六甲山~羽田空港アブダクション殺人事件を謎解く!(長澤まさみ)
「ヒル夫妻誘拐事件」は1961年に発生した米国における報道された最初のUFO誘拐事象として広く知られているノンフィクションである。
「べティ・アンド・バーニー・ヒル誘拐事件」とも言われ、ドラマ内の再現VTRで描かれるように当時は少数派だった白人女性ベティと黒人男性バーニーの夫婦が・・・ドライブ中のニューハンプシャー州グローブトンの南部でUFOを目撃後、記憶が混乱し、ニューハンプシャー州ポーツマスの自宅にいつの間にか戻っていた・・・という事件である。夫妻はピース空軍基地に電話をかけ、UFOとの遭遇を報告した。
その後、この事件は人々の関心を集め、真相をめぐって医師による催眠療法まで行われることになる。
様々な憶測が生じたが、もちろん未確認飛行物体に関わる事象である以上、真相は未だ未確認である。
バーニーは1969年に46歳で、ベティは2004年に85歳で逝去している。
二人のエピソードは「UFO事件」(1975年)、「ダークスカイ」(1996年)などでドラマ化されている。
で、『都市伝説の女・(第2シリーズ)第2回』(テレビ朝日201310181115~)脚本・後藤法子、演出・秋山純を見た。「クロコーチ」で渡部豪太が全身剃毛の殺人鬼を演じており、こちらでも大久保佳代子が全身剃毛で擬似宇宙人化をするのかと思ったがしなかった・・・誰が剃るかっ。ちなみにペルセウス座流星群の見ごろは夏休み(七月下旬~8月下旬)頃である。母天体は周期133年のスイフト・タットル彗星で1992年に近日点を通過している。よって次回の再接近は2126年。現在は地球から遠ざかっている途中である。まあ、相当に長生きしないと次のピークには遭遇できない・・・できるかっ。
六甲山の展望スポットで車を停め車中で流星群を観測していた岩崎沙知(酒井美紀)と裕二(金子賢)夫妻は流星に願い事をした直後、意識を失う。
翌朝、羽田空港付近の岸壁で意識不明で発見された夫妻。後部座席には刺殺死体が同乗していたのだった。
二人は混濁した意識の中で・・・「グレイ型宇宙人」と「バナナ」を見たと証言するのだった。
早速、警視庁非科学捜査班(UIU)に捜査命令が下るのだった。
「痴情のもつれだ」と断言する表の班長・丹内刑事(竹中直人)だったが・・・裏班長の月子(長澤まさみ)は「そんな事件は普通の刑事にまかせておけばいい」と即座に否定するのだった。
「これは・・・宇宙人のからんだ・・・誘拐殺人事件に決まっている」のだった。
車内の死体は沙知の友人・堀美加子(長澤奈央・・・忍風戦隊ハリケンジャーのハリケンブルー)で・・・芦屋の資産家の娘であり、実業家の龍太郎(近江谷太朗)の妻だった。
ハッカーの浜中彩乃(高月彩良)の堀夫妻マンションの監視カメラの分析で、夫のアリバイは一応成立する。
「クロコーチ」では科捜研の澤(香椎由宇)と清家刑事(剛力彩芽)のキス・シーンがサービスされるがこちらにはないのだった。・・・挿入するなよっ。
裕二と美加子の不倫疑惑が浮上し、岩崎夫妻の容疑が深まる。
しかし、月子は痴情のもつれ説を完全に否定する。
「羽田空港と六甲山には重大な共通点があります」
「なにっ」と身を乗り出す前シリーズですでに都市伝説に汚染されている柴山刑事(平山浩行)だった。
「どちらもUFOの観測名所なのです」
「ええっ」
「米国では・・・これによく似たヒル夫妻誘拐事件が発生しています」
「そうなのかっ」
「米国では大統領就任の後で宇宙人代表との秘密セレモニーが行われているという噂があります」
「そんなことが・・・」
「柴山っ」・・・思わず叫ぶ丹内だった。
しかし、警視庁鑑識課の勝浦洋人(溝端淳平)は不思議な状況を発見する。
「この車、新車で・・・走行距離が100キロ以下です」
「馬鹿な・・・神戸から東京まで500キロはあるぞ・・・」
もちろん、月子の頭の中では灰皿型UFOに車が吸引される光景が炸裂しているのだった。
しかし、「痴情のもつれ」を匂わせる美加子の東京の愛人・城戸(高木万平・・・獣拳戦隊ゲキレンジャーのゲキブルー・・・ちなみに双子の弟・心平は役非公認戦隊アキバレンジャー)の存在が浮上するのだった。ゲキブルーとハリケンブルーのみだらな関係なのである。
スポーツ・ジムのインストラクターである城戸を訪ねた月子は・・・美加子が離婚後に結婚するつもりだった城戸が興信所に依頼した調査結果を示される。
そこにはホテルから一緒に出てくる美加子と裕二の写真があった。
写真を突きつけられた裕二は「ホテルには行ったが何もしなかった」と証言し、沙知の心は揺れ動く。
お互いに相手が犯人ではないかと疑い始める夫妻だった。
「でも・・・あの夜のことは・・・本当に何も覚えていないんです」
「あの夜、何が起ったかは必ず解明しますから」
月子の頭には宇宙人にアブダクションされる岩崎夫妻のビジョンが閃いているのだった。
勝浦くんは月子のマンションに夜の捜査会議に出かけるが出迎えたのは月子の妹・音無都子(秋月成美)だった。いきなりガッカリの勝浦くんだった。
しかし、月子の生足サービスは堪能する勝浦くんだった。
例によって・・・自腹で神戸風な現地に出張する二人。
堀夫妻のマンションで被害者の夫・龍太郎に面会すると・・・勝浦くんは鑑識行動によって・・・たちまちヒントを発見するのだった。
とんぼ帰りで東京に戻った二人は羽田空港付近で夜の張りこみを展開する。
そして・・・月子は蛍光色を放つUFOを目撃するのだった。
例によってUFOに導かれた月子は「バナナ急便」のトラックを発見するのだった。
「バナナよ」
「バナナですね」
埠頭に集められた関係者一同。
「美加子さんは沙知さんにとってちょっと自慢の友達だった・・・しかし・・・ちょっと悪い友達でもあった・・・親友の新婚の夫にわざと手を出すような・・・美加子さんに誘惑された裕二さんは・・・沙知さんのためを考えて、美加子さんと距離を置くようにと沙知さんに告げるため、美加子さんを六甲山に呼び出していた。一方で美加子さんの夫は事業に失敗し、美加子さんからは離婚を切り出され、窮地に追い込まれていました。勝浦くんが龍太郎さんの多額の借金の督促状を発見してしまったのです。実は岩崎夫妻の身体からは長期間の酩酊・催眠状態を誘発する脱法ハーブの成分が発見されていました。龍太郎さんは先廻りして車内の岩崎夫妻に密やかにハーブを吸引させ、美加子さんを待ち伏せして刺殺。二人と死体を乗せた車ごとバナナ急便のトラックに乗せて羽田空港付近の埠頭に運び自身は始発の旅客機で自宅に戻り、監視カメラの死角を利用したアリバイ工作をしたのです」
「くそっ・・・」と驚愕する龍太郎。
「ヒル夫妻誘拐事件にヒントを得たあなたは酩酊状態の岩崎夫妻に荷台に装備したプロジェクターでその類の映画を見せたのです。トラックの持ち主、空港の監視カメラ・・・すべての証言や証拠はそろっています・・・都市伝説を利用した悪行三昧・・・けして許せません」
逮捕される龍太郎だった。
「かわいそう・・・美加子は・・・なんでも持っていたのに・・・いつも満足できない子だった・・・」と沙知。
「憎めない人だったんですね」と月子。
「ごめんなさい・・・あなたを疑ってしまって・・・」
「そりゃ・・・僕も同じさ・・・」
新婚夫婦はそっと寄り添うのだった。
「しかし・・・残念でしたね、月子さん・・・UFOが無関係で・・・」
「何言ってるの、勝浦くん・・・すべてを知っている宇宙人が私たちをバナナ急便のトラックに導いてくれたんじゃないの」
「・・・」
埠頭を風が渡るのだった。
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