憾に思う。しかし、こつこつとばい菌を処理していくことが私たちの仕事です。これでまたこの国はほんの少し浄化されたのです」
「しかし・・・私はより高い理想を目指したいと思います」
「ほほう・・・それはなんだね」
「理想の世界を作ることです」
羽生は三木事務所の磯貝邦光、本田検事らとなにやら嘘臭い理想に燃えてNEXT INNOVATION的な新たな事務所を立ち上げるのだった。
「世界から勝負を消滅させる」それが羽生の理想だった。しかし、そのためには「古美門先生に勝利する必要」があるらしい・・・。
その頃、古美門は「人間やめます」の置き手紙を残して失踪していた。
街を捜す黛と服部と草の者・・・。
しかし、その頃、三木は温室で古美門を発見していた。
「何をしている・・・」
「植物になろうと思いまして・・・」
「そうか・・・俺は旅に出ることにした・・・だから・・・お前に黒星がついたことなど知らん・・・さっさと上告しろ・・・そして勝て・・・その頃、俺は帰ってくる・・・お前を地獄に叩き落とすためにな・・・」
「・・・」
そこへ帰宅する三人。
「先生」と呼びかける黛。
そして・・・暴行に次ぐ暴行である。
「え・・・ぐ・・・ちょっと・・・あ・・・うえ・・・ひど・・・ひでぶっ・・・膝が・・・腰が・・・背中が・・・痛・・・痛・・・嫌・・・やめてったら」
「私を一人にしないでください・・・一緒に戦ってください・・・私は裏切ったりしない。弁護士として依頼者が不利になる情報を売ったりしませんから。私はあの証拠を握りつぶしたんです・・・勝負はこれからでしょう・・・植物になったりしている暇なんかないんです」
「そんなことは・・・もう少し・・・戦力になる奴が言えよ」
しかし・・・黛は面会者記録を調べ上げていた。
「被告人質問の前日・・・吉永慶子という偽名を使った何者かが被告に面会しています・・・この女が・・・なんらかの鍵を持っていると考えられます」
「高速回転三所攻め」への道がまだ完全に閉ざされていないと知った古美門は再びいろいろな意味で立ち上がるのだった。
つづく!
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コメント
0.続篇にあたって一度古御門を「殺す」というのは支持。
1.マツケンのブラックジャックはすばらしかった。スピンオフっていうかブラックジャックとしてきちんと撮ってほしい(笑)。こんな似合う人がいたとは。
2.『純と愛』観て黒木華を知っていて良かった。いや『まほろ~』でもゲストで出ていたけど、こうやってステップアップしていくのを見ているのは楽しい。
3.小島藤子(19歳)が演じるアイドルはトウがたっている雰囲気が出ていてキャラとしては面白かった(~_~;。
投稿: 幻灯機 | 2013年10月12日 (土) 11時35分
0.どうしようもなく半沢直樹に汚染された俳優を一度焼却処分する必要があったわけですな。
1.ブラックジャック+ジェネラルルージュで「悪事を成敗する」病弱なので暴れない検事ですな。裁判官も変装したマツケンなんじゃないかとドキドキしましたぞ。
2.ふふふ・・・黒木華は華がないのに華なんですな。変身してもまったく華麗にならずに・・・むしろださくなっている感じがたまりませんなー。
3.小島藤子(19歳・・・12月16日に二十歳)は山田くんからここなのでよりトウがたっちゃった感じがしますな。脚本家がユイちゃんにうっとりだったことがよくわかりますな。それにしてもタイムリーだったのでございました。素晴らしいインターネットの世界は本当に恐ろしいですなあ・・・。「悪の教典」からは「都市伝説」に秋月成美も登場。松岡茉優、菅野莉央、藤井武美、山谷花純、伊藤沙莉なども続々登場してほしいものですな。
投稿: キッド | 2013年10月12日 (土) 15時54分
スカッとしますね~!!
いろいろ波紋があるため、死刑反対派を作る
すばらしい!!
かつて、豊悦の「くず」を思い出します!!
あの作品も好きでした(笑)
このぐらい、奇人変人に演じてくれているからこそ
楽しめます!本当に罪を憎んで人を憎まずなんて人
いると思っているのか?と問いたくなります。
教えていただいた「homeland」
すんごい濃密で楽しめました!!
ありがとうございました!!
投稿: ユキヒョウ | 2013年10月13日 (日) 10時21分
スカッとするのでございますよね~。
「死刑」という制度は
簡単には語ることができませんが・・・。
人間にとってすべてである「生命」を
奪ってしまった人間に
どう対処すべきか・・・。
人は永遠に問い続けることでしょう。
なにしろ・・・あの世と交信しない限り
被害者の気持ちは聞けませんからねえ。
被害者遺族の抱く「復讐心」を
第三者がとやかく・・・いっても
杉下右京くらい思いあがっていないと
説得力がないですからな。
だからこそ・・・永遠のテーマですな。
キッドは基本的に
「人を殺したら死刑」が当然だと考えています。
殺されたくなかったら殺しますし。
殺す場合は証拠が残らないようにします。
しかし、殺さずにすめば殺しません。
まあ、人、それぞれでございますからねえ。
とにかく・・・法廷において無敵であること・・・
その一点に曇りがない古美門先生は
爽快なのですな。
ふふふ・・・「homeland」のようなドラマは
日本ではまだまだ夢のまた夢ですねえ。
しかし・・・秋ドラマ始って消化が苦しくなっておりますぞ~。
投稿: キッド | 2013年10月14日 (月) 02時57分