真夜中の昼メロハクバノ王子サマの妹(優希美青)と不倫女教師(優香)
「あまちゃん」のGMT5小野寺薫子ちゃんでおなじみ、優希美青は第37回ホリプロタレントスカウトキャラバンのグランプリ受賞者である。
一方、優香はホリプロ初のグラビアアイドルだった。20世紀末のグラビアクイーンである。
女優としての代表作は・・・「続・平成夫婦茶碗」(2002年日本テレビ)のラーメン屋の女房・結城灯役である。
もちろん、これ以上なくイメージ通りの「新美味しんぼ」の栗田ゆう子や大河ドラマ「新選組!」の深雪太夫&お孝などもあるが・・・キッドが魅力を感じたのは金本満太郎(東山紀之)の後妻となる変な女・灯である。
どのくらい魅力的だったかといえば・・・夜中の志村けんのコントでずっとラーメン屋の女房を演じることになったほどなのである。
そういう意味では・・・優香はほぼ10年・・・伸び悩み続けた女優だと言うことが出来る。
だから・・・今回、主演女優シークレットという企画を発想した人間は馬鹿だと思う。
優香だとわかったところで・・・誰も「やった」と思わないからである。
いや・・・もちろん、優香をこよなく愛する皆さんは別だが・・・そういう人たちが知らないで初回を見逃したら可愛そうではないか。
そして・・・結構・・・「役」に不足している人間に出落ちさせてどうする。
・・・まあ、とにかく・・・ホリプロのかってのエースと期待の新人のコラボでしょうもないドラマをやるのだなあ。
ちなみに・・・「続・平成夫婦茶碗」の企画は「純と愛」で最近悪名高い遊川氏、脚本は「ごちそうさん」で今の処、朝からおえっとなる朝ドラマをやっている森下佳子である。人に歴史ありだな。
今、優香は「悪夢ちゃん」の平島琴葉がせっかくの当たり役である。そこを大事にしないとね。
で、『ハクバノ王子サマ 純愛適齢期・第1回』(日本テレビ201310032359~)原作・朔ユキ蔵、脚本・藤井清美、演出・熊坂出を見た。脚本家は最近では「黒の女教師」や「TAKE FIVE〜俺たちは愛を盗めるか〜」の複数脚本家の一人である。おそらく実力はそれなりにあるのだが・・・ようするにこなれてないのである。冒頭から主人公のモノローグが鬱陶しいことこの上ない。もちろん、演出や演技者にも問題はあるが・・・とにかくナレーションが邪魔なのである。三回、テレビに向かって「うるさいなあ」と叫びました。
実は原作の「ハクバの王子様」(ビッグコミックスピリッツ)は2005年~の作品なのである。そして、その発展系が「主に泣いてます」(モーニング)で2010年~の作品である。しかし、テレビ的には・・・逆になってしまって・・・優香のキャラクターが主に泣いてる感じになってるのが残念なのだった。
っていうか・・・基本的にこの物語の主人公は・・・娘盛りを「恋愛には興味がなくてセックスだけに興味がある」妻子ある男性との不倫で無駄に過ごし・・・それが自己責任だと思っていない痛い三十女なのであって・・・どちらかといえば嘲笑の対象なのである。
そういうバカな女の宿命的ないくつかの爆笑ポイントでしんみりとした演出されて・・・ものすごく気持ち悪かったぞ。まさか・・・コメディーじゃないと思って作ってんのか・・・。
たとえば・・・回想シーンの中で・・・かっての教え子を妻にしている教師・黒沢(中村俊介)が・・・かっての教え子で・・・母校に新任教師となって戻って来た原多香子(優香)に手を出して不倫関係になった後、愛人生活に疲れて図書館で・・・多香子が「うえーん」と泣き出したところ・・・もう・・・黒沢の心中は「うわあ・・・」なのであるが・・・淡々と多香子を優しく抱きしめるという・・・意味不明の展開なのである。
もう・・・「うわあ」となって必死に事態を収拾しようとする黒沢と・・・それにまったく気がつかず自己陶酔して「うおんうおん」と泣きじゃくる多香子で見せてくれないと笑えないじゃん。
おい・・・どうやら・・・笑いはねらってないみたいだぞ・・・えっ・・・そうなの・・・これ・・・マジでやっていくの・・・うそおおおおおっ。
それはそれとして・・・32歳となった多香子は漸く・・・不毛の関係を清算して・・・優香なのでちっとも困っているようには見えないが淋しい独身教師になったのだった。ただし・・・回想シーンの途中でやつれているというより衰えている感じのシーンはあります。そりゃ・・・そうだよ実年齢33歳なんだから。
そこへ・・・フレッシュな25歳の男性教師・小津晃太郎(三浦貴大)がやってくる。
一般企業に就職したが・・・競争社会が苦手で教職とりなおしたといういかにもダメ人間設定なのだが・・・多香子はときめいてしまうのだ。
「付き合っている女性を泣かせないのがたった一つの恋愛ルール」という小津の言葉にうっとりとしてしまったのである。
そして・・・小津も・・・友人の江川(新井浩文)に多香子のことが気になると漏らすのだ。
しかし・・・小津には・・・ロンドンに留学中の婚約者・カオリ(河北麻友子)がいるのだった。
つまり・・・小津もまた・・・誰が何と言おうと・・・恋愛には興味がなく、セックスに興味がある男なのである。
まあ・・・ほとんどの男はそうだという考え方もあります。
とにかく・・・小津に婚約者がいると知って燃えあがった妄想上の恋の炎に焼かれ、アンパンマンの歌を狂ったように熱唱する多香子・・・どう考えても爆笑シーンだが・・・しんみりと演出されます。
そこに・・・なんとなく・・・小津と多香子の交流に刺激されて・・・欲望に火がつく・・・黒沢なのである。
そして・・・とりあえず身体の火照りを鎮めるために・・・黒沢の誘いを受け・・・再び不毛地帯に足を踏み入れる多香子なのだった・・・。まあ、よくある話ですな。
そして・・・何故か・・・小津の妹で多香子の教え子である・・・16歳の琴美(優希美青)は不倫車両を自転車で追跡。
二人が・・・多香子のマンションにしけこむのを確認するのだった。
昼メロの枠がないからって・・・夜中にやられてもなあ・・・という話である。
まあ・・・来週、テレビの限界に挑むハードなラブ・シーンが・・・展開しないよ、きっと。
さて・・・木曜日は「独身貴族」や「夫のカノジョ」など「恋愛曜日」なのである。「あさきゆめみし」まであるからな。少なくとも「ハクバ」越えはすると思うが・・・ひょっとして「彼岸島」行き・・・。
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